第2話

馬鹿
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2023/09/12 18:59 更新
※成長if&捏造
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……
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……
……喫茶店で中高生くらいの少女が2人、向かい合わせに座っている
しかし年頃の少女らしい会話はなく、ただお互い既に頼んであった紅茶の水面を眺めながら沈黙しているだけだ
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……あのさ
1人の少女が沈黙を破る
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……なんで



ヒカル
なんで、あたしを呼んだの?
沈黙を破った少女、「ヒカル」は綺麗な青色をしたハーフアップを少し揺らしながら向かいの席にいる少女に問う


どうやら呼んだのは向かいの少女のようだ
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……
ライム
なんで、とは?
向かいの少女「ライム」は質問を質問で返す
白黒のロング、左右にあるお団子、そして黄緑色の袴は少し印象深い
ヒカル
いやいや、だってライムは次期当主でしょ?
ヒカル
あたしと喫茶店で会う時間なんてあるの?
ヒカルは思ったことを素直に話す
その言葉にライムは少しため息を漏らした
ライム
はぁ……わたしだって休息の時間くらいはありますよ
ライム
確かにスケジュールは多いですが、そんな詰め詰めって程では無いので
ヒカル
そ、そうなんだ……なんかごめん
ライム
別に。
謝るヒカルを他所にライムは紅茶を1口
ヒカルはそういえばという風に話し始めた
ヒカル
ていうか、ライムって変わったよね
その一言で、ライムの眉がピクっと動く
ライム
……変わった?
ヒカル
うん、だって保育園の頃はもうおてんばー!!って感じだったのに
ヒカル
今やこんなおとしやかなお嬢様だよ?
ヒカルはまたまた素直にそう言う
ライム
……それを言うなら"おしとやか"です
別に、わたしはそんなんじゃないですよ
ヒカル
いやいや、だって保育園の頃とは想像もつかないくらい頭良くなってるし!
ヒカル
うちのクラス一時期ライムの話題で持ち切りだったんだよ?
ライム
……
ヒカルの言葉を静かに聞き終えたあと、ライムは口を開く
ライム
……ヒカルさんは、馬鹿になりましたよね
そしてこのような言葉をヒカルに送った
ヒカル
え!?酷!?
ヒカルは結構ショックを受ける。面と向かって悪口を言われたことが少ないのだろう
ヒカル
べ……別にそんな馬鹿じゃないし!テストもまぁまぁ出し、偏差値だってそれなりに……
ヒカルが必死に弁解をしている中、ライムはそれを遮るようにこう言う
ライム
そうですか、じゃあヒカルさん……


















ライム
……「マリアさん」という方を知っていますか?
ヒカル
……え?
ヒカル
そ、そんなの……
ヒカル
そんなの……




ヒカル
誰だっけ?その……マリア?って人
……「マリア」それは誰かの名前だった
だが、ヒカルはもうそれを思い出せない
ライム
……そうですか
ライム
やっぱりヒカルさんは馬鹿ですね
ヒカル
えぇ!?何!?今の心理テストか何かだったの!?
ライムside
……やはり、この人は馬鹿だ
かつてお互いを大切にし合った、その最愛の人を
忘れるなんて大馬鹿者にも程がある
……でも
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……ラ……ム……ん
ライム
……
ライム
すみません、私も馬鹿でした
ヒカル
え?ライムは流石に馬鹿じゃないでしょ
ライム
いいえ、ヒカルさんと同じ大馬鹿者です
ヒカル
え?知らないうちにグレードアップしてた?
漫画にしたかったヤツ
画力なかったので小説になりました

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