コナミデジタルエンタテインメントは9月8日、「遊戯王カードゲーム」の世界大会のYouTube配信で試行した、AI日本語音声による実況トライアル動画2本を削除した。
利用したAIモデルに、人気声優・山村響(やまむら ひびく)さんの音声を本人に無断で学習・再現した疑いがあるため。「当社はすべてのクリエイターに敬意を払っており、状況について調査を始める」としている。
削除したのは、8月29日にフランス・パリで実施した「Yu-Gi-Oh! World Championship マスターデュエルの部」のAI実況動画のうち2本。
AI実況は各国語で配信。日本語版では、商用利用が可能なオープンソース音声合成システム「Aivis Project」の標準モデル「Anneli」を使っていた。
山村さんは6日、「自分の声が無断で生成AIナレーションとして使用されている動画を見つけてしまいました」「悔しいし、悲しいし、複雑な気持ちになってしまいました」などとXに投稿。事務所に対応を求めていると明かしていた。動画の内容や製品名は明かしていなかった。
これを受けて8日、「Anneli」のモデルを作った個人が、AIコミュニティ「Hugging Face」で、「Anneliは山村響さんの声を元にしている」と打ち明けてSNSで話題になった。
Aivis Projectを運営しているWalkers社(開発元のJPChainから5月に事業授受)は8日、Aivis Projectのモデルを共有するサイト「AivisHub」を閉鎖。「事実確認が取れるまで無期限閉鎖する」としている。
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