ミセス 大森元貴は“帰る場所”があるからこそ挑戦できる 誕生日直前、個人でも飛躍した28歳を振り返る

 Mrs. GREEN APPLEの大森元貴(Vo/Gt)が、9月14日に29歳の誕生日を迎える。

 昨年末の『第66回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)での2年連続大賞受賞、Billboard JAPANやオリコンの2025年上半期チャートの席巻、デビュー10周年など、この1年を振り返ると大きなトピックが相次いだMrs. GREEN APPLE。一方で、大森個人にとっても飛躍の1年だったのではないかと思う。

 たとえば、約4年ぶりに始動したソロ活動。大森は、今年5月にデジタルシングル『絵画』をリリースした。彼曰くソロ活動は“おでかけ”のようなものだといい、「ふらっとどこかに立ち寄ることもあれば、どこか遠くへ旅したくなる。それは同時に、絶対的な帰る場所があるからこそ思えること」(※1)とリリース時にコメントしていた。内省的で、切実な願いが綴られた表題曲「絵画」は、彼のなかから自然とこぼれ落ちて生まれたような曲に感じる。そうした自由な曲作りができるのも、“Mrs. GREEN APPLE”という帰る場所があってこそなのだろう。

Motoki Ohmori – 「絵画」Official MV

 大森といえば、「私は最強(ウタ from ONE PIECE FILM RED)」(Ado)、「レナセールセレナーデ」(ももいろクローバーZ)といった楽曲提供もたびたび行ってきた。そして、今年2月にNiziUがリリースした1stミニアルバム『AWAKE』の収録曲「AlwayS」では、作詞/作曲/プロデュースを担当。昨年開催の音楽イベント『The Performance』で対バンライブをしたことが、楽曲提供のきっかけになったという。

 そんな「AlwayS」をNiziUが『THE FIRST TAKE』で歌唱した際に、大森がゲストで出演したことも印象深い。ほかにも彼は、『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)での特別企画でSAKURA(LE SSERAFIM)とともに映画『塔の上のラプンツェル』の劇中歌「輝く未来」を歌唱したり、昨年12月16日放送の『CDTVライブ!ライブ!』クリスマスSP(TBS系)にて自身のルーツとも称しているAqua Timezと「決意の朝に」をパフォーマンスしたりと、ほかのアーティストとコラボを果たす機会も数々あった。

NiziU - AlwayS with Motoki Ohmori (from Mrs. GREEN APPLE) / THE FIRST TAKE

 こうした音楽家としての活躍に加え、映画やドラマへの出演も注目を集めた。4月に公開された映画『#真相をお話しします』は、映画初出演にして初主演。大森は、ともにW主演を務めた菊池風磨(timelesz)演じる警備員・桐山と一緒に、生配信暴露チャンネルを見届ける謎の男・鈴木という役を演じた。ストーリーが進むにつれて、鈴木の正体は徐々に明らかになる。その過程で、悲哀、憎悪、怒りといったひとつでは表しきれない複雑な感情を爆発させるような大森の演技は、胸に迫るものがあった。本編終了後に流れる、Mrs. GREEN APPLEによる主題歌「天国」が作品の余韻を高めていたのも印象的である。

『#真相をお話しします』予告【4月25日(金)公開】

 さらに、現在放送中の連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合)では、作曲家のいずみたくをモデルとした、いせたくや役で出演中だ。インタビューで、「まさか自分が朝ドラに出るなんて想像もしていなかった」「音楽をやっている者として、少しでも力になれたらという思いで関わらせていただきました」(※2)と心境を語っていた大森。先述の『#真相をお話しします』こそシリアスなシーンも多かったが、本作ではコミカルな掛け合い、歌唱や楽器演奏といったアーティスト活動に繋がるシーンも見られる。ナチュラルな演技に、あらためて大森の多才ぶりを感じた人も少なくないだろう。

 Mrs. GREEN APPLEとしてさらなる飛躍を遂げた日々。そして、大森個人としても、さまざまな顔を見せてくれた1年だった。そんな大森だからこそ、今後もさらなる輝きを放ちながら私たちを楽しませてくれることだろう。まもなく29歳を迎える彼の歩む道が楽しみだ。

※1:https://x.com/MotokiOhmoriMGA/status/1923370942467903714
※2:https://www.nhk.jp/p/anpan/ts/M9R26K3JZ3/blog/bl/pAVY30dQeR/bp/p1ayJEo4X1/

Mrs. GREEN APPLE「青と夏」はなぜ“夏うた”の新たな定番に? 9億回再生達成の背景にある「ライラック」との相乗効果

Mrs. GREEN APPLE「青と夏」が新たな“夏うた”の定番になった理由を分析する。

Mrs. GREEN APPLE、『サマソニ』『スペシャ』『ロッキン』へ デビュー2015年からの夏フェス出演歴を辿る

Mrs. GREEN APPLEが8月17日に開催される『SUMMER SONIC 2025』東京会場・MARINE STAGE…

関連記事