2025年9月8日の未明、約3年ぶりに日本全国で皆既月食が見られる。満月が赤く染まる皆既状態は午前2時30分から3時53分まで続く。月食が起こるしくみや、皆既月食がなぜ赤く染まるのか、そして、月食をより楽しむためのヒントを紹介しよう。
月食はなぜ起こるのか
月食は、地球が太陽と月のちょうど間に入り、地球の影が月面をゆっくりと覆っていく現象だ。
特に目を奪われるのは、月が地球の影に完全に覆われ、濃いオレンジ色や赤色に染まる「ブラッドムーン」と呼ばれる状態だ。
地球の影に覆われているはずの月がなぜ赤く光るのか。それは、地球の大気を通過する際に屈折した太陽の光を月が反射しているからだ。
太陽の光が地球の大気を通過する際、波長の短い光(青や緑)は散乱するのに対し、波長の長い赤い光は月まで届く。日没時に太陽が赤く見えるのと同じ原理だ。
ただし、赤の色合いは大気の状態によって異なる。大気が澄んでいると、月は明るく銅のように輝くが、大気中の粒子が多いと、より暗く、赤みの強い色に見える。今は大気中に火山の噴出物やちりが比較的少ないため、オレンジ色に近い明るい月が見られると予測されている。
月食の楽しみ方
月食は約3時間半にわたるが、見逃せないのはやはり月の色がいちばん濃くなる皆既月食だ。83分間という皆既月食は、この10年間で特に長いほうに入る。
月食を楽しむ一番の方法は、屋外に出て、空が広く見渡せる場所を見つけ、月の色がゆっくりと変化していく様子を眺めることだ。日食とは違い、特別なメガネなどの装備は必要ない。
月食を写真に収めたいなら、スマートフォンであっても三脚に載せるのがおすすめだ。月面が明るい間は、カメラの露出を下げれば、露出オーバーで白飛びするのを防げる。
双眼鏡や天体望遠鏡があれば、月面が暗くなって赤みを帯びていく様子をより細かく観察できる。月全体が地球の影にすっぽりと入る皆既食の状態になると、月の周辺の空が暗くなり、ふだんは月明かりにかき消されて見えない星々が姿を現す。
月の近くにある黄色っぽい光の点は土星だ。望遠鏡か双眼鏡を使っていれば、青緑色にかすかに輝く太陽系で最も遠い惑星の海王星もその近くに見えるかもしれない。(参考記事:「9月の星空8選:皆既月食「ブラッドムーン」から土星の見頃まで」)
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