IOC(国際オリンピック委員会)が定めたオリンピックに関する規約。
この憲章を、そしてオリンピック・ムーブメントを司る「オリンピズムの根本原則」にこうある。
4.スポーツを行なうことは人権の一つである。各個人は行う機会を与えられなければならない。そのような機会は、友情、連帯そしてフェアプレーの精神に基づく相互理解が必須であるオリンピック精神に則り、そしていかなる種類の差別もなく、与えられるべきである。(略)
5.人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオリンピック・ムーブメントに属することとは相容れない。
IOC、IF(国際競技連盟)、NOC(国内オリンピック委員会)はこの原則に従わなければならず、IOCの使命として「オリンピック・ムーブメントに影響を及ぼすいかなる形の差別にも反対すること」と定められ、NOCの使命として「スポーツにおけるいかなる形の差別や暴力にも反対する行動をとること」と個別の条文でも定められている。
オリンピック参加各国は、個人が差別されることなく、スポーツができる環境を作るのが義務であり、開催地もまたこの原則に従う義務がある。自ら立候補し、選定された都市もオリンピズムの根本原則に従うべきであり、それがなされなかったため、北京オリンピックやソチ・オリンピック(→ソチ・オリンピック)は国際的な批判を浴びた。それらの批判は開催の資格を問うたのであり、オリンピックに政治を持ち込んだのではない。
「同性愛宣伝禁止法」が制定されて間もなく、ロシア政府はIOCに対して、競技を観戦する人、参加する人に同法は適用されない旨を確約せざるを得なくなったのは、IOCがオリンピック憲章違反の疑いをロシアにかけたためだと思われる。しかし、これはオリンピック期間中のことに過ぎず、ロシアのオリンピック選手が期間外に同性愛者であることをカミングアウトすれば逮捕され、資格を剥奪されることを防ぐものではない。よって、より徹底したオリンピック憲章順守を各国が求め、国内でも求めたことは当然であろう。差別はスポーツの敵である。
さて、東京はオリンピックを開催する資格があるのか否か。
日本オリンピック委員会 http://www.joc.or.jp/olympism/charter/