見解Googleによるウェブ広告市場の実質的な独占と操作は確かに問題ですが、Chromeの分離売却はウェブ全体に深刻な損害をもたらす恐れがあります。 GoogleがChromeに巨額投資を継続し、技術的優位性により正当な競争で勝利を収めたのは事実でしょう。Chromeのシェアは確かに大きいものの、Safari、Firefox、Edge、Braveなど多くの選択肢が現在も存在します(一部はGoogleから実質的な資金援助を受けてさえいます)。 ウェブブラウザ単体は収益性が低いため、投資が減少すればChromeの革新は急速に衰退する可能性があります。ソフトウェアは継続的な開発なくしては迅速に陳腐化するものです。これは最終的に全ユーザーの不利益につながるのではないでしょうか。
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コメンテータープロフィール
1979年東京生まれ。東京大学経済学部卒、同大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。一般財団法人知的財産研究所特別研究員を経て、現在駿河台大学経済経営学部教授。専攻は経営組織論、経営情報論。Debian公式開発者、GNUプロジェクトメンバ、一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)理事。Open Knowledge Japan発起人。共著に『日本人が知らないウィキリークス』(洋泉社)、『ソフトウェアの匠』(日経BP社)、共訳書に『海賊のジレンマ』(フィルムアート社)がある。