バッハやテレマンの時代の古典の曲についてです。 この時代のフルートの楽譜に＋というマークが出てくるのですがこのマークはトリルという意味であっていますか？ またこのトリルは1つ上の音 からトリルするのかその音からトリルするのかどちらか分からないので教えて下さい。

バロック時代のトリル記号＋はトリルの頭文字Ｔが変化したものという説があります。 モーツァルトの時代まではトリル記号の付いた音の1音上から、それ以降は、記号の付いた音から始めるのを原則としています。しかし厳密なものではなく、演奏者の解釈に任される事が多いです。つまりバロックの曲でもトリル記号の付いた音から始めても間違いではありません。 尚、他の回答者さんの示しているいくつかの例はトリルではなく、プラルトリラー、モルデントと呼ばれる装飾法です。 トリルが音価（その音符の持っている長さ）いっぱいまで音をふるわせるのに対し、プラルトリラーは短いトリルです。1、2往復でやめて後は元の音符の音で延ばします。往復の数は演奏者の自由に任され、場合によってはプラルトリラーの記号の長さで往復の数が示される事もあります。 モルデントは、プラルトリラーとは逆に、2度下の音（1つ下の音）との間で1往復だけし、あとは元の音符の音を延ばします。どのような記号があるかは自分で調べてみて下さい。 バロック時代は、このプラルトリラーやモルデントを自由に組合わせ、様々な装飾が披露されたようです。 18世紀後半に活躍したトラヴェルソ奏者、クヴァンツの著した「フルート奏法試論」には詳しい装飾法が載っていますが、これを読むとこの時代の演奏者達がどんな演奏をしたのか、想像できて興味深いですよ。