だから「金持ち中国人」がどんどん日本に移住している…「抜け穴」だらけの在留資格制度を放置する重い代償
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■日本経済にプラスに働くことはない 背景には、中国当局による海外資金移動への厳格な監視体制がある。特に日本への不動産投資については、当局が常に注視しており、個人の海外送金には年間上限を設け、不動産目的の送金にはとりわけ強い規制が課されている。 中国人民銀行や国家外貨管理局といった監督機関は、金融機関に対して送金申請の審査を厳格化するよう通達を出しており、それを受けた各金融機関は、資金の使途や出所が不明確な申請については保留あるいは却下する対応を取っている。こうした措置によって、富裕層による資金の国外流出は物理的に抑え込まれているのである。 そう考えれば、資本金500万円規模の中国人による小規模な事業が、日本経済を押し上げるほどの成果を上げるとは考えにくい。 ■医療・福祉サービスが食い物にされるだけ にもかかわらず、日本では来日した外国人がわずか3カ月以上の滞在で国民健康保険に加入できる制度が存在し、その結果、日本人と同様の高度な医療サービスを安価に受けることが可能となっている。この制度は富裕層のみならず、留学生や観光客にも適用されているが、その隙を突いて医療や福祉制度を不正に利用する事例も後を絶たない。 この状況が放置されれば、日本が長年にわたり善意と性善説を前提に築いてきた医療・福祉制度は、一部の「中国人富裕層」によって食い物にされることになる。 結果、本来この制度を支えるべき被保険者である日本人が不利益を被り、社会全体における不満や疲弊も、今後ますます深刻化していくことになるだろう。 ---------- 楊 海英(よう・かいえい) 静岡大学教授/文化人類学者 1964年、南モンゴル(中国・内モンゴル自治区)出身。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。1989年に来日。国立民族学博物館、総合研究大学院大学で文学博士。2000年に帰化し、2006年から現職。司馬遼太郎賞や正論新風賞などを受賞。著書に『逆転の大中国史』『独裁の中国現代史』など。 ----------
静岡大学教授/文化人類学者 楊 海英
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