だから「金持ち中国人」がどんどん日本に移住している…「抜け穴」だらけの在留資格制度を放置する重い代償
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■なぜ中国人富裕層が「国外脱出」するのか 中国人富裕層の「移住の流れ」は、日本側の制度的寛容さだけでは説明しきれない。背後には、中国国内における政治的統制の強化という、より深層的な要因が横たわっている。 毛沢東、鄧小平の時代を経て、中国の政治環境は2010年代以降、大きく様変わりした。とりわけ習近平が共産党総書記として政権を掌握すると、鄧小平の改革開放路線のもとで巨額の富を築いた「紅二代」や「太子党」と呼ばれる特権層との対立が激化し、やがて「反腐敗運動」の名のもとに、彼らに対する徹底した粛清が断行された。 表向きには汚職の一掃を掲げたこの運動も、実際には自身の権力基盤を強化し、党内での求心力を高めることを目的とした政治的手段に他ならなかった。その結果、共産党による統制はかつてないほど強化され、経済的に成功した者が自立的な経済活動を展開する余地が、完全に奪われてしまう形となった。 ■日本が「逃避先」として選ばれている 中国国内において富裕層が党の統制を逃れ、自律的に富を活用することは、もはや不可能となっている。こうした現実を彼ら自身が悟ったからこそ、国外移住という選択肢がこれまでになく現実味を帯びてきたのである。 そして今、日本の制度的な甘さと見通しの甘さが、意図せぬかたちで彼らの「逃避先」となりつつある。この状況を、単なる制度運用上の問題として片づけるべきではない。むしろそれは、中国という体制の構造的限界を映し出す現象として、私たちが真正面から捉え直すべき問題なのである。 振り返れば、かつて日本や欧米諸国に広く共有されていたのは、一つの希望的観測であった。すなわち、中国が経済的に発展すれば、やがて「市民的な中産階級」が台頭し、民主化が進展するであろうという期待である。今日においてもなお、こうした楽観的な見方を唱える政治家や専門家は少なくない。しかしそれは、中国という国家体制の本質を見誤った幻想にすぎない。
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