私はライムさんと手を繋ぎながら声を唸らせていた。
もう間違えたりしない、今度こそはと思ったものの。
そしてこの状況に身を委ねたはいいものの、まだ理解はしていない。
ここは一体────
………。
……え、
何故。
何故、ダイゴロウさんが?
ダイゴロウさんは既に脱落している。
それも、一番最初に。
やはり走馬灯?
もしくは……。
私は確認したいことを一つ一つ問いてみることにした。
私の突然の問いにも、ライムさんは真剣に指を折り曲げる。
おや、混乱し始めた。
可愛らしい様子に思わずふふと笑みを零してしまう。
ライムさんはショートした頭を傾げながらも答えてくれる。
……。
たそがれ横丁は。
シンゾウ観覧車は。
バイバイスロットは。
また問おうとして、そこで辞めた。
意味もなく声を上げてしまうような気がしたから。
ひとまず私のせいで不安になっているライムさんを撫でることにした。
少し寝ぼけているだけと、私には似つかない理由をライムさんに告げる。
その言葉でライムさんは笑顔を取り戻した。
ライムさんの様子に笑みを浮かべていながらも、私は思考を深めていた。
ライムさんが挑戦したのはがんばり山だけ。
私も、ダイゴロウさんも脱落していない。
この2つの情報だけで、すんなり結論は出てしまった。
──────時間が戻っている。
一番初めにこんな奇天烈な結論が出てしまうのは、この場所自体が圧倒的な非現実だからであろうか。
または私自身が憔悴してしまっているのか。
ひとまず、改めて考えてみると走馬灯では無さそうだ。
そもそもの話、タマゴになったからと言って死んでしまったとは限らなかった。
しかし、もし仮に私だけが過去に戻っているとなると。
素直に疑問が──────
いけない、また考え込んでしまっていた。
私たちは改めて、3人で手を繋いで食堂に向かった。
実を言うと、この辺りから私はこのあとの食事を楽しみにしていた。
だってダイゴロウさんがいれば、どんな食卓も賑やかになったから。
この小説の元の世界はゲーム版の世界ですが、たそがれ横丁の参加メンバーは漫画版と同じになっています
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。