日本の所得収支黒字は、主に投資収益(親会社と子会社との間の配当金や利子等)によるものであり、企業の海外進出が進んだことで、海外で生じる儲けが多いことを意味している。
ドイツの貿易収支黒字は、輸出競争力を高めて、うまく外貨を稼いでいることを意味する。
貿易収支が黒字であるドイツの場合、国内で生産した製品が輸出されるため、雇用は国内で生じ、輸出による儲けは、専ら国内の設備投資に向かうことになる。
貿易収支が赤字である日本の場合、儲けの多くは海外に存在し、その多くは海外に再び投資されるため、雇用は国内に生まれず、設備投資も限定的に留まることになる。
日本が国として競争力を取り戻すためには、5から10年先の日本産業の姿として、持続的に貿易黒字を生み出せる構造、すなわち「貿易立国」の復活が、どうしても必要になる。
貿易収支赤字の改善に向けて、日本がやれることは色々あるが、ここでは「エネルギー」「デジタル化」の2つ
企業が工場などの立地を選択するうえで、エネルギーや電力の安定供給が確保されていることが重要になっている。日本は、まだそれができていない。世界的に環境規制が強化される中、海外由来の化石燃料に高く依存し、電気の価格も海外に比べて高い。
実質賃金
日本の労働時間の低下幅は大きく、その結果、時間当たり実質賃金が25年で9.8%増加しているにもかかわらず、一人当たり実質賃金は2.0%減少している。
交易条件
交易条件とは、輸入財1単位当たりに対する輸出財1単位当たりの価格で、財を1単位輸出した際に何単位財を輸入できるかを表した指標である。
日本国内の企業は輸入価格に比して輸出価格を引き上げることができていない。結果として日本から海外に所得が流出し、それを企業や家計が負担している。このようなメカニズムが日本を貧しくした一因であろう。
日本の国際競争力は低下した。輸出価格の低下にはこうした背景もあろう。
交易利得の改善には、輸入・輸出両面からの取り組みが必要である。輸入面では、資源を中心に輸入数量を減らすことで、海外への所得流出を抑えることが必要だ。企業設備のエネルギー効率を高めることや再エネの普及、水素の国内生産の拡大など、グリーン化の着実な実施が求められよう。
輸出面では、輸出財の付加価値を向上させることが肝要だ
そのためには、付加価値の高い産業への円滑な労働移動やポストコロナを見据えた産業構造の転換が必要かもしれない。
市場の参入退出を促し、新陳代謝を進めることも有効だろう。企業レベルでいえば、デジタル化を通じた事業活動の効率化や新たな付加価値の創造のほか、より国際市場を視野に入れるようなマーケティングの強化なども求められる。
経常収支
https://www.smtb.jp/personal/useful/market-column/sera-column_37日本の企業は円高対策として生産拠点を海外に移転すべく、「直接投資」という形で海外に子会社を設立しました。その結果、経常収支の内訳が貿易黒字から第一次所得収支の黒字(=投資収益)へシフトすることとなりました。
2011年、原子力発電所停止による燃料輸入増加を背景に貿易収支は赤字に転落しました
2022年2月のロシアのウクライナ侵攻以降、エネルギー価格が高騰したことで日本の輸入総額が増加し、今年上半期を見ると、貿易赤字が拡大
官僚
司令塔機能が弱い日本では、役所の縄張り争いになりやすい。経済産業省と総務省が放送コンテンツを別々に売り込む例もあった。
労働組合による腐敗が庁内・傘下地方組織に蔓延し[1]、政治家の年金未納問題や国民年金不正免除問題、年金記録問題・ヤミ専従問題など粗雑な仕事による問題に繋がった
自民と民主の与野党の逆転を招いた原因の一つと言われている。自民党側は、本来は民主党と関わりが深い労組主導の下での社保庁職員らの怠慢と不作為の結果であるのに、それを自民党政府批判に用いておりナンセンスであると反論した
円安
https://gendai.media/articles/-/134552?page=2https://gendai.media/articles/-/132260?page=2原発がほぼ停止しているため、エネルギー資源を輸入するコストも膨大に膨らんだ。結果、'22年以降、日本の貿易収支は赤字に陥っている。これが一つ目の大きな問題。
日本からアマゾンやグーグルなどの巨大IT企業への支払い額が膨大に膨らんでいます。さらに、海外企業への保険料の支払いや、経営コンサルティングサービスなどへの支払いも増え続けていて、サービス収支の赤字幅は深刻になっています。
日本の経常収支は黒字となっているが、それを支えているのは「第一次所得収支」(海外への投資で得られる収益など)のみで、貿易収支やサービス収支は赤字。さらに、第一次所得収支の黒字も、その多くが日本国内に戻らず、日本のカネが海外で循環している状態。つまり、「日本から海外に大量におカネが出ていく状況」が続いているのだ。これでは円安が進む一方で、日本は貧しくなるばかり
経済に関しては、ざっくりと言えば投資を増やせば成長するだろうということは言えるのですが、日本のように長期的に国債で借金をして公共工事投資を増やしている国が先進国の中で低成長が続いています。
投資をした結果、イノベーションが起きて、生産性が上がれば経済は成長します。具体例で言えば、スマホが生まれて、いろいろな企業がさまざまなアプリに投資をしたところ、生活者のタイパがよくなったという帰結であれば投資が経済を成長させます。
逆に、イノベーションが起きなければ投資をしても経済成長は大きくはありません。
公共投資で、夜中に道路を掘り起こして早朝に道路を埋める作業を続けていたとします。雇用は守れるのですが、生産性は上がらないのでたいして経済は成長しません。