このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

川田 順 西条八十ゆかりの霧積温泉 きりづみ館
 霧積温泉の2日目は、金湯館から1キロほど下の、きりづみ館まで歩いた。明治時代の建築という金湯館に比べて、一度荒廃した後、戦後新たに建てられたきりづみ館はモダンなたたずまいだった。7月中旬の平日、客のない館内でゆっくりさせてもらった。六角風呂には与謝野晶子の歌碑があると宿のパンフで知って、もう一度入りに行ったりした。温泉の流れ落ちる岩に「きりづみ館はつあきの霧積山の石亭 六方のまど霧にふさがる」が刻まれているというが、よく読めなかった。
 金湯館もそうだったが、きりづみ館も文人墨客の揮毫類がたくさん飾られていた。庭の奥には、歌人川田 順が当地を訪れた一高時代の詩作品の立派な碑があった。副碑には、「霧積温泉は曾て幸田露伴ら多くの著名の士の来遊せし地なり 明治三十三年第一高等学校在学中の順は 小山内薫と此処を訪れ 洪水のため荒廃せる姿をまのあたりにし この詩を作りしといふ」とあった。きりづみ館の老館主が金湯館の主人とよく似ていた。後で兄弟ということが分かった。金湯館で用意してもらったおにぎり弁当には、「人間の証明」に登場する包み紙と同じく西条八十の「——母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね?」の詩が印刷されていた。
深い森の中のきりづみ館 ▲
庭先で回る水車 ▲
西条八十「帽子」の案内板 ▲
六角風呂のある建物 ▲
六角風呂の温泉の流れ落ちる岩に与謝野晶子の歌が刻まれている ▲
川田 順詩碑 ▲
川田 順詩碑の由来を刻んだ副碑 ▲
金湯館への道 ほいほい坂 ▲
きりづみ川の流れ ▲
弁当の包み紙には、現在も西条八十の詩が印刷されている ▲

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