名古屋市贈収賄事件、元市担当課長に有罪判決 名古屋地裁
名古屋市の観光プロモーション事業をめぐる汚職事件で、収賄罪に問われた元市担当課長の大塚勝樹被告(62)=同市名東区=の判決が4日、名古屋地裁であり、森島聡裁判官は「公務員としての自覚が欠如していたと言わざるをえず強い非難は免れない」として、懲役1年6カ月執行猶予3年、追徴金約43万円(求刑懲役1年6カ月、追徴金約43万円)を言い渡した。
判決によると、大塚被告は市観光交流部担当課長などを務めていた2023年3月~24年12月、市発注の業務委託で広告会社「ニック」(名古屋市)が受注できるよう便宜を図る見返りに、同社取締役の桑原清美被告(54)=贈賄罪で公判中=から、11回にわたり計約43万円の賄賂を受け取った。
判決は、大塚被告が職務権限を利用し、独断でニックに対する委託業務の発注を繰り返し、市などへの経費の水増し請求を前提に、桑原被告に現金などの提供を持ち掛けたと指摘。「業務の公正さはもとより、支出手続きや使途の適正さ、市民の信頼を大きく損ねた」と非難した。
大塚被告が動機に関し、業務に比べて給料が割に合わないと思っていたなどと述べた点について、「正当化の理由にはならない」と断じた。
一方、被告の親族が今後の監督を誓約していることなどを踏まえ、執行猶予付きの判決が相当だとした。
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