突然だが俺は転生者だ。
…プロローグでソレか??とか言われそうなテンプレ文だが、どうか頼む。もう少しだけ耳を傾けてほしい。
まず俺の自己紹介をしよう。
俺の名前は レオクライシス•リベリアル。マーレの戦士だ。
…いやだった、だな。
特技は運動、趣味は読書。彼女は前世今世含めて0人だし容姿もそこまで優れている訳でもない。
ソレが今世の俺だ。
…て言っても前世もとい前前世の詳しい記憶を覚えている訳では無い。
俺が覚えているのは何となく自分がどうだったかぐらいだ。
此処までだったら、良く有るテンプレ。
そう、
ユミルに殺され次に目が覚めた時、俺は見知らぬ街の中に居た。
100歩譲ってそこまでは良い。
いや良くは無いけど…いや、でも…
「「「「…」」」」
どうしてこうなったんだ?
…柄にも無く、俺は後悔する。
「「「「…」」」」
「ふぅ〜(震え)」
だがそんな後悔を尻目に俺は深く呼吸をした。
「…」
赤くなる顔を自覚しながらも俺は上を向く。熱い。顔がかつて無いほど暑いがそれを誤魔化す様に今度は俯く。
かいた汗が螺旋を描きポタポタと落ちる。
キツイ。
…視線が凄い。
全員俺をガン見して居る。
いや、正確には俺と
やばい。
超絶やばい。
「やめろ」
頼むからそんな目で見ないでくれ。
「「…ッ!」」
息を詰まらせるな。
そんなに無理か?俺の事その目で見るの辞めるの?
何?俺は人間じゃ無いと?
イジメだよ?
そう言うの良く無いよ?
「同じ人間だろ?…俺はそう言うのが一番嫌いなんだ」
「「ッッ!??」」
子供3人、小汚いおっさん2人。
背格好はバラバラだが俺を見る目は同じ。
全員俺にドン引きして居る。
…
……
………
泣いても良いか?
「消えろ」
俺は逆ギレ気味にそう言った。
もう一度だけ自己紹介をしておこう。
俺の名前は レオクライネス•リベリアル
二度目の人生を巨人が居るこの世界で送ることとなった男で…
「「「…あ、あの!!!」」」
元マーレ帝国 戦士長だ。
…ほんと
「はぁ…」
どうしてこうなったんだっけ?
そんな後悔を俺は巨大なクレーターの中で思うのだった。
◼︎◼︎◼︎
何処までも続く様な、そんな虚無の世界の中。
「ふふっ」
数多の命を奪いし少女は今日もそこでほくそ笑む。
「…やっぱり」
ソレは余りにも美しく。まるで神話の女神の様に。
「貴方ならって…信じてた」
何処か神聖さを纏いながらも彼女は微笑むと同時にその顔に浮かべていた笑みは消え去り、そして俯く。
「ねぇ…知ってる?」
誰とも知らぬ少女は今、言葉を紡ぐ。
「貴方が死んだ後私…また一人になっちゃったんだよ?」
悲痛に満ちていた表情は…しかし。
「でもね」
次の瞬間には。
「ようやく貴方を———」
———見つけたんだよ。
薄い微笑が、何処までも続く様な虚無の世界に映し出される。
…とびっきりの狂気を込めて。