「市長の椅子」は絶対無理だと思っていた…総社市が不要品を無償譲渡、倍率114倍から女性ゲット
岡山県総社市で6日、市役所旧庁舎のお別れ会が行われ、職員や市民ら約150人が参加して長年親しんだ庁舎の名残を惜しんだ。 【写真】喜多川歌麿の版画「ポッピンを吹く娘」、43年ぶり再発見…パリのオークション後に所在不明に
旧庁舎は、地下1階、地上3階建ての鉄筋コンクリート造りで、1969年に建設。老朽化などから旧庁舎の解体が決定し、今年4月、新庁舎の供用が始まった。旧庁舎の跡地には、倉庫棟やバス車庫などが建設される予定だという。
玄関前で開かれた式典では、片岡聡一市長が「感謝の気持ちを込めてお別れしたい。本当に長い間ありがとう」とあいさつ。その後、庁舎内の見学会も行われ、市民らが市長室や議場で写真を撮るなどしていた。
メッセージボードに「Thank you!!」と書いたという同市の主婦(59)は「お疲れさまという思いで書いた。さみしいけれど、未来へ引き継ぐ思いでお別れしたい」と話していた。
不要備品、高倍率となった一部は抽選に
総社市は、旧庁舎で使用され、不要となった椅子や机などを市民に活用してもらおうと、約1400点を無償譲渡。先月下旬には、高倍率となった一部の物品の抽選会も行われた。
最高倍率となる114倍の「市長の椅子」を手に入れた同市の自営業女性(69)は「娘婿の部屋の椅子が古くなり、『市長の椅子をもらえたらいいね』と話していた。絶対無理だと思っていたので本当にうれしい」と喜んでいた。