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「迫る」は人物の内面を探ったり、出来事の背景を掘り下げたりする大型読み物です。

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赤ちゃんあっせんの波紋(その2止) 「医師の英雄視」違和感

「ここで生まれたと母から聞かされました」。佐藤晃子さんは振り返る。かつて菊田昇医師が営んでいた産婦人科医院はコンビニエンスストアの駐車場になっている=宮城県石巻市で5月、遠藤大志撮影
「ここで生まれたと母から聞かされました」。佐藤晃子さんは振り返る。かつて菊田昇医師が営んでいた産婦人科医院はコンビニエンスストアの駐車場になっている=宮城県石巻市で5月、遠藤大志撮影

 

 「急告! 生れたばかりの男の赤ちゃんを我が子として育てる方を求む。菊田産婦人科」

 宮城県石巻市の開業医、菊田昇氏による違法なあっせん行為が発覚したのは、佐藤晃子さんが生まれる数年前の1973年4月だった。

 きっかけは、菊田氏が地元新聞に出した新生児のもらい手を募集する広告。それを基に、毎日新聞が違法あっせんの実態を1面でスクープした。現在、人工妊娠中絶が認められるのは妊娠22週未満までだが、当時の優生保護法(現母体保護法)下では8カ月未満まで可能だった。

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