「ジョジョ」最初の帽子キャラ…承太郎の様にほぼ常に被っており、キャラデザとして帽子付きで覚えられているキャラクター…は誰か?と言えば、先ずロバート・E・O・スピードワゴンだろう。彼は単に帽子を被っているだけでなく、初めて登場した時は武器として使っていた。

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↑(1)ツバに刃を仕込んだ帽子。これをコレをフリスビーの様に投げ、回転した刃で敵を切り裂く。ジョナサン捨て身の太い腕で受け止められ敗北。それ以降、スピードワゴンが帽子を武器にすることは無かった。(2)49年後、老人となったが、まなざし、顔の傷、そして帽子からスピードワゴンと判別出来る。

 その次に来るのが、ジョナサンの波紋の師匠=ウィル・A・ツェペリだ。登場当初、ツェペリは「男爵」を名乗っており、身分を表す為か、口髭を蓄えスーツに蝶ネクタイというスタイル。そしてシルクハットを被っている。
 特にこのシルクハットは遺品として、スピードワゴンそして孫のシーザーへと受け継がれる。同じ例は8部でも、主人公=東方定助の水兵帽が本来、吉良吉影の物であり、その魂、血統も含めて定助に受け継がれている事を表している。

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↑(3)ツェペリの帽子と言えばこの市松模様のシルクハットだが、初登場時の帽子は何とも言えない柄だった(単行本などで確認を。アニメでは統一されている)。(4)ツェペリの意志は、波紋の力はジョナサンに、帽子はスピードワゴンが受け継いだ。(5)シーザー初登場時、祖父が被っていた帽子と全く同じ物かは判らないが、同じデザインの帽子を被る事で彼がツェペリの血縁だと解る演出になっている。(6)8部、定助の水兵帽は元々は吉良吉影のであり、更にルーツを辿ると吉良の玄祖父=ジョニィが死ぬ際に被っていたのと同じデザイン。彼の亡くなった地には供養として「ジョースター地蔵」が祀られている。

 1部ではジョナサンもよく帽子を被っているのだが、彼には決まったデザインの帽子はなく、その意味で「帽子キャラ」とは呼べないか。

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↑(7)ロンドンへ父親の解毒剤を探しに来た際のジョナサン。同じロンドンで活躍するシャーロック・ホームズがイメージか。ジョナサンは貴族であるがツェペリとは違い、考古学者でもあるからかフィールドワークに向きそうな帽子を被っている。(8)逆に貧民街出身のディオ。唯一の帽子着用シーンだが、服も含めて彼の野心、上昇志向の見えるファッションではないか。

 2部主人公=ジョセフも「帽子キャラ」のイメージは無いが、ジョナサン以上に色々な帽子を被っている。初登場時から帽子を被っており、メキシコではバイクを運転中はヘルメットの代わりにパイロットの様な帽子を。秘密施設に潜入する際はドイツ兵に変装しヘルメット。エシディシ戦では毛糸で編んだ帽子を利用し糸の結界・トリックでエシディシを攻略した。究極生命体カーズからドイツの戦闘機で逃げる際、着けていたパイロット帽子をパラシュート付きカカシに着せてカーズを騙し飛行機で突撃をかました。
 3部のジョセフはインディ・ジョーンズを思わせるハットを被った「帽子キャラ」のイメージが強いが、これは承太郎の様に寝ている時や海の中まで着けてはいない。寧ろ旅の前半は帽子を被っていない事の方が多く、定着するのは大分後、オインゴ・ボインゴ戦からである。
 4部ではかなり老け込んだジョセフ。終始牛柄のケープハットを被っており、それが往年の格好良かったジョセフのイメージに不釣り合いで、余計に哀愁を感じさせる。

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↑(9)2部のジョセフ初登場。この後も色々な帽子を被っているが、それ故に1つのデザインに定まらない=「帽子キャラ」に成れない。(10)2部と3部を跨ぐ単行本12巻の表紙で既に帽子を被っているジョセフ。しかし初期は帽子を被っているのは3部2話目、日本に着いた空港での場面くらいで、その後は恋人戦や太陽戦、デス13戦の際に被っている場面があるが、1つのエピソードを通して被ってはおらず、上述した通り終始被る様になったのはエジプト到着後、オインゴ・ボインゴのエピソードからだ。2部と違い、同じデザインの帽子を被っており「帽子キャラ」のイメージは強い。(11)牛柄の帽子を被った4部ジョセフ。腰が曲がり杖を突き、耳も遠くなってボケも入り始めている。「眼鏡キャラ」の時、眼鏡=老人というのが荒木先生のイメージだと書いたが、この帽子のデザインは歴戦の猛者を感じさせないが、頭全体を覆っている為にその下の生え際や毛量も隠していて、ある意味この帽子のお陰で更に老いぼれたイメージを隠してくれているのかもしれない。