世界の機械工業を牽引している国といえばどこでしょう。かつては間違いなく米国でしたが、現在は日本とドイツの2カ国を挙げて差し支えないでしょう。成長著しい中国は、生産力は巨大ですが、自動車、工作機械など高度な技術を必要とする製品では独自の開発力に劣り、世界の牽引役としてはまだまだ役不足です。
特に「マザーマシン」の工作機械については、日本とドイツの独壇場と言っても過言ではないと思います。しかし、優れた切削工具を取り付けなければ、いかに高性能な工作機械であっても意味がありません。先日、超硬工具協会の方とお話しする機会があり、切削工具について意外なことを知りました。私は、「工作機械といえば日本とドイツなのだから、工作機械に取り付ける切削工具も日本とドイツなんでしょ」、と思っていましたが、これは大きな間違いでした。
超硬工具メーカーの世界ランキングの上位3社は、1位がスウェーデンのサンドビック(Sandvik)、2位が米国のケナメタル(Kennametal)、3位がイスラエルのイスカル(Iscal、同社は自ら業界2位と標榜していますが、超硬工具協会の方によるとあくまでも自称に過ぎないのだそうです)、そして4位にようやく日本の三菱マテリアルがランクインします。ちなみに、サンドビックはグループ全体で従業員5万人を擁する巨大企業で、同社1社で日本の超硬工具業界全体を凌駕する規模を有しています。
さらに、日本と並ぶ工作機械大国であるドイツに至っては、超硬工具メーカーは存在しません。これは非常に意外でした。ドイツは超硬工具の発祥の地であり、世界で初めて超硬工具を製品化したウィデア(Widea)というメーカーがあったのですが、この会社は前述のサンドビックに買収されてしまったとのことでした。
スウェーデン、米国、イスラエルの3カ国のメーカーが上位を占める背景は何でしょうか。超硬工具に使用する合金の主成分である「タングステン」はもともとスウェーデン語だそうで研究の伝統があるからスウェーデン。米国はやはり20世紀の機械工業を牽引してきた伝統がありますし、なんといっても巨大な軍需産業があるから。そしてユダヤ人はダイヤモンドを研磨、カッティングすることに長けているからイスラエルは超硬合金に強い、と想像します。面白い業界だと思いました。
特に「マザーマシン」の工作機械については、日本とドイツの独壇場と言っても過言ではないと思います。しかし、優れた切削工具を取り付けなければ、いかに高性能な工作機械であっても意味がありません。先日、超硬工具協会の方とお話しする機会があり、切削工具について意外なことを知りました。私は、「工作機械といえば日本とドイツなのだから、工作機械に取り付ける切削工具も日本とドイツなんでしょ」、と思っていましたが、これは大きな間違いでした。
超硬工具メーカーの世界ランキングの上位3社は、1位がスウェーデンのサンドビック(Sandvik)、2位が米国のケナメタル(Kennametal)、3位がイスラエルのイスカル(Iscal、同社は自ら業界2位と標榜していますが、超硬工具協会の方によるとあくまでも自称に過ぎないのだそうです)、そして4位にようやく日本の三菱マテリアルがランクインします。ちなみに、サンドビックはグループ全体で従業員5万人を擁する巨大企業で、同社1社で日本の超硬工具業界全体を凌駕する規模を有しています。
さらに、日本と並ぶ工作機械大国であるドイツに至っては、超硬工具メーカーは存在しません。これは非常に意外でした。ドイツは超硬工具の発祥の地であり、世界で初めて超硬工具を製品化したウィデア(Widea)というメーカーがあったのですが、この会社は前述のサンドビックに買収されてしまったとのことでした。
スウェーデン、米国、イスラエルの3カ国のメーカーが上位を占める背景は何でしょうか。超硬工具に使用する合金の主成分である「タングステン」はもともとスウェーデン語だそうで研究の伝統があるからスウェーデン。米国はやはり20世紀の機械工業を牽引してきた伝統がありますし、なんといっても巨大な軍需産業があるから。そしてユダヤ人はダイヤモンドを研磨、カッティングすることに長けているからイスラエルは超硬合金に強い、と想像します。面白い業界だと思いました。
日本では大工の刃物も最近は使い捨てのようですから、工具づくりにも国柄があるのかもしません。数千万円もする工作機械の先端部分の刃物を別の会社がつくていることは考えて見れば不思議なことだと思います。
>数千万円もする工作機械の先端部分の刃物を別の会社がつくていることは考えて見れば不思議なことだと思います。
コピー機メーカーはコピー機本体ではなく消耗品のトナーで儲けていると聞きます。同じようなビジネスモデルが工作機械でも成立しないのかと工作機械業界の方に聞いたところ、工具は独特のノウハウがあって難しいとのことでした。これができれば工作機械メーカーの経営もかなり安定すると思うのですが、そうはいかないようです。
イスカルは日本でもたまにありますが、ケナメタルは私は使ってるのを見たことがないですねえ。
なるほど。工具だけで5万人というのはいかにも多すぎますからね。
>やはり戦争が進化させていくのでしょうか、、
これは真実でしょう。しかし、軍需に頼らず様々な分野で高度な技術を発展させてきた日本はすごい国だと思います。
昨日、イスカルの工具の説明会に行ってきた時に聞いた話です。
イスカルはオランダIMCグループの一員であって、他にインガソル、テグテック等傘下に収めていると。
2008年にはタンガロイも買収したと。
それらを含めたシェアでは世界2位であると言ってました。
シェアの比率のグラフも出てきて、サンドビックに迫る感じでした。
サンドビック、IMCグループ、ケナメタルが3強という印象を持ちました。
また、IMCグループは世界第一位の資産家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・
ハザウェイの傘下にあるそうです。
今まで、何気なくイスカルの工具を使ってましたが、ちょっと驚きでした。
超硬工具業界についての情報、ありがとうございます。日本勢は世界の潮流から取り残されているようですね。