マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」は、確か私が高校生のときに「少年ジャンプ」で連載が始まった作品です。敵役のナチス・ドイツの将校?が「ドイツの技術は世界一ィィィィ!」と絶叫するシーンが妙に印象に残っています。いまだに人気があり、アニメ化もされているんですね。
しかし、「コーラン」をこんな風に登場させるのはいくらなんでもまずいでしょう。イスラームに対する理解のなさも甚だしいと思います。
日本アニメ、中東で非難 「コーラン読み殺害指示」(2008.5.22 08:15)
(以下引用)
日本の人気アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」の中に、悪役がイスラム教の聖典コーランを読みながら主人公らの殺害を命じる場面があり、アラビア語圏のウェブサイトで批判が高まっていることが21日分かった。原作コミックスの出版元でアニメ製作も主導した集英社(東京)は同日までに、問題のアニメのDVDや原作コミックスの一部を出荷停止とする方針を固めた。
中東では「コーランを読めば悪者になるという趣旨か。イスラムへの攻撃だ」などとの書き込みが300以上のサイトに広がっており、イスラム教スンニ派教学の最高権威機関アズハルの宗教勧告委員長アトラシュ師は「イスラム教に対する侮辱で受け入れられない」と非難した。
集英社広報室は「作品の舞台であるエジプトの雰囲気を演出するため(アラビア語の)本を登場させることを考え付き、見つけた資料をコーランと知らず、使ってしまった。イスラム教徒の方に不快な思いをさせ心よりおわびする」としている。(共同)
(引用終わり)
もう1つ、このニュースに接して、日本のアニメは中東でもすっかり普及しているんだなあ、と改めて感じました。そういえば、パレスチナ自治区で「涼宮ハルヒ」のイラストをプラカードに掲げてデモ行進する少女の報道写真が一昨年にネットで話題になりましたが(こちら)、これにも心底驚かされました。東アジア、欧米で日本のアニメが受け入れられているのはなんとなくうなづけます。しかし、宗教的・風土的におそらく日本とは対極にある中東でも人気を博しているという事実は、日本のアニメが持つソフトパワーがいかにすごいものであるか、ということの証左だと思います。
日本のアニメがこれだけ普及しているとなると、中東の若い世代はかなり大きな影響を日本のアニメから受けているのではないかと思います。女の子が男に伍して活躍したり、情けない男を振り回したりするシーンが当たり前のように登場する日本のアニメは、宗教的な制約もあって何かと女性にとって不自由の多い中東ではかなり大きな社会的インパクトを及ぼしているのでは・・・と思っていたら、東京大学の「中東社会史班」の研究会で「アラブ世界における日本のアニメ・マンガの影響」という演題で報告が行われていました(こちら)。うーむ。
漫画好きで有名な元外相、麻生太郎氏は自著「とてつもない日本」(新潮社)で「日本のマンガやアニメ、ポップス、ファッションなどの若者文化は国境を越えて、世界中の若者の価値観に影響を与えている」と書いているそうです。慧眼だと思います。本当に、たかがアニメと侮れません。
(おまけ)
中東におけるアニメについてYouTubeで調べてみたら、「名探偵コナン」のアラビア語版のオープニングを見つけました。音楽が・・・まるで悠久のナイル河の流れの如き、ゆったりとしたアラブ・ポップスです。ちょっと違和感がありますね。
しかし、「コーラン」をこんな風に登場させるのはいくらなんでもまずいでしょう。イスラームに対する理解のなさも甚だしいと思います。
日本アニメ、中東で非難 「コーラン読み殺害指示」(2008.5.22 08:15)
(以下引用)
日本の人気アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」の中に、悪役がイスラム教の聖典コーランを読みながら主人公らの殺害を命じる場面があり、アラビア語圏のウェブサイトで批判が高まっていることが21日分かった。原作コミックスの出版元でアニメ製作も主導した集英社(東京)は同日までに、問題のアニメのDVDや原作コミックスの一部を出荷停止とする方針を固めた。
中東では「コーランを読めば悪者になるという趣旨か。イスラムへの攻撃だ」などとの書き込みが300以上のサイトに広がっており、イスラム教スンニ派教学の最高権威機関アズハルの宗教勧告委員長アトラシュ師は「イスラム教に対する侮辱で受け入れられない」と非難した。
集英社広報室は「作品の舞台であるエジプトの雰囲気を演出するため(アラビア語の)本を登場させることを考え付き、見つけた資料をコーランと知らず、使ってしまった。イスラム教徒の方に不快な思いをさせ心よりおわびする」としている。(共同)
(引用終わり)
もう1つ、このニュースに接して、日本のアニメは中東でもすっかり普及しているんだなあ、と改めて感じました。そういえば、パレスチナ自治区で「涼宮ハルヒ」のイラストをプラカードに掲げてデモ行進する少女の報道写真が一昨年にネットで話題になりましたが(こちら)、これにも心底驚かされました。東アジア、欧米で日本のアニメが受け入れられているのはなんとなくうなづけます。しかし、宗教的・風土的におそらく日本とは対極にある中東でも人気を博しているという事実は、日本のアニメが持つソフトパワーがいかにすごいものであるか、ということの証左だと思います。
日本のアニメがこれだけ普及しているとなると、中東の若い世代はかなり大きな影響を日本のアニメから受けているのではないかと思います。女の子が男に伍して活躍したり、情けない男を振り回したりするシーンが当たり前のように登場する日本のアニメは、宗教的な制約もあって何かと女性にとって不自由の多い中東ではかなり大きな社会的インパクトを及ぼしているのでは・・・と思っていたら、東京大学の「中東社会史班」の研究会で「アラブ世界における日本のアニメ・マンガの影響」という演題で報告が行われていました(こちら)。うーむ。
漫画好きで有名な元外相、麻生太郎氏は自著「とてつもない日本」(新潮社)で「日本のマンガやアニメ、ポップス、ファッションなどの若者文化は国境を越えて、世界中の若者の価値観に影響を与えている」と書いているそうです。慧眼だと思います。本当に、たかがアニメと侮れません。
(おまけ)
中東におけるアニメについてYouTubeで調べてみたら、「名探偵コナン」のアラビア語版のオープニングを見つけました。音楽が・・・まるで悠久のナイル河の流れの如き、ゆったりとしたアラブ・ポップスです。ちょっと違和感がありますね。
>それにしても最近の政治家はマニアと言うことを売りにしているのが増えました。
そうですね。麻生氏のマンガ、アニメに対する主張については若者ウケを狙ったポーズなのかなと思いきや、この人は相当筋金入りのマンガマニアなんですよね。
>麻生太郎氏は自著「とてつもない日本」(新潮社)で「日本のマンガやアニメ、ポップス、ファッションなどの若者文化は国境を越えて、世界中の若者の価値観に影響を与えている」と書いているそうです。
そうですねえ。面白いのは、元々ゲームソフトで始まったキャラクターが、レビューに展開されて行くに従ってフランスとその周辺に影響が強く出だしたというところ。有る意味浮世絵による印象派と同じ傾向が見えると思います。
中国大陸にも結構普及してるのは意外です。アニメでなくゲームによるものだそうです。もっともタイトルと時代背景から「日帝に拠る覇権主義という批判」も見えますorz。単なる戦隊モノの延長ではあるんですけどね。こう考えると、マンガ外交という概念はなかなか卓見です。
それにしても最近の政治家はマニアと言うことを売りにしているのが増えました。麻生氏・石破氏・前原氏・・・ううむ濃いなあ(苦笑)