最近の提督達、シール好き過ぎじゃない?
あらかじめ言っておきますが、僕は艦これアンチではありません。むしろ立ち位置としては限りなく信者に近いと自負しています。
2019年のズイパラに参加して以来、艦これのリアイベにはほぼ全て参加しているし、カレー機関にも毎シークエンス行っています。直近だと舞台は5回観た。
おそらく客観的にはガチ勢と言われてもおかしくないくらい艦これというコンテンツを楽しんでいる側の人間ですが、そんな僕から見て、最近のリアイベに流れているある風潮に違和感を抱いています。まあタイトルに書いてあることそのままなんですが。
少なくとも僕が知る限りにおいて、この辺りの話を批判的に語っている提督は見たことがありません。むしろ界隈のマジョリティを占める人達はおよそこの風潮に対して迎合的であり、はっきり言ってそこにある種の不信と危機感を覚えています。
そこで、僕が抱える問題意識について、僕が今までリアイベに参加した際の直接体験とともに書き起こすことを試みたいと思います。
以下の内容は少なくない提督にとって受け入れがたいものであると思うし、楽しんでいる貴方達に対して冷や水をぶっかけるものです。人によっては喧嘩を売っていると捉えてもおかしくない内容だと自覚しています。特に、具体例の部分はもし本人が見たら自分のことだと分かりそうな程度の具体性を担保して書いたつもりです。それはワンチャンこの文章が本人に届いた時に何か意見があったら反論してほしいし、もしなければ自戒と反省を促したいという思いを込めてのことです。ちなみにnoteのコメント、TwitterのDMはいつでも開放しています。
それでは以下、長文乱文にはなりますが読んでいただけると嬉しいです。
舞鶴に襲来するシールガチ勢達
2024年6月下旬、シールガチ勢と呼ばれる人達が何人か集まって舞鶴の某コラボ店を訪れたそうです。その店はコラボのカレーを注文するとカレーの量が選べて、常設されている大盛・普通・小盛に加えて、特別に極小盛(小盛のさらに半分くらいの量)が用意されてたんですね。
で、彼らが何やったかというと、シールを沢山貰うために極小盛を何度も注文したらしいんです。
いや、正気か?
ピンとこない人のために彼らがやってることをよりかみ砕いて説明してみますが、
まずもって、シールを貰うために量を減らしてもらって何度も周回するって、要は「お前のとこのカレーはなるべく食べたくないがシールは寄越せ」と言ってるのと同じじゃないですか。お店の料理を食べに来たのではなくシールを貰いに来たことを明け透けに表明するのと同じなわけですよ。
余りにも失礼すぎません?
お店の人が極小盛りを用意してくれた理由は分かるんですよ。舞鶴のコラボ店いっぱいあって一度の訪問じゃ全部回れないかもしれないし、単純に小食の人だっている。そうした人達に少しでも多くの舞鶴を楽しんでほしいというお店からの配慮だったと思うんですよ。
実際、それに対して「あの店は提督のことをよく分かってるw」って声はあちこちで聞きました。で、そんなお店に対する回答が「カレーはいらないからシール寄越せ」って、狂ってるとしか思えない。
よもやあの「提督のことをよく分かってる」は「これでシール周回がしやすくなる」の意じゃなかろうな。
この件についてもし本人達に問い質せば、おそらく「そんなつもりはなかった」と言うんでしょう。そして多分それは本心だと思います。きっと彼らはただ本当にシールが欲しかっただけなのでしょう。でも、自分達の立ち振舞いがパフォーマティブにはそういったメッセージを発し得る点については一度自覚し、自省していただきたいと願うばかりです。
結局、彼らがお店を訪れた5日後に「シールは一日2枚まで」の声明が正式に出されました。
※ただし、この声明について彼らの行動が直接の原因だとする明確な証拠はないし、よしんばそうだとしても彼らだけの責任ではないと思う。心当たりのある人、絶対他にもいるでしょ。
※さらに付記しておくと、僕は当時舞鶴に行った人からそのような目撃情報を聞いただけで、直接見たわけではない。そういう意味では、ガチ勢の人達が前述のような行為を本当に行ったという確証は僕にはない。事実と相違ないか、もし本人達に聞ける機会があったら聞いてみたいものだ。
経営的に考えれば、「少量の商品を通常価格で何度も購入する客」は非常にコスパの良い優良顧客のはずですよ。にもかかわらずこんな声明が出たということは、これはつまりお金の問題じゃないんでしょう。だからこそタチが悪いと言えます。
金の問題なんて所詮金出したら終わりですからね。
思うにこれは料理でお客さんを喜ばせたいという飲食店としての、あるいはそれで生計を立てることを決めた料理人としてのプライドの問題なんですよ。「シールだけ寄越せ」はそれを抱く人達を傷つけるには十分暴力的なメッセージだと思います。少なくとも経済的合理性を捨ててまで提督達に向かって公に物申す程度には。
マジでシール本気で集めてる人達に聞きたいんですけど、そんなにシール欲しいんすか?こんなのただのオマケじゃないんすか?集めて何になるんですか?てか楽しいですか?自分達がやってることについて、一旦冷静になって一歩引いて俯瞰してみてほしいです。だいぶ滑稽っすよ。
その一方で、上記の声明に対して一部の人達(あの舞鶴に行ったシールガチ勢を含む)が「僕の考えたより良いシール配布方法」をアンサーしていたときの絶望感を、だれか解ってくれないだろうか。
呉の町に流れる提督たちの空気感
こういったシール偏重の空気感、以前は一部の人達だけだったはずが、今はかなり広範囲に広がっているなと思っていて。
例えば2025年2月に行われた大和ミュージアム休館にともなう呉ディナーショーの時。僕はコラボ店の列で周りの人と話したり聞き耳立てたりしてたんですけど、他の提督達、マジでほとんどシールの話しかしてない。
「○○の店では△△のシールが出る」
「□□のシールはこの店でしか出ないからレアw」
「今回の新作は~」
みたいなのばっか。呉の町やコラボメニューに対する感想、ゼロ。
一番酷かったのがディナーショー当日早朝の長田製菓さんの待機列で見かけたとあるグループ。その内のひとりがやたらデカい声で話してるんですけど、その内容が
「山乃屋さんはレアなシールが多いしうどんだからするする食べれてコスパがいい。一日中そこで周回するのが最適解。」
「五月荘さんは行こうか迷ったけどシール出ないらしいからやめたw」
マジで何言ってるか分らんかった。わざわざ呉まで来て、同じ店のうどん何杯も食べて一日過ごすのがコスパ良くて最適解???
なによりそのグループの中でこうした発言を咎める人が誰一人としていなかったのがエグかった。むしろ皆それを聞いて普通に笑ってた。
百歩譲ってそんなこと考えているのはいいとして、それを恥ずかしげもなく開陳するのってどういう了見してるんでしょうね。「シールをくれないならその店に行く価値はない」なんて、友人が人前で言い出したら僕だったら流石にたしなめるし、最悪ボコす。
でも彼らにとってはコラボ店にはシールを貰うために行くのは当然だし、それを言って憚られないであろう空気感が今や少なくない提督たちの間に蔓延ってるんでしょうね。
こういう「リアイベはシール集めるのが目的」みたいな風潮、もう今は一大プレゼンスを占めてるんですかね。
シールを売るのは転売?シールの高額出品が起こる深層原因について
呉のシール関係でもう一つ。ディナーショーで配布された限定シールがヤフオクで高額出品されてたのが一瞬だけ騒ぎになってましたね(火元になったポストはその後すぐに削除)。
この手のイベントの度にシール転売とかって騒いでますけど、あれも正直いかがなものかと思います。
まずもってシールを売るのって転売になるんですかね。本来の転売は「商品を定価で買ってそれ以上の値段で売ること」ですが、シールって売ってないですよね。僕らはあくまで料理やライブなどのコンテンツにお金をだしているのであって、シールはただのオマケですし。それを手放すことの何がダメなのか分からないです(ちなみに怒ってる人達の中にFFがいたのでリプで質問してみたんですが普通に無視されました)
転売という概念の原理原則で考えるのであれば、むしろこれを転売と捉えるということは、「ディナーショーに参加すること=シールを貰いに行くこと」とみなすことに等しい。あれを転売だと言ってる人たちの頭の中にはそのような前提があるように見受けられますけど、それこそディナーショーを盛り上げてくれた方々を侮辱しているんじゃないですか?ディナーショーに行く価値はディナーショーにこそあるのであってシールじゃないんですよ。何度も言いますがシールはあくまでおまけのはずです。
これも本人達に言えば「そんなつもりはなかった」んでしょうけど、このあたり是非一度内省を深めていただきたいところですし、意見があれば聞いてみたいところです。
というか何故シールが高値で出品されるかというと、当然ながらそれを買う人がいるからですし、さらにいうとそれを”レアで特別で貴重なもの”と考える人達がいるからですよ。貴方達みたいなね。
シールの高額出品はそれを売る人と価値を吊り上げる人の共犯関係によって成り立ってるわけです。
それについて自覚がないどころか、自らを正義の徒としてシール転売を問題視してるんですよね?実質的には自分も高額出品に加担しておきながら、一方的に被害者ぶって自分でキレ散らかすってかなりトチ狂ってませんか。だいぶ滑稽っすよ。
この辺の視点がすっぽり抜け落ちてるの、マジでイカれてると思います。
ガチ勢はシール集めつつもイベントを楽しんでいる?
僕はカレー機関に行ったら周りの人とよくしゃべりするんですけど、シールガチ勢みたいな人がいたら「シール集めに必死になるのマジで不毛じゃないすか?」みたいなことを極力オブラートに包みながら尋ねてみるんですよ。すると大体、「いやそれ以外の部分もちゃんと楽しんでて~」みたいな回答が来るんですね。
正直これも、内心かなり胡乱な目で見てます。
これまた僕の経験談なんですけど。先日カレー機関で相席になった人がシール収集に力入れてる人で、頑張ってシールコンプしようとされていたんですよ。で、適当な話題振りとして「今度の艦これ礼号作戦の舞台行きます?」って聞いてみたんです。
そしたら「いやあ、カレー機関でお金使っちゃったから節約しなくちゃいけなくて。今回は見送ります。」とか言ってるんですよね。
総額約15000円の神戸牛のステーキ食いながら。(舞台の席代は10000円くらい)
あの舞台観た人達であれば、彼らの言う「シール以外の楽しんでる部分」がいかに空虚であるか理解できると思います。
ちなみにいざ舞台行ってみたら入口でシール配られてて笑っちゃいました。
これできっと皆にとって”価値のある”舞台になったことでしょう。
確かにメインを楽しむこととシール集め自体は両立し得ます。ただ、現実問題としてシールコンプしつつそれができるかというとかなり怪しいでしょう。
試しに計算してみましょう。
シールの種類は20種類、全て同様に確からしく出ると仮定して以下のサイトで全部コンプするのに必要な期待値を算出します。
結果、コンプにかかるシールガチャの期待値は約72回。
シールが概ね500円につき1枚ついてくることを考えると金額にして36000円。シール付与の値段設定が端数切捨てであることも考慮すると40000円程度でしょうか。みんな大好き神戸牛のステーキ換算だと18皿ですね。
参考までに、僕も人並み以上には健啖家であると自負していて、よく全サイドメニュー注文したり満腹になるまで好きなだけ食べ飲みしてはしていますが、それでも1回のカレー機関で貰えるシールは20枚程度。確かに神戸牛のステーキが "最適解" ではあるのでしょうね。自分がそれを食べたいかは別として。
もちろん、彼らは仲間内で交換などもしているので実際にはそこまでの枚数集める必要はないのでしょう。
とはいえ、最近のシール数の多さを考えると、シールをコンプしようとしたら自分の限界効用に反した極端なムーブを避けられないことは明白だと思います。
神戸牛のステーキを5皿頼んでる人、それ本当にそんなに食いたいんすか?同じ店のうどん、何杯も食いたいんすか?
仮にシールついてなかったとしても同じことします?
覚えていてほしいもの、知っていてほしいこと
僕はC2機関の「素敵なもの、覚えておいてほしいものを味わってほしい」っていうスタンス、結構好きなんですよ。艦これというゲームの枠を超えて知らなかった世界を経験できるのはなかなかおもろいですし、知見を広げるチャネルの一つとして有用だと思っています。
僕に限らず、誰しもリアイベに参加したうえで思わず誰かと共有したくなるような最高の体験、あるいは誰にも言うことなくそっと心の奥底にしまっておきたい大切な思い出があるかと思います。
2019年8月の1YB3H深海サーカスに参加した時のことでした。炎天下の暑い日差しを避けて日陰でぼんやりと時間を潰していると、隣にいた、同じく暇していたであろう提督に声をかけられました。彼は見ず知らずところかぱっと見年齢も離れている完全なる赤の他人。しかし、話してみるとやたらとウマが合い、しょうもない会話で小一時間死ぬほど笑って会話した覚えがあります。
その後、しばらくすると公演開場の時間が来てその人とは別れました。連絡先の交換もしていないのでそれから二度と会うこともありません。もしかしたらその後もリアイベで何度かすれ違っているかもしれないし、あるいはもう艦これは引退しているのかもしれない。
結局彼が何者なのか、どこにいて何をしているのか今でも全く分かりません。
しかし、今でも日常のふとした拍子に、この世界の何処かに必ず存在するあの親友のことを思い出して、ほんのりと温かい気持ちになるのです。
僕が思うに、艦これリアイベの本質はコラボ店やライブ、グッズ、ましてやシールではありません。むしろそれらを得るために見聞きした自分の体験にこそあるのです。
コラボで訪れた町や歩いた道。そこで出会った人々。この世界には自分の知らない町があって自分の知らない人が暮らしている。
そんな普段なら見過ごしてしまいそうな何気ない風景や関係性の中にも、必ず自分にとって素敵なものが存在していて、それらに目を向けること、見つけることで自分の世界が広がっていくのだと思います。
かなり信者的な言い方になってしまいますが、艦これリアイベの良さはC2機関が提供するコンテンツそのものではなく、それを得るまでの過程にこそ本質があるんだと思います。ゲーム的な良し悪しは置いといて、こうした楽しみ方ができるのは艦これの独自性が高い部分であると思いますし、C2機関が意図していることであると僕は解釈しています。
で、そんな運営の味わってほしいことが「お店周回してシール集め」だと本気で思っているんですか?
馬鹿みたいに同じものをドカ食いするその体験が貴方にとって何になるんですかね。そんなロクに使いもしないシールがあなたに何を与えてくれるんですかね。それは時として現地の人や関係者の尊厳を踏みにじってまで得る価値のあるものなんですかね。マジで、その辺どう考えてるのか教えてほしい。
6000字近いクソ長文章書いておいてなんですけど、ここまでの話は一言で要約できると思ってて、つまりは「ダサいことすんな」ってことなんすよね。普通に、ちゃんと、楽しもう。
おわりに
とはいえ、多分このシール過熱の風潮は変わらないと思います。おそらく僕みたいな考え方はマイノリティーですし、界隈に影響を与えるほどの発言力も無いし。(そもそもリアイベ界隈みたいなのに帰属意識ないからわりとどうでも。アレな人と一緒にされるのはちょっと嫌だからどっちかというと良くなってほしいけど。)
今後も彼らはシールを求めて同じ店を何度も周回するし、同じメニューを大量に注文することが武勇伝になるし、シールをコンプしたり同じのを何枚も持ってる人が凄いのでしょう。「楽しみ方は人それぞれ」という声はもう聞こえてるので大丈夫です。それ、楽しいんですねw
ただ、何も言わず見過ごしたゴミよりは何か言ったけどどうにもできなかったゴミの方がまだ甘受に値するので、一度思考を言語化してみた次第です。
この文が誰かの目に留まるといいけれど、まあそうじゃなくても一通り吐き出してすっきりしたので別にいいやというお気持ち。
追記しました。
皆さんの感想を読んでいろいろ思ったことを。この記事で書ききれなかった点についての補足もしているのでもしよかったらこちらも読んでほしいです。
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