中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が中国・北京の天安門に集結した。中国が3日に行った抗日戦争勝利80年記念式典に出席し、人民解放軍のパレードを観覧した。

 3氏が同じ場所に集うのは初めてである。式典で習氏の右隣にプーチン氏、左隣に金氏が並んだ。中ロ朝3カ国の結束を誇示する狙いとみられる。

 この式典には、トランプ米大統領も出席を中国から要請されていたが、もちろん出ていない。インドのモディ首相は式典の直前、中国・天津で行われた上海協力機構首脳会議に出席したが、日本に配慮して式典には参加しなかった。

 中ロ朝3カ国首脳の天安門そろい踏みは日本の安全保障にとってかなり深刻な話だ。

 中ロ首脳会談は2日、北京で行われた。ロ朝首脳会談は2023年9月にロシアのボストーチヌイ宇宙基地で、昨年6月に北朝鮮の平壌市で行われている。

 残るのは中朝首脳会談だ。昨年は中朝の国交正常化75周年にもかかわらず、首脳会談がなかった。ここ6年余りも中朝首脳会談は開かれていない。北朝鮮は、国連制裁で中国が味方になってくれないのを恨んでいるようだ。そこで、ロシアには接近していたが、ここにきて中国にも接近してバランスを取ろうとしているのだろう。

 しかも、北朝鮮としては異例の他国の首脳が集まるマルチの場に出席した。中国としても、抗日80周年なので、北朝鮮を招待するのは絶好の場となる。北朝鮮は北京の式典に参加した際、中朝首脳会談を行い、ロ朝首脳会談も行った。

 この中ロ朝の連携は中国を中心としてロ朝がそれぞれ中国につくので、米国を中心とした日米韓の連携に対応するように見える。ここにきて、これまでぎくしゃくしていた中朝が再び強い連携をとるのは、中ロ朝の隣国である日本にとっていいことではない。

 しかも、中ロ朝は核兵器保有国である。中国の台湾侵攻はほぼ時間の問題だろうし、それは安倍晋三元首相が喝破したように日本有事であるし、その際、ロシアも北方領土を飛び越えて北海道侵攻もあり得る。

 こうした国家危機なのに、自民党では総裁選前倒しなど、内向きの権力闘争をしている。26年度概算要求で防衛費8・8兆円で過去最高と報じられているが、本コラムに書いたように、世界は防衛費増をもっと進めている。悠長にしていられない。

(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

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