大麻由来成分入りサプリメント購入問題を巡り、サントリーホールディングス(HD)の新浪剛史会長=写真=が辞任した。ただ、経済同友会の代表幹事や政府の経済財政諮問会議の民間議員は直ちには辞めないとしている。
サプリ購入を巡る疑問が完全に払拭されたとは言い難い。すべての職を潔く辞するのが財界トップとしての身の処し方ではないか。
新浪氏によると、4月に米国に出張した際、知人の勧めで大麻由来成分のカンナビジオール(CBD)入りサプリを購入した。日本ではCBDは規制されておらず、新浪氏は「この商品は大丈夫」と判断したという。
この後、同様のサプリの持ち込みに厳しいアラブ首長国連邦経由でインドを訪問する予定だったため、日本への持ち込みは知人に依頼した。
新浪氏は同友会の定例会見で、警察の捜査対象となった経緯を説明して「潔白だ」と述べた。潔白を主張しながら辞任したのはサントリーがサプリ商品を扱っているためと説明した。
ただ、持ち込もうとしたサプリは日本国内では合法でも一部の国では違法性が疑われている。時差ぼけへの対応や「米国の方が圧倒的に安い」ことを購入理由としたことにも疑問が尽きない。一連の行為を見る限り、財界人として軽率の度が過ぎるのではないか。
この知人は8月にも国内の弟宛てにサプリを送り、この弟は新浪氏の自宅にサプリを送ろうとした段階で福岡県警に逮捕された。サプリから違法な成分が検出された可能性がある。
新浪氏は「私が購入したサプリかどうか不明」と述べたが、自分宛てに何を送ろうとしたのか知人に尋ねなかったことも納得し難い。再度、記者会見を開き、こうした疑問に誠実に答えるべきだ。
新浪氏はこれまで、不祥事を起こした企業に対して厳しい発言を繰り返してきた。
自らを厳しく律すべき事態であるにもかかわらず、公益性の高い職にとどまり続けるのなら、同友会や経済財政諮問会議による政策提言の信頼性をも損ねかねない。
新浪氏は同友会や政府に「処遇は委ねる」としている。直ちに解任するよう求めたい。
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