米の人体実験で83人が死亡 グアテマラ
米国の科学者が1940年代、薬の効果を確かめる目的で中米グアテマラの刑務所や精神科病院で故意に性病に感染させる人体実験を行っていた問題で、オバマ大統領直轄の調査委員会は29日、実験対象となった83人が死亡したと明らかにした。AP通信が報じた。
調査委のメンバーは「科学者は医学的進歩を優先し、人間としての良識を後回しにした」と批判している。
人体実験を行ったのは、米公衆衛生当局所属の医師ら。兵士や受刑者、精神障害者らが対象となり、1300人が梅毒などに感染。実験の目的は、当時はまだ登場したばかりだった抗生物質ペニシリンの治療効果や予防に有効かどうかなどを調べるためだったが、結果的に医学的に有益な情報は得られなかったという。
この問題に関連し、オバマ大統領は既にグアテマラのコロン大統領に謝罪している。(ワシントン=共同)