そんなにたいしたことかよ。
北海道在住の女性F様から「人を傷つけまくってる感じのワタクシですが、よかったらお会いしたいです」とご連絡をいただいた。F様は、昨日、精神病の友達に何気なく言った一言が深く相手を傷つけてしまい、緊急病棟に駆け込ませてしまうほどの傷を負わせてしまったことを悔いていた。F様から「坂爪さんは虹は好きですか」と聞かれた。私は「虹を見たら、あ、虹だと嬉しくなる程度には好きです」と言った。F様は「大きな虹が出た後は、たいてい人が死ぬんです」と言った。
F様から「坂爪さんはイライラすることはありませんか」と聞かれた。私は「めちゃめちゃある。だけど、あんまり持続しない」と言った。F様は「私は、母親のこととなるとどうしてもイライラしてしまう。去年の私はいまの私ほど嫌なやつではなかったと、嫌気が差してしまう」と言った。F様は、続けて言った。坂爪さんのイライラは、なんとなくカラッとしているような気がする。私のイライラは、なんとなくジュワッとしている。この感覚が、自分を蝕んでいるような気がする。
私は、最近イラッとしたことを話した。北海道の有名なパワースポットに呼ばれて散歩をした。私を誘ってくれた人が「ここは運気が高いから、坂爪さんもお参りをするといいですよ」と言った。私は、ご利益目当てでパワースポットを巡る人が好きではないから「参拝はしません」と言った。運気をあげたいとは思いませんと言った。あなたは運が良さそうには見えませんけどねとも思ったが、さすがにそれは言わなかった。私を誘ってくれた人から「男の人って神様の力を頼らないで自分の力だけでやろうとしますよね」と言われたので、私は「お別れの時が来た」と思って帰った。
この話をしたら、F様は笑った。私も笑った。イライラした出来事は、笑い話として昇華をする。F様といる時間は、静かで、落ち着いている。F様の腕には、無数の傷跡がある。F様は、それを「生きるためにやったことだから」と隠さない。精神的に落ちている時は身動きすることができなくなり、半年間、風呂に入れない時期もあった。北海道の大地は雄大だが、北海道民の心は狭い。いつも、他人の顔色を伺っている。私は、そんな北海道が大好きだ。多分、哀しみが好きなのだと思う。札幌の街は綺麗に整えられている。綺麗に整える過程で、様々な犠牲者を生み出している。自分の中にある闇のような部分を、なかったことにできる人だけが、器用に生きることができる。
私たちは死にたくないと思う。死なないために、嫌な仕事を頑張ったり、好きでもない相手におべっかを使ったりする。家族の問題やトラウマに悩む人は少なくない。人と関わることには大変なエネルギーが必要だから、自分の中に閉じこもっている方が楽だ。だが、一度自分の中に閉じこもってしまうと、行き場をなくした悲しみや怒りやコンプレックスが渦を巻き、心と体を蝕んで行く。特別なことをやろうと思わなくていい。ほんの一歩だけ外に出てみるんだ。忘れられない過去。未来に対する恐れ。人間から受けた傷。トラウマ。そんなにたいしたことかよ。嫌いなことをやりながら生きるより、好きなことをやって死のうよ。
坂爪さん、
今日はありがとうございました。
同じ空間で過ごせてよかったです。
この世界には、坂爪さんを始め、あのひとやあのひとやあの子が生きている。
もうすこし、やってみよう。
永遠や絶対はないかもしれないけれど、すべてをきめつけて閉じこもるのは、もうすこしやってみてからでも遅くない。
そう思いました。
なので、私は私の日常を、人生を、私という人間を、もうすこし生きてみます。
そんなふうに思わせてくれて、ありがとうございます。
いつかまたお会いできたら、うれしいです。
よい日々を。
グッドラック。
おおまかな予定
9月6日(土)東京都世田谷区界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
9月23日(火・祝日)静岡県伊東市伊豆高原
EVENT@チャイニーズオーベルジュ仙豆飯店
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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