「矢花、炎天下の講習会|軽トラ不在の裏側で何が起きていたか」
この日、軽トラはなかった。
いや、正確に言うと、“農神”が乗って畑に出かけていた。
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13:30|元気なおじちゃん、到着
予定より少し早く、キッチンカー用ソフトクリームサーバーの講師が到着。
「早く来ちゃってすみませんね〜!」と笑顔満点の登場。
この瞬間、私は確信する――今日は、始まったな。
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14:00|講習、スタート(のはずが)
発電機はある。
サーバーもある。
ただひとつなかったのは――電圧(200V)。
「これ、差さらないっすね……」
サーバーのコンセントが特殊だった。
元気なおじちゃんと2人で、謎の工作開始。
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14:30|加工チャレンジ、継続中
気温30度。
無言が増す講習会場。
私の汗はシャツの色を変え、
おじちゃんのテンションも徐々に静かに落ち着いてきた。
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一方、農神は
農神こと永里は――
・畑でコーンコブの堆肥6トンを投入中
・財布を忘れて一時帰還
・矢花から10,200円を借りる(記録あり)
・そして再び、畑へ戻っていった
軽トラも農神も、帰ってこない。
でも私は、講習という祈りの場を守っていた。
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16:00|講習、終了
講習終了。
私は黙ってアルバイト先に向かった。
その背中は、やや日焼けしていた。
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そして、この一言で締めくくろう。
「農神の不在を、俺が支えた午後だった」
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