【はじめに】〜福はどこから来たか〜
2025年5月、長野県・宮田村で行われたワインまつり。
この日、僕たちは初めて「おみくじソフト」のキッチンカーを出店しました。
一見すると、ただのソフトクリーム屋です。
でも実際には、ちょっとした“仕掛け”がある。
ソフトを買うと、おみくじがついてくる。
あたりが出たら、もう一本プレゼント。
――ただそれだけの、単純なようで、実は複雑な試みでした。
結果、100名近くのお客様が訪れてくれました。
「大吉だった!」と笑顔で報告してくれる子ども。
「これ、どうなってるの?」と不思議そうにのぞき込む大人。
喜びと戸惑いと発見の混ざった時間。
このnoteは、そんな“福のはじまり”の全記録です。
実際にやってみたからこそ分かったこと。
うまくいった部分と、ズレていた設計。
そして次に活かすための改善点と未来図。
キッチンカーで「福」を届けようとした、僕たちの最初の物語。
きっと、読んでくれたあなたにも、なにかひとつ“運”が届くように。
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【1】実験開始:「おみくじソフト」はこうして始まった
おみくじソフトという名前は、ある意味“先に走りすぎた名前”でした。
商品はソフトクリーム。
だけど、ただのソフトじゃない。
くじが引けて、当たればもう一本。
それだけじゃなく、
「何が出るかな?」というワクワクを
“食べる”前から“感じる”という体験が、設計の根幹にありました。
ただ、現場に立って気づいたのは――
ソフトクリーム屋に見えて、ソフトクリーム屋以上の何かを伝えるのは、簡単じゃない。
お客さんは「甘いものが食べたい」と寄ってきてくれる。
でも、「おみくじ付きなんです」と説明しても、
反応はさまざま。「へぇ〜」と納得してくれる人もいれば、
「ん?」とピンと来ない人もいた。
つまり、体験の設計と見た目の印象にズレがあった。
実際、裏のシールに気付いても、食べている最中なので、取りに来るのに来れない、という状況もあったり、中には福(当たり)が出ても、それに気づかずに帰ってしまう人も、もしかしたらいたかもしれない。
でもその中でも、
何人かの子どもたちは、シールをちゃんと確認して、
「大吉だった!」「また引きたい!」と
2回目、3回目とリピートしてくれた。
だから思ったんです。
仕掛け自体は“刺さってる”。だけど“伝え方”が足りてなかった。
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