無限とんがりコーン回廊 +α
ペンギンです。
とんがりコーンを買って食べました。
とんがりコーンの梱包って、紙の外箱と、アルミ(?)の内袋とで、二重になっていますよね。
外箱はキリトリの厚い線がついていて、つまみをぺリペリ引っ張って新体操のリボンのように輪を描きながら軽やかに開けていきます。
内袋には普通のポテチ袋とかと同じようにギザギザがついていて、ちょっと力を込めて開けていく。
ひとつのお菓子を食べるために、素材も仕様も異なる二つの梱包を乗り越えていく感じが、レベル1のダンジョンみたいでちょっと好きです。
あと、全部開けた後に外箱のフタっぽい部分にとんがりコーンを、ハムスターのエサ箱にエサを入れるみたいにカラカラと出してから食べるのが僕は好きです。
少しエサ箱に出して、エサ箱から食べて、なくなったらまたアルミの内袋からカラカラ出して、また食べて。
何の意味もありませんが、袋から直(じか)にいくよりも、なんだか特別な感じがします。
今日もとんがりコーンを楽しむために、外箱をぺリペリと開けていき、内袋に手をかけたのですが、ギザギザが見当たりません。
そう。
さっきは『ポテチ袋とかと同じ』と書きましたが、とんがりコーンの内袋とポテチ袋には違いが一つあります。
とんがりコーンの内袋のギザギザは、「1か所」にしかないんです。
ポテチ袋のように、袋の一辺が全てギザギザになっているのではなく、袋のわずかな一部位だけがギザギザになっています。
そのため、とんがりコーンの内袋を開けるためには、まず、1か所しかないギザギザのありかを見つけなくてはならないのです。
いつもはそんなに難しいことでもないので、意識したこともありませんでした。
が、今日はなぜかその「ギザギザ」が見つからない。
上辺をザッと目でさらいます。ない。
ひっくり返し、ザーッと中身のコーンが大移動するのを手持ちで感じながらケツの一辺を目でさらいます。ない。
脇。ない。
終わった。
とんがりコーンの内袋をご存知の皆さんならわかるかと思いますが、あれってパーティー開けしづらくないですか?
やたらとアルミ(?)の繊維(?)がきめ細やか(?)な感じがして、手で引っ張っても明らかにこりゃ開かないな、なんですよ。
だからギザギザは、とんがりコーンにとって実は非常に重要な生命線。
なんの因果かわかりませんが、ギザギザのない袋をツモった時点で僕は今日とんがりコーンを食べられない運命になってしまう。
さっきまではただ呑気にとんがりコーンを食べようとしていただけなのに、もうそんな穏やかな気持ちでは居れません。
四方向、八方向、十六方向、ありとあらゆる方向に内袋をひねり、ねじり、ひっくり返し、その都度中のコーンが「ザーッ」と美味しそうなカラ音を立てます。
ああ、良い音だ。
カラッとしてしょっぱくて程よい硬さで、とんがりの先端だけを前歯でかじるとラッパみたいになって塩っ気のある口呼吸ができるあのひとときを、今日は味わえないのか?
くるくるくるくる。
無限にも思える永い時を経て、ようやくギザギザを見つけました。
全然ありました。
じゃあ今までのはなんだったんだ。
絶対おかしい。
僕があまりにしつこいから並行世界に移動させられたんだと思う。
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お題箱にお答えします!
無生物、生物問わずで、生まれ変わるなら何になりたいですか?
私はどこかの神社の御神木になって、人間にご利益を与えたり、人間を見守ったりして過ごしてみたいなと思います。
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