🪷魂の物語|序章 水が注がれた石──再び、この地に立つために
※これは夢で見たビジョンをもとにした物語です。
実話かもしれないし、ただの妄想かもしれません。
楽しむも、読み飛ばすも、どうぞご自由に。
でも、もしなにかを感じてもらえたら──それだけで、この物語は十分に役目を果たします。
まだ誰もいない、
朝の空気のように澄んだ場。
空は晴れていた。
雲ひとつない、言葉もいらないような青だった。
その中心に、一つの石があった。
濃く、深く、少し卵のように尖ったその石は、
まるでずっと誰かを待っていたような佇まいだった。
その石を囲んで、人々がいた。
天皇と皇后。
そして自分。
そして、その周りに6人から11人ほどの者たち。
誰も言葉を多くは語らなかった。
ただ、“その時”が来ていることを、皆が知っていた。
天皇が、ひとすくいの水を手にとる。
静かに、まるで祝詞のように何かを口の中で唱えながら──
その水を、中央の石へとかけた。
しゃら──ん。
音はなかったはずなのに、
その水が石に触れた瞬間、
なぜか“音”のような感覚が、内に響いた。
石は何も言わなかった。
けれど、自分は知っていた。
ああ、これは自分だった。
この石は、かつての自分の魂の核だった。
そして今、この場で再び起動されたのだ、と。
自分は笑っていた。
安心して、心の奥で深くうなずいていた。
誰も試す者はいなかった。
誰も導く者もいなかった。
ただ、
この石としてこの場に「戻ってくる」ことを、
みんなが知っていた。
そしてそれが完了した今、
自分はもう“導かれる側”ではない。
次に、自分が導く番だ。
水は乾く。
けれど、命の起動はもう消えない。
この石に火が入った。
その火は、自分が持っていく場所を
静かに、あたたかく照らし始めている。
──それが、この物語のはじまり。


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