〈川崎ストーカー殺人〉「神奈川県警の〈暗黒の歴史〉が繰り返された」 事件性なしと被害者家族の訴えを門前払いに…変わらない不祥事体質
県警本部長にも厳重注意
さらに、家族の古くからの知人女性は警察の事なかれ主義にこう激昂していた。 「一番許せないのは、アサヒちゃんが失踪した後に家族が川崎臨港署に『(岡崎さんが)警察に何度も相談してるでしょ』って問いただしたのに『(岡崎さんから)電話はありませんでした』と嘘をついたことです。 それで家族は通話記録を取り寄せて『こんなに電話してるじゃないか。これはなんだ!』と迫ったんです。とにかくこの警察署の対応はおかしい。全部私たちが言っていた通りのことが起きていて、それでアサヒちゃんは亡くなった。本当に悔しいです」 同署や県警捜査1課の後手に回った対応に対し、「救えるはずの命を見殺しにした」という批判が高まり、大きなうねりとなった。そこで県警は5月から一連の対応を検証していた。 報告書では「担当した警察官全員が危険性や切迫性を過小評価して報告や記録化を怠った」など根本的な初動のミスを指摘。 また県警本部に対しても「川崎臨港署からの報告を追認するにとどまった」などと当事者意識が希薄だったことを批判、本部内にストーカー事案を統括する参事官級ポストを新設して部署間で適切な連携が取れる仕組みを構築するとした。 和田本部長は報告書発表に伴う記者会見で、自らが警察庁から管理責任を問う口頭厳重注意処分を受けたことを明らかにし、「県民の皆様の信頼を損なうこととなり責任を痛感しています」と謝罪した。 神奈川県警が非を認めたとの知らせを聞いた飛松さんは、「必ずこうなると思っていたし、取り合おうとしなかった川崎臨港署の担当者には、“あんたらのこの対応には最も厳しい処分が下ることになるぞ”とも警告していたんです」と事件を振り返る。 「岡﨑さんの家族から彩咲陽さんが失踪した状況を聞くと、これはただの家出ではなく、事件に巻き込まれるなどして死亡する危険が高い“特異行方不明者”としてきちんと認識し本部長が責任を持って指揮する態勢を取らなければならない事件であることは明白でした。 だからご家族と一緒に川崎臨港署に対応を求めに行ったのですが、担当者は逃げていなくなるわ、ご家族がいないところで5人の警察官が僕を囲んで『なんであんな一家を支援するのか』と恫喝してくるわで対応はひどいものでした。 そうしたことはすべて、後に乗り出してきた県警本部の人身安全課の警視に報告してあります。だから本部は、署が最初の段階どのようなふるまいをしたのか、全部把握しているはずで、隠せないと思って大規模処分になったのでしょう」(飛松さん) そして飛松さんは神奈川県警の“暗黒の歴史”がまた繰り返されたと嘆く。 「だいたい神奈川県警は、1999年に現役警察官の覚せい剤使用を県警本部長が握りつぶす特大の不祥事を起こし、翌年の警察法改正という大改革の引き金を引いた県警です。その警察法改正では“被害者対策の推進”も柱の一つでした。それがまたこのような形でないがしろにされ、命が奪われることになったのです」(飛松さん) はたして地に堕ちた神奈川県警の信頼回復は叶うのか。 ※「集英社オンライン」では、今回の記事についてのご情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。 メールアドレス: shueisha.online.news@gmail.com X(旧Twitter) @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班
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