「湖都松江の印象」です。

これは、戦時中に松江市によって発行された観光パンフレット。意外に思われる人も多いかもしれませんが、戦時中、一時帰還した兵や軍需工場勤務者の慰労や内需拡大などを目的として国内旅行が推奨されておりました。そのためこの頃、各自治体は観光パンフレットを多く発行しております。

奥付にも昭和19年とあります。

古くて珍しいからという以外に、私はこの本には大きな価値がみっつ備わっていると思っています。

まず、執筆陣の豪華さ。

すごいメンバーが並んでいます。彼らが松江という町をどう見たのか、どこに立って、どの方角を見たのか。文豪たちの足跡を詳しくたどることができます。

次に、多くの貴重な写真。

宍道湖から中海に注ぐ大橋川にかかっていたとされる木造「くの字橋」。流れる水の力を分散させる目的でわざと湾曲させてある橋です。実際なんども流れに負けて崩壊しています。

伝説的に語られることはありますが、ここまで詳細に実際の姿を捕らえた写真はほとんどありません。

そして最後に、「普通に外来語が使われていること」です。

以前、quoraにも書きましたが第二次大戦下、外来語は禁止されていませんでした

そういっつぁん
· 4年前
もし第二次世界大戦時の日本で、漢字も交戦国である中国由来のものだから敵性語だとして英語同様に禁じられたらどうなっていたのでしょうか?
誤認があるかもしれないので、まずこちらの話から入ります。 大戦中、英語は禁止されていません。 英語を敵性語と呼び、排斥しようとしたのはマスコミや市民団体などの「民」であって「官」が法律などで使用を禁止したわけではありません。 むしろ、市民団体から「学校での英語教育を取り止めるべき」と要求された際に東條英機などは国会で「英語教育は必要である」と突っぱねてさえいます。 言わば非常に強い同調圧力であり、現在「マスク警察」などと揶揄されるような存在が、当時は「敵性語警察」として相当数存在していたということです。 たまたま手元に資料がありました。 『湖都松江の印象』 これはバリバリ戦時中に発行された「観光パンフレット」みたいなものです。 奥付はこちら。昭和19年発行と書いてありますね。松江観光協会発行の公的な性格の冊子です。 我々の持っている一般的なイメージだと戦時中に旅行してちょっと贅沢な食事でも、なんてやってると憲兵さんがやってきて「貴様!この国難の最中に不届きな!」とぶん殴られそうですが、実はそんなことはありません。 内需拡大、軍需工場や国内勤務の兵士の慰労などを目的に戦時中はワリと国内旅行が推奨されておりました。この時期、このような観光パンフレットは各地で発行されております。 この中でも普通に「敵性語」が使われています。 モーター エキゾチィッッック 狂おしいほどモダーン どうでしょう。全く禁止などされていなかったことがわかっていただけたでしょうか。 なので質問のように「英語同様に」禁止されていたとするなら、「一部の敵性語警察の人たちはひらがなカタカナでやり取りしてたかもしれないけど、一般的には関係なく漢字を使ってたでしょうね」というのが答えになります。 夢を壊して申し訳ない。

実際に「外来語は敵性語だから、使わないようにしよう」と主張していたのは市民団体なのです。彼らは英語教育をやめるように訴えて、国はそれをつっぱねてさえいたのです。

「戦時中に国によって横文字が禁止され、サイダーは蒸気水、ストライクは良しと言い換えさせられた。従わなかったら憲兵がやってきて殴られて非国民と罵られた」というような誤ったイメージが、もはや取り返しがつかないほど定着してしまっておりますが、全く事実ではありません。

この本はそのような大変長生きなデマを暴く、動かぬ証拠です。

珍しいだけでなく、とても価値のある本だと思います。これからも細心の注意を払って扱っていきます。

象印かと思った😂

俺も最初はそう思った!

Saito Atsushi
江松都湖ー(笑)!!

私の手元にも1943年の、山本五十六死亡直後の雑誌がありますが、普通に外来語が使われていました。巻頭にヒトラーの対英宣戦布告があり、全編に渡って戦争万歳といった論調の雑誌でした。

外来語禁止は当時でもなかなか過激派だったんじゃないでしょうか。

おお、ありがとうございます。

湖都、初めて見ました。大津も言うでしょうかね。浜松や米子は県庁所在地じゃないから駄目か?

現在、文化協会が発行してる情報誌のタイトルも「湖都松江」というタイトルなので、全くの造語ではないと思うんですがどうでしょうかね?

確かにあまり一般的には使わないですよね。

健 / Ken
〇都 という表現なら、割とよくある気がします。日本で思いつきませんがロンドンを 霧都 と言うような例は探せばあるんじゃないでしょうか 【霧都老火鍋】四川道地麻香辣.正宗重慶麻辣鍋.傳統手炒底料.私心愛鮮毛肚.川粉.貢菜乾.台中四川重慶火鍋推薦 台中の店のようで、そこなのか四川なのかはたまたロンドンなのか見当が付きません 「梅都」(うめづ)さんの名字の由来、語源、分布。 - 日本姓氏語源辞典・人名力 これは言うんじゃないかと想像したんですが地名はみつけられず 思い出しました 杜の都 これは広く通じるでしょう。

錚々たる執筆メンバーですね!

非売品の観光パンフレットというところが、なんともはや稀少価値。

くの字橋に寄せた詩も心を打ちます。(これがノッシング女史という方の寄稿なのですね)

こういった「歴史の証人」たる書籍は本当に貴重ですね。

大切にお守り頂いている事に感謝致します。

世界の財産です。

横文字使って殴りにくるのは憲兵じゃなくてマスコミとか変な団体の人‥

つまり、〇〇〇隊と新聞記者と変わらない構図

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