「お風呂が沸きました」はなぜ女性声? 自動音声、耳を傾けてみたら

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編集委員・山下知子 小川尭洋
【動画】日常にあふれる自動音声=山下知子撮影
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 「お風呂が沸きました」「お金を入れてください」……。日常にあふれる自動音声。気にして耳を傾けると、女性と思われる声が圧倒的に多い。識者は「日常生活のお世話をするのは女性、という社会のバイアスが潜んでいる」と指摘する。

 午前1時過ぎ。お風呂に入らないまま、子どもと寝落ちしてしまった記者(48)はのそのそと起き上がった。家族が使った湯船はすっかりぬるくなっている。「追いだき」ボタンを押して10分後、メロディー音とともに女性の声が教えてくれた。

 「お風呂が沸きました」

 給湯器製造販売大手のリンナイ名古屋市)によると、音声付きの給湯リモコンは1998年から販売し、当時から音声は女性だ。男性の音声はない。エレベーターやバス、野球場や選挙カーの案内などで女性の声が多いことや、女性が入浴中に男性の音声を聞いたら驚いてしまう、といった理由から、女性の声が採用されたという。

エレベーター、カーナビ……

 エレベーターにエスカレーター、券売機、エアコン、カーナビ……。様々な機械に音声ガイドがついているが、女性の声が圧倒的に多い。

 81年に自動音声のエレベーターを発売した日立ビルシステム(東京)も、基本的に音声は女性だ。ただ、「女性である明確な理由は分からない」。現在では、設定変更で男性音声にすることもできる。

 大手カーナビメーカー・パイ…

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この記事を書いた人
山下知子
編集委員|週刊アップデート編集長
専門・関心分野
教育、ジェンダー、セクシュアリティ、歴史
小川尭洋
デジタル企画報道部
専門・関心分野
人種差別、海外ルーツの人々、歴史認識、政治と教育