ハーバード大への助成金停止は違法、米地裁が政権に再開命令

ハーバード大への助成金停止は違法、米地裁が政権に再開命令
9月3日、 米東部マサチューセッツ州ボストンの連邦地裁はトランプ政権のハーバード大学に対する約22億ドルの研究助成金停止は違法だと判断し、助成金の再開を命じた。写真は7月、ボストンの裁判所前でハーバード支持を訴える人々(2025年 ロイター/Brian Snyder)
[ボストン 3日 ロイター] - 米東部マサチューセッツ州ボストンの連邦地裁は3日、トランプ政権がハーバード大学に対して約22億ドルの研究助成金を停止した措置は違法と判断し、助成金の再開を命じた。
トランプ大統領は、パレスチナ自治区ガザを巡る問題でイスラエルを非難するデモが構内で行われた幾つかの主要大学が「反ユダヤ主義」や「過激な左翼」思想に支配されていると主張。ハーバード大にも助成金打ち切りや留学生受け入れ資格の剥奪などで、ガバナンスや教職員採用方針の修正、一部研究プログラムの廃止などさまざまな措置を実行するよう圧力をかけている。
ハーバード大側は、ユダヤ人やイスラエルの学生の安全確保対策などを講じたとしつつも、政権の要求は大学の「知的環境」を不当に規制するものだと述べ、そうした行き過ぎた要求を拒絶した後で政権が報復を始めたのは言論の自由を保障した合衆国憲法に違反するとの見解を示していた。
地裁は、トランプ氏が反ユダヤ主義と闘うのは正しく、ハーバード大が「憎悪行為を容認してきたのは間違いだった」と指摘。ただ、政権が要求に応じるよう大学に圧力をかけるのは憲法に違反すると判断した。
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ホワイトハウスのヒューストン報道官は判決を批判し、直ちに控訴する考えを示した。

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Nate Raymond

トムソン・ロイター

Nate Raymond reports on the federal judiciary and litigation. He can be reached at nate.raymond@thomsonreuters.com.