サウジアラビア王国館の「IRTHレストラン」メニュー全容(EXPO 2025 大阪・関西万博)
「IRTHレストラン」とは?
「ぜひ食べてほしい!」――。「IRTHレストラン」はサウジアラビア王国館に併設するレストランである。店内メニューの記述によると、IRTHは「遺産」という概念を表現する単語のようだ。
冒頭のようなポストがXでバズって以来、レストランは万博開場後(10時30~50分ごろ)、すぐに2時間待ち。しかも閉店まで続く(夕方に並ぶことを打ち切る)。人気パビリオン並みの覚悟を必要とする場所になっている。
すでにメニュー(PDF)がXで出回っている。しかし店内のメニュー表と異なり、価格や材料の情報が抜けている。情報を補完するため、ここで記録を残しておきたい。
ただしPDFから価格が抜けている理由に、これからの価格変更を見込んでいる可能性もある。ここでの記述はあくまで参考にとどめてほしい。以下は会場でダウンロードしたメニューだ。
何が食べられるの?(メニュー)
ここからIRTHレストランの店内メニュー表を引用する(読みにくい箇所は言葉に少し変更を加えた)。食べ物のイメージはPDFも参考にしてほしい。
最初に述べておくと、メニューのカテゴリーは「パンかご」「小皿(軽い食事)」「大皿(1人分のメイン)」「シェアプレート(2~3人でのシェア)」「デザート」だ。「()」のような人数分を想定していると思う。
ただ、私は大皿2つ、小皿2つ、パンかご1種、デザート1つ(3種類)を食べた。従業員はまだ食べるのかという顔をしていたが、食べれないわけではない。そもそも味がさっぱりしていて胃に入る。肉料理を増やしたら、厳しかったのかもしれない。
メニューの記述後、食事の感想やレストランに並ぶ意味があるかなどの個人の意見を述べる。
◆パンかご(すべて価格300円)
Alahmmar Bread(アラフマル・ブレッド):(おそらく香辛料である)フェンネルとニゲラシードで香り付けしたデーツ(カラース種)と、全粒粉の生地で作ったパン。ヤギのチーズを添える。
Mifa(ミーファ):アルラディファとはちみつを添えた全粒粉パン
Shuraik Bread(シュリーク・パン):ゴマをトッピングしたひよこ豆粉のパン
パンの表記での「添える」とは、おそらくジャムのようにつけるものを指している。筆者はミーファを食べたのだが、パンに付けるはちみつとオイルが付いてきた。
最前列がはちみつ、奥がオリーブオイルのようにさらさらしたオイル(アルラディファ?)だ。価格も300円なので、頼むべき。おそらく、パン類はクセが少ないため、どれを頼んでもよさそう。
◆小皿
Mobasal(モバサル)、価格1100円:ターメリック風味の揚げ玉ねぎを軽くつぶし、甘いデーツシロップで和えたおかず
Madeni Buff(メディニアン・サモサ)、価格1000円:牛ひき肉やパセリ、卵を詰めたサモサ(揚げパイ?)。ドゥグスソースを添える
Habb Soup(ハッブ・スープ)、価格900円:大麦やトマト、ローストボーンマロー(焼いた骨? 骨髄?)が溶け込んだスープ
Matfi Fish(マタフィ・フィッシュ)、価格1200円:真空調理した魚にタマリンドとコリアンダーのソースをかけ、ルッコラと玉ねぎのサラダを添える
Kabab Miro(カバブ・ミロ)、価格1200円:ごまペースト入りの卵サラダに、牛肉(リブ)と全粒粉のミートボールを乗せたもの
◆大皿
Jareesh(ジャリーシュ)、価格1700円:全粒穀物をヨーグルトでじっくり煮込んで、玉ねぎとブラックライムのソース「ムサマナ」を添える
Margoog(マルグーク)、価格1900円:ラム肉と柔らかい野菜、手延べした生地を出汁で煮込んだ料理
Mefalag(ムファラグ)、価格2400円:干しエビとブラックライムの出汁で煮込んだ押し麦に、網焼きしたエビと半熟卵を乗せた料理
Chicken Saleeg(チキン・サリーグ)、価格2000円:鶏もも肉と、マステック風味のギー(バターオイル)や調味料を加えたクリーミーな米料理
Maktota(マクトータ)、価格2500円:玉ねぎと唐辛子、ソテーしたハツとレバー。ライスを添える。
◆シェアプレート
Sayadieh(サイヤディーヤ)、価格5500円:魚のフライと、タマリンド風味のスパイスライスを組み合わせた料理。ロッカの葉やネギ、大根、青唐辛子入り
Heneeth(ハニース)、価格7500円:マラクの枝を敷き詰め、6時間かけて料理した子羊の肩肉に、酸味あるタヒナソースとしドルハニーを入れた料理
◆デザート
Mabthooth(マブスース)、価格600円:甘いデーツを乗せて、溶かしたギー(バターオイル)をかけたヨーグルトプリン
Muhallebia(マハラビア)、価格600円:ローズウォーターと、マスティックの香りを加え、ピスタチオをトッピングしたミルクプリン
The Saudi Trio(サウジトリオ)、価格1200円:MaqShush(マクシュシュ、焼いた大麦にデーツのシロップとブラックライムのソースをかけたデザート)、Mohalla(モハラ、デーツのクッキーをのせ、ギーというバターオイルをかけたプリン)、Sagodana(サゴタナ、マンゴープリン)の3種類の盛り合わせ
◆補足
・上記メニューとは別に、1万5000円の「サウジ体験メニュー」が存在する。基本的に食べ物は被っているものの、選べるもの、選べないものもあるようだった。
・当然ながらドリンクメニューもあるが割愛する。
IRTHレストランを体験した感想
結論から先にいうと美味しい。驚いた。どこかの家庭料理のような味わいだ。味覚を強く刺激するような味ではないため、舌が疲れにくかった(焼肉はガツンと味と脂が来る。肉じゃがは滑らかに味覚に来る。サウジは後者のイメージ。わかりにくいけど……)。するすると食べられた。
個人的に、肉か魚かを一品加えておけばよかったかもしれないと考えた。スープ系に食品が寄りすぎた。デザート(サウジトリオ)は独特な味わいもあるため、苦手な人もいそう。
では並ぶ価値はあるのか。これは難しい。もし、あなたが万博を複数回来ているならば、おすすめしたい。私が記事を執筆したくなるくらいの興味深さを感じられる。そもそも日本で食べられない味で、食事を「楽しめる」。食事での文化交流が可能なメニューだ。
でも、「IRTHレストラン」は長時間もの間、列で待たなければならない。まだパビリオンを巡っていないならば、食事だけで万博を終わらせてしまうことはもったいないのではないかと思う。食事も「文化」だが、各国の珠玉の展示を犠牲にしてもいいものかと悩むのだ。
個人的には、もう一回、行きたい。そう思わせる店だった。私単独だったので、シェアプレートに挑戦できなかったのが悔やまれる。ただもう一回並べるか?といわれると尻込みもしてしまう。そんなレストランです。
注意点としては、日本語が通じにくいため、メニューを指さししていきましょう。あと、会計の時に「デリシャス!」というと喜んでもらえます。


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