今回は、津貫蒸溜所へ見学した内容をお送りします。
多分何の知識もない人からすると、あそこでウイスキーが作られているのだ、と思われるでしょう。
残念ながら違います。
じつはこの塔は、「旧蒸溜棟」といい、ウイスキーではなく、焼酎甲類の蒸留が行われていた建物です。
中に入ると、巨大な連続式蒸留器が現在も残されていますが、それ以外には本坊酒造の歴史に関するパネルが並んでいるほか、かつて使われていた単式蒸留器も展示されています。
この単式蒸留器は500Lの小型のもので1969年から使われていたもののようです。
ここが最近になって増設された設備になります。
この中に於いては、ウイスキー工程のうち、大麦麦芽の粉砕、仕込み、発酵、蒸溜までを全て行っています。
使用されているポットスチルは、初溜用と再溜用が1基ずつで、クラフトウイスキー蒸溜所並に小規模なものになっています。
初溜用はオニオン型で、再溜用はストレート型の形状となっています。
加熱方式については、どちらもスチームを使ったものになっていて、蒸留器内部にパーコレーターと言われる機械を設置し、その中に蒸気を通すことで加熱するものになっています。
これは駒ヶ岳蒸溜所のポットスチルでも採用されています。
ラインアームの向きは比較的下を向いているため、比較的香りの強い原酒を取り出そうという意図を垣間見ることが出来ます。
この一対のポットスチルの他に、小さい予備のポットスチルも1基設置されています。
この貯蔵庫は焼酎甲類を製造していた時代からある建物で、それを原酒の貯蔵庫にしています。
蒸留棟の設備にも貯蔵する部屋は置かれていますが、本格的な売りにするものはこちらに貯蔵しているように思われます。
樽の貯蔵方式はダンネージ式で、床は土が敷き詰められています。
この辺りは、竹鶴ノートで記載されていたものを忠実に再現しているように思われます。
見学者が立ち入られるのは一部の区間だけですが、それでも実際に貯蔵、熟成を行っているウイスキーと樽を間近で見られるというのは感慨深いものがあります。
この貯蔵庫で見られるものの樽は、シェリー樽、パンチョン樽、バーボン樽と様々で、貯蔵されている原酒もノンピートからヘビーピートまで複数造られているのがわかります。






このほか、ニューポットと3年熟成された原酒を展示する樽もありますが、3年でルビーレッドに染まったものになっていて、私の地元の蒸溜所で見たものに比べて熟成が早いのがわかりました。
これを見てしまうと、津貫モルトの熟成のピークは10~15年で、20年を超えるとくどくなってしまうように想像してしまいました。
一部の部屋には、邸宅として使われていた時代を再現した部屋があるほか、建物の中央部にはゲストルームと、実際にウイスキーなどが買える売店、試飲が出来るバーが設置されています。
私が見学したときには、一部が改装中でしたが、暖かい時期に屋外で蒸溜所周辺の景色を楽しめる屋外デッキが用意されているようでした。
最終的に私はこちらで、津貫のボトルを一本購入しました。
見学をする際には、特に10名以上で集団見学する場合は、本坊酒造が提供するサイトに於いて予約を行う必要があります。
少人数の場合は予約なしでも可能ですが、施設自体が比較的小規模のため、混雑している場合は入場制限をする場合があるとのことです。
蒸溜所に於いては見学ツアーはなく、自由見学のみになります。
ウイスキーについての知識がない人にとっては少し物足りなく感じるかもしれません。
アクセスについては、公共の交通機関を使う場合はかなりハードルが高くなります。
鹿児島交通のバスを使い、鹿児島中央駅のバスターミナルから加世田バスターミナル行きのバスに乗り、そこから枕崎行きのバスに乗り換えて津貫停留所で降りる行程に成ります。
実際に利用した分だとトータルで2時間近くバスに揺られることになります。
さらに加世田バスターミナルから枕崎に行くバスは1日5本しかないため、加世田バスターミナルからタクシーで行くことをおすすめします(私の場合、帰りについては蒸溜所のスタッフの方に配慮して貰い、タクシーを配車して貰いました)。
車の運転に慣れていて、旅行先でもレンタカーを借りて旅行をする人であれば、レンタカーの方が早く着きます。
むしろ鹿児島県内の蒸溜所を回ろうとするならレンタカーまたは自家用車に限られます。
ここからは私の経験を含めてのことですが、私の住んでいる札幌からだと、鹿児島へ直行する航空便がないため、鹿児島まで行くためには、新千歳空港から羽田空港まで乗った後、そこから鹿児島空港行きの飛行機に乗り換えるか、福岡空港で降りた後博多駅に向かって、そこから新幹線、あるいは関空または伊丹で降りて、新大阪駅に向かい、新幹線で鹿児島中央まで目指すというルートになります。
最速で最安になるのは、福岡空港経由のルートになりますが、それでも一人当たりの往復の旅費が10万円を突破するので、津貫蒸溜所に行くためだけに旅行をするのは割に合いません。
周辺の観光地を巡っていくことも含めてプランを立てた方がいいでしょう。
あの巨大な建物は?
津貫蒸溜所の写真や、実際に訪れてまず見かけるのは、大きな塔のような建物です。多分何の知識もない人からすると、あそこでウイスキーが作られているのだ、と思われるでしょう。
残念ながら違います。
じつはこの塔は、「旧蒸溜棟」といい、ウイスキーではなく、焼酎甲類の蒸留が行われていた建物です。
中に入ると、巨大な連続式蒸留器が現在も残されていますが、それ以外には本坊酒造の歴史に関するパネルが並んでいるほか、かつて使われていた単式蒸留器も展示されています。
この単式蒸留器は500Lの小型のもので1969年から使われていたもののようです。
ウイスキー作りの本丸へ
旧蒸留棟を出て右側に、実際にウイスキー作りが行われているウイスキー蒸留棟があります。ここが最近になって増設された設備になります。
この中に於いては、ウイスキー工程のうち、大麦麦芽の粉砕、仕込み、発酵、蒸溜までを全て行っています。
使用されているポットスチルは、初溜用と再溜用が1基ずつで、クラフトウイスキー蒸溜所並に小規模なものになっています。
初溜用はオニオン型で、再溜用はストレート型の形状となっています。
加熱方式については、どちらもスチームを使ったものになっていて、蒸留器内部にパーコレーターと言われる機械を設置し、その中に蒸気を通すことで加熱するものになっています。
これは駒ヶ岳蒸溜所のポットスチルでも採用されています。
ラインアームの向きは比較的下を向いているため、比較的香りの強い原酒を取り出そうという意図を垣間見ることが出来ます。
この一対のポットスチルの他に、小さい予備のポットスチルも1基設置されています。
実際に貯蔵されている樽が見学できる
ウイスキー蒸留棟を出て、旧蒸留棟の奥の方に、貯蔵庫があります。この貯蔵庫は焼酎甲類を製造していた時代からある建物で、それを原酒の貯蔵庫にしています。
蒸留棟の設備にも貯蔵する部屋は置かれていますが、本格的な売りにするものはこちらに貯蔵しているように思われます。
樽の貯蔵方式はダンネージ式で、床は土が敷き詰められています。
この辺りは、竹鶴ノートで記載されていたものを忠実に再現しているように思われます。
見学者が立ち入られるのは一部の区間だけですが、それでも実際に貯蔵、熟成を行っているウイスキーと樽を間近で見られるというのは感慨深いものがあります。
この貯蔵庫で見られるものの樽は、シェリー樽、パンチョン樽、バーボン樽と様々で、貯蔵されている原酒もノンピートからヘビーピートまで複数造られているのがわかります。
このほか、ニューポットと3年熟成された原酒を展示する樽もありますが、3年でルビーレッドに染まったものになっていて、私の地元の蒸溜所で見たものに比べて熟成が早いのがわかりました。
これを見てしまうと、津貫モルトの熟成のピークは10~15年で、20年を超えるとくどくなってしまうように想像してしまいました。
旧邸宅を使ったゲストハウス
最後に、蒸溜所の区域から少し離れたところにある、本坊家の旧邸宅を改造して作られたゲストハウス「寶常(ほうじょう)」に行きました。一部の部屋には、邸宅として使われていた時代を再現した部屋があるほか、建物の中央部にはゲストルームと、実際にウイスキーなどが買える売店、試飲が出来るバーが設置されています。
私が見学したときには、一部が改装中でしたが、暖かい時期に屋外で蒸溜所周辺の景色を楽しめる屋外デッキが用意されているようでした。
最終的に私はこちらで、津貫のボトルを一本購入しました。
見学時の注意点
最後に、見学をする際の注意点をいくつか書きます。見学をする際には、特に10名以上で集団見学する場合は、本坊酒造が提供するサイトに於いて予約を行う必要があります。
少人数の場合は予約なしでも可能ですが、施設自体が比較的小規模のため、混雑している場合は入場制限をする場合があるとのことです。
蒸溜所に於いては見学ツアーはなく、自由見学のみになります。
ウイスキーについての知識がない人にとっては少し物足りなく感じるかもしれません。
アクセスについては、公共の交通機関を使う場合はかなりハードルが高くなります。
鹿児島交通のバスを使い、鹿児島中央駅のバスターミナルから加世田バスターミナル行きのバスに乗り、そこから枕崎行きのバスに乗り換えて津貫停留所で降りる行程に成ります。
実際に利用した分だとトータルで2時間近くバスに揺られることになります。
さらに加世田バスターミナルから枕崎に行くバスは1日5本しかないため、加世田バスターミナルからタクシーで行くことをおすすめします(私の場合、帰りについては蒸溜所のスタッフの方に配慮して貰い、タクシーを配車して貰いました)。
車の運転に慣れていて、旅行先でもレンタカーを借りて旅行をする人であれば、レンタカーの方が早く着きます。
むしろ鹿児島県内の蒸溜所を回ろうとするならレンタカーまたは自家用車に限られます。
ここからは私の経験を含めてのことですが、私の住んでいる札幌からだと、鹿児島へ直行する航空便がないため、鹿児島まで行くためには、新千歳空港から羽田空港まで乗った後、そこから鹿児島空港行きの飛行機に乗り換えるか、福岡空港で降りた後博多駅に向かって、そこから新幹線、あるいは関空または伊丹で降りて、新大阪駅に向かい、新幹線で鹿児島中央まで目指すというルートになります。
最速で最安になるのは、福岡空港経由のルートになりますが、それでも一人当たりの往復の旅費が10万円を突破するので、津貫蒸溜所に行くためだけに旅行をするのは割に合いません。
周辺の観光地を巡っていくことも含めてプランを立てた方がいいでしょう。
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