参院選で議席を大幅に増やした国民民主の勢いは続くのか。
まず今年7月の参院選と昨年10月の衆院選における比例代表の得票数を比較してみよう。比例代表は政党の人気度を示すからだ。もちろん政党の力としては選挙区が基本だが、取りあえず比例代表に絞ってみよう。
衆院選と参院選の得票差をみると、「勝ち組」といえるのは、参政(555万票増)保守(183万票増)みらい(151万票増)国民(145万票増)社民(28万票増)などである。
「負け組」は立民(416万票減)自民(177万票減)公明(75万票減)維新(72万票減)共産(49万票減)となっている。
「負け組」の失った票に、今回の参院選での投票増463万を加えると、勝ち組の投票増とほぼ見合っている。
筆者の仮説であるが、国民が手取りを増やすという分かりやすい政策で、立民・共産から票を取り、その後、国民が山尾志桜里元衆院議員の問題で迷走しているうちに、その票の行き場がなくなり、参政がうまく取り込んだのではないか。2022年7月の参院選と昨年10月の衆院選の比例代表における票の流れも分析すると、この仮説はもっともらしいことが分かる。
そう考えると、得票増について、参政が圧倒的に多く、国民は意外に少ないのも説明できる。国民は惜しいことをしたものだ。ただし、逆にいえば、国民は山尾問題さえなければもっと参院選で勝てただろう。それは経済政策が他党と比べてしっかりしているからだろう。
例えば、今話題のガソリン減税について、与党は代替財源として「新税」を持ち出している。減税に新税では何をやっているのか分からない。野党がガソリン減税でまとまるかといえば、与党の代替財源の話に乗り、補助金カットを言い出す政党もある中、国民は暫定税率を単に廃止するというシンプルな言い方をしている。
なお、与党の「新税」は政府の来年度予算要求の中、国土強靭化グループからインフラ整備として出されている。インフラ整備は便益が長期に及ぶので長期債対応が筋で、税金を原資にする対応でない。簡単な方法は、地方自治体が出資する地方共同法人の地方公共団体金融機構が長期債を発行し、地方公共団体へ貸し付けることだ。
いずれにしても、「暫定」を廃止するのに、財源というだけでおかしい。
国民が、他党もよりまともな経済政策を訴える限り、保守からもリベラルからも票を集められ、勢いはある程度は続くのではないか。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)