<金口木舌>カーテンではなく防波堤に


<金口木舌>カーテンではなく防波堤に
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 観光客でごった返す那覇空港からめっきり人影が減ったのは5年前。新型コロナ禍で観光需要が消失した。県は観光復活と医療体制の確保を並立させようと水際対策をまとめた

▼当時は対応が遅いなどの批判も出たが、医療界と経済界の意見をまとめるには大きな苦労があったのは確かだろう。ただ、随所で会議が非公開とされ、対策の方向性がつかめない小規模事業者からは不安の声も上がった

▼県は先日、有機フッ素化合物(PFAS)について、県民の不安を軽減するために専門家の意見を聴く検討委員会を開いた。こちらも非公開で、当初は会議の場所や委員の名前も伏せていた

▼翌日、専門家の了承を得て氏名は公表された。ならば事前に了承を得ることもできたはず。政策決定の参考とする以上、公平性を担保する透明性の確保が大前提

▼非公開の背景にはコロナの際に専門家に直接意見をぶつける人が続出したことがあったようだ。確かに、専門家が自由に発言しづらい環境は好ましくない。しかし、議論の場を守るための防波堤ではなく、全てを隠すカーテンとなるのが行政の役目なのだろうか。

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