ディズニーのクルーズ船から少女が転落、父親が救助のため飛び込む 米フロリダ沖

水上に浮かぶ客船ディズニー・ドリーム号。14階建てで、船上にはウォータースライダーがある

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画像説明, 客船「ディズニー・ドリーム」

米フロリダ沖で6月29日午後、ディズニー・クルーズの14階建て客船の第4デッキから少女が転落し、父親が救助しようと海に飛び込んだ。目撃者が証言した。

ソーシャルメディアに投稿された映像には、2人が救助ボートによって無事に引き上げられ、乗客たちが歓声を上げる様子が映っている。目撃者によると、2人は約10分間、水面で浮かびながら救助を待っていたという。

目撃者の話では、父親が手すりを背にして娘の写真を撮ろうとしたところ、娘が転落したとみられている。船内では「人が海に落ちた」との警報が流れ、乗組員が救助に向かった。

乗客のローラ・アマドールさんは、「船のスピードがとても速くて、2人は海ですぐに小さな点のようになり、やがて見えなくなった」と語った。

「船長はすぐに減速し、船を回転させてから、2人を救助する人員を乗せた小型ボートを出した。私たちはそのボートが親子を救助するのを見届けた」とアマドールさんは、BBCがアメリカで提携するCBSニュースに語った。

乗客定員4000人の客船「ディズニー・ドリーム」は、バハマ諸島を4日間航行した後、フロリダ州フォート・ローダーデールに戻る途中だった。

ディズニーは声明を発表し、2人の乗客が救助されたことを認めたが、詳細は明らかにしていない。

ディズニー・クルーズ・ラインの広報担当者は、「ディズニー・ドリームの乗組員が、迅速に2人の乗客を海上から救助した」と説明。「乗組員の卓越した技能と迅速な対応により、2人の乗客は数分以内に無事船に戻ることができた。乗組員の行動を高く評価する」とした。

黄色い救助艇に救命胴衣と黄色いヘルメットをかぶった乗組員4人と、救助された男性と少女が乗っている。少女は乗組員の一人のひざに抱えられている

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画像説明, クルーズ船から転落した少女と父親は無事に救助された

乗客のガー・フランツさんは米NBCニュースに対し、親子が海に入り、水平線のかなたに消えそうになる様子を目撃したと話した。

「私たちはその瞬間を見ていた。二つの小さな影が見えて(中略)信じられない光景だった。恐ろしかった」

この事故はクルーズ最終日に発生し、船は予定通りフロリダの港に帰港した。

クルーズ船から乗客が転落する事例はまれだが、転落後に救助されるケースはさらに少ない。

クルーズライン国際協会(CLIA)が2019年に発表した報告書によると、同年にクルーズ船から転落した人は25人で、そのうち救助されたのは9人にとどまった。