バターのようなクリーミーさと濃厚な味わいが癖になるアボカドは、サラダやサンドイッチなど様々な料理に使われています。そんな“森のバター”とも言われるアボカドですが、アボカドをジュースとして飲んだことはあるでしょうか。アボカドのスイーツを食べたことはあるでしょうか。

食べたことのない人は、なかなか味が想像できないのではないでしょうか。そんなアボカドの魅力を多くの人に伝えようと、『茨城県北地域おこし協力隊』としてアボカドを軸にした“資源循環型ビジネス”と“女性が活躍する活気あるまちづくり」をテーマに活動している齋藤幸枝さんにお話を伺ってきました。

10年続けたパティシエを辞めていた齋藤幸枝さんは、街中で偶然“アボカドジュース”に出会いました。当時齋藤さんは、人生のどん底に立たされとても落ち込んでいました。そんな最中に偶然見かけた“アボカドジュース”の文字。好奇心を覚え、何気なく飲んでみたところ、あまりの美味しさに衝撃を受けたのだそうです。

今までの悩みがちっぽけなことに思え、嘘のようにストンと消え去ったそうです。 “ジュースや食の力”の凄さを改めて実感した齋藤さんは、この時の驚きと感動を多くの人に「伝えたい」という想いが膨らみ、その日からアボカドジュースの試作に取り組んだそうです。

アボカドは栄養価も高く、スーパーフードとして世界的にも注目されている食材ですが、その背景には、メキシコでの局所的な集中生産による水不足、森林破壊と生物多様性の損失、輸送によるCO2排出量の増加等が発生していることを知りました。当時齋藤さんは“SDGS”や“サステナブル”なことにも興味をもっていたので、パティシエの経験を持つ自分にしかできない、『アボカドを軸にした資源循環型ビジネス』をテーマにした『AMAZING　JUICE（アメイジングジュース）』を立ち上げました。

AMAZING　JUICEを立ち上げた齋藤さんは、茨城県北地域おこし協力隊として、日立市を拠点としアボカドのジュースやスイーツ専門店の運営、アボカドの皮や種を活用したアップサイクル商品の開発・販売、県北地域の事業者と連携したお菓子の商品開発を行っています。

■AMAZING JUICEの商品

◎アボカドジュース・・・Smallサイズ650円（税込）、Regularサイズ750円（税込）

看板メニューのアボカドジュース。アボカドのクリーミーさと、からだに優しいアガベシロップが、ジュース全体を優しい甘さにしています。カップの底に敷いたチョコはビターな味わいで、優しい甘さに加わるほろ苦さが上品な味に調えています。仕上げにかかったカカオニブが食感とも楽しめるボリューム感と満足感を感じる一杯です。

◎森のバターレーズンサンド・・・1本：350円（税込）、4本入りBOX：1500円（税込）、10本入り：3,600円（税込）

森のバターレーズンサンドは、バターの割合を減らしアボカドに置き換えているため、口当たりが軽くとても食べやすいです。ラム酒の効いたレーズンがアクセントになっていますので、大人のデザートにもぴったりな一品。

◎アボカドジェラート・・・420円（税込）

ジェラート店「Gelato&Smoothie」と共同開発した、アボカドのフレッシュな味わいをそのまま閉じ込めたアボカドジェラート。アボカドのクリーミーさが癖になります。茨城県道の駅常陸大宮〜かわプラザ〜内店舗「Gelato&Smoothie」と、高萩市のレタス農家「愛テックファーム」で運営している自販機でも購入が可能です。

◎ショコラ・テリーヌ・・・1個350円（税込）、10個入り3,600円（税込）

ショコラ・テリーヌもバターをアボカドに置き換え、低糖質・高タンパクの身体にも優しいテリーヌに。プロテインも入っているので、運動後などに食べるのもおすすめな一品。

■AVOCADO + LIFE

AVOCADO + LIFEは、齋藤さんの主な活動でもあるアボカドを軸にした資源循環型ビジネスの一環として、アボカドジュースやスイーツを作る過程で出る種と皮をただアップサイクルするだけでなく、暮らしに“彩り”を与えるような商品に特化させたブランド商品です。

種と皮の活用法を探っていた齋藤さんでしたが、同じ県北地域おこし協力隊でガラス作家の星野明宏さんと出会い、種と皮を使ってガラスに色付けをすることが可能か尋ねたことがきっかけで、AVOCADO + LIFE第一弾の商品が誕生することになりました。

■ホシノガラス

ホシノガラスは、大子町出身のガラス作家、星野明宏さんが自身の作品を展示販売を行うギャラリーショップと、吹きガラスの体験サービスを提供しています。

星野さんは大子町出身で、都内でデザインを学び、その中で“ガラス”の素材に出会います。ガラスで作品作りに励みながら、講師業を19年務めていました。

星野さんがガラスに出会ってからは、先輩や先生方の様々な技法や技術に憧れを抱き、自身でも様々な表現に挑戦したそうです。

作品作りに没頭する中、日に日に自分のスタイルを見つけたいという想いも募っていったという星野さん。

そんな時に生まれ育った故郷の自然豊かな風景や、川や山で遊んだ幼い頃の原体験を思い出し、きらきらと輝き続ける“自然の美しさ”をガラスと融合できたらと思うようになったことから、“自然”をモチーフにした作品作りが始まりました。

自分が生まれ育った故郷で工房を開き、自分の培った技術と自然の持つ美しさと感動を人々に伝えていけたらと思った星野さんは、茨城県北地域おこし協力隊として活動を始め、県北地域の魅力を“ガラス”を通して伝え続けています。

～ホシノガラスの吹きガラス体験～

日常では見られない、とろりと溶けた熱いガラスに息を吹き込んで作品を作ります！溶けたガラスをたくさん感じられるよう、スタッフと一緒に作業を行います！（ホシノガラスパンフレットより）

［吹きガラス体験］

1点（1人）：4,500円

• 形：グラス/小鉢/一輪挿し（３種類の形の中から選んで制作することができます）
• 色：たくさんの色から好きな色を選べます。2色まで料金内に含みます。（3色目以上は1色+200円でつけることができます）
• 泡：+100円でガラスの中に気泡を入れられます。

※吹きガラス体験は予約制となっています。予約フォームまたは、電話にてご予約ください。

※制作した作品は、当日お持ち帰りができません。翌日以降のお受け取り、または発送でのお渡しとなります。（送料は別料金です）

■AVOCADO + LIFE with ホシノガラス

AVOCADO+LIFEの第一弾として、アボカドにまつわるライフスタイルの提案ができるアイテムを、自然をモチーフにした作品を手掛ける「ホシノガラス」と制作しました。

アボカドを水耕栽培できる“ベース”（中央後ろ）、アボカドの形をモチーフにした“キャンドルホルダー”2種（左右）、アボカドの種の発芽した姿をモチーフにしたオブジェの“スプラウト”（中央前）の4種類です。

AVOCADOキャンドルホルダーPlate

アボカドの断面図を表現し、ヘタの部分を持ち手にしました。アボカドの種の位置にキャンドルをのせて運ぶことができます。種の部分と周りの比率にこだわり優雅なデザインに仕上がっています。

　AVOCADOキャンドルホルダーPlate・・・5,800円（税込）オンラインで販売中

AVOCADO Vase

アボカドを水耕栽培できる器の“Vase”。アボカドは写真のように発芽からぐんぐん成長し根も長くなります。土への植え替え時に根の取り出しがスムーズになるよう、細さや高さなど改良を重ねました。アボカドのしなやかな成長を凛と支える美しい器に仕上げました。

　AVOCADO Vase・・・6,600円（税込）

　※9月7日（日）大子町イベント「丘の上のマルシェ」より販売開始。

AVOCADO Sprouts

アボカドの種から発芽している様子をオブジェにしました。

Sproutsは水耕栽培をしていないVaseにのせることができます。透明なアボカドの実をのせることで涼し気なオブジェに早変わり。

　AVOCADO Sprouts・・・2,200円（税込）

　AVOCADO Vase /AVOCADO Sproutsセット・・・8,500円（税込）

　※9月7日（日）大子町イベント「丘の上のマルシェ」より販売開始。

AVOCADOキャンドルホルダーForm

アボカドのフォルムをそのままキャンドルホルダーにしました。種の位置から中のキャンドルが見ることができ、曇りガラスからは優しいあかりが室内に広がります。

　AVOCADOキャンドルホルダーForm・・・4,700円（税込）

　※10月13日（月祝）「あおぞらクラフトいち」より販売開始。

AVOCADO CANDLE

アボカドの皮と種から抽出した顔料を使ったキャンドル。北茨城市の横関油脂工業株式会社が国内で初めて開発した国産品ソイワックスを使用した環境にも優しい植物由来のキャンドルです。アボカドの皮と種の顔料がこんなに優しいピンク色だなんてまさにアメイジング。

　AVOCADO CANDLE・・・1個入り450円（税込）、4個入り1,600円（税込）

※現在キャンドル単品での販売は行っておらず、AVOCADOキャンドルホルダーPlateを購入する際にキャンドルがセットになっています。今後は店舗とオンラインでも販売予定です。

■イベント情報

〇丘の上のマルシェ

日時：令和7年9月7日（日）10時から16時まで

会場：大子広域公園内（茨城県久慈郡大子町大字浅川2921）

〇あおぞらクラフトいち

日時：令和7年10月12日（日）・13日（月祝）10時から17時まで

会場：水戸芸術館広場及び周辺（茨城県水戸市五軒町1丁目6-8）

　※AVOCADO JUICE、ホシノガラスは13日に出展

9/7 の丘の上のマルシェでAVOCADO Vase・AVOCADO Sproutsの販売が始まり、10/13あおぞらクラフトいちでは、AVOCADOキャンドルホルダーFormの販売が始まります。イベントでしか食べられない、AMAZING　JUICEの商品はもちろん、ホシノガラスのガラス工芸品なども手に取ってみることができますので、遊びに訪れてみてはいかがでしょうか。

■AVOCADO + LIFE 今後の展望

今回はホシノガラスさんとの素晴らしいコラボによって、アボカドの更なる魅力を再発見するとともに、大子町の自然の魅力をホシノガラスさんを通してあらためて発見することができました。

齋藤さんに今回のコラボをきっかけに、今後取り組んでみたいことを尋ねたところ、日立市内で海の見える場所に店舗を構え、アボカドメニューの提供やアボカドの収穫体験、ワークショップなどアボカドを軸にした、地域を盛り上げるような拠点を作りたいとのことでした。

１人のパティシエがアボカドと出会い、一つのジュース作りから始まった活動は、いつしか地域を巻き込み、業種や地域の垣根を越えて、アメイジングな体験の輪を広げ続けています。

アボカドは食材としての魅力はもちろん、通常はゴミになってしまう皮や種もアップサイクルできる素晴らしい自然素材です。普段はおかずとして食べるアボカドですがジュースやスイーツとして食べたことのない方はぜひこの機会にアボカドのアメイジングな魅力を体感してみてはいかがでしょうか。