檀一雄を訪ねて サンタクルス / ポルトガル( 21)

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オビドスから今回の旅のスタート地点でもあり、ゴールでもあるリスボンまでは90km弱と飛ばせば1時間ほどで着く距離。走り出しからのトリップメーターを見てみると2000kmを超えたところで、総走行距離は2100キロほどになりそうで、この距離ってのは、グーグルマップで調べてみたら九州の最南端の佐多岬から本州最北端の青森県の大間までの距離とほぼ同じ。よく走ったなあ、、、

今回借りた「シトロエンC3 」も5人プラス荷物ということで決して広々という感じではないものの、フランス車らしく長時間のドライブでも疲れることない良い車だった。先日ニュースを見ていたらこの車は日本でもよく売れているようで、昨年の3倍の売れ行きなのだとか。
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僕自身は良い車とは思うけど、「C4カクタス」と比べるとちょっと癖がなさすぎなんだよな、、、いつの日かカクタスほしいなあ(生産終了らしいが、、)!

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最初は混乱していた「roundabout」。大きな都市の中には超複雑なものもあるが流石に二週間近く走っていると楽勝になって、日本でも車の通りの少ない田舎であれば、信号でいちいち止まる必要ない素晴らしいシステムじゃないかなあなんて思いはじめた。

さて、、、リスボンで1泊した後、翌日の夕方の飛行機で日本へ向かうため、お昼には車を返しに行かねばならない為、車が使える最終日の本日は車がないと行けないスーパーマーケットでいろいろ土産物を買わないといけないので、その時間も考えなきゃいけないが、今日はポルトガルに行こうと決めた時から「絶対に行こう」と話していたところへちょっと寄り道。
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オビドスとリスボンのちょうど中間地点の海辺の町「サンタクルス」

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ここはサーフィンの大会も開かれる広い砂浜と青い海が美しい街

しかし、今回僕らが訪れた理由は、サーフィンがやりたいわけではなく、小説「火宅の人」で知られる作家「檀一雄」が1970年代に約一年半を暮らした街であり、この海辺の公園には歌碑があり、ぜひ訪れたいと思っていたからだった。

檀一雄はこの海辺の街で暮らした後、病を患い帰国。そして以前暮らした東京でもなく、幼少期に育った柳川でもなく、能古島の僕らが現在住んでいる家から徒歩5分ほどの場所に家を購入し、亡くなるまで暮らした。現在その家はすでに無いが、同じ場所に息子さんの檀太郎さんと奥様が住んでおられて以前からポルトガルの話もよく伺っていたことから、そもそも僕らが今回ポルトガルに行ってみようと思いついたきっかけでもあったのかもしれない。
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これ(吉田戦車のクリアファイル)は関係ないw
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まだまだ寒い季節ということで砂浜を歩く人も少ない海岸沿いの広場に歌碑を探して歩く。
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こちらが歌碑。「ここに檀さんのお父さんが住んでいたんだよ」と言うと「えーっ、、どうして??」と驚く子どもたち。
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"落日を拾いに行かむ海の果"

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碑の下にある石版には「能古島」についての説明も書かれており、こんなヨーロッパの端っこの国のこんな田舎町で「能古島」という文字が書かれているということになんとも不思議な気持ちになった。

歌碑から車で数分のところに檀一雄が暮らした家がそのまま残っているということで行ってみることに。
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この家の詳しい場所はグーグルマップには出ていないのだが、グーグルマップでその名も「Rua PROF.KAZUO DAN(檀一雄通り)」を検索すると100mほどの道が出てくる。檀一雄の家自体は結構訪れる人も多いようでネットにも写真が出ているのですぐにわかった。
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こちらが檀一雄の暮らした家。人が住んでいるような気配もなく、特に豪華でもない普通の家だ。

ここに一人で暮らしながら代表作の「火宅の人」を書いたと聞くと「籠もって執筆活動をやっていた」ようなイメージがあるが、ずいぶん昔にまだ能古島に住む前に「高倉健」が檀一雄の暮らしたこの街を訪ねて来た数十年前のドキュメンタリーを見たことがあるのだが、当時はまだ檀一雄と親交のあった人たちもいたようで、皆檀一雄さんとの思い出話を楽しそうにしていたので、きっと名物のタコとお気に入りだったワイン「DAO(ダン)」を飲みながら楽しく暮らしていたのだろう。

ポルトガルに来る前に檀さんに勧められた「タコ」料理をいただくことはできなかったが、最後の最後に訪問することができてよかった。



さあ最終目的地リスボンへ!








by nocorita | 2019-07-19 13:06 | | Comments(0)


2009年春に能古島へ引っ越した僕らの仕事や生活の事


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