予備校や塾の「合格実績ビジネス」は終焉?東大合格者数でのブランディングはなぜ通用しなくなったか #エキスパートトピ
予備校や塾の「合格実績問題」が注目されています。8月1日、大手の駿台予備校が’26年度の大学入試から合格者数の公表を中止すると発表した。「受験生が複数の塾や予備校、オンライン教材を併用して学ぶのが一般的となり、単一の教育機関の合格者数が本来の意味を持ちにくくなった」と理由を話しています。東京大学などの難関国立対策を得意としてきた駿台が合格実績の発表を取りやめることはなぜ注目されるのでしょうか。
ココがポイント
受験生が複数の塾や予備校、オンライン教材を併用して学ぶのが一般的となり、単一の教育機関の合格者数が本来の意味を持ちにくく
出典:FRIDAY 2025/9/1(月)
合格実績を見ることで、どんな学校を受験する層が多い塾か、何を重視している塾かが見えるのです。
出典:ダイヤモンド・オンライン 2024/3/22(金)
終了するのは駿台予備校全体の合格者数でしかない。校舎別での合格者数は掲載・公表を続ける。
出典:東洋経済education×ICT 2025/9/2(火)
エキスパートの補足・見解
塾や予備校の東大対策講座には他塾の生徒も多く通います。その生徒たちの合格実績は複数の塾で「ダブルカウント」されます。そのため、東大の合格者数よりも各予備校や塾の合格実績の合計が多くなります。特に今はオンラインでの受講が増えたため、複数の塾や予備校に通う生徒が増えてきました。そうなると、合格実績に意味がないと思うかもしれませんが、それは違います。志望校に多くの合格者を出している塾や予備校であれば、その志望校の対策が優れていると推測できるからです。駿台予備校は全体の合格実績は公表を止めますが、校舎別の実績の公表は続けるとのこと。たとえば、北海道の校舎であれば北海道大学などの地元の大学の合格実績は受験生にとって必要な情報だからです。つまり、塾や予備校が東大の合格者数が多いことをアピールしてブランド力を高め、生徒を集めるという「合格実績ビジネス」は終焉したということです。かつては「東大に多く受かる塾や予備校=優秀」という発想がありましたが、今は受験生も成熟しているため「東大に多く合格する塾や予備校が自分に合うとは限らない。自分の志望大学へ合格実績がある所に通いたい」と冷静に判断するようになったのかもしれません。