平穏に暮らす牧師と妻と娘。
だが、ある日、娘はギャン
グ団に誘拐された。
妻は実はギャング団の首領
の娘であった事を伏せて、
牧師と出会い結婚して過去
を捨てて平穏に暮らしてい
たのだった。
だが、完全なる自由を求め
るギャング団は「家族」と
して解放区を作っており、
そこに母になった首領の娘
をクイーンとして取り戻そ
うとして孫娘を誘拐したの
だった。
必ず自分の娘である孫娘を
取り換えそうと首領の娘が
現れるから。
銃の撃ち方さえ知らぬ牧師
は妻である娘の母に射撃を
教わりながら娘探しの旅に
出る。
ギャング団の首領は、犯罪
を犯しながらもほぼカルト
集団のような解放区キャン
プを作っていた。
キャンプにて母の生い立ち
の真実を知って孫娘は衝撃
を受けるが、だんだんとそ
こで生きる人たちの心にも
理解を示すようになる。
一方、公的にはおたずね者
だった首領の娘である母は
旅の途中で賞金稼ぎのバウ
ンティハンターから狙われ
る。
果たして、結末は。
映画館上映映画ではなく、
テレビドラマ視聴かVODで
充分かと思われる作品。
深そうでテーマも表現も造
りも浅い。
ただ、気づくことがある。
これが時代なのだ、と。
明かに、1960年代後半から
1970年代初頭にかけてのア
メリカンニューシネマが描
いた「体制への叛逆と問い
直し」というものに真っ向
から対立する立脚点で作ら
れている。
結局、正義マンが正義であ
るかのように視聴者含めて
全員が洗脳されるべき、と
いう時代が現代なのだろう。
本作は『明日に向かって撃
て』(1969)とは真逆の視点、
立脚点、思想性で作られた
作品だ。
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