生成AI市場で「ChatGPT」が首位、2位には「Gemini」が台頭--a16z調査
OpenAIの「ChatGPT」やGoogleの「Gemini」といった、一般消費者向けの生成AI製品は、私たちの日常的なデジタルライフを今もなお大きく変え続けている。これらは、ウェブサービスやモバイルアプリの中でも、特に強い影響力を持つ存在であると言える。 ベンチャーキャピタル(VC)のAndreessen Horowitz(a16z)が公開した調査によれば、最も人気のある生成AIアプリとその用途を追跡した結果、ウェブの月間ユニーク訪問者数およびモバイルの月間アクティブユーザー数において、ChatGPTが1位、Geminiが2位となっている。ただし、具体的な数値は明示されていない。このランキングは、世界の生成AI市場における勢力図の変化や、消費者による選定の理由を示すものでもある。 ウェブトラフィックの上位には、ChatGPTやGeminiに加えて、「Deepseek」「Grok」「Character AI」「Perplexity」「Claude」などが並んでいる。一方、モバイルアプリの分野では、「AI Gallery」「Doubao」「Microsoft Edge」「Remini」「Baidu AI Search」などが人気を集めている。 4月時点ではChatGPTに次いで2位だった「Canva」は、今回のリストには含まれていない。その理由として、レポートでは「Canvaや『Notion』のように、生成AI機能を追加しているものの、AIネイティブではない製品は対象外としている」と説明されている。 消費者はAIを何に利用しているか a16zは、今回のリストに掲載された企業の多くに投資しており、これら14のプラットフォームは、消費者が生成AIをどのように活用しているかを理解する手がかりになるとしている。調査では、消費者の利用傾向を次の7つのカテゴリーに分類している。 (1)一般的なアシスタンス(ChatGPT、Perplexity、「Poe」)、(2)コンパニオンシップ(Character AI)、(3)画像生成(「Midjourney」「Leonardo」)、(4)画像・動画編集(「Veed」「Cutout Pro」)、(5)音声生成(「Eleven Labs」)、(6)生産性ツール(「Photoroom」「Gamma」「Quillbot」)、(7)モデルホスティング(「Civitai」「HuggingFace」)――である。 ただし、各カテゴリーの利用割合については明記されていない。 この調査では、モバイルアプリストアがChatGPTの模倣アプリに対する取り締まりを強化したことにより、AI Gallery、「Wink」「YouCut」、Grokなどの新しい生成AIアプリが人気を獲得する機会が生まれていると指摘している。また、生成AIのウェブエコシステムが徐々に安定しつつあることも示唆されている。 例えば、GoogleがGemini、AI Studio、「Google Labs」「NotebookLM」といったAI関連サービスをそれぞれ独立・整理したことで、それぞれのトラフィックや月間アクティブユーザー数、利用ケースをより明確に追跡できるようになった。その結果、Grok、「Quark」「Qwen3」「Lovable」といった製品のトラフィックが増加している。 ChatGPTの競合が追い上げている Googleだけでも、Gemini、NotebookLM、Google Labs、「Google AI Studio」という4つの製品がa16zのリストに掲載されている。一般的なLLMアシスタントのカテゴリーではChatGPTが優勢であるものの、この調査はGoogle、Grok、Metaがその差を縮めていると指摘している。 Grokは、2025年7月に「Grok 4」をリリースした後、月間アクティブユーザー数が40%近く増加した。一方、DeepSeekは月間アクティブユーザー数が22%と大幅に減少している。 この調査は、開発者がコードの複雑さよりもアプリケーションの「雰囲気や感覚(vibe)」に焦点を当てて、大規模言語モデル(LLM)を使用してコードを生成する「バイブコーディング」の利用増加についても探求している。この調査は、この手法はまだ初期段階にあるものの、Lovable、「Replit」「Supabase」といったプラットフォームには、初期のデータから見ても熱心なユーザーベースが存在すると指摘している。 a16zがこれまでに公開した「Top 100 gen AI consumer apps」に関する5つの調査すべてにおいて、常にトップ50のウェブプラットフォームにランクインしているのは、ChatGPT、Character AI、Civitai、「Leonardo AI」「ElevenLabs」「Gamma」、Hugging Face、Veed、Midjourney、Perplexity、Photoroom、Poe、QuillBot、Cutout Proの14のプラットフォームである。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。