キャンディキャンディ主題歌の凄さを語る
雑記BLOGの方に書いた記事なんですが、これこっちのほうが合ってる気がしたので転載しつつ追記です。
キャンディ♡キャンディは原作水木杏子、作画いがらしゆみこの少女漫画です。アニメ化され、主題歌レコードは120万枚売れたそうです。
そんな『キャンディキャンディ』OPは本当にすごいのです。70年代の曲でありながら、今聴いてもこの曲に凝縮された世界観、構成、演奏力、歌唱力、今風に言えばエモい。
イントロはチェンバロで始まり、クラシックかなと思わせながらAメロの明るく健気な歌が入ってきます。ギターのバッキングは素朴で、オブリ(合いの手のメロディ)のピッコロは可愛らしく、子供っぽさを演出。そしてピチカートはおてんば、活動的なイメージを想起します。
しかし、Bメロで急変。8ビートのドラムと切ないストリングスが入ってきます。Aメロで可愛らしかったピッコロのオブリが、ここではその高音が心細さを演出します。孤独な心情を歌い上げながらも、その気持ちを振り払うようにサビ前でストリングスが駆け上がるのです。
サビはまさかの16ビートに突入。激しいストリングス。『笑って!笑って!笑ってキャンディ』と自分に言い聞かせるように力強く歌うそのハーモニーはマイナーコード。言葉と裏腹な抑圧がそこにあるのです。
「泣きべそなんてさよなら ね!」
その明るい「ね!」の強がりが心に響く。
そして曲はチェンバロでしっとりと終わるのです。
完璧である。
この間たったの70秒。現在のアニメのOPは通常90秒なので、それより20秒短いながら、これだけの密度のストーリーを盛り込んでいるのです。
今アニソンは市民権を得ていますが、2000年代前半ぐらいまでは格下に見られていて、売れているにも関わらずヒットチャートから外されていました。
しかしその音楽性は非常に高く、今もその曲から学ぶこともたくさんあります。
そして、ヒットしている曲だけが良い曲ではありません。売れてるかどうかなんて関係なく、あなたに響くかどうかが重要なのです。心に響いた曲があったら、ぜひどこが響いたのかをじっくり考えてテキストに起こしてみるといいです。そうすることで自分が何に感動したのかを見つけることができ、自分の音楽制作の糧になるでしょう。
余談ですが、このキャンディ♡キャンディは原作者と作画の人権利トラブルで現状アニメを見る方法がありません。韓国で発売されてるDVDも正式な許諾がされてないものらしいです。解決する目処は立たないようでそこがとても残念です…
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