生活保護基準引き下げを違法とした最高裁判決への対応を検討するため、8月29日に開かれた厚生労働省の専門委員会。
参考人として意見表明した原告・弁護団は、会場での傍聴継続を求めたところ、聞き入れられず退場を強いられた。
原告と弁護団は、「敗訴当事者のコントロール下で、公正公平な判断ができるのか」「当事者をないがしろにし、侮辱するものだ」と批判している。(中村真暁)
◆参考人として発言「速やかに判決に従って」
「365日、空腹で1日1食、ゆでうどんにしょうゆだけ。そんな生活を10年以上してきた生活保護利用者の実情から目をそらさず、速やかに判決に従って遡及(そきゅう)支給を行うよう進言してください。私たちのことを、私たち抜きで決めないで」
愛知訴訟の原告沢村彰さんは参考人として、声を上げた。6月27日の判決から2カ月がたつものの、国は謝罪すらしていない。千人以上いた原告は232人が亡くなり、「一刻の猶予も許されない」と強調した。
弁護団は国の対応に、「被害回復額を小さくしようとしているのでは」といった不信感があると説明する。
今回のヒアリングがガス抜きに利用される懸念があるとし、「苦渋の決断でこの場に臨んだ」。2013年以前の基準にさかのぼり、差額を支給すべきだとした。
◆傍聴や配信に制限「公平中立性の担保ない」
弁護団からは、審議の在り方自体にも批判が続いた。委員会は報道機関にしか会場での傍聴を認めず、ネット配信も中継に限定しており、後日録画の配信がない。
原告代理人の小久保哲郎弁護士は「審議の徹底した公開と透明性の確保」が必要だと指摘する。
「勝訴した私たちの監視さえない中で敗訴当事者の厚労省の設営で、その説明のみを聞き続ける専門委員会に公平中立性が担保されているとは言えない」
「生活保護利用者の8割は高齢者や障害者、傷病者で、自力でリアルタイムのオンライン視聴をするのは難しい」
小久保弁護士はそう強調し、一般傍聴や社会保障審議会の一部部会と同様にアーカイブを配信するよう求めた。
最後は、「せめて本日は、このまま傍聴させてほしい。さもなければ、...
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