サントリーHD 新浪会長が辞任 サプリメント購入めぐる捜査受け

サントリーホールディングスは、新浪剛史会長が辞任したと発表しました。サプリメントの購入をめぐって警察から捜査を受けたためで、サプリメントの適法性は捜査中であるものの、会長という要職に堪えないと判断したとしています。

会社は、新浪会長から8月22日に警察による捜査が行われたとの報告を受け、一身上の理由により辞任したいと申し出があり、9月1日付けで受理したということです。会長は、適法であるという認識のもとで購入したサプリメントをめぐって捜査が実施されたと説明したということです。

捜査関係者によりますと、新浪会長をめぐっては、大麻成分を含む製品が海外に住む知人から送られていた疑いがあるとして、福岡県警が麻薬取締法違反の疑いで8月22日、都内の新浪会長の自宅を捜索したということです。

送られていた製品に大麻成分の「THC」が含まれていた疑いがあるということですが、警察は国内では規制の対象となっていたことを認識していたかなどを慎重に調べることにしています。

日本を代表する財界人の1人が警察による捜査をきっかけに辞任にいたったことは、経済界に衝撃を広げています。

(記事の最後にサントリーホールディング記者会見をノーカットで公開しています)

鳥井信宏社長「心よりおわび申し上げます」

サントリーホールディングスの鳥井信宏社長は午後3時から都内で記者会見を開き、冒頭、「昨夜、弊社代表取締役会長新浪剛史が辞任いたしました。本件において皆様にご心配ご迷惑をおかけすることを心よりおわび申し上げます」と述べました。

そのうえで「ガバナンス上極めて深刻な事案であると認識し、直ちに新浪氏に対し外部弁護士によるヒアリングを実施しました。その結果、新浪氏からは適法であるとの認識のもとに購入したサプリメントに関して捜査が実施されたとの説明がありました。現在警察当局による捜査中であるとの認識をしております」と述べました。

また「サントリーグループのトップマネジメントとしては法令に抵触しないことは当然であり、サプリメントを購入するにあたってはしかるべき注意を払うべきと考えています。今回の事態が生じたことを踏まえ当社としてはサプリメントに関する認識を欠いた新浪氏の行為は代表取締役会長として求められる資質を欠くと言わざるをえないと判断した」と述べました。

そして「消費者の皆様からいろいろとご指摘を受けるでしょうし業績にも影響があるという可能性もあると思っておりますが、全社一丸となって信頼回復に取り組んでまいります」と述べました。

辞任の経緯について

山田賢治副社長は、新浪剛史会長が辞任した経緯について説明しました。それによりますと、8月22日、新浪氏が購入したサプリメントに関連して警察の捜査が行われたと報告を受け、当日の午後1時から社内でリスク検討会を開いて対応を検討したということです。

その上で、緊急対策本部を設置して26日に臨時取締役会を開催し、新浪氏本人から説明を受けた上で、28日、新浪氏を除く取締役全員の意見を確認したとしています。

そして9月1日、海外出張から帰国した新浪氏と直接話し合いの場を持ち、取締役会の意見を伝えたところ新浪氏から一身上の都合により役職を辞任したいという申し出があり、受理したということです。

警察の捜査の結果、新浪氏に問題がなかった場合、会社としてどのように対応するかを問われ、山田副社長は「有罪だからやめていただく、無罪なので何もなしという考え方ではございません。サプリメントを扱っている会社のトップとしての資質というところの重大性をかんがみての判断ですので、仮にこの先どういう結果であろうが今回のことが変わることはありません」と述べました。

新浪氏のコメント「残念に思っている」

また、山田賢治副社長は新浪氏から伝えられたコメントとして「一身上の都合により役職を辞任したいとの申し出を受理していただいた。会長の仕事を続けることができなくなったことは残念に思っている」と紹介しました。

新浪剛史氏は66歳。

大手商社の三菱商事に入社し、2002年からローソンの経営トップを務めたあと、2014年にはサントリーホールディングスで創業家以外で初めてとなる社長に就任。

10年あまりにわたって海外事業の強化などに手腕を発揮し、ことし、創業家出身の鳥井信宏氏が社長に就任してからは代表権のある会長を務めていました。

また、経済界を代表する立場として2014年からは政府の経済財政諮問会議の議員を務めてきたほか、おととしから経済同友会の代表幹事を務め、賃金引き上げの広がりなどに力を尽くしてきました。

林官房長官 諮問会議は適時適切に対応

林官房長官は午後の記者会見で「報道は承知しているが個別事件の捜査に関するお尋ねについては政府としてコメントすることは差し控える」と述べました。

また、新浪氏が経済財政諮問会議の民間議員を務めていることについては「経済や財政に関する政策についてすぐれた識見を有する者という観点から任命しており、適時、適切に対応していく」と述べました。

大麻成分の「THC」とは

THC=テトラヒドロカンナビノールは、大麻から抽出される成分で、国内では法律で所持や使用などが規制されています。

厚生労働省によりますと、THCは急性の作用として不安感や恐怖感、短期的な記憶障害や幻覚作用などがあるほか、時間や空間の感覚がゆがみ、車の運転などに影響をもたらすとされています。

長く使い続けると統合失調症やうつ病などの精神障害を発症しやすくなるなどの危険があるということです。

ただ、海外では一部の国で大麻自体が合法化されているほか、THCなどの大麻成分を含む製品が鎮痛作用などがあるとして利用されているということです。

このため、厚生労働省ではTHCが含まれている製品には 注意をするよう呼びかけています。

サントリーホールディングスの記者会見

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