サントリーHD新浪剛史会長が辞任 違法疑いのサプリ入手で捜査対象
サントリーホールディングス(HD)は2日、新浪剛史会長が1日付で辞任したと正式に発表した。同日の取締役会で新浪氏が提出した辞表が受理された。関係者によると、新浪氏は違法成分が含まれた疑いがある海外製のサプリメント入手に絡み、福岡県警の捜査を受けていた。警察当局は刑事責任の有無を慎重に調べるとみられる。
2日、サントリーHDの鳥井信宏社長と山田賢治副社長が緊急記者会見に出席し、説明した。同社の会長職はこれまで新浪氏と佐治信忠氏の2人体制だったが、辞任により当面は佐治氏のみになる。
サントリーHDによると8月21日に新浪氏から一報があり、22日に警察の捜査について連絡があった。同日深夜に外部弁護士による新浪氏へのヒアリングを実施した。新浪氏が服用するために購入したサプリメントが捜査対象になった。新浪氏は「違法であるとの認識はなかった」と話しているという。
鳥井社長は「立件の判断がなされない」とした上で「法令に抵触していなくても、会長として疑義が生じることが問題だ」と判断。新浪氏と協議して解任ではなく、辞任という結論を出した。
新浪氏はおよそ10年に渡ってサントリーHDを引っ張ってきた。海外企業の買収も成功させ収益力を高めた。これについて鳥井社長は「大胆で決断力のある経営者で、新浪氏がいなくては実現できなかった」と振り返った。「(これからも)二人三脚でやろうと思ったのに大変残念だ」とも語った。今後の海外事業については鳥井社長がリーダーシップをとって進めるという。
今回の記者会見に新浪氏が出席しなかったことについて鳥井氏は「捜査中であり、1日付で辞任しているため」と説明した。新浪氏は「会長職を継続できないのは残念だ」と話しているという。
新浪氏は1981年に三菱商事に入社し、海外事業や経営企画を担当したのち、2002年にローソン社長に就任。経営再建を託され、プライベートブランドの強化やヘルスケア路線への転換などで流通業界に新風を吹き込み、ローソンを成長軌道に乗せた。
14年にサントリーHDの社長に就任すると、米ビーム社の買収をてこに飲料・酒類事業などの海外展開を加速させた。
政財界でも頭角を現し、23年には経済同友会の代表幹事に就任。少子化対策やスタートアップ育成など幅広い分野で積極的に提言を行うなど発信力に定評があった。
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(更新)- 滝田洋一日本経済新聞社 客員編集委員ひとこと解説
①サントリーの経営問題は置くとしても、経済財同友会の代表幹事や経済財政諮問会議の民間議員としての言動は、信頼が土台から揺らがないでしょうか。例えば7月29日に同友会代表幹事としての記者会見(https://www.doyukai.or.jp/chairmansmsg/uploads/docs/20250729a.pdf )。 ②金融政策について「Behind the Curve(出遅れ)」ではだめ、日銀はすぐにでも利上げを、と強調していました。この発言はメディアでも、日銀に利上げを促す良識派経済人の声として、取り上げられたものです。 ③新浪氏は内外の政治・社会問題についても、意識の高い経済人として情報発信してきました。主張内容が高邁であるほど、李下に冠を正さずを徹底する必要があるはずです。
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