おはようございます。
FT新聞編集長の水波流です。
9月第1日曜は、私が執筆したローグライクハーフd33シナリオを配信いたします。
蛮族都市フーウェイを舞台とした、d66『常闇の伴侶』、d33『名付けられるべきではないもの』に続く3つ目のシナリオです。
『汝、獣となれ人となれ』
フーウェイの〈太古の森〉に在るのは、樹人や闇エルフといった脅威だけではない。いにしえから受け継がれた旧き神の信仰が、自然と同化しながら眠っている。
木漏れ日の闇に潜み脈々と受け継がれる何者かの息づかいを感じて頂ければと思っております。
本日は都市サプリメントと新職業【獣使い】を再配信いたします。
シナリオを遊ぶ前後に、装備品や従者を購入するなどぜひご活用下さい。
↓都市サプリメント:蛮族都市フーウェイ
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_SUP_Fuway.txt
↓新職業【獣使い】
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_NewClass_BeastTamer.txt
それでは来週日曜を、どうぞお楽しみに!
↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png
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ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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2025年8月31日日曜日
2025年8月30日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第655号 FT新聞 No.4602
From:水波流
クトゥルフ神話の創始者H.P.ラヴクラフト御大は135年前、1890年8月20日に生誕されました。
ちなみに私のクトゥルフ初体験は、PC-98のクトゥルフ西部劇RPG『ティラムバラム』なので、邪神信仰がアステカ神話と融合しているふしはある。
あ、いや『暗黒教団の陰謀(大瀧啓裕)』の方が先か……?
いずれにせよ、30年以上前の当時はクトゥルフ神話の情報を得るのはとても難しく、本を読んでいて関連を発見すると「おお、これもクトゥルフ……!?」と嬉しくなったものです。(栗本薫『魔境遊撃隊』とか)
From:葉山海月
スーパーの喫煙ボックス。
まろび出た吸い殻に、
口紅のような血の跡べったり。
From:中山将平
僕ら2025年9月7日(日)インテックス大阪で開催の「こみっくトレジャー46」に出店します!!
ブース配置は【4号館C57a】。
18年作り続ける「ゲームブック」や1人用TRPG『ローグライクハーフ』、「モンスター!モンスター!TRPG関連書籍」などを扱います。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(く)=くろやなぎ
(明)=明日槇悠
(天)=天狗ろむ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■8/24(日)~8/29(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2025年8月24日(日)DON-CHANG FT新聞 No.4596
『モンスター!モンスター!の怪物たち』vol.5
・8月10日(日)のTGFF2025にて、ついに『ズィムララのモンスターラリー【ワールド編】』が発売となりました!
それを受けて、イラストレーターDON-CHANG氏がズィムララのモンスターをイラストで紹介するこの企画。
今回は「ズィムララ」での冒険で、プレイヤーたちと敵対することが多そうなデーモン(悪魔)の眷属から「ヴァクカヴューゴ」をピックアップしました。
一見、水牛にサイを加えたモンスターに見えますが、その実力はいかに!?
本編での活躍もどうぞご期待ください!
(葉)
2025年8月25日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4597
アランツァ世界の滅んだ街
・ローグライクハーフやFT書房作品のディープなファンの皆さん、お待たせしました!
アランツァ世界のマニアックな情報として、「第1期」の時代に存在した国や都市をご紹介します。
多くの作品の舞台となっている「第2期」の時代には、すでに滅び、あるいはすっかり様相を変えてしまったこれらの国や都市。
その過去の姿を知ることで、より深く作品を楽しむとともに、新たなシナリオや設定を生み出すきっかけにしていただければと思います。
(く)
2025年8月26日(火)田林洋一 FT新聞 No.4598
『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.8
・田林洋一氏による、1980年代半ばから1992年の間に東京創元社から刊行された「スーパーアドベンチャーゲーム(SAGB)」の一連のゲームブックの解説記事です!
今回は、ファミコンソフトを原作とする「ワルキューレの冒険」シリーズを、ゲーム性とストーリー性のバランスという観点から取り上げます。
『迷宮のドラゴン』の成長システムと魔法、果ては『時の鍵の伝説』のパーティコントロールと、巻を追うごとにゲームシステムの発展が図られた本シリーズ。
それはストーリーの上で主人公とプレイヤーの距離をどこまで近づけるかという問題とも無縁ではありません。
プレイヤーの好きに動かせる主人公は無色透明であったほうがいい反面、主人公がプレイヤーの意志に構わず行動する場合はキャラクターが際立っていた方がいい。
この二律背反にどう折り合いをつけて中道を目指すか?
今もって難しい課題に切り込みを入れるヒントが見つかるかもしれません。
(明)
2025年8月27日(水)ぜろ FT新聞 No.4599
第2回【狂える魔女のゴルジュ】ゲームブックリプレイ
・プレイヤー視点とキャラクター視点を交えた独特の語り口による、ぜろ氏のリプレイ第453回。
今回の内容は、プロローグの続きとルール説明、そしてキャラクターシート(冒険記録紙)の確認です。
すっきりわかりやすいデザインで、大事な情報がぎゅっと詰め込まれたキャラクターシート。
冒険の仲間、装備品、そしてもうひとつの魔法の時計…。
その1ページの中に、これから起こりうる未来を垣間見ながら、主人公ミナの冒険の準備が進んでいきます。
(く)
2025年8月28日(木)東洋夏 FT新聞 No.4600
ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイvol.4
・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、
東洋夏氏による「写身の殺人者」リプレイ第4回目です。
北方都市サン・サレンを脅かす、「自分の姿をした何かに殺される夢を見た者が、実際に殺される」奇妙な連続殺人事件。
件の悪夢を見てしまった聖騎士見習いの少年シグナスと、喋る「おどる剣」クロによる捜査が続きます。
中間イベントを迎え、少年シグナスはとうとう『写身の殺人者』と遭遇!
しかし、何故か頼れるクロも見当たらず、シグナス1人で立ち向かう事になり……!
悪夢が正夢にならぬよう、どうぞ応援してあげて下さい!
(天)
2025年8月29日(金)休刊日 FT新聞 No.4601
・休刊日のお知らせ
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
(葉)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(緒方直人さん)
『死はパラグラフに留まる——ゲームブックにおける「殺意」と死の意味について』面白かったです。死(ゲームオーバー)をどのように扱うかが作家によってこんなにも違うとは驚きの視点でした。特に死が物語からの非常口であるという点、確かに激ムズゲームブックに苦労してると「もう嫌だ!終わりにしてくれ!殺してくれー!」とか発狂しちゃう時、ありますもんね。ある意味、なんて優しい「死」もあるのだろうと感心しちゃいました。
(お返事:くろやなぎ)
ご感想ありがとうございます! 死(ゲームオーバー)のパラグラフの位置づけや描写は、その作品のストーリーや雰囲気はもちろん、ゲーム上のシステムからも影響や制約を受けますので(たとえば「ミツユビオニトカゲ」的なシステムがある場合は、ひとまず特定のパラグラフに行く必要がある等)、作家さんや作品の特徴が総合的に反映されやすいのかもしれません。『送り雛』は、ある意味では「巻き込まれ型」の物語で、さらに読者に対しても主体的な解釈を要求する作品なので、主人公目線でも読者目線でも「もう何も考えずに眠りたい…」的な気持ちが発生するのもよくわかる気がしていて、非常口的な幕引きが用意されていることに納得感がありますね。
(ジャラル アフサラールさん)
ゲームブックの「死」で有名な<14に行け>のハービー・ブレナンの『ドラキュラ城の血闘』では、ドラキュラ伯爵を倒す為にヘルシング教授と一緒に「きみ」は戦っているうちに噛まれすぎると自分が吸血鬼になってしまいドラキュラの僕としてヘルシング教授と戦う「ドラキュラ篇」が始まるという2部構成になっていて、これも「死」の別パターンなのかと思います。
(お返事:くろやなぎ)
『ドラキュラ城の血闘』のご紹介ありがとうございます。死や敗北が物語の「終わり」ではなく転機となり、ゲーム上の仕掛けとしても機能しているケースですね。二見書房版・創土社版ともに入手困難なのが残念ですが、二見書房版は国立国会図書館でデジタル化作業中のようですので、将来デジタルコレクションで読めることを楽しみにしています!
(ププププーさん)
FT新聞いつも楽しみにしております。
8月26日のスーパーアドベンチャーがよく判る本記事につきまして、意見が異なる箇所がありましたので感想として送らせていただきます。
vol4とvol8において、ゴールデン・ドラゴン・シリーズの主人公像を没個性的な「無色透明な君」として語られています。個人的に意見が異なる部分でした。
このシリーズの総論としては、無色透明な主人公という部分は理解できますが各作品ではその辺りかなり違うと考えます。
ドラゴンの目(ウルリックイベントで侮蔑・恐怖、物語の最初と最後で任務が容易いと語る軽口?余裕を見せる)、炎の神殿(油断した敵に唾を吐きかけようとして自重、物語らぬ像に略奪しないと語り掛ける誇り高さと敬意を表す心)等明確に強い個性を持たされております。
失われた魂の城でもそれより個性としては薄いかもしれませんが攻略自体には善性を試されており、それに応える主人公像を想定されていると思います。
このシリーズ全ての作品が「無色透明の君」とは言えないと考えます。名前を自由に付けられるにしても、「無色透明」と総論で語るのはやや粗い表現であるように思われました。
私SNSでゲームブック感想を報告するのが趣味ですので、そうしようかと考えましたがこの方法で感想として伝えさせていただきます。
田林先生の記事につきましては、「ベルゼブルの竜」主人公も無色透明として判別されておりました。私はこれには完全同意でして、自分の趣味範囲でSNS報告しようと考えておりました。今後の記事でどのように取り扱われるのか楽しみにしております。
(お返事:田林洋一)
いつも拙記事をご愛読くださり、どうもありがとうございます。そして、新たな気づきを投げかけてくださって感謝しております! 確かに、「名前がない」からといって「主人公キャラクターに個性がない」というのは違うかもしれません。『ドラゴンの目』のウルリックイベントはそれだけで恐怖ですが、キャラクターの個性が色濃く出た瞬間でもありましたね。また、『炎の神殿』は序盤にミンキーというサルと仲良くなるなど、優しさと誇り強さが見られました。もちろん無色透明の君だからと言って、感情が全くないわけではないですから、そこは新しい視点として開拓できる可能性があるように思いました。例えば『ドラゴンの目』では無敵の海の魔王ナックラヴィ—や悪辣なマンティス卿など、とにかく主人公以外のキャラクターが際立っていますが、それに付随して「あなた」にも感情が書き分けられていたと感じています。ご指摘、ありがとうございます!
(ジャラル アフサラールさん)
このシリーズは第二作の「ピラミッドの謎」で魅力ポイントが一定数以下だと「あなたにお手伝いしていただくわけにはいかないわ。正義の心がなさすぎるもの。」とワルキューレに同行を断られるというバットエンド?になりますね。まあ最初からやり直す手もありますが…。
(お返事:田林洋一)
いつもお便り、どうもありがとうございます! 『ピラミッドの謎』のあのエンディングは衝撃的でしたね。魅力ポイントが単なる数値的な飾りでなく、しっかりと動いていた強烈なシーンだと思います。あまり重視されないと思われがちな魅力イベント(戦闘で役に立たない、など)が決定的な役割を果たしますので、「悪人プレイ」を満喫していたプレイヤーはびっくりしたことでしょう。その辺りのポイントの軽重というか、バランスもしっかり取れていましたね。しかしあそこまで言われたら、プレイヤーは心を入れ替えて『迷宮のドラゴン』からやり直すしかないかもしれません(笑)。
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クトゥルフ神話の創始者H.P.ラヴクラフト御大は135年前、1890年8月20日に生誕されました。
ちなみに私のクトゥルフ初体験は、PC-98のクトゥルフ西部劇RPG『ティラムバラム』なので、邪神信仰がアステカ神話と融合しているふしはある。
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いずれにせよ、30年以上前の当時はクトゥルフ神話の情報を得るのはとても難しく、本を読んでいて関連を発見すると「おお、これもクトゥルフ……!?」と嬉しくなったものです。(栗本薫『魔境遊撃隊』とか)
From:葉山海月
スーパーの喫煙ボックス。
まろび出た吸い殻に、
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僕ら2025年9月7日(日)インテックス大阪で開催の「こみっくトレジャー46」に出店します!!
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18年作り続ける「ゲームブック」や1人用TRPG『ローグライクハーフ』、「モンスター!モンスター!TRPG関連書籍」などを扱います。
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(く)=くろやなぎ
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2025年8月24日(日)DON-CHANG FT新聞 No.4596
『モンスター!モンスター!の怪物たち』vol.5
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それを受けて、イラストレーターDON-CHANG氏がズィムララのモンスターをイラストで紹介するこの企画。
今回は「ズィムララ」での冒険で、プレイヤーたちと敵対することが多そうなデーモン(悪魔)の眷属から「ヴァクカヴューゴ」をピックアップしました。
一見、水牛にサイを加えたモンスターに見えますが、その実力はいかに!?
本編での活躍もどうぞご期待ください!
(葉)
2025年8月25日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4597
アランツァ世界の滅んだ街
・ローグライクハーフやFT書房作品のディープなファンの皆さん、お待たせしました!
アランツァ世界のマニアックな情報として、「第1期」の時代に存在した国や都市をご紹介します。
多くの作品の舞台となっている「第2期」の時代には、すでに滅び、あるいはすっかり様相を変えてしまったこれらの国や都市。
その過去の姿を知ることで、より深く作品を楽しむとともに、新たなシナリオや設定を生み出すきっかけにしていただければと思います。
(く)
2025年8月26日(火)田林洋一 FT新聞 No.4598
『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.8
・田林洋一氏による、1980年代半ばから1992年の間に東京創元社から刊行された「スーパーアドベンチャーゲーム(SAGB)」の一連のゲームブックの解説記事です!
今回は、ファミコンソフトを原作とする「ワルキューレの冒険」シリーズを、ゲーム性とストーリー性のバランスという観点から取り上げます。
『迷宮のドラゴン』の成長システムと魔法、果ては『時の鍵の伝説』のパーティコントロールと、巻を追うごとにゲームシステムの発展が図られた本シリーズ。
それはストーリーの上で主人公とプレイヤーの距離をどこまで近づけるかという問題とも無縁ではありません。
プレイヤーの好きに動かせる主人公は無色透明であったほうがいい反面、主人公がプレイヤーの意志に構わず行動する場合はキャラクターが際立っていた方がいい。
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2025年8月27日(水)ぜろ FT新聞 No.4599
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・プレイヤー視点とキャラクター視点を交えた独特の語り口による、ぜろ氏のリプレイ第453回。
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冒険の仲間、装備品、そしてもうひとつの魔法の時計…。
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2025年8月28日(木)東洋夏 FT新聞 No.4600
ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイvol.4
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東洋夏氏による「写身の殺人者」リプレイ第4回目です。
北方都市サン・サレンを脅かす、「自分の姿をした何かに殺される夢を見た者が、実際に殺される」奇妙な連続殺人事件。
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『死はパラグラフに留まる——ゲームブックにおける「殺意」と死の意味について』面白かったです。死(ゲームオーバー)をどのように扱うかが作家によってこんなにも違うとは驚きの視点でした。特に死が物語からの非常口であるという点、確かに激ムズゲームブックに苦労してると「もう嫌だ!終わりにしてくれ!殺してくれー!」とか発狂しちゃう時、ありますもんね。ある意味、なんて優しい「死」もあるのだろうと感心しちゃいました。
(お返事:くろやなぎ)
ご感想ありがとうございます! 死(ゲームオーバー)のパラグラフの位置づけや描写は、その作品のストーリーや雰囲気はもちろん、ゲーム上のシステムからも影響や制約を受けますので(たとえば「ミツユビオニトカゲ」的なシステムがある場合は、ひとまず特定のパラグラフに行く必要がある等)、作家さんや作品の特徴が総合的に反映されやすいのかもしれません。『送り雛』は、ある意味では「巻き込まれ型」の物語で、さらに読者に対しても主体的な解釈を要求する作品なので、主人公目線でも読者目線でも「もう何も考えずに眠りたい…」的な気持ちが発生するのもよくわかる気がしていて、非常口的な幕引きが用意されていることに納得感がありますね。
(ジャラル アフサラールさん)
ゲームブックの「死」で有名な<14に行け>のハービー・ブレナンの『ドラキュラ城の血闘』では、ドラキュラ伯爵を倒す為にヘルシング教授と一緒に「きみ」は戦っているうちに噛まれすぎると自分が吸血鬼になってしまいドラキュラの僕としてヘルシング教授と戦う「ドラキュラ篇」が始まるという2部構成になっていて、これも「死」の別パターンなのかと思います。
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『ドラキュラ城の血闘』のご紹介ありがとうございます。死や敗北が物語の「終わり」ではなく転機となり、ゲーム上の仕掛けとしても機能しているケースですね。二見書房版・創土社版ともに入手困難なのが残念ですが、二見書房版は国立国会図書館でデジタル化作業中のようですので、将来デジタルコレクションで読めることを楽しみにしています!
(ププププーさん)
FT新聞いつも楽しみにしております。
8月26日のスーパーアドベンチャーがよく判る本記事につきまして、意見が異なる箇所がありましたので感想として送らせていただきます。
vol4とvol8において、ゴールデン・ドラゴン・シリーズの主人公像を没個性的な「無色透明な君」として語られています。個人的に意見が異なる部分でした。
このシリーズの総論としては、無色透明な主人公という部分は理解できますが各作品ではその辺りかなり違うと考えます。
ドラゴンの目(ウルリックイベントで侮蔑・恐怖、物語の最初と最後で任務が容易いと語る軽口?余裕を見せる)、炎の神殿(油断した敵に唾を吐きかけようとして自重、物語らぬ像に略奪しないと語り掛ける誇り高さと敬意を表す心)等明確に強い個性を持たされております。
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このシリーズは第二作の「ピラミッドの謎」で魅力ポイントが一定数以下だと「あなたにお手伝いしていただくわけにはいかないわ。正義の心がなさすぎるもの。」とワルキューレに同行を断られるというバットエンド?になりますね。まあ最初からやり直す手もありますが…。
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2025年8月28日木曜日
ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイvol.4 FT新聞 No.4600
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイ vol.4
(東洋 夏)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
FT新聞をお読みの皆様、こんにちは!
東洋 夏(とうよう なつ)と申します。
本日はサン・サレンが舞台のd33シナリオ『写身の殺人者』のリプレイ小説をお届けいたします。
製本版『雪剣の頂 勇者の轍』に収録された、サン・サレン四部作のひとつです。
ファンメイドのリプレイとなりますが、お楽しみいただけましたら幸いです。
この連載は隔週でお送りしており、本日は第四回にあたります。
今日が初めての方にもお楽しみいただけるよう、まずは少しだけ主人公たちと前回までのあらすじをご紹介させていただきますね。
主人公を務めますのは、十二歳の聖騎士見習いシグナスと、元人間だと主張する不思議な〈おどる剣〉クロ。主人公ふたりをプレイヤーひとりが担当するスタイルでお送りします。
シグナスとクロは居合わせたサン・サレンの街で「悪夢殺人」とでも言うべき事件に遭遇します。これは自分の姿をした何者かに殺される夢を見て、その後、現実でも殺されてしまう。そんな気味の悪い事件なのですが、ついにシグナスもその悪夢を見てしまいました。
このままでは自分の身にも危険が及ぶということで捜査に乗り出したふたりでしたが、前回のリプレイでは、我こそは巷を騒がす殺人犯だという三人組に襲われた挙句、市場では金貨をすられるという災難に見舞われます。
ダイス目からはシグナスくんの人間に剣を向けることをためらう優しい性格が明らかになり、プレイヤーはこの厳しい世界で彼が騎士として生きて行けるのか、不安で胸がいっぱいになってきました。
そんなところから今回の冒険は始まります。
悪夢は待ってくれません。追い付かれる前に解決に到れるか、いざダイスに問うてみましょう!
なお、ここから先はシナリオのネタバレを前提に記述します。プレイするまで内緒にしておいてくれという方は一旦この新聞を閉じ、代わりにシナリオを開いてサン・サレンにお出かけいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは捜査の記録をご覧あれ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
[探索記録4]中間イベント:路地裏の襲撃
市場から一本離れた路地裏は、人通りもなく静かである。シグナスはスリに刃物で底を切られた財布から金貨を取り出し、ローブをまさぐって、少しはまともそうな場所にしまい直す。
「踏んだり蹴ったりだよ」
と口を尖らせたシグナスに、
「動いた証拠だ」
クロは言った。
「領主館から出て、主人の手を借りず歩いているのだから」
「慰めてくれてるの?」
「さあな」
次は何処へ行くべきだろうか。市場は確かに人が沢山いたが、落ち着いて話が出来るような所ではなかった。最初に事件が起こった家とか、そういう所から探すのが良いのかもしれない。シグナスは自分の頬をぱちんと叩いて、気合いを入れた。
「調査続行だ!」
(※さて、このイベントでは「出目21」を通過しているかを問われます。ゲームブックっぽくて面白いですね。FT書房様の作品ならではという感じがします。出目21は薬局です。そう、いの一番に出たアグピレオ先生の薬局です。その場合は、こうシナリオに書かれています。「君は真っ暗な空間で、自分そっくりの殺人者と一対一で戦う」と。シグナスくん、これは危険な気配がしますよ!)
雪が溶けて、所々に水溜まりが出来ている。うっかり足を突っ込まないよう下を向いて歩く。そこだけ見れば確かに春らしい青空と、サン・サレンの尖った屋根の民家、それから自分の顔。異国にいるのだ、という実感が急に湧いてきて、じっと眺めてしまった。
すると、奇妙なことにシグナスは気づく。水溜まりの中の自分が、勝手に動いているような気がするのだ。不審に思い、試しに右腕を上げてみると、水溜まりの中の自分は不気味な形に唇を吊り上げて、にやりと笑い返すではないか。
「えっ、何!?」
身をすくませたシグナスに向かって、水溜まりの中からもう一人のシグナスが勢いよく飛び出し、組み付くと、さらに抵抗を許さない速さでこちらの顔に手を伸ばした。
「やめろ!」
顔を抉られてはたまらない。必死に振りほどいて目を開けると、そこは路地裏ではなかった。路地裏ではないどころか、恐らく何処でもなかった。のっぺりとした薄暗闇が前後左右に広がっている。クロもいない。邪悪なまじないに囚われてしまったのだろうか。
微かに金属が触れ合う音がして振り返ると、そこに自分が立っていた。にやにや笑いは水溜まりに映った時と同じである。自分はこんな嫌らしい顔をしているのだろうか。違う。絶対に違う。これほど邪悪な顔はしていないはずだ。そうですよね。そう言ってください、どうか此処に来て、サー・ノックス! そして善神セルウェー様、お救いください! 自分のニセモノに襲われてるんです!
必死に念じたが奇跡は起こらなかった。闇は闇のままで、もう一人の自分は気持ち悪い笑いを顔に張りつけたまま、抜き身の剣を持ってぶらぶらと近づいてきた。
(落ち着け、落ち着くんだ、僕)
自分の姿をした殺人者に襲われる。これはまさしく、悪夢の後に訪れるという状況だ。
(じゃあさ、もしこいつが犯人なら……)
ここで懲らしめたら解決するんじゃなかろうか。サー・ノックスにも感心していただけるはず!
シグナスは意を決して剣を抜いた。
「い、いくぞ殺人犯! 覚悟しろっ」
(※戦う相手は〈写身の襲撃者〉。レベル4、生命点3、攻撃数1。反応表は常に【死ぬまで戦う】です。一対一ですから、今回はクロの援護は得られません。技量点0のシグナスにはレベル4は立派な強敵。踏ん張りどころですよ、シグナスくん。さて大切な初撃、1ラウンドの攻撃は……出目1、ファンブル(大失敗)! これはまずい。大変まずいです。防御ロールの方もあえなく失敗してしまいました。どう見ても弱気になっています)
突きつけた切っ先が震えている。正直なところ、実戦らしい実戦は初めてなのだ。酔っ払いに立ち向かった時とは違うってところを見せるんだぞ、と自分に言い聞かせて駆け出してみる。サー・ノックス曰く、何事も機先を制するのが第一だという。ニセモノの自分が反応するより早く、まずは斬りつけることだ。
「ええい!」
しかしシグナスの渾身の一撃は、呆気なくかわされる。にやにや笑ったままニセモノはひょいと体を捻っただけで避けてみせ、そこから素早くシグナスの肩を剣で突いた。
「ひっ……」
飛び退いたシグナスは思わず自分の肩を触り、指先に赤い血が付いたのを見てぞっとする。まやかしではなく、本当に怪我をしているのだ。
(※2ラウンド目。ここで流れを引き寄せたいので、技能【全力攻撃】を使います。筋力点を使って攻撃ロールの判定を行うことが出来るという技ですね。単純な技能ではありますが、技能点0、筋力点3のシグナスにとっては大きな加点です。ここで攻撃成功、さらに防御を出目6で成功させました。別に防御でクリティカル(大成功)が出てもボーナスはないのですが、気分的にこう、完璧に見切ったぞという盛り上がりを得ることが出来ますね。1ラウンド目とはガラッと出目が変わりましたので、シグナスくんの闘争心にようやく火が付いたということでしょうか)
これは現実。まじないの類だとしても、戦って敗れれば死が待つのみ。
そう飲み込んだシグナスの体内が、燃え上がるように、かあっと熱くなった。今まで遠慮がちだった戦士としての資質が、さあ解き放てと叫んでいるのを感じる。深呼吸をすると、体の隅々まで心地好い緊張感が伝播した。
「我こそは、サー・ノックスの一番弟子シグナス。お前の悪行もここまでだ!」
鋭い踏み込みと共に走った刃が、ニセモノの腕をすっぱりと斬り裂く。狼狽したニセモノの放った剣撃は蝸牛の如く遅く感じられ、シグナスはそれを易々と弾き返した。
(見えてる)
世界の中で自分だけが速くなったような。加速しているような。そんな不思議な高揚感が沸き起こる。
(※3ラウンド目。何しろ筋力点が3しかないので、通常の攻撃に賭けます。何と今回は攻撃防御ともすんなり成功しました。いいぞいいぞ。調子に乗って4ラウンド目も引き続き振りますと、ここでシグナスくん頑張りました、連続成功で勝利となります!)
二撃目も極めて正確だ。にやにや笑いを引っ込めたニセモノの肩にシグナスは剣を突き刺し、素早く引っ込めた。ニセモノの反撃は届かない。
シグナスの心はますます澄み渡っている。今なら無敵だと思えるほどに。三撃目は、ついに致命傷を与えた。ニセモノの首をざっくりと斬ったのである。その不気味な手応えでシグナスは我に返った。
(僕は何を喜んでるんだろう。人間に斬りつけることが楽しいだなんて)
ニセモノがゆっくりと倒れ込むと同時に、闇が晴れる。正常な世界に戻ってきたのだ。しかし視界がおかしい。どうやら今、シグナスは仰向けになって空を見ているらしかった。
「どういうこと」
「お前が暴れたからだ」
その言葉に驚いて体を起こそうとすると、肩口がひどく痛む。刺されたのだから当然だ。
「クロ! 無事だったんだね」
「オレの目玉を潰そうとした奴の言葉とは思えんな」
「え?」
「水溜まりを見ていたら突然わめきだして、オレに斬りかかって、目玉を突こうとしたんだぞ」
「そんな事するはずないじゃん! それにクロも見てたでしょ、水溜まりの中から僕にそっくりなのが出てきたところ!」
「……いいや?」
「嘘つかないでよ。僕は、僕のニセモノと戦ってたんだから! 突然真っ暗になってさ、クロなんてそこにいなかったよ!」
「……」
〈おどる剣〉は首を傾げる代わりに、空中で斜め四十五度に傾いた。
シグナスは混乱する。クロは嘘を言わないと思う。でも僕が経験した、あの戦いは嘘じゃなかったはずだ。どういう事なんだ、と。
その時、シグナスは漂う香りに気づいた。こんな路地裏には似合わない香り。アグピレオ先生の薬局で飲ませてもらったハーブティーの香りがするのだ。路地裏には似つかわしくない気もするが、悪夢がはびこり出してから売れ行き好調だという話なので、路地に面した家で誰かが淹れているのかもしれない。先生の穏やかな顔を思い出すと、少しだけ気分が落ち着いたようだった。
(※戦闘に勝利した後、ランダムに従者を選び目標値4の【幸運ロール】を実施します。失敗すると、主人公はいきなり武器を振りかざして従者に襲い掛かり、その従者の命を奪ってしまうとのこと。今回は従者がいないため、シグナスがクロに対して判定をすることにしますが、判定は……失敗。主人公ふたりプレイの場合の記述がございませんので、ここは「クロが生命点に1ダメージを受けた」という処理にさせていただきます)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今回のリプレイは以上となります。
ついに殺人犯が再び襲ってきました!
タイトルの『写身の殺人者』に繋がるイベント名ということで、実はここでも「手がかり」を入手するチャンスがあったのですが、戦闘後の【幸運ロール】失敗により空振りになってしまいました。なかなか上手くいきませんね。しかしその上手くいかない感が、レベル7であるシグナスくんの半人前っぷりをリアルに表している気もしています。
個人的な話ですが、私はこのリプレイを書いている時にちょうど仕事で行き詰っており、シグナスくんの悪戦苦闘が他人事ではなく思われて、砕けた心をそのまま貼り付けるようにして文章を書いていました。
読者の皆様も空回りする自分や部下を見るような気持ちでやきもきされているかもしれませんが、努力する者が報われますよう、引き続き応援していただければ嬉しいです。
それではまた、再来週の木曜日にお目にかかりましょう。
良きローグライクハーフを!
◇
(登場人物)
・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。殺人者の悪夢を見ておねしょした。
・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉。元は人間かつ騎士だと主張している。
・ノックス…シグナスの主人。超が付くほど厳格な聖騎士。
・ベルールガ…ノックスの同僚の聖騎士。優しい。
・サン・サレンの領主…殺人者の悪夢に苛まれている。
・アグピレオ…領主付きの医師。心が落ち着くハーブティーの売り上げが好調。
■作品情報
作品名:『写身の殺人者』
著者:ロア・スペイダー
イラスト:海底キメラ
監修:杉本=ヨハネ、紫隠ねこ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
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『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録
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シグナスとクロは居合わせたサン・サレンの街で「悪夢殺人」とでも言うべき事件に遭遇します。これは自分の姿をした何者かに殺される夢を見て、その後、現実でも殺されてしまう。そんな気味の悪い事件なのですが、ついにシグナスもその悪夢を見てしまいました。
このままでは自分の身にも危険が及ぶということで捜査に乗り出したふたりでしたが、前回のリプレイでは、我こそは巷を騒がす殺人犯だという三人組に襲われた挙句、市場では金貨をすられるという災難に見舞われます。
ダイス目からはシグナスくんの人間に剣を向けることをためらう優しい性格が明らかになり、プレイヤーはこの厳しい世界で彼が騎士として生きて行けるのか、不安で胸がいっぱいになってきました。
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市場から一本離れた路地裏は、人通りもなく静かである。シグナスはスリに刃物で底を切られた財布から金貨を取り出し、ローブをまさぐって、少しはまともそうな場所にしまい直す。
「踏んだり蹴ったりだよ」
と口を尖らせたシグナスに、
「動いた証拠だ」
クロは言った。
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「慰めてくれてるの?」
「さあな」
次は何処へ行くべきだろうか。市場は確かに人が沢山いたが、落ち着いて話が出来るような所ではなかった。最初に事件が起こった家とか、そういう所から探すのが良いのかもしれない。シグナスは自分の頬をぱちんと叩いて、気合いを入れた。
「調査続行だ!」
(※さて、このイベントでは「出目21」を通過しているかを問われます。ゲームブックっぽくて面白いですね。FT書房様の作品ならではという感じがします。出目21は薬局です。そう、いの一番に出たアグピレオ先生の薬局です。その場合は、こうシナリオに書かれています。「君は真っ暗な空間で、自分そっくりの殺人者と一対一で戦う」と。シグナスくん、これは危険な気配がしますよ!)
雪が溶けて、所々に水溜まりが出来ている。うっかり足を突っ込まないよう下を向いて歩く。そこだけ見れば確かに春らしい青空と、サン・サレンの尖った屋根の民家、それから自分の顔。異国にいるのだ、という実感が急に湧いてきて、じっと眺めてしまった。
すると、奇妙なことにシグナスは気づく。水溜まりの中の自分が、勝手に動いているような気がするのだ。不審に思い、試しに右腕を上げてみると、水溜まりの中の自分は不気味な形に唇を吊り上げて、にやりと笑い返すではないか。
「えっ、何!?」
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自分の姿をした殺人者に襲われる。これはまさしく、悪夢の後に訪れるという状況だ。
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シグナスは意を決して剣を抜いた。
「い、いくぞ殺人犯! 覚悟しろっ」
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突きつけた切っ先が震えている。正直なところ、実戦らしい実戦は初めてなのだ。酔っ払いに立ち向かった時とは違うってところを見せるんだぞ、と自分に言い聞かせて駆け出してみる。サー・ノックス曰く、何事も機先を制するのが第一だという。ニセモノの自分が反応するより早く、まずは斬りつけることだ。
「ええい!」
しかしシグナスの渾身の一撃は、呆気なくかわされる。にやにや笑ったままニセモノはひょいと体を捻っただけで避けてみせ、そこから素早くシグナスの肩を剣で突いた。
「ひっ……」
飛び退いたシグナスは思わず自分の肩を触り、指先に赤い血が付いたのを見てぞっとする。まやかしではなく、本当に怪我をしているのだ。
(※2ラウンド目。ここで流れを引き寄せたいので、技能【全力攻撃】を使います。筋力点を使って攻撃ロールの判定を行うことが出来るという技ですね。単純な技能ではありますが、技能点0、筋力点3のシグナスにとっては大きな加点です。ここで攻撃成功、さらに防御を出目6で成功させました。別に防御でクリティカル(大成功)が出てもボーナスはないのですが、気分的にこう、完璧に見切ったぞという盛り上がりを得ることが出来ますね。1ラウンド目とはガラッと出目が変わりましたので、シグナスくんの闘争心にようやく火が付いたということでしょうか)
これは現実。まじないの類だとしても、戦って敗れれば死が待つのみ。
そう飲み込んだシグナスの体内が、燃え上がるように、かあっと熱くなった。今まで遠慮がちだった戦士としての資質が、さあ解き放てと叫んでいるのを感じる。深呼吸をすると、体の隅々まで心地好い緊張感が伝播した。
「我こそは、サー・ノックスの一番弟子シグナス。お前の悪行もここまでだ!」
鋭い踏み込みと共に走った刃が、ニセモノの腕をすっぱりと斬り裂く。狼狽したニセモノの放った剣撃は蝸牛の如く遅く感じられ、シグナスはそれを易々と弾き返した。
(見えてる)
世界の中で自分だけが速くなったような。加速しているような。そんな不思議な高揚感が沸き起こる。
(※3ラウンド目。何しろ筋力点が3しかないので、通常の攻撃に賭けます。何と今回は攻撃防御ともすんなり成功しました。いいぞいいぞ。調子に乗って4ラウンド目も引き続き振りますと、ここでシグナスくん頑張りました、連続成功で勝利となります!)
二撃目も極めて正確だ。にやにや笑いを引っ込めたニセモノの肩にシグナスは剣を突き刺し、素早く引っ込めた。ニセモノの反撃は届かない。
シグナスの心はますます澄み渡っている。今なら無敵だと思えるほどに。三撃目は、ついに致命傷を与えた。ニセモノの首をざっくりと斬ったのである。その不気味な手応えでシグナスは我に返った。
(僕は何を喜んでるんだろう。人間に斬りつけることが楽しいだなんて)
ニセモノがゆっくりと倒れ込むと同時に、闇が晴れる。正常な世界に戻ってきたのだ。しかし視界がおかしい。どうやら今、シグナスは仰向けになって空を見ているらしかった。
「どういうこと」
「お前が暴れたからだ」
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「クロ! 無事だったんだね」
「オレの目玉を潰そうとした奴の言葉とは思えんな」
「え?」
「水溜まりを見ていたら突然わめきだして、オレに斬りかかって、目玉を突こうとしたんだぞ」
「そんな事するはずないじゃん! それにクロも見てたでしょ、水溜まりの中から僕にそっくりなのが出てきたところ!」
「……いいや?」
「嘘つかないでよ。僕は、僕のニセモノと戦ってたんだから! 突然真っ暗になってさ、クロなんてそこにいなかったよ!」
「……」
〈おどる剣〉は首を傾げる代わりに、空中で斜め四十五度に傾いた。
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その時、シグナスは漂う香りに気づいた。こんな路地裏には似合わない香り。アグピレオ先生の薬局で飲ませてもらったハーブティーの香りがするのだ。路地裏には似つかわしくない気もするが、悪夢がはびこり出してから売れ行き好調だという話なので、路地に面した家で誰かが淹れているのかもしれない。先生の穏やかな顔を思い出すと、少しだけ気分が落ち着いたようだった。
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今回のリプレイは以上となります。
ついに殺人犯が再び襲ってきました!
タイトルの『写身の殺人者』に繋がるイベント名ということで、実はここでも「手がかり」を入手するチャンスがあったのですが、戦闘後の【幸運ロール】失敗により空振りになってしまいました。なかなか上手くいきませんね。しかしその上手くいかない感が、レベル7であるシグナスくんの半人前っぷりをリアルに表している気もしています。
個人的な話ですが、私はこのリプレイを書いている時にちょうど仕事で行き詰っており、シグナスくんの悪戦苦闘が他人事ではなく思われて、砕けた心をそのまま貼り付けるようにして文章を書いていました。
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・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉。元は人間かつ騎士だと主張している。
・ノックス…シグナスの主人。超が付くほど厳格な聖騎士。
・ベルールガ…ノックスの同僚の聖騎士。優しい。
・サン・サレンの領主…殺人者の悪夢に苛まれている。
・アグピレオ…領主付きの医師。心が落ち着くハーブティーの売り上げが好調。
■作品情報
作品名:『写身の殺人者』
著者:ロア・スペイダー
イラスト:海底キメラ
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2025年8月27日水曜日
第2回【狂える魔女のゴルジュ】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4599
第2回【狂える魔女のゴルジュ】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【狂える魔女のゴルジュ】の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。また、大幅なアレンジが加えられている箇所がありますが、原作の選択肢をもとに構成しています。
ぜろです。
はじまりました「狂える魔女のゴルジュ」リプレイ。
前回は、長い導入。主人公ミナ・ガーデンハートが家族と散り散りになったいきさつが語られました。
盗賊都市ネグラレーナへと生活の拠点を移したニナとミナ。ニナは盗賊ギルドへ、ミナは魔法学園へ。
ミナがからくり都市チャマイへの留学を決めたことで、2人の生活の場は離れます。
しかし、魔法の成果が上がらないミナはあるとき、魔道具を求めて学園へ忍び込みます。
そこで偶然、自身が師事する教授が禁断の研究を行っており、まさにその研究成果を秘密裏に持ち出そうとする現場を目撃するのでした。
そしてミナは、その「研究成果」を、こっそり横取りしようと画策するのでした。
●アタック01-4 闇の加護
モータス教授たちの密談の盗み聞きによれば、「魔法の時計」は時計塔にあるという。
ボクは時計塔に先回りすることにした。
教授たちが秘密の話を続けている隙に、先んじて校長室に忍び込んで、時計塔の鍵を盗み出した。
ついでに、キーケースの中の各部屋の鍵を、いくつか入れ替えておいた。
時計塔の鍵のスロットには、明らかに時計塔のものではないとわかる、器具庫の鍵をセットしておいた。
これで、しばらくは時間を稼げるはず。
ボクは校舎を出、時計塔へ。入口の鍵はばっちり合った。がちゃりと鍵を開け、時計塔の内部階段を上る。
入るのは初めてだ。モータス教授の言っていた魔法の時計は、どこにあるのだろう。
巧妙に隠されていたら、見つけられないかもしれない。ここはボクの運に賭けるしかない。
巨大な歯車が回る空間の中に、それはあった。
研究施設みたいになってる。大理石の台座に、小さな時計たちが並んでいる。
こんなに堂々と置いてあって、見つからないものなのか。
もしかしたら、年に1回程度のメンテナンスの時くらいしか、時計塔に入る人はいないのかもしれない。
そうだよね。入る人がほとんどいないから、隠し場所にはもってこいだったわけで。
台座に並べられている時計は、全部で7個。
ボクは魅入られたように、時計のひとつに手を伸ばした。
時計に触れた瞬間、心に声が響いた。
「汝……力を欲する者か……」
問いかけだ。昏くいびつで、ぞっとするほどに荘厳な声。
ボクは理解した。この時計の力を使いこなせるようになるためには、この声の主に応じなければならないと。
この時計の形を模した魔道具には、モータス教授が言っていたとおり、本当に、禁断の力が宿っていると。
ボクに、迷いはなかった。
姉たちを助ける力を手に入れるためには、なんだってやる。
師匠を出し抜いて研究成果を横取りだってする。謎の声の主の力も借りる。禁断の魔道具を使いこなしてみせる。
どんなに罪を重ねても、愛を裏切らない。
そう、誓ったから。
ボクは、声の主の提案を、受け入れた。
「ボク、ミナ・ガーデンハートは、この導きに感謝し、闇神オスクリード様の御名を永遠に讃えることを、ここに誓います」
こうしてボクは、闇神オスクリードの信徒となった。
その瞬間、ざわざわ、とした奇妙な感覚が体中を駆け巡る。
「あ……あっ……」
意識はそのままに、身体そのものが、別のものに置きかわっていくような、不思議な感覚。
でもそれは、恐怖を感じるものではなく、むしろ心地良いもので……。その心地よさが、逆に不安をかきたてた。
闇の神様に、祝福されているということ?
その感覚は、やがておさまった。
じっと手を見る。
肌の色が、変わっていた。闇色に近い、暗い色調に。闇の神の加護を受けた証だ。
ボクは自分自身が、取り返しのつかない状態になったことを悟った。
……でも、後悔はない。
自分で選んだことだから。
これで力が得られたのなら。これがその代償というのなら。
さあ、モータス教授たちがここに来る前に、退散しよう。
ボクは、急いで6個の腕時計をベルトにつけ、残る1個の懐中時計を首からかけた。
他にあった補助的な器具も持てるだけ持つと、急ぎ足で螺旋階段を下る。
入口に近づいたところで、外からざわついた気配を感じた。
教授たちが来たに違いない。
戸口にがちゃりと手がかけられる音がした。
「鍵がかかっていません。やはり、何者かが入り込んでいるようです」
「なんということだ。とにかく早く。侵入者を排除し、アレを確保せねば」
左右を見回す。隠れられる場所はない。
ボクは戸口の影の壁際に、気配を殺して立つほかなかった。
時計塔の扉が開く。モータス教授とその連れの小男が、急ぎ足で階段を駆け上がっていった。
教授たちがあわてふためいていたこと、そして闇色の肌が、ボクを闇に溶け込ませてくれたこと。2つの幸運が重なって、ボクは見つからずに済んだ。
このまま時計塔の鍵を閉めてしまえば、モータス教授たちは逃げ場を失い、逮捕されるかもしれない。
そんなよこしまな考えが一瞬だけよぎったが、すぐに振り払った。
教授はボクに、素晴らしい研究成果を与えてくれたんだ。感謝しかない。
不正がなんだっていうんだ。ボクが今している罪、そして闇の神様に魅入られたことを思えば、なんてことはない。
ボクは時計塔の鍵をそっと置くと、開いたままの入口から外に出た。
そしてボクは、夜の闇に紛れた。
●アタック01-5 時の魔法使い
ボクは、早々にチャマイを立ち去ることにした。
数少ない友だちに、別れも告げずに去ることになるが仕方がない。最初からそのつもりだったし。
ボクは最初から、学園の魔道具を盗み出して消えるつもりだった。
だから、学園の宿舎には二度と戻らないつもりで出た。逃走の準備は万端だ。
最初の計画では、安宿に泊まりつつ、ほとぼりが冷めるのを待って逃走するつもりだった。
けれどそこは、計画の変更を余儀なくされた。
肌の色が変わったボクが知り合いに会ってしまうリスクを思えば、早急に動いた方がいい。
今回の事態が発覚するには、もう少し時間がかかるだろう。
しかも、最初に矛先が向くのはモータス教授たちだ。
いつ動くのか。今でしょ。
ボクは、闇夜に紛れて朝を待った。
開門を待ち、朝の喧騒に紛れて、正門から堂々と外に出た。
もしかしたら、モータス教授たちが門のそばで、時計を盗んだ者がいないか観察しているかもしれない。
けれど、誰がやったかはわからないはず。実物さえ隠しておけば、見つかることはないはずだ。
それに、あちらもおたずねものになるのだ。いくら時計を取り戻したくても、そんな余裕はないと思う。
ボクは、何の問題もなくチャマイから外に出ることができた。
チャマイから北に向けて旅をしながら、盗み出した魔道具の研究を、少しずつ進めた。
オスクリード様は信仰告白の際に、ボクに「魔法の時計」の知識を与えてくれていた。それがボクの望みだったから。
だから魔法学園で落ちこぼれかけていたボクなんかでも、時の時計の構造を理解することができた。
モータス教授の10年分の成果を、実物だけでなく知識面からも得てしまうなんて、とんだチート能力だ。
野営をしながら、焚火の前に時計を並べる。
ボクが持ち出した7つの魔法の時計が、炎のゆらめきを映し、神秘的な光沢を放っている。
時計は全部、止まっている。魔法を使うときだけ時を刻む、不思議な時計だ。
その1つ1つに対応した、時の魔法がある。
つまりボクは、時を操る7つの力を持っていることになる。
モータス教授のメモによれば、7つの時計には名称がある。
・枝分かれの未来時計
・速撃の戦時計
・時もどしの回復時計
・うたかたの齢時計
・跳兎の懐中時計
・夢渡りの覚醒時計
・刻々の狭間時計
7つの力を持ってるって言ったけど、実は今すぐに7つの力全部が使えるわけじゃない。
モータス教授は、「ほぼ完成している」と言っていた。
3つの時計は完成していて、すぐに使うことができる。
残る時計は歯車が不足していて、歯車を見つけ、修理することで使えるようになる。
そして、ボクはあの時計塔から、時計だけでなく歯車も3枚持ってきた。
その歯車を使ってどの時計を修理するかで、どの魔法を最初から使えるか、選ぶことができるってこと。
モータス教授の研究メモからわかった7つの時魔法について、ここで簡単に説明しておくよ。
きっと覚えきれないと思うから、だいたいでいい。また使う時になったら説明するから。
まずは、最初から使える3つの魔法から。
【枝分かれの未来時計】
この魔法を使うと、パラグラフの番号に「↑」マークがついている範囲を自由に行き来できる。
「指セーブ」をルール化したみたいなものだ。
【うたかたの齢時計】
10年単位で年齢を変えられる魔法。変身じゃなくて、実際に若くもなれば老いもする。
けっこう集中力が必要で、集中が切れたら元に戻ってしまう。
【跳兎の懐中時計】
数年から十数年くらい昔に時間をさかのぼれる魔法。自分だけ過去の世界に行ける。
これも集中力が切れると元の時代に戻る。
あと、跳兎の懐中時計は表紙や裏表紙にイラストが載ってるやつ。兎のデザインがかわいすぎて神。
次に、修理が必要な魔法の時計が4つ。
【速撃の戦時計】
スピードがマッハに。2倍速の魔法。歯車1枚で修理できる。
【時もどしの回復時計】
身体の時間を戻すことで、身体に受けた悪い影響をすべて取り去り回復する。歯車2枚で修理できる。
【夢渡りの覚醒時計】
仲間を悪夢から守る。悪夢を吸い取り、悪夢袋に入れる。歯車1枚で修理できる。
【刻々の狭間時計】
時を止めるザ・ワールド。消耗も大きい。歯車3枚で修理できる。
時の魔法は使う時に「悪夢」を消費する。悪夢って言われてもピンとこないと思うけど。
だからボクは、悪夢を蓄えるための「悪夢袋」を持ってる。時計と一緒に置いてあったものだ。
悪夢袋は闇色の小さな袋。不思議なことに、出し入れする口はない。小さな風船みたい。
7袋あって、今は悪夢をたくわえてふくらんでいる。
入っているのは、ボクの悪夢だ。覚えてないけど、けっこう悪夢を見ているみたい。
悪夢を持ち歩くってヘンな話だけど、夢の持つエネルギー?みたいなのを蓄えるらしい。
ボクの悪夢だけでなく、ほかの誰かの悪夢を蓄えることもできる。
悪い夢を持ち歩いている、と思うと気味が悪いけど、ボクにはこれが必要なんだ。
ボクが研究しながら理解してきた時の魔法は、こんなとこかな。
●インターミッション ルール説明
ここからようやく、ルール説明のパートが始まる。
いつもはここは、プレイヤーの人が説明的にやるところだけど、ここまでボク主体でやってきたから、ここもそのままいこう。
ボクのステイタスを示す、専用のキャラクターシートがある。
すっきりまとまってる。とってもわかりやすい。視認性がいいのは大事。
ルールとか説明とかあんまり読まなくても、キャラクターシートを見れば、ある程度推測できてしまうくらい。
んー。自分で自分のキャラシー説明するなんて、なんだか変な気分。
ボクの体力点は4点。ハートの形でチェックできるようになってる。0点になるとゲームオーバー。
次に、使える悪夢袋の数が、袋の形でチェックできるようになってる。
金貨は7枚、歯車は3枚持ってる。
その横に「不死化傷」という意味深なフレーズがあるけど、説明にはない。
吸血鬼が登場する作品なので、吸血鬼に傷つけられた場合とかにチェックが入るのかもしれない。
それから、持ってる時計の名前がずらり、並んでる。
修理に必要な歯車の数も見てわかるようになってる。
そして実は、8か所目のところに、カッコ書きで(〜時計)という欄が作られている。
つまり、冒険中に8個目の時の魔法が手に入る可能性があるってこと。
モータス教授にしか作れない超レア技術のはずなのに、いったいなにがあれば8個目の魔法を手にできるのだろう。
興味は尽きないね。
その下には、装備品の欄が。
5つの装備品がすでに名前つきで並んでおり、入手したらチェックするようになっている。
5つの装備品とは、「銀のナイフ」「ニンニク」「聖水」「羊皮紙」「吸血鬼ごろし」。
ほとんどが吸血鬼対策のアイテムだ。
最初から入手できるアイテムの名前がわかっているというのも親切設計だ。
これだけでも、いろいろ予想する材料になる。
さらに、仲間の欄がある。
仲間の欄には、3人のキャラクターの名前があり、チェックを入れられるようになっている。
「ボラミー」「フェル」「マイトレーヤ」の3人だ。
マイトレーヤのところにはさらに「待機」という項目にチェックを入れられるようになっている。
そして、ルール上は何も言及がないけれど、いちばん下にメモ欄があり、小さく「精密」という項目にチェックを入れられるようになっている。
これは非常に気になる。こういうところに、クリアのために必須ななにかが隠れている気がしてならない。
ルールの確認はこんなところかな。
これはボクからしたら、時の魔法の力で、未来に起きるかもしれないことを、ほんの少しだけ垣間見た気分だ。
そうだ。このキャラクターシートは、ボクが未来の可能性を感じ取った記録、ってことにしよう。
こうすることで、何か変わるのかって?
実はすごい変化がある。
これまでキャラクターシートは、プレイヤーのものだった。
でもボクの力なら、キャラクターシートに書かれていることは、未来の記憶として、ボクも知っていることにできる。
未来の記憶と言っても確定じゃない。起こるかもしれない未来の可能性だ。
たとえば、「ボラミー」という人物が登場したのなら、ボクは、その人物が仲間になるかもしれない未来があることを知っている、ということになるんだよ。
これって、すごいことだ。これだけで、このリプレイの記述そのものが変わってくるって思わない?
未来の記憶を引き出すのは、過去の記憶を思い出すのとまったく同じ感覚だ。
ただ、夢を見ているみたいにおぼろげで、はっきりしない。未来を思い出すって、すごく不思議。
じゃあ、ルールも確認できたところで、歯車3枚を使って、時計を修理しよう。
歯車は、一度はめると、ボクの技術ではもう外すことはできない。だから、修理する時計は慎重に選ばなければいけない。
まずは、その素早さで戦いや逃走に役立ちそうな、【速撃の戦時計】。体術に自信のないボクの弱点を補う時計だ。
そして回復は大事ということで、【時もどしの回復時計】にしよう。
【速撃】の修理に歯車1個、【時もどし】の修理に歯車2個を使うから、これで使い切りだ。
これで準備は整った。次回からは、ステイタスが決まったボクの冒険本番がはじまる。
【ミナ 体力点4/4 悪夢袋7/7】
金貨 7枚
歯車 0枚
<枝分かれの未来時計>選択のやり直しが可能。
<うたかたの齢時計>一時的に年齢を変えられる。
<跳兎の懐中時計>一時的に過去に行ける。
<速撃の戦時計>超スピードで限界突破。
<時もどしの回復時計>時間を戻してダメージをなかったことに。
■登場人物
ミナ・ガーデンハート 主人公。双子の姉を助けるため、時を操る魔法を手に、還らずの森へと踏み込む。
エナとティナ ミナの双子の姉。ミナの双子の姉たち。還らずの森の吸血鬼の貴族に売られたという情報が。
ニナ・ガーデンハート ミナの長姉。ネグラレーナの盗賊ギルドに所属している。
モータス教授 魔法学校のミナの先生だった人物。禁断の時を操る魔法を開発する。
オスクリード 闇神。魔法の時計を動かすには、オスクリードの加護が必要となる。
■作品情報
作品名:狂える魔女のゴルジュ
著者:杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/4897513
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
■今日の新聞に対するお便りはコチラ!
ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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※ここから先はゲームブック【狂える魔女のゴルジュ】の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。また、大幅なアレンジが加えられている箇所がありますが、原作の選択肢をもとに構成しています。
ぜろです。
はじまりました「狂える魔女のゴルジュ」リプレイ。
前回は、長い導入。主人公ミナ・ガーデンハートが家族と散り散りになったいきさつが語られました。
盗賊都市ネグラレーナへと生活の拠点を移したニナとミナ。ニナは盗賊ギルドへ、ミナは魔法学園へ。
ミナがからくり都市チャマイへの留学を決めたことで、2人の生活の場は離れます。
しかし、魔法の成果が上がらないミナはあるとき、魔道具を求めて学園へ忍び込みます。
そこで偶然、自身が師事する教授が禁断の研究を行っており、まさにその研究成果を秘密裏に持ち出そうとする現場を目撃するのでした。
そしてミナは、その「研究成果」を、こっそり横取りしようと画策するのでした。
●アタック01-4 闇の加護
モータス教授たちの密談の盗み聞きによれば、「魔法の時計」は時計塔にあるという。
ボクは時計塔に先回りすることにした。
教授たちが秘密の話を続けている隙に、先んじて校長室に忍び込んで、時計塔の鍵を盗み出した。
ついでに、キーケースの中の各部屋の鍵を、いくつか入れ替えておいた。
時計塔の鍵のスロットには、明らかに時計塔のものではないとわかる、器具庫の鍵をセットしておいた。
これで、しばらくは時間を稼げるはず。
ボクは校舎を出、時計塔へ。入口の鍵はばっちり合った。がちゃりと鍵を開け、時計塔の内部階段を上る。
入るのは初めてだ。モータス教授の言っていた魔法の時計は、どこにあるのだろう。
巧妙に隠されていたら、見つけられないかもしれない。ここはボクの運に賭けるしかない。
巨大な歯車が回る空間の中に、それはあった。
研究施設みたいになってる。大理石の台座に、小さな時計たちが並んでいる。
こんなに堂々と置いてあって、見つからないものなのか。
もしかしたら、年に1回程度のメンテナンスの時くらいしか、時計塔に入る人はいないのかもしれない。
そうだよね。入る人がほとんどいないから、隠し場所にはもってこいだったわけで。
台座に並べられている時計は、全部で7個。
ボクは魅入られたように、時計のひとつに手を伸ばした。
時計に触れた瞬間、心に声が響いた。
「汝……力を欲する者か……」
問いかけだ。昏くいびつで、ぞっとするほどに荘厳な声。
ボクは理解した。この時計の力を使いこなせるようになるためには、この声の主に応じなければならないと。
この時計の形を模した魔道具には、モータス教授が言っていたとおり、本当に、禁断の力が宿っていると。
ボクに、迷いはなかった。
姉たちを助ける力を手に入れるためには、なんだってやる。
師匠を出し抜いて研究成果を横取りだってする。謎の声の主の力も借りる。禁断の魔道具を使いこなしてみせる。
どんなに罪を重ねても、愛を裏切らない。
そう、誓ったから。
ボクは、声の主の提案を、受け入れた。
「ボク、ミナ・ガーデンハートは、この導きに感謝し、闇神オスクリード様の御名を永遠に讃えることを、ここに誓います」
こうしてボクは、闇神オスクリードの信徒となった。
その瞬間、ざわざわ、とした奇妙な感覚が体中を駆け巡る。
「あ……あっ……」
意識はそのままに、身体そのものが、別のものに置きかわっていくような、不思議な感覚。
でもそれは、恐怖を感じるものではなく、むしろ心地良いもので……。その心地よさが、逆に不安をかきたてた。
闇の神様に、祝福されているということ?
その感覚は、やがておさまった。
じっと手を見る。
肌の色が、変わっていた。闇色に近い、暗い色調に。闇の神の加護を受けた証だ。
ボクは自分自身が、取り返しのつかない状態になったことを悟った。
……でも、後悔はない。
自分で選んだことだから。
これで力が得られたのなら。これがその代償というのなら。
さあ、モータス教授たちがここに来る前に、退散しよう。
ボクは、急いで6個の腕時計をベルトにつけ、残る1個の懐中時計を首からかけた。
他にあった補助的な器具も持てるだけ持つと、急ぎ足で螺旋階段を下る。
入口に近づいたところで、外からざわついた気配を感じた。
教授たちが来たに違いない。
戸口にがちゃりと手がかけられる音がした。
「鍵がかかっていません。やはり、何者かが入り込んでいるようです」
「なんということだ。とにかく早く。侵入者を排除し、アレを確保せねば」
左右を見回す。隠れられる場所はない。
ボクは戸口の影の壁際に、気配を殺して立つほかなかった。
時計塔の扉が開く。モータス教授とその連れの小男が、急ぎ足で階段を駆け上がっていった。
教授たちがあわてふためいていたこと、そして闇色の肌が、ボクを闇に溶け込ませてくれたこと。2つの幸運が重なって、ボクは見つからずに済んだ。
このまま時計塔の鍵を閉めてしまえば、モータス教授たちは逃げ場を失い、逮捕されるかもしれない。
そんなよこしまな考えが一瞬だけよぎったが、すぐに振り払った。
教授はボクに、素晴らしい研究成果を与えてくれたんだ。感謝しかない。
不正がなんだっていうんだ。ボクが今している罪、そして闇の神様に魅入られたことを思えば、なんてことはない。
ボクは時計塔の鍵をそっと置くと、開いたままの入口から外に出た。
そしてボクは、夜の闇に紛れた。
●アタック01-5 時の魔法使い
ボクは、早々にチャマイを立ち去ることにした。
数少ない友だちに、別れも告げずに去ることになるが仕方がない。最初からそのつもりだったし。
ボクは最初から、学園の魔道具を盗み出して消えるつもりだった。
だから、学園の宿舎には二度と戻らないつもりで出た。逃走の準備は万端だ。
最初の計画では、安宿に泊まりつつ、ほとぼりが冷めるのを待って逃走するつもりだった。
けれどそこは、計画の変更を余儀なくされた。
肌の色が変わったボクが知り合いに会ってしまうリスクを思えば、早急に動いた方がいい。
今回の事態が発覚するには、もう少し時間がかかるだろう。
しかも、最初に矛先が向くのはモータス教授たちだ。
いつ動くのか。今でしょ。
ボクは、闇夜に紛れて朝を待った。
開門を待ち、朝の喧騒に紛れて、正門から堂々と外に出た。
もしかしたら、モータス教授たちが門のそばで、時計を盗んだ者がいないか観察しているかもしれない。
けれど、誰がやったかはわからないはず。実物さえ隠しておけば、見つかることはないはずだ。
それに、あちらもおたずねものになるのだ。いくら時計を取り戻したくても、そんな余裕はないと思う。
ボクは、何の問題もなくチャマイから外に出ることができた。
チャマイから北に向けて旅をしながら、盗み出した魔道具の研究を、少しずつ進めた。
オスクリード様は信仰告白の際に、ボクに「魔法の時計」の知識を与えてくれていた。それがボクの望みだったから。
だから魔法学園で落ちこぼれかけていたボクなんかでも、時の時計の構造を理解することができた。
モータス教授の10年分の成果を、実物だけでなく知識面からも得てしまうなんて、とんだチート能力だ。
野営をしながら、焚火の前に時計を並べる。
ボクが持ち出した7つの魔法の時計が、炎のゆらめきを映し、神秘的な光沢を放っている。
時計は全部、止まっている。魔法を使うときだけ時を刻む、不思議な時計だ。
その1つ1つに対応した、時の魔法がある。
つまりボクは、時を操る7つの力を持っていることになる。
モータス教授のメモによれば、7つの時計には名称がある。
・枝分かれの未来時計
・速撃の戦時計
・時もどしの回復時計
・うたかたの齢時計
・跳兎の懐中時計
・夢渡りの覚醒時計
・刻々の狭間時計
7つの力を持ってるって言ったけど、実は今すぐに7つの力全部が使えるわけじゃない。
モータス教授は、「ほぼ完成している」と言っていた。
3つの時計は完成していて、すぐに使うことができる。
残る時計は歯車が不足していて、歯車を見つけ、修理することで使えるようになる。
そして、ボクはあの時計塔から、時計だけでなく歯車も3枚持ってきた。
その歯車を使ってどの時計を修理するかで、どの魔法を最初から使えるか、選ぶことができるってこと。
モータス教授の研究メモからわかった7つの時魔法について、ここで簡単に説明しておくよ。
きっと覚えきれないと思うから、だいたいでいい。また使う時になったら説明するから。
まずは、最初から使える3つの魔法から。
【枝分かれの未来時計】
この魔法を使うと、パラグラフの番号に「↑」マークがついている範囲を自由に行き来できる。
「指セーブ」をルール化したみたいなものだ。
【うたかたの齢時計】
10年単位で年齢を変えられる魔法。変身じゃなくて、実際に若くもなれば老いもする。
けっこう集中力が必要で、集中が切れたら元に戻ってしまう。
【跳兎の懐中時計】
数年から十数年くらい昔に時間をさかのぼれる魔法。自分だけ過去の世界に行ける。
これも集中力が切れると元の時代に戻る。
あと、跳兎の懐中時計は表紙や裏表紙にイラストが載ってるやつ。兎のデザインがかわいすぎて神。
次に、修理が必要な魔法の時計が4つ。
【速撃の戦時計】
スピードがマッハに。2倍速の魔法。歯車1枚で修理できる。
【時もどしの回復時計】
身体の時間を戻すことで、身体に受けた悪い影響をすべて取り去り回復する。歯車2枚で修理できる。
【夢渡りの覚醒時計】
仲間を悪夢から守る。悪夢を吸い取り、悪夢袋に入れる。歯車1枚で修理できる。
【刻々の狭間時計】
時を止めるザ・ワールド。消耗も大きい。歯車3枚で修理できる。
時の魔法は使う時に「悪夢」を消費する。悪夢って言われてもピンとこないと思うけど。
だからボクは、悪夢を蓄えるための「悪夢袋」を持ってる。時計と一緒に置いてあったものだ。
悪夢袋は闇色の小さな袋。不思議なことに、出し入れする口はない。小さな風船みたい。
7袋あって、今は悪夢をたくわえてふくらんでいる。
入っているのは、ボクの悪夢だ。覚えてないけど、けっこう悪夢を見ているみたい。
悪夢を持ち歩くってヘンな話だけど、夢の持つエネルギー?みたいなのを蓄えるらしい。
ボクの悪夢だけでなく、ほかの誰かの悪夢を蓄えることもできる。
悪い夢を持ち歩いている、と思うと気味が悪いけど、ボクにはこれが必要なんだ。
ボクが研究しながら理解してきた時の魔法は、こんなとこかな。
●インターミッション ルール説明
ここからようやく、ルール説明のパートが始まる。
いつもはここは、プレイヤーの人が説明的にやるところだけど、ここまでボク主体でやってきたから、ここもそのままいこう。
ボクのステイタスを示す、専用のキャラクターシートがある。
すっきりまとまってる。とってもわかりやすい。視認性がいいのは大事。
ルールとか説明とかあんまり読まなくても、キャラクターシートを見れば、ある程度推測できてしまうくらい。
んー。自分で自分のキャラシー説明するなんて、なんだか変な気分。
ボクの体力点は4点。ハートの形でチェックできるようになってる。0点になるとゲームオーバー。
次に、使える悪夢袋の数が、袋の形でチェックできるようになってる。
金貨は7枚、歯車は3枚持ってる。
その横に「不死化傷」という意味深なフレーズがあるけど、説明にはない。
吸血鬼が登場する作品なので、吸血鬼に傷つけられた場合とかにチェックが入るのかもしれない。
それから、持ってる時計の名前がずらり、並んでる。
修理に必要な歯車の数も見てわかるようになってる。
そして実は、8か所目のところに、カッコ書きで(〜時計)という欄が作られている。
つまり、冒険中に8個目の時の魔法が手に入る可能性があるってこと。
モータス教授にしか作れない超レア技術のはずなのに、いったいなにがあれば8個目の魔法を手にできるのだろう。
興味は尽きないね。
その下には、装備品の欄が。
5つの装備品がすでに名前つきで並んでおり、入手したらチェックするようになっている。
5つの装備品とは、「銀のナイフ」「ニンニク」「聖水」「羊皮紙」「吸血鬼ごろし」。
ほとんどが吸血鬼対策のアイテムだ。
最初から入手できるアイテムの名前がわかっているというのも親切設計だ。
これだけでも、いろいろ予想する材料になる。
さらに、仲間の欄がある。
仲間の欄には、3人のキャラクターの名前があり、チェックを入れられるようになっている。
「ボラミー」「フェル」「マイトレーヤ」の3人だ。
マイトレーヤのところにはさらに「待機」という項目にチェックを入れられるようになっている。
そして、ルール上は何も言及がないけれど、いちばん下にメモ欄があり、小さく「精密」という項目にチェックを入れられるようになっている。
これは非常に気になる。こういうところに、クリアのために必須ななにかが隠れている気がしてならない。
ルールの確認はこんなところかな。
これはボクからしたら、時の魔法の力で、未来に起きるかもしれないことを、ほんの少しだけ垣間見た気分だ。
そうだ。このキャラクターシートは、ボクが未来の可能性を感じ取った記録、ってことにしよう。
こうすることで、何か変わるのかって?
実はすごい変化がある。
これまでキャラクターシートは、プレイヤーのものだった。
でもボクの力なら、キャラクターシートに書かれていることは、未来の記憶として、ボクも知っていることにできる。
未来の記憶と言っても確定じゃない。起こるかもしれない未来の可能性だ。
たとえば、「ボラミー」という人物が登場したのなら、ボクは、その人物が仲間になるかもしれない未来があることを知っている、ということになるんだよ。
これって、すごいことだ。これだけで、このリプレイの記述そのものが変わってくるって思わない?
未来の記憶を引き出すのは、過去の記憶を思い出すのとまったく同じ感覚だ。
ただ、夢を見ているみたいにおぼろげで、はっきりしない。未来を思い出すって、すごく不思議。
じゃあ、ルールも確認できたところで、歯車3枚を使って、時計を修理しよう。
歯車は、一度はめると、ボクの技術ではもう外すことはできない。だから、修理する時計は慎重に選ばなければいけない。
まずは、その素早さで戦いや逃走に役立ちそうな、【速撃の戦時計】。体術に自信のないボクの弱点を補う時計だ。
そして回復は大事ということで、【時もどしの回復時計】にしよう。
【速撃】の修理に歯車1個、【時もどし】の修理に歯車2個を使うから、これで使い切りだ。
これで準備は整った。次回からは、ステイタスが決まったボクの冒険本番がはじまる。
【ミナ 体力点4/4 悪夢袋7/7】
金貨 7枚
歯車 0枚
<枝分かれの未来時計>選択のやり直しが可能。
<うたかたの齢時計>一時的に年齢を変えられる。
<跳兎の懐中時計>一時的に過去に行ける。
<速撃の戦時計>超スピードで限界突破。
<時もどしの回復時計>時間を戻してダメージをなかったことに。
■登場人物
ミナ・ガーデンハート 主人公。双子の姉を助けるため、時を操る魔法を手に、還らずの森へと踏み込む。
エナとティナ ミナの双子の姉。ミナの双子の姉たち。還らずの森の吸血鬼の貴族に売られたという情報が。
ニナ・ガーデンハート ミナの長姉。ネグラレーナの盗賊ギルドに所属している。
モータス教授 魔法学校のミナの先生だった人物。禁断の時を操る魔法を開発する。
オスクリード 闇神。魔法の時計を動かすには、オスクリードの加護が必要となる。
■作品情報
作品名:狂える魔女のゴルジュ
著者:杉本=ヨハネ
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2025年8月26日火曜日
『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.8 FT新聞 No.4598
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『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.8
(田林洋一)
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FT新聞の読者のあなた、こんにちは、田林洋一です。
全13回を予定しております東京創元社から出版されたゲームブックの解説「SAGBがよくわかる本」、8回目の記事を配信いたします。今回は大作との呼び声高い「ワルキューレの冒険」シリーズを中心に扱います。
本連載は「名作」と呼ばれるものを最初に集中的に扱っている関係上、連載の後半になるに従って厳しい批評が多くなりますこと、ご寛恕ください。特に今回は一部で厳しい評価をしておりますが、作品そのものを全否定する意図は全くないことをご理解いただければと思います。私自身はSAGBの全ての作品に思い入れがあります。批評に対して別の考え方がございましたら、ぜひとも感想やご意見をお寄せいただければ嬉しく思います。
毎回の私事ではありますが、アマゾンにてファンタジー小説『セイバーズ・クロニクル』とそのスピンオフのゲームブック『クレージュ・サーガ』を上梓しておりますので、そちらもご覧いただければ嬉しく思います。なお、『クレージュ・サーガ』はこの記事の連載開始後に品切れになりました。ご購入くださった方には、この場を借りてお礼申し上げます。
『セイバーズ・クロニクル』https://x.gd/ScbC7
『クレージュ・サーガ』https://x.gd/qfsa0
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8.ゲーム性とストーリー性の相克 -「ワルキューレの冒険」
主な言及作品:『迷宮のドラゴン』(1988)『ピラミッドの謎』(1989)
『時の鍵の伝説』(1989)
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「ワルキューレの冒険」は、『ゼビウス』や『ドルアーガの塔』、『ドラゴンバスター』などの系列を組むナムコのファミコンソフトを原作としたゲームブックシリーズであるが、今までのナムコシリーズとは大きく異なる特徴がある。原作と同様にマーベルランドを支配する悪の化身ゾウナを倒すことに変わりはないが、プレイヤーはワルキューレに扮するのではなく、ワルキューレの冒険を手助けしようと一念発起して旅立つ若者になるのだ。この設定は、ナムコシリーズが原作ゲームの「ヒーロー」となって活躍することがほとんどであるのに比べて、ストーリー的に極めて斬新かつ野心的な挑戦である。
読者であるプレイヤーは言わば「無色透明の君」を操作することになるわけで、この辺りは海外産の「ゴールデン・ドラゴン・シリーズ」において、自由に名前を決める欄が冒険記録用紙に設けられているのと同様に、「ワルキューレの冒険」シリーズのアドベンチャーシートにも「名前」欄が用意されている。
まず、本作のゲーム的な特徴を概観しよう。ゲーム性かストーリー性かを巡る議論はゲームブックには常について回るが、「ワルキューレの冒険」は、おそらくその両方を射程に収めつつ、融合させようと腐心したのだろう。第一巻『迷宮のドラゴン』は単方向移動、第二巻『ピラミッドの謎』では前半は単方向移動、後半のピラミッドでは双方向移動、そして最終巻の『時の鍵の伝説』では最初こそ単方向移動だがメインは双方向移動と、ゲーム的に際立つ双方向移動と、ストーリーを引き立たせる効果を持つ単方向移動をそれぞれの巻ごとに取り入れている。
フラグ管理も独自のシステムを採用しているが、『ネバーランドのリンゴ』や『パンタクル』のように割り切って記号管理システムを導入していない一方で、パラグラフ番号の上や段落の途中に描かれている空欄のボックスにXでチェックを入れたり、「体の部位に傷跡があるか否か」でイベントの成否を決めたりといった、できるだけ自然な、ある意味ではストーリーを破壊しないような工夫を凝らしている。
もっとも、作者の本田成二は巻を進めるごとにゲーム性を重視しようと考えたようである。『迷宮のドラゴン』でのゲーム性と言えば、まず間違いなく主人公の成長システムと魔法だが、それに加えて『時の鍵の伝説』ではパーティ・コントロールという斬新なアイデアを取り入れている。それに合わせるように「パーティ記号」という欄がアドベンチャーシートに追加されたが、これは『迷宮のドラゴン』と『ピラミッドの謎』にはなかったシステムである。以下、「パーティ・コントロール」も含めた本作のゲームシステムについて検討したい。
主人公の成長システムだが、経験値を十溜めるごとに技量ポイントなら一ポイント、原知力ポイント(魔法を唱える際に消費する、マジックポイントのようなもの)なら四ポイント加算することができる。「ドルアーガの塔」では、経験値を十溜めるごとに戦力ポイントを一ポイント上げることができたが、防御力ポイントには手をつけられなかった(上昇させたいと思ったプレイヤーも多いだろう)。よっていきおい「攻撃型のギル」が誕生することになるのだが、「ワルキューレの冒険」シリーズでは、『ピラミッドの謎』の「あとがき」にもあるように、主人公が技量ポイントが高い戦士タイプか、知力ポイントが高い魔法使いか、あるいは中道に育てていくかを選べるシステムになっている。
主人公は初期状態では魔法を一切覚えておらず、また、魔法を使うには特定のアイテムが(ワルキューレを除いて)必ず必要になるのだが、魔法を習得するのにさして手間取ることはないだろう。魔法使いタイプに成長させたくとも魔法を覚えていない、あるいはアイテムがなくて魔法が唱えられない、という苦境には陥ることはまずない。例えば、体力を五ポイント増やす効果を持つ「薬の術」を使うためには「白い玉」を持っていなければならないのだが、何と(非常に高価ではあるが)白い玉は町のアイテムショップで普通に販売されているのだ。
その他の魔法を唱える際に必要なアイテムも、いくつかのイベントをこなせば自然と入手できるものが多く、「ソーサリー」シリーズのように「必要な品がないため魔法がかからない」という事態はほぼ起こらない。更に、第二巻と第三巻の冒頭では既にいくつかの魔法とアイテムを習得したことになっており、前の巻を未プレイの読者にとっても入りやすい、親切な設計になっている。
魔法の多くは原作のファミコンゲーム「ワルキューレの冒険」をおおよそ踏襲しており、例えば敵全体に大ダメージを与えることができる「稲妻の術」や、敵の動きを一時的に停止させることができる「星笛の術」など、特に戦闘の場面で絶大な効果を持つものが多い。戦闘シーンではほとんど全ての魔法を操ることができるというのも、ゲーム的な自由度という点で特筆に値する。
ただ、魔法の力は極めて限定的で、巻を進めていくにつれて全く使用しない魔法も出てくるだろう。例えば「火の玉の術」は、知力ポイントを一消費する代わりに相手の体力を二ポイント削ることができるのだが、敵が強くなる後半戦では全く役に立たない。ちょうどファミコンゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズなどで、初期の攻撃魔法の一つであるギラが、終盤になるとまったく無用の長物になるのと似ている。
また、魔法を唱えるごとにパラグラフ・ジャンプを行う必要があるのだが、これも中盤以降は完全な作業になりがちだ。元々パラグラフ・ジャンプには威力の高い魔法や謎解き、重大な手がかりやヒントなどの「特別感」があるはずだが、「ワルキューレの冒険」では戦闘シーンであればいつでも多彩な魔法を使える反面、些細な魔法でもいちいちパラグラフ・ジャンプをせねばならず、手間がかかる。本作の魔法は「項目番号に〇〇を足した項目へ進む」という形式をとっているため、魔法を唱えるたびに(単純ではあるが)飛び番地を計算をしなければならないというジレンマを抱えているからだ。中盤以降はほとんどの魔法を習得しているはずなので、かえってこの手間はプレイヤーを煩雑にさせるだけだろう。もっとも、作者としては「覚えていない魔法は使えない」というゲーム性を大事にしたかったのかもしれない。
こうしたゲーム性は、魔法の神秘性を保つ上で(特別感を演出できるという点でも)有効に機能する場合もあり、実際に「ワルキューレの冒険」では魔法を使用すると常に何らかの描写がされていることから、物語性という点にも作者が十分に配慮していることが伺える。だがその一方で、あまりにも魔法がテクニカルすぎるものになり、中盤では完全に作業となってしまい、快適さやストーリー性が減じる結果となってしまったのではないだろうか。
そして第三巻『時の鍵の伝説』だけにお目見えする「パーティ・コントロール」だが、これはマーベルランドという世界(探索地域)において、プレイヤーがプレイしているのが主人公とワルキューレのペアか、仲間となるサブキャラクター・ニスペンとアテナのペアか、主人公も含めた四人のグループか、で出現する敵や起こるイベントが異なるというものだ。平面的な探索地域を立体的にするという点で、このシステムは例を見ない見事なものである。双方向移動の欠点は、一度行った場所に再び来ても目新しさがなく、ただパラグラフを素通りするだけに終始しやすいということが挙げられるが、パーティ・コントロールではこの点がかなり解消されている。つまり、同じ街にいても三通りのイベントが体験できるというわけだ。
この仕組みはファイティング・ファンタジー・シリーズの第二十八巻『恐怖の幻影』などでも、夢と現実を融合させることで同じ場所でも立体感を出すことに成功しているが、「ワルキューレの冒険」ではゲーム的には成功しているものの、ストーリー的には実際のゲームブックのプレイとしては難しい面もあったように思われる。例えばずっと主人公とワルキューレのパーティを動かしていて、いざニスペンとアテナのペアに変更した場合、後者のパーティの現状がどうだったのかを失念する危険性を孕んでいるのだ。つまり、「主人公とワルキューレ」と「ニスペンとアテナ」そして「四人のペア」のストーリー展開が、言わば読みかけの小説をいったん中断して、別の小説の途中から読むような気分になってしまう可能性がなくもないということである。
さて、このシリーズの大きな特徴の一つに、前述したように主人公は元々ワルキューレに憧れて出奔する名もなき若者という設定になっていることが挙げられる。それを表すように、全巻を通して主人公の若者が「名前」で呼ばれるシーンはただの一度もない。ところが作者の本田成二は、本シリーズにおいて主人公(とその一行)を、『スーパー・ブラックオニキス』のようにキャラクターに特徴を持たせて色分けをするか、それともファイティング・ファンタジー・シリーズのように一貫して背景化(できるだけ目立たせない)ようにするかを迷っているような節が見受けられる。
例えば出発の冒頭で、主人公は友人ヤッシムの家に行くか、武器屋に行くかの二択を迫られるのだが、「無色透明の君」である若者に、個人名が付された「友人ヤッシムがいる」ことがここで初めて判明する。そして、その友人の家に訪問する選択をすると、読者であるプレイヤーが意図してはいないかもしれないことを滔々と直接話法で(つまりカギ括弧つきで)語り出す。つまり、直接話法と相性が良い「キャラクターが決まっている特化した主人公」と、間接話法が馴染む「君が主人公」という二つの特性を同時に採用しているのだ。
「無色透明の君」が直接話法を用いてゲームを進行させるのには賛否両論があるだろうが、プレイヤーの想定がそのまま生きたボイス(直接話法)で語られれば、読者はまさに主人公と一体になる感覚を味わえるだろう。極端な話、主人公は現実世界ではどうあがいても「ギルガメス」や「メスロン」にはなれないわけで、実際には完全武装の金色の鎧をまとうこともなければ、パンタクルで魔法が使えるわけでもない。ところが、「ワルキューレの冒険」では、主人公の属性が極めて「一般人」に近い。例えば旅立ちを決意する冒頭で、母親が「部屋へ行って、ゲームでもして遊んでいなさい」と主人公を諭す場面があるが、ここまで現実志向に徹底していれば、ゲームとしてのフィクションに、現実の「君」を投影することは容易い。
付言すると、プレイヤーは何と冒頭で殺人を犯す犯罪者になることもできるという「極悪人プレイ」を堪能できるのだが(これは英雄たる「ポール・ジョーンズ」や「クロービス」にはできない悪辣な選択だろう)、こうした現実に即した自由さという点でも、読者の意向と物語の「君」が合致すれば、まさに「君は主人公」の気分を堪能できる仕組みになっている。
もっとも、冒険の間中ずっと続くこの傾向は、同時に諸刃の剣にもなりうることは指摘しておく必要がある。本作には一緒に行動を共にすることになる盗賊のサンディや、道中で知り合う巨漢のニスペン、魔法に秀でて時にクリティカルヒットを出す美しい女剣士アテナなどの魅力的なキャラクターが満載なのだが、主人公は彼らとも基本的に直接話法で数多くの会話を交わす。となると、時として(あるいは必然的に)「実際のプレイヤーが想像しなかった会話」をする現象が見られることもある。
例えば第二巻『ピラミッドの謎』の闘技場でチャンピオン戦に挑むというイベントがあるのだが、勝利すると主人公が勝手に賞金のうちの一部を司会者に渡してしまうのだ(もっとも、ストーリー的には大いに意味のある行為なのだが)。つまり、主人公キャラクターを自由自在に動かしたいというゲーム性(これは「無色透明の君」が適任である)と、物語の展開的に主人公が取るべき言動を自動的に取るというストーリー性(これはキャラクターが際立っている方がよい)が両立し、時にせめぎ合うことになる。「無色透明の君」が、読者自身も知らない特性や性格を持っていて、そのとおりに動かさざるを得ないという、良く言えば二つの長所を先取り、悪く言えば首尾一貫しない作りになっている。
キャラクターの魅力という点にもう少し言及すると、第一巻『迷宮のドラゴン』の「あとがき」で、作者が「つぎのゲームブックに登場するキャラクター」を募集しており、実際に第二巻『ピラミッドの謎』では、ワルキューレと冒険を共にしたいと馳せ参じる「全国の読者が創案したキャラクター」が我も我もと登場する。彼らは半分機械人間であったり、ごつい剣士だったり、豪放磊落な闘士だったりするが、名前だけの登場のキャラクターもいれば、主人公側にどっぷりとはまり込んで同行するキャラクターもいて、その豊かなバラエティに飽きることがない。言わばプレイヤーの孤軍奮闘ではなく、随所に「他の無名のキャラクター」がしっかりと動いているという、オープンワールドのような実感を得ることができる。
また、一癖も二癖もある少年ジェリーとの絡みがあったり、第三巻のクライマックスではゾンビと化した「一般からの参加者」たるスミシー(「元公務員でゲームマニア」という設定が泣かせる)と、無敵の剣士クラウドが襲い掛かってきたりと、この作品では、やはりキャラクターの個性を大事にしていることがひしひしと感じられる。特に第一巻で主人公と密接に絡む血気盛んな盗賊サンディは、第三巻のフィナーレで思わぬ形で主人公パーティと再会するなど、ドラマチックな展開も期待できる。
第三巻『時の鍵の伝説』では、主人公パーティはワルキューレと合流して一緒に旅をすることになるのだが、道中で再会したニスペンとアテナ、そして主人公を含めた四人パーティで冒険を進めていくことになる。既に論じたように、どちらかと言うと強い個性のない主人公(これは、主人公が「無名の若者」であるからには当然なのだが)に対し、サブも含めた仲間、特にパーティの一員として具体的な数値が与えられているワルキューレ、ニスペン、アテナ、サンディらのキャラクターが個性的で絞り込まれているところが、本作の白眉だろう。
例えば、ニスペンやサンディとは第一巻で冒険を共にしているが、イベントの合間で離れ離れになってしまう。ところが、別の巻で彼らと感動的な状況で再会でき、更には自由自在に彼らを動かす(しかも成長させる)ことができるのである。つまり、「キャラクター特化のゲームブック」の魅力を存分に生かしつつ、「無色透明の主人公」の特徴を保持しているのが「ワルキューレの冒険」の特筆すべき点だということだ。鈴木直人の『スーパー・ブラックオニキス』も四人のキャラクターを動かすシステムをとっているが、あちらは主人公キャラクター(あなた)が強い個性を持っていて、それに負けないようにそれ以外の三人も個性的だったのと比較すると、「ワルキューレの冒険」シリーズは「主人公よりも他のキャラクターやパーティの個性を最大限に引き出す」という特徴を有していると言える。
そして、主人公の「君」と、これらのサブキャラクターとの軽妙洒脱で自由闊達な会話もまた、この作品の完成度を高めている特徴の一つだろう。システム面では魔法の効果や種類などに反映されているように、ファミコンの原作のコンピュータRPGを意識した要素が多いように見受けられるが(おそらく作者がゲームのファンを視野に入れていたこともあるだろう)、ストーリー面や文章構成という点では主人公や他のキャラクターの掛け合いが多く、当時ファミコン冒険ゲームブックを多数発刊していた双葉社のゲームブックの雰囲気も漂わせている。その意味で、比較的低年齢層のプレイヤーにも無理なく入り込める敷居の低さが、この作品にはあると思われる。
もっとも、主人公を没個性的にして感情移入をしやすくする(ゲーム性の特化)と同時に、直接話法に見られる「キャラクターの立ち位置」(ストーリー性の特化)を確立させるという手法は、時としてキャラクターがプレイヤーを置き去りにしてしまう危うさも内包する。これは、本田成二がゲーム性を重視するかストーリー性を重視するかで、その両立を目指したことに起因しよう。
例えば、鈴木直人の作品は主人公のキャラクターが際立って魅力的かつ特徴的で、こちらが何もしないのに勝手な言動を取ることがよくある。だが、プレイヤーは言わば「分身」として別のキャラクターを動かすと考えているため、あまり違和感はない。『ティーンズ・パンタクル』の主人公大島いずみは(「あなた」や「君」と表記されず)「あたし」と自らを呼ぶが、男性プレイヤーでもすんなりと感情移入できるのは、実際のプレイヤーと冒険の主人公の切り分けがすっきりしているからだろう。
一方、「無色透明の君」で有名なファイティング・ファンタジー・シリーズや、SAGBのゴールデン・ドラゴン・シリーズは、没個性的なプレイヤーキャラクターを動かすために、現実の読者と主人公が一体化する。実際、「ソーサリー」シリーズやファイティング・ファンタジー・シリーズは、主人公である「あなた」が直接話法で描かれる場面がほとんどない。これは、読者自身が性別や属性なども含めて完全にゲームブック内の「あなた」と同化するため、その言い回しや発言の様態などを完全に読者に委ねているからだ。この意味で、「ソーサリー」などは読者とゲームブック内の「あなた」が一心同体となっている。その代わり、主人公の生きた台詞や生の会話のトーンを味わうといった楽しみはこちらには存在しない。
どちらのシステム(主人公の扱い)を選ぶにしても一長一短があり、究極的には作者や読者の好みに委ねられるのだが、「ワルキューレの冒険」シリーズでは言わば中道を貫いているために「曖昧」という印象がどうしても感じ取れてしまう。SAGBの書籍にたまに折り込まれている「アドベンチャラーズ・イン」という冊子(数ページの小冊子であり、読者投稿や新刊案内などを目的とする同人誌的な新聞)があるのだが、そこである読者の第一巻の『迷宮のドラゴン』の評価が百点満点中二十点だった(同誌12号)のは、その辺りの感覚を反映しているのではないだろうか(この評価を巡って同誌で色々な意見が出たが、最終的に「ゲームブックに点数をつけるな」という別の読者の投稿(同誌13号)で終わっている)。
逆に言えば、「ワルキューレの冒険」は、突き出たキャラクター作品の特徴である直接話法(これは、SAGBをはじめとする日本人作家に多い)に、間接話法に象徴的に見られる「無色透明の君」(ファイティング・ファンタジー・シリーズをはじめとした海外産ゲームブックに多い)を融合させた試みを行ったとも言えるだろう。その意味で、「ワルキューレの冒険」は両者の「いいとこ取り」を狙った作品であり、その効果は十分に発揮されていると思われる。
色々と批判を挙げ連ねたが、それは「ワルキューレの冒険」が最後まで、ストーリー性とゲーム性の両立を目指し、そして完全には整合性を取り切れなかったことに原因の一端があるのだろう。ゲーム性という点では「ワルキューレの冒険」にも優れた特徴があり、例えば先に言及した「主人公を思い通りに成長させる仕組み」は独自の試みではないだろうか。
また、『ピラミッドの謎』の後半のピラミッドの冒険では、前半にクレバーにヒントを得ておかないと解くのにかなりてこずる仕様になっている。ピラミッドにはゴーストフェニックスと呼ばれる恐ろしい怪物が宝物の守護者として登場するのだが、この難敵はこちら側の経験値を奪う「エクスペリエンス・ドレイン」の魔法を毎ターン使ってくるので、まともに戦ってもまず勝ち目はない(仮に勝ったとしても、パーティの戦力が壊滅的に低下する)。しかし、事前にあるアイテムを装備しておけば、この強敵も比較的楽に退治できるのだ。前半の旅で賢く立ち回って情報収集をしておけば、いざこのモンスターと戦う段になっても焦らなくて済む。本作も「ドルアーガの塔」三部作と同じで、うまく手がかりを活用すれば危機を最低限に回避できるようになっている。
ここでも「気ままな(バーサタイルな)」選択肢やノーヒントのデッドエンドなどはなく、事前に手がかりを提供するという寛容さ(このフェアな計らいは日本人作家の特徴と言っていい)が見受けられる。また、第三巻で本格的に操作することになるワルキューレはさすがに「神の子」らしく特殊能力を持っていたり、盗賊のサンディが自身の重大な秘密をカミングアウトする印象的なシーンがあったりと、雰囲気を最大限にまで盛り上げる描写力も兼ね備えている。
どうしてもフラグ処理の関係上、双方向移動を採用しているゲームブックは容量が分厚くなりがちだが、「ワルキューレの冒険」もなかなかのボリュームである。逆に言えば、これはゲームとしての「ゲームブック」の中にも文学性、物語性を重視して描写をおろそかにしないという作者の意欲を表してもいよう。こうした「ゲーム」「パズル」といった側面と、「ストーリー」「物語」「(魔法の)神秘性」といった側面は、往々にして対立し合う関係にあり、第7回でも詳述したが、その相克を解決するのは容易ではないことが伺える。このバランスを保つという難解な試みを目標とし、そして一定の成果を収めた「ワルキューレの冒険」は、その是非はともかく、非常にチャレンジングなシリーズと言えるだろう。
◆書誌情報
ワルキューレの冒険 第一巻『迷宮のドラゴン』
本田成二・木越郁子(著)
東京創元社(1988/3/30)絶版
ワルキューレの冒険 第二巻『ピラミッドの謎』
本田成二(著)
東京創元社(1989/4/28)絶版
ワルキューレの冒険 第三巻『時の鍵の伝説』
本田成二(著)
東京創元社(1989/10/31)絶版
■参考文献
『恐怖の幻影』
ロビン・ウォーターフィールド(著)安田均・深田宏(訳)
社会思想社(1989/4/30)絶版
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本連載は「名作」と呼ばれるものを最初に集中的に扱っている関係上、連載の後半になるに従って厳しい批評が多くなりますこと、ご寛恕ください。特に今回は一部で厳しい評価をしておりますが、作品そのものを全否定する意図は全くないことをご理解いただければと思います。私自身はSAGBの全ての作品に思い入れがあります。批評に対して別の考え方がございましたら、ぜひとも感想やご意見をお寄せいただければ嬉しく思います。
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8.ゲーム性とストーリー性の相克 -「ワルキューレの冒険」
主な言及作品:『迷宮のドラゴン』(1988)『ピラミッドの謎』(1989)
『時の鍵の伝説』(1989)
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「ワルキューレの冒険」は、『ゼビウス』や『ドルアーガの塔』、『ドラゴンバスター』などの系列を組むナムコのファミコンソフトを原作としたゲームブックシリーズであるが、今までのナムコシリーズとは大きく異なる特徴がある。原作と同様にマーベルランドを支配する悪の化身ゾウナを倒すことに変わりはないが、プレイヤーはワルキューレに扮するのではなく、ワルキューレの冒険を手助けしようと一念発起して旅立つ若者になるのだ。この設定は、ナムコシリーズが原作ゲームの「ヒーロー」となって活躍することがほとんどであるのに比べて、ストーリー的に極めて斬新かつ野心的な挑戦である。
読者であるプレイヤーは言わば「無色透明の君」を操作することになるわけで、この辺りは海外産の「ゴールデン・ドラゴン・シリーズ」において、自由に名前を決める欄が冒険記録用紙に設けられているのと同様に、「ワルキューレの冒険」シリーズのアドベンチャーシートにも「名前」欄が用意されている。
まず、本作のゲーム的な特徴を概観しよう。ゲーム性かストーリー性かを巡る議論はゲームブックには常について回るが、「ワルキューレの冒険」は、おそらくその両方を射程に収めつつ、融合させようと腐心したのだろう。第一巻『迷宮のドラゴン』は単方向移動、第二巻『ピラミッドの謎』では前半は単方向移動、後半のピラミッドでは双方向移動、そして最終巻の『時の鍵の伝説』では最初こそ単方向移動だがメインは双方向移動と、ゲーム的に際立つ双方向移動と、ストーリーを引き立たせる効果を持つ単方向移動をそれぞれの巻ごとに取り入れている。
フラグ管理も独自のシステムを採用しているが、『ネバーランドのリンゴ』や『パンタクル』のように割り切って記号管理システムを導入していない一方で、パラグラフ番号の上や段落の途中に描かれている空欄のボックスにXでチェックを入れたり、「体の部位に傷跡があるか否か」でイベントの成否を決めたりといった、できるだけ自然な、ある意味ではストーリーを破壊しないような工夫を凝らしている。
もっとも、作者の本田成二は巻を進めるごとにゲーム性を重視しようと考えたようである。『迷宮のドラゴン』でのゲーム性と言えば、まず間違いなく主人公の成長システムと魔法だが、それに加えて『時の鍵の伝説』ではパーティ・コントロールという斬新なアイデアを取り入れている。それに合わせるように「パーティ記号」という欄がアドベンチャーシートに追加されたが、これは『迷宮のドラゴン』と『ピラミッドの謎』にはなかったシステムである。以下、「パーティ・コントロール」も含めた本作のゲームシステムについて検討したい。
主人公の成長システムだが、経験値を十溜めるごとに技量ポイントなら一ポイント、原知力ポイント(魔法を唱える際に消費する、マジックポイントのようなもの)なら四ポイント加算することができる。「ドルアーガの塔」では、経験値を十溜めるごとに戦力ポイントを一ポイント上げることができたが、防御力ポイントには手をつけられなかった(上昇させたいと思ったプレイヤーも多いだろう)。よっていきおい「攻撃型のギル」が誕生することになるのだが、「ワルキューレの冒険」シリーズでは、『ピラミッドの謎』の「あとがき」にもあるように、主人公が技量ポイントが高い戦士タイプか、知力ポイントが高い魔法使いか、あるいは中道に育てていくかを選べるシステムになっている。
主人公は初期状態では魔法を一切覚えておらず、また、魔法を使うには特定のアイテムが(ワルキューレを除いて)必ず必要になるのだが、魔法を習得するのにさして手間取ることはないだろう。魔法使いタイプに成長させたくとも魔法を覚えていない、あるいはアイテムがなくて魔法が唱えられない、という苦境には陥ることはまずない。例えば、体力を五ポイント増やす効果を持つ「薬の術」を使うためには「白い玉」を持っていなければならないのだが、何と(非常に高価ではあるが)白い玉は町のアイテムショップで普通に販売されているのだ。
その他の魔法を唱える際に必要なアイテムも、いくつかのイベントをこなせば自然と入手できるものが多く、「ソーサリー」シリーズのように「必要な品がないため魔法がかからない」という事態はほぼ起こらない。更に、第二巻と第三巻の冒頭では既にいくつかの魔法とアイテムを習得したことになっており、前の巻を未プレイの読者にとっても入りやすい、親切な設計になっている。
魔法の多くは原作のファミコンゲーム「ワルキューレの冒険」をおおよそ踏襲しており、例えば敵全体に大ダメージを与えることができる「稲妻の術」や、敵の動きを一時的に停止させることができる「星笛の術」など、特に戦闘の場面で絶大な効果を持つものが多い。戦闘シーンではほとんど全ての魔法を操ることができるというのも、ゲーム的な自由度という点で特筆に値する。
ただ、魔法の力は極めて限定的で、巻を進めていくにつれて全く使用しない魔法も出てくるだろう。例えば「火の玉の術」は、知力ポイントを一消費する代わりに相手の体力を二ポイント削ることができるのだが、敵が強くなる後半戦では全く役に立たない。ちょうどファミコンゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズなどで、初期の攻撃魔法の一つであるギラが、終盤になるとまったく無用の長物になるのと似ている。
また、魔法を唱えるごとにパラグラフ・ジャンプを行う必要があるのだが、これも中盤以降は完全な作業になりがちだ。元々パラグラフ・ジャンプには威力の高い魔法や謎解き、重大な手がかりやヒントなどの「特別感」があるはずだが、「ワルキューレの冒険」では戦闘シーンであればいつでも多彩な魔法を使える反面、些細な魔法でもいちいちパラグラフ・ジャンプをせねばならず、手間がかかる。本作の魔法は「項目番号に〇〇を足した項目へ進む」という形式をとっているため、魔法を唱えるたびに(単純ではあるが)飛び番地を計算をしなければならないというジレンマを抱えているからだ。中盤以降はほとんどの魔法を習得しているはずなので、かえってこの手間はプレイヤーを煩雑にさせるだけだろう。もっとも、作者としては「覚えていない魔法は使えない」というゲーム性を大事にしたかったのかもしれない。
こうしたゲーム性は、魔法の神秘性を保つ上で(特別感を演出できるという点でも)有効に機能する場合もあり、実際に「ワルキューレの冒険」では魔法を使用すると常に何らかの描写がされていることから、物語性という点にも作者が十分に配慮していることが伺える。だがその一方で、あまりにも魔法がテクニカルすぎるものになり、中盤では完全に作業となってしまい、快適さやストーリー性が減じる結果となってしまったのではないだろうか。
そして第三巻『時の鍵の伝説』だけにお目見えする「パーティ・コントロール」だが、これはマーベルランドという世界(探索地域)において、プレイヤーがプレイしているのが主人公とワルキューレのペアか、仲間となるサブキャラクター・ニスペンとアテナのペアか、主人公も含めた四人のグループか、で出現する敵や起こるイベントが異なるというものだ。平面的な探索地域を立体的にするという点で、このシステムは例を見ない見事なものである。双方向移動の欠点は、一度行った場所に再び来ても目新しさがなく、ただパラグラフを素通りするだけに終始しやすいということが挙げられるが、パーティ・コントロールではこの点がかなり解消されている。つまり、同じ街にいても三通りのイベントが体験できるというわけだ。
この仕組みはファイティング・ファンタジー・シリーズの第二十八巻『恐怖の幻影』などでも、夢と現実を融合させることで同じ場所でも立体感を出すことに成功しているが、「ワルキューレの冒険」ではゲーム的には成功しているものの、ストーリー的には実際のゲームブックのプレイとしては難しい面もあったように思われる。例えばずっと主人公とワルキューレのパーティを動かしていて、いざニスペンとアテナのペアに変更した場合、後者のパーティの現状がどうだったのかを失念する危険性を孕んでいるのだ。つまり、「主人公とワルキューレ」と「ニスペンとアテナ」そして「四人のペア」のストーリー展開が、言わば読みかけの小説をいったん中断して、別の小説の途中から読むような気分になってしまう可能性がなくもないということである。
さて、このシリーズの大きな特徴の一つに、前述したように主人公は元々ワルキューレに憧れて出奔する名もなき若者という設定になっていることが挙げられる。それを表すように、全巻を通して主人公の若者が「名前」で呼ばれるシーンはただの一度もない。ところが作者の本田成二は、本シリーズにおいて主人公(とその一行)を、『スーパー・ブラックオニキス』のようにキャラクターに特徴を持たせて色分けをするか、それともファイティング・ファンタジー・シリーズのように一貫して背景化(できるだけ目立たせない)ようにするかを迷っているような節が見受けられる。
例えば出発の冒頭で、主人公は友人ヤッシムの家に行くか、武器屋に行くかの二択を迫られるのだが、「無色透明の君」である若者に、個人名が付された「友人ヤッシムがいる」ことがここで初めて判明する。そして、その友人の家に訪問する選択をすると、読者であるプレイヤーが意図してはいないかもしれないことを滔々と直接話法で(つまりカギ括弧つきで)語り出す。つまり、直接話法と相性が良い「キャラクターが決まっている特化した主人公」と、間接話法が馴染む「君が主人公」という二つの特性を同時に採用しているのだ。
「無色透明の君」が直接話法を用いてゲームを進行させるのには賛否両論があるだろうが、プレイヤーの想定がそのまま生きたボイス(直接話法)で語られれば、読者はまさに主人公と一体になる感覚を味わえるだろう。極端な話、主人公は現実世界ではどうあがいても「ギルガメス」や「メスロン」にはなれないわけで、実際には完全武装の金色の鎧をまとうこともなければ、パンタクルで魔法が使えるわけでもない。ところが、「ワルキューレの冒険」では、主人公の属性が極めて「一般人」に近い。例えば旅立ちを決意する冒頭で、母親が「部屋へ行って、ゲームでもして遊んでいなさい」と主人公を諭す場面があるが、ここまで現実志向に徹底していれば、ゲームとしてのフィクションに、現実の「君」を投影することは容易い。
付言すると、プレイヤーは何と冒頭で殺人を犯す犯罪者になることもできるという「極悪人プレイ」を堪能できるのだが(これは英雄たる「ポール・ジョーンズ」や「クロービス」にはできない悪辣な選択だろう)、こうした現実に即した自由さという点でも、読者の意向と物語の「君」が合致すれば、まさに「君は主人公」の気分を堪能できる仕組みになっている。
もっとも、冒険の間中ずっと続くこの傾向は、同時に諸刃の剣にもなりうることは指摘しておく必要がある。本作には一緒に行動を共にすることになる盗賊のサンディや、道中で知り合う巨漢のニスペン、魔法に秀でて時にクリティカルヒットを出す美しい女剣士アテナなどの魅力的なキャラクターが満載なのだが、主人公は彼らとも基本的に直接話法で数多くの会話を交わす。となると、時として(あるいは必然的に)「実際のプレイヤーが想像しなかった会話」をする現象が見られることもある。
例えば第二巻『ピラミッドの謎』の闘技場でチャンピオン戦に挑むというイベントがあるのだが、勝利すると主人公が勝手に賞金のうちの一部を司会者に渡してしまうのだ(もっとも、ストーリー的には大いに意味のある行為なのだが)。つまり、主人公キャラクターを自由自在に動かしたいというゲーム性(これは「無色透明の君」が適任である)と、物語の展開的に主人公が取るべき言動を自動的に取るというストーリー性(これはキャラクターが際立っている方がよい)が両立し、時にせめぎ合うことになる。「無色透明の君」が、読者自身も知らない特性や性格を持っていて、そのとおりに動かさざるを得ないという、良く言えば二つの長所を先取り、悪く言えば首尾一貫しない作りになっている。
キャラクターの魅力という点にもう少し言及すると、第一巻『迷宮のドラゴン』の「あとがき」で、作者が「つぎのゲームブックに登場するキャラクター」を募集しており、実際に第二巻『ピラミッドの謎』では、ワルキューレと冒険を共にしたいと馳せ参じる「全国の読者が創案したキャラクター」が我も我もと登場する。彼らは半分機械人間であったり、ごつい剣士だったり、豪放磊落な闘士だったりするが、名前だけの登場のキャラクターもいれば、主人公側にどっぷりとはまり込んで同行するキャラクターもいて、その豊かなバラエティに飽きることがない。言わばプレイヤーの孤軍奮闘ではなく、随所に「他の無名のキャラクター」がしっかりと動いているという、オープンワールドのような実感を得ることができる。
また、一癖も二癖もある少年ジェリーとの絡みがあったり、第三巻のクライマックスではゾンビと化した「一般からの参加者」たるスミシー(「元公務員でゲームマニア」という設定が泣かせる)と、無敵の剣士クラウドが襲い掛かってきたりと、この作品では、やはりキャラクターの個性を大事にしていることがひしひしと感じられる。特に第一巻で主人公と密接に絡む血気盛んな盗賊サンディは、第三巻のフィナーレで思わぬ形で主人公パーティと再会するなど、ドラマチックな展開も期待できる。
第三巻『時の鍵の伝説』では、主人公パーティはワルキューレと合流して一緒に旅をすることになるのだが、道中で再会したニスペンとアテナ、そして主人公を含めた四人パーティで冒険を進めていくことになる。既に論じたように、どちらかと言うと強い個性のない主人公(これは、主人公が「無名の若者」であるからには当然なのだが)に対し、サブも含めた仲間、特にパーティの一員として具体的な数値が与えられているワルキューレ、ニスペン、アテナ、サンディらのキャラクターが個性的で絞り込まれているところが、本作の白眉だろう。
例えば、ニスペンやサンディとは第一巻で冒険を共にしているが、イベントの合間で離れ離れになってしまう。ところが、別の巻で彼らと感動的な状況で再会でき、更には自由自在に彼らを動かす(しかも成長させる)ことができるのである。つまり、「キャラクター特化のゲームブック」の魅力を存分に生かしつつ、「無色透明の主人公」の特徴を保持しているのが「ワルキューレの冒険」の特筆すべき点だということだ。鈴木直人の『スーパー・ブラックオニキス』も四人のキャラクターを動かすシステムをとっているが、あちらは主人公キャラクター(あなた)が強い個性を持っていて、それに負けないようにそれ以外の三人も個性的だったのと比較すると、「ワルキューレの冒険」シリーズは「主人公よりも他のキャラクターやパーティの個性を最大限に引き出す」という特徴を有していると言える。
そして、主人公の「君」と、これらのサブキャラクターとの軽妙洒脱で自由闊達な会話もまた、この作品の完成度を高めている特徴の一つだろう。システム面では魔法の効果や種類などに反映されているように、ファミコンの原作のコンピュータRPGを意識した要素が多いように見受けられるが(おそらく作者がゲームのファンを視野に入れていたこともあるだろう)、ストーリー面や文章構成という点では主人公や他のキャラクターの掛け合いが多く、当時ファミコン冒険ゲームブックを多数発刊していた双葉社のゲームブックの雰囲気も漂わせている。その意味で、比較的低年齢層のプレイヤーにも無理なく入り込める敷居の低さが、この作品にはあると思われる。
もっとも、主人公を没個性的にして感情移入をしやすくする(ゲーム性の特化)と同時に、直接話法に見られる「キャラクターの立ち位置」(ストーリー性の特化)を確立させるという手法は、時としてキャラクターがプレイヤーを置き去りにしてしまう危うさも内包する。これは、本田成二がゲーム性を重視するかストーリー性を重視するかで、その両立を目指したことに起因しよう。
例えば、鈴木直人の作品は主人公のキャラクターが際立って魅力的かつ特徴的で、こちらが何もしないのに勝手な言動を取ることがよくある。だが、プレイヤーは言わば「分身」として別のキャラクターを動かすと考えているため、あまり違和感はない。『ティーンズ・パンタクル』の主人公大島いずみは(「あなた」や「君」と表記されず)「あたし」と自らを呼ぶが、男性プレイヤーでもすんなりと感情移入できるのは、実際のプレイヤーと冒険の主人公の切り分けがすっきりしているからだろう。
一方、「無色透明の君」で有名なファイティング・ファンタジー・シリーズや、SAGBのゴールデン・ドラゴン・シリーズは、没個性的なプレイヤーキャラクターを動かすために、現実の読者と主人公が一体化する。実際、「ソーサリー」シリーズやファイティング・ファンタジー・シリーズは、主人公である「あなた」が直接話法で描かれる場面がほとんどない。これは、読者自身が性別や属性なども含めて完全にゲームブック内の「あなた」と同化するため、その言い回しや発言の様態などを完全に読者に委ねているからだ。この意味で、「ソーサリー」などは読者とゲームブック内の「あなた」が一心同体となっている。その代わり、主人公の生きた台詞や生の会話のトーンを味わうといった楽しみはこちらには存在しない。
どちらのシステム(主人公の扱い)を選ぶにしても一長一短があり、究極的には作者や読者の好みに委ねられるのだが、「ワルキューレの冒険」シリーズでは言わば中道を貫いているために「曖昧」という印象がどうしても感じ取れてしまう。SAGBの書籍にたまに折り込まれている「アドベンチャラーズ・イン」という冊子(数ページの小冊子であり、読者投稿や新刊案内などを目的とする同人誌的な新聞)があるのだが、そこである読者の第一巻の『迷宮のドラゴン』の評価が百点満点中二十点だった(同誌12号)のは、その辺りの感覚を反映しているのではないだろうか(この評価を巡って同誌で色々な意見が出たが、最終的に「ゲームブックに点数をつけるな」という別の読者の投稿(同誌13号)で終わっている)。
逆に言えば、「ワルキューレの冒険」は、突き出たキャラクター作品の特徴である直接話法(これは、SAGBをはじめとする日本人作家に多い)に、間接話法に象徴的に見られる「無色透明の君」(ファイティング・ファンタジー・シリーズをはじめとした海外産ゲームブックに多い)を融合させた試みを行ったとも言えるだろう。その意味で、「ワルキューレの冒険」は両者の「いいとこ取り」を狙った作品であり、その効果は十分に発揮されていると思われる。
色々と批判を挙げ連ねたが、それは「ワルキューレの冒険」が最後まで、ストーリー性とゲーム性の両立を目指し、そして完全には整合性を取り切れなかったことに原因の一端があるのだろう。ゲーム性という点では「ワルキューレの冒険」にも優れた特徴があり、例えば先に言及した「主人公を思い通りに成長させる仕組み」は独自の試みではないだろうか。
また、『ピラミッドの謎』の後半のピラミッドの冒険では、前半にクレバーにヒントを得ておかないと解くのにかなりてこずる仕様になっている。ピラミッドにはゴーストフェニックスと呼ばれる恐ろしい怪物が宝物の守護者として登場するのだが、この難敵はこちら側の経験値を奪う「エクスペリエンス・ドレイン」の魔法を毎ターン使ってくるので、まともに戦ってもまず勝ち目はない(仮に勝ったとしても、パーティの戦力が壊滅的に低下する)。しかし、事前にあるアイテムを装備しておけば、この強敵も比較的楽に退治できるのだ。前半の旅で賢く立ち回って情報収集をしておけば、いざこのモンスターと戦う段になっても焦らなくて済む。本作も「ドルアーガの塔」三部作と同じで、うまく手がかりを活用すれば危機を最低限に回避できるようになっている。
ここでも「気ままな(バーサタイルな)」選択肢やノーヒントのデッドエンドなどはなく、事前に手がかりを提供するという寛容さ(このフェアな計らいは日本人作家の特徴と言っていい)が見受けられる。また、第三巻で本格的に操作することになるワルキューレはさすがに「神の子」らしく特殊能力を持っていたり、盗賊のサンディが自身の重大な秘密をカミングアウトする印象的なシーンがあったりと、雰囲気を最大限にまで盛り上げる描写力も兼ね備えている。
どうしてもフラグ処理の関係上、双方向移動を採用しているゲームブックは容量が分厚くなりがちだが、「ワルキューレの冒険」もなかなかのボリュームである。逆に言えば、これはゲームとしての「ゲームブック」の中にも文学性、物語性を重視して描写をおろそかにしないという作者の意欲を表してもいよう。こうした「ゲーム」「パズル」といった側面と、「ストーリー」「物語」「(魔法の)神秘性」といった側面は、往々にして対立し合う関係にあり、第7回でも詳述したが、その相克を解決するのは容易ではないことが伺える。このバランスを保つという難解な試みを目標とし、そして一定の成果を収めた「ワルキューレの冒険」は、その是非はともかく、非常にチャレンジングなシリーズと言えるだろう。
◆書誌情報
ワルキューレの冒険 第一巻『迷宮のドラゴン』
本田成二・木越郁子(著)
東京創元社(1988/3/30)絶版
ワルキューレの冒険 第二巻『ピラミッドの謎』
本田成二(著)
東京創元社(1989/4/28)絶版
ワルキューレの冒険 第三巻『時の鍵の伝説』
本田成二(著)
東京創元社(1989/10/31)絶版
■参考文献
『恐怖の幻影』
ロビン・ウォーターフィールド(著)安田均・深田宏(訳)
社会思想社(1989/4/30)絶版
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2025年8月25日月曜日
アランツァ世界の滅んだ街 FT新聞 No.4597
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です☆
今日は先週火曜日の中山将平による「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」の記事を受けて、FT書房が展開する世界観「アランツァ」について、書いていきたくなりました。
中山は「ローグライクハーフ」を最近はじめた人のために、追加ルールを中心にした記事を書いてくれましたので、私は逆に「ローグライクハーフ」にハマりまくってくれているあなたのために、アランツァ世界のマニアックな記事を書きます☆
◆4つの「かつてあった土地」。
さて、今回はアランツァ世界の「滅んだ、あるいは大きな変化があった街」について、書いていきます。
アランツァ世界の冒険は大きく分けて第1期、第2期、第3期という時代分けがあり、第2期が冒険の時代としてメインを張っています。
その中で、第1期にはちゃんとあったけれど、第2期には滅んだ、あるいはその様子が大きく様変わりした都市や国をご紹介してまいります☆
◆レラヴィリア王国☆
ドラッツェンの南西部に存在したこの王国は、雰囲気でいえば中世前期から古代終期のような、木材を主とした家屋や城塞を造る、ラドリド大陸のなかではやや遅れた文明を持つ王国でした。
人々の名前には「矢羽根(やばね)」「鹿脚(しかあし)」といった、道具や自然に関連する名称が用いられていました。
王国の繁栄を願う陽気で素朴な人々は、城塞都市ドラッツェンにより征服されて、現在ではドラッツェンの領内に存在する少数民族となり、集落を形成しています。
◆ハングー帝国☆
ハングー帝国は人間とドワーフが建立した、ラドリド大陸南西部の国です。
国そのものは地上に存在しましたが、この国の家屋の多くは地下に建設されるという、独特の風習がありました。
この国を征服した後に生まれたのが冒険都市カラメールです。
そのため、カラメールの地下には今でもハングー帝国の遺跡があり、冒険の舞台となることがしばしばあります。
なお、大陸南西部には紙に記録する文化が深く根づいていないため、この国の滅亡については多くが分かっていません。
残された貴重ないくつかの資料は、強力な魔女である「ターニャ」という人物が、このハングー帝国の衰退と滅亡に深く関わっていることを示しています。
このターニャという魔女は非常に強力な存在で、時の英雄は彼女をバラバラに埋葬することで、その力を分散したと言われています。
アランツァにはこの「ターニャの○○」と呼ばれる魔法の装備品が存在します。
その多くはチャーム(小物)であり、1個かそれ以上の装備品欄を占める代わりに、強い魔法の力をキャラクターにもたらすと言われています。
◆魔法都市ジョルク☆
冒険のメイン舞台となるラドリド大陸──いや、アランツァ世界の中でも、最も魔法文化が発展した都市が、かつてありました。
その都市は「魔法都市ジョルク」と呼ばれ、都市と同じ名前の魔法使いサルバドール・ジョルクによって統治されていました。
さて、このジョルクの北東にあたる土地に、シァアレと呼ばれる街があります。ここには【悪の種族】であるトカゲ人が住み、【善の種族】が住む街を破壊しようと、常に悪意を蓄えています。
シァアレに住むトカゲ人たちの人口は今(第2期)よりもずっと多かったため、その攻撃は熾烈なものでした。
対抗して防備をガチガチに固めたからくり都市チャマイとは違い、統治者であるジョルクがとった対策は、非常にスケールの大きいものでした。
都市浮遊です。
ノード(魔力だまり)から巨大な魔力石を切り出した魔法使いジョルクは、魔力石を浮遊石という魔法の装備品へと変えることに成功。
魔法都市は天空都市と名前を変えて、今もアランツァ世界の上空をゆっくりと移動、数年に1回ほどの頻度で聖フランチェスコ市などいくつかの都市と交易を行いながら、都市機能と生活力を維持しています。
ジョルクが聖フランチェスコを訪れるとき、聖フランチェスコ市には珍しい魔法の装備品が多くもたらされます。
街は活気づき、祭りが起こります。
◆墜落都市ホラドリウス☆
ジョルクには隣接する都市があり、両者はあわせて双子都市などと呼ばれていました。
もうひとつの魔法都市ホラドリウスは、ジョルクと同じように、少し遅れて天空都市となりました。しかし、10年ほど浮遊した末に浮遊石に不具合が生じ、ラドリド大陸よりも北部にある海氷地域に墜落しました。
以来、この街は「墜落都市」ホラドリウスと呼ばれています。
ホラドリウスは極北に存在するため、その魔法の力の多くが、その土地でも無事に生き延びるために費やされています。
都市機能は初期と比べると大きく衰退しました。
しかし、本来は人の住むことができない土地です……この地を訪れる冒険者には大きな助けとなるでしょう。
今回はこのあたりで。
それではまた!
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さて、今回はアランツァ世界の「滅んだ、あるいは大きな変化があった街」について、書いていきます。
アランツァ世界の冒険は大きく分けて第1期、第2期、第3期という時代分けがあり、第2期が冒険の時代としてメインを張っています。
その中で、第1期にはちゃんとあったけれど、第2期には滅んだ、あるいはその様子が大きく様変わりした都市や国をご紹介してまいります☆
◆レラヴィリア王国☆
ドラッツェンの南西部に存在したこの王国は、雰囲気でいえば中世前期から古代終期のような、木材を主とした家屋や城塞を造る、ラドリド大陸のなかではやや遅れた文明を持つ王国でした。
人々の名前には「矢羽根(やばね)」「鹿脚(しかあし)」といった、道具や自然に関連する名称が用いられていました。
王国の繁栄を願う陽気で素朴な人々は、城塞都市ドラッツェンにより征服されて、現在ではドラッツェンの領内に存在する少数民族となり、集落を形成しています。
◆ハングー帝国☆
ハングー帝国は人間とドワーフが建立した、ラドリド大陸南西部の国です。
国そのものは地上に存在しましたが、この国の家屋の多くは地下に建設されるという、独特の風習がありました。
この国を征服した後に生まれたのが冒険都市カラメールです。
そのため、カラメールの地下には今でもハングー帝国の遺跡があり、冒険の舞台となることがしばしばあります。
なお、大陸南西部には紙に記録する文化が深く根づいていないため、この国の滅亡については多くが分かっていません。
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このターニャという魔女は非常に強力な存在で、時の英雄は彼女をバラバラに埋葬することで、その力を分散したと言われています。
アランツァにはこの「ターニャの○○」と呼ばれる魔法の装備品が存在します。
その多くはチャーム(小物)であり、1個かそれ以上の装備品欄を占める代わりに、強い魔法の力をキャラクターにもたらすと言われています。
◆魔法都市ジョルク☆
冒険のメイン舞台となるラドリド大陸──いや、アランツァ世界の中でも、最も魔法文化が発展した都市が、かつてありました。
その都市は「魔法都市ジョルク」と呼ばれ、都市と同じ名前の魔法使いサルバドール・ジョルクによって統治されていました。
さて、このジョルクの北東にあたる土地に、シァアレと呼ばれる街があります。ここには【悪の種族】であるトカゲ人が住み、【善の種族】が住む街を破壊しようと、常に悪意を蓄えています。
シァアレに住むトカゲ人たちの人口は今(第2期)よりもずっと多かったため、その攻撃は熾烈なものでした。
対抗して防備をガチガチに固めたからくり都市チャマイとは違い、統治者であるジョルクがとった対策は、非常にスケールの大きいものでした。
都市浮遊です。
ノード(魔力だまり)から巨大な魔力石を切り出した魔法使いジョルクは、魔力石を浮遊石という魔法の装備品へと変えることに成功。
魔法都市は天空都市と名前を変えて、今もアランツァ世界の上空をゆっくりと移動、数年に1回ほどの頻度で聖フランチェスコ市などいくつかの都市と交易を行いながら、都市機能と生活力を維持しています。
ジョルクが聖フランチェスコを訪れるとき、聖フランチェスコ市には珍しい魔法の装備品が多くもたらされます。
街は活気づき、祭りが起こります。
◆墜落都市ホラドリウス☆
ジョルクには隣接する都市があり、両者はあわせて双子都市などと呼ばれていました。
もうひとつの魔法都市ホラドリウスは、ジョルクと同じように、少し遅れて天空都市となりました。しかし、10年ほど浮遊した末に浮遊石に不具合が生じ、ラドリド大陸よりも北部にある海氷地域に墜落しました。
以来、この街は「墜落都市」ホラドリウスと呼ばれています。
ホラドリウスは極北に存在するため、その魔法の力の多くが、その土地でも無事に生き延びるために費やされています。
都市機能は初期と比べると大きく衰退しました。
しかし、本来は人の住むことができない土地です……この地を訪れる冒険者には大きな助けとなるでしょう。
今回はこのあたりで。
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2025年8月24日日曜日
『モンスター!モンスター!の怪物たち』vol.5 FT新聞 No.4596
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『モンスター!モンスター!の怪物たち』vol.5
DON-CHANG
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イラストレーターのDON-CHANGです。
8月10日(日)のTGFF2025にて、ついに『ズィムララのモンスターラリー【ワールド編】』が発売となりました!
この「ズィムララ」世界には、ベテランの冒険者でも初めて見るであろうモンスターが数多く生息しています。
これらのモンスターについては、今後発売が予定されている『ズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』にて、詳しく紹介されることでしょう。
多くの冒険者にとって初めて見聞きする、ズィムララのモンスターをイラストで紹介するこの企画。
今回は「ズィムララ」での冒険で、プレイヤーたちと敵対することが多そうなデーモン(悪魔)の眷属から「ヴァクカヴューゴ」をピックアップしました。
イラストを描くにあたっては、『ズィムララのモンスターラリー』を参照し、できるだけ記述に忠実に描くよう心掛けましたが、自家翻訳のため誤りなど含まれるかも知れない点、あらかじめご承知おきください。
このイラストは、セッション(オンライン含む)などで使用する分には、自由に加工・印刷などして使用していただいて構いません。
■ヴァクカヴューゴ(Vakkavuego)
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MM_Vakkavuego.jpg
ざっと特徴を見ると、以下のとおり。
・デーモンが地獄から連れてきた「水牛」で、荷役・食用・乳、そして戦闘にも使役される。
・体は真紅色で、その皮は防御点8の装甲になる。
・頭は牛に似ているが、口は巨大で、鋭い牙が並んでいる。
・幅が広く曲がった角を持つ。
・筋肉質で力強い体を持つ。
イラストは主に「水牛」をイメージしましたが、装甲になる体の皮などから「犀」のイメージも盛り込みました。(余談ですが、昔の中国では犀は水牛の仲間とされていたらしいです)。
『ズィムララ〜』収録のイラストでは、背中にトゲ(?)が生えているのですが、本文に特に記載がないので無視しました。また、脚も犬に近い感じで描かれていますが、こちらも本文に記載がないので無視して「水牛」風の蹄としました。
尻尾についての記載はなかったので、デーモンたちのように先端がハート型の尻尾としてみました。
ところで「ヴァクカヴューゴ(Vakkavuego)」とは、どういう由来の命名なんでしょうかね。
なんとなく「ウォーターバッファロー(Water buffalo)」のモジりのようにも思えるのですが…。
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『モンスター!モンスター!の怪物たち』vol.5
DON-CHANG
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イラストレーターのDON-CHANGです。
8月10日(日)のTGFF2025にて、ついに『ズィムララのモンスターラリー【ワールド編】』が発売となりました!
この「ズィムララ」世界には、ベテランの冒険者でも初めて見るであろうモンスターが数多く生息しています。
これらのモンスターについては、今後発売が予定されている『ズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』にて、詳しく紹介されることでしょう。
多くの冒険者にとって初めて見聞きする、ズィムララのモンスターをイラストで紹介するこの企画。
今回は「ズィムララ」での冒険で、プレイヤーたちと敵対することが多そうなデーモン(悪魔)の眷属から「ヴァクカヴューゴ」をピックアップしました。
イラストを描くにあたっては、『ズィムララのモンスターラリー』を参照し、できるだけ記述に忠実に描くよう心掛けましたが、自家翻訳のため誤りなど含まれるかも知れない点、あらかじめご承知おきください。
このイラストは、セッション(オンライン含む)などで使用する分には、自由に加工・印刷などして使用していただいて構いません。
■ヴァクカヴューゴ(Vakkavuego)
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MM_Vakkavuego.jpg
ざっと特徴を見ると、以下のとおり。
・デーモンが地獄から連れてきた「水牛」で、荷役・食用・乳、そして戦闘にも使役される。
・体は真紅色で、その皮は防御点8の装甲になる。
・頭は牛に似ているが、口は巨大で、鋭い牙が並んでいる。
・幅が広く曲がった角を持つ。
・筋肉質で力強い体を持つ。
イラストは主に「水牛」をイメージしましたが、装甲になる体の皮などから「犀」のイメージも盛り込みました。(余談ですが、昔の中国では犀は水牛の仲間とされていたらしいです)。
『ズィムララ〜』収録のイラストでは、背中にトゲ(?)が生えているのですが、本文に特に記載がないので無視しました。また、脚も犬に近い感じで描かれていますが、こちらも本文に記載がないので無視して「水牛」風の蹄としました。
尻尾についての記載はなかったので、デーモンたちのように先端がハート型の尻尾としてみました。
ところで「ヴァクカヴューゴ(Vakkavuego)」とは、どういう由来の命名なんでしょうかね。
なんとなく「ウォーターバッファロー(Water buffalo)」のモジりのようにも思えるのですが…。
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■今日の新聞に対するお便りはコチラ!
ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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2025年8月23日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第654号 FT新聞 No.4595
From:水波流
中山氏と先日行ったクトゥルフ会で、「日常に潜む怪異は、結論もオチもなくただ存在するから怖い」という話になりました。
その時に出たのが、作家・小野不由美さんの諸作品です。(私は『屍鬼』がマイベストに上がるほど好きなのです)
『鬼談百景』『残穢』がまさにそうした作品ですが、私は実話ものよりやはり物語の様相を呈して書かれた作品が好みです。
日常に潜む怪異を淡々と描いた物語『営繕かるかや怪異譚』シリーズ、これもお薦めです。
最近ようやく『その参』を読みました。6月に発売した『その肆』も楽しみです。
(こんな話ばかりしているクトゥルフ会、前にもお話していたようにオンラインで近々やろうかな……)
From:葉山海月
代引きがいくら待っても来ないよ!
と思っていたら
住所書き忘れていただけでしたー!
それでもまだ来ないと思っていたら
お盆休みでしたー!
From:くろやなぎ
ときどき、創刊当初(2013年)やそれに近い時期のFT新聞の記事を読んでみることがあります。いまのFT新聞とはまた違った雰囲気で、いろいろと刺激を受け、昨日(22日)の記事内でも当時の記事からの引用をさせていただきました。
「ローグライクハーフ」や「モンスター!モンスター!TRPG」などを通じてFT書房やFT新聞を知ったという読者の方も、もしご興味がありましたら、Kindleでバックナンバー(1年単位でまとまっています)をちらりとのぞいてみていただければと思います。月ごとのもくじで各記事のタイトルがわかるので、特に気になる記事だけをピンポイントで追っていくこともできますよ!
From:中山将平
僕ら明日8月24日(日)「札幌コンベンションセンター 大ホール」で開催の『文学フリマ札幌10』にサークル参加します。
北海道にお住いの皆さま、大変お待たせいたしました!
FT書房の夏の最新刊等々をイベントにて手に取っていただける絶好の機会がやってまいります。
ブース配置は【C-8】。ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(く)=くろやなぎ
(水)=水波流
(明)=明日槇悠
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■8/17(日)~8/22(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2025年8月17日(日)葉山海月 FT新聞 No.4589
Ψ『The Outfoxies外伝 withカードチェイサー☆かぼすちゃん カードブッチャーましろさん』 日曜ゲームブック
・お久しぶりの日曜ゲームブックに、お待たせしました! 彼女が帰ってきました!
便利屋ましろが送る、奇天烈な探偵奇譚『The Outfoxies外伝』の登場です。
ましろが出会った事件、それは他殺か自殺か区別つけがたい事件。
それを追っているうちに、とんでもない黒幕を引くましろ。
最悪最強な敵を前に、彼女がとった行動とは!?
緒方直人氏が作り出した『カードチェイサー☆かぼすちゃん』のヒロイン。魔法少女の夏乃瀬かぼすとがっちりコラボな本作!
ダブルヒロインの活躍、お楽しみください。
(葉)
2025年8月18日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4590
・編集でしたら緋色まで!
FT新聞を支える柱、編集の緋色朱音氏。
この度は彼女のフリーランス化を祝して、これまでの経歴、スキルをまとめつつ、彼女を猛プッシュする記事を書かせていただきます!
「〆切を破ったことは一度もなく、「誰か」に編集の仕事をお願いするなら、彼女以上の相手はいない」と、FT書房リーダー杉本氏の太鼓判付き!
たとえば同人誌の「編集」の部分でつまずいているあなた。
たとえば「ゲームブック」や「ローグライクハーフ」「モンスター!モンスター!TRPG」の本を作りたいと思っているあなた!
彼女の力を借りてみる、というのはいかがですか?
どうぞご一考よろしくお願いいたします!
(葉)
2025年8月19日(火)中山将平 FT新聞 No.4591
『クトゥウルウの聖なる邪神殿』残響 「ローグライクハーフ、僕はこれ強いと思います!」
・イラストレーター中山将平氏による、とっておきのローグライクハーフ情報をお届けしました。
今回のテーマは、「魔法の宝物・武器・鎧」「故郷」「第0ラウンド」の3点。どれも基本ルールまたは「ローグライクハーフwiki」に掲載されている要素ですが、特に初心者の方にとっては、有効な活用法やメリットがわかりにくいかもしれません。
そこで、中山氏のお勧めする装備品や戦術などを、皆さんそれぞれの攻略法や楽しみ方に取り入れて、よきローグライクハーフ・ライフの助けとしていただければと思います。
好評なら第2弾もあるとのことですので、ぜひご感想をお寄せください!
(く)
2025年8月20日(水)ぜろ FT新聞 No.4592
第1回【狂える魔女のゴルジュ】ゲームブックリプレイ
・プレイヤー視点とキャラクター視点を交えた独特の語り口による、ぜろ氏のリプレイ第452回。
今週からは、先日電子書籍化されたばかりの、杉本=ヨハネ氏によるゲームブック『狂える魔女のゴルジュ』のリプレイをお届けします。
まずは作品紹介と背景の描写から、ということで、本編開始後のネタバレ的な展開はまだありません。
今後プレイする予定の方も、すでにプレイ済みの方もご一緒に、ぜろ氏と主人公・ミナの語りをご堪能ください!
(く)
2025年8月21日(木)岡和田晃 FT新聞 No.4593
子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』4
・娘さんと一緒に過ごす時間が飛躍的に伸びた岡和田氏。
それを受けて(?) 今回紹介するものは、『甲竜伝説ヴィルガストRPG』。前回に引き続き、その顛末をつづります。
『ヴィルガストRPG』を遊ぶ際に、ルールブックの通りに解釈をしようとすると整合性や処理に戸惑う場面が出てきました。小さいお子様がプレイヤーで親御さんがゲームマスター。そんなときにどうする事が求められるのでしょうか。
私(水波)も8歳の娘とボードゲームを遊ぶようになり、同じような場面に直面した事があります。うちでは最初はルールを一部カットしてわかりやすくしてとにかく1回遊ぶ、そして2回目から少しずつルールを増やしていく、という形にすると、面白がって覚えていってくれることが多いです。
やはり岡和田さんの書かれているように、子供と遊ぶ上では「とにかくゲームを遊んでもらう事」「できれば次も遊びたいと思ってもらう事」が最優先になるなと思いました。
しかしこれ「子供」を「初心者」に置き換えても、実は大事なポイントは同じ気がしますね。
(水)
2025年8月22日(金)くろやなぎ FT新聞 No.4594
死はパラグラフに留まる——ゲームブックにおける「殺意」と死の意味について
・金曜日の投稿枠では、編集部員のくろやなぎ氏によるゲームブックにおける主人公の「死」の考察をお届けしました。
先週の記事『シはパラグラフを飛ぶ——ゲームブックと文学性』へのアンサーでもあります。
スティーブ・ジャクソン『Sorcery!』、思緒雄二『送り雛は瑠璃色の』、清水龍之介『断頭台の迷宮』……。
年代も趣向も異なる三つの作品を比較し、「物語の断絶」という側面からゲームブックの普遍性を探ります。
皆さんには強く思い出に残っているゲームブックでの死の体験はございますか?
有限な命を噛み締めながら、新たなパラグラフに飛び込みましょう。金曜のこの枠では皆さんからの寄稿もお待ちしています。
(明)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(緒方直人さん)
『シはパラグラフを飛ぶ——ゲームブックと文学性』面白かったです。展覧会と送り雛はブック性の最高峰でしたね。そのまま小説としても面白いけどゲームブック形式で没入して読み進める事により際立って心に残る名作になったと思います。読書全般も大きな意味で言語理解・解釈ゲームであるという論も多分に頷けました。読んで咀嚼し、他人と意見交換して一生を懸けて付き合い続けていく、それもまたゲームですね。
(お返事:明日槇悠)
ありがとうございます! おっしゃる通りですね。数こそ多くはないですが、ブック的にゲーム性の解釈を拡張させた意欲作は今なお新作が世に出ていることでしょう。そうしたゲームブックの情報を紹介しあえる場のひとつとしてFT新聞があればいいなと思います。私もまだゲームブックに詳しくないので、そうした作品をお便りや寄稿といった形で皆様から教えていただけたら幸いです!
(ジャラル アフサラールさん)
パンタクルシリーズのヘビメタ(この言葉も死語になりつつありますね(笑))魔術師メスロンはまだ日本では杖とローブのオーソドックス魔術師がスタンダートな時代で、漫画の『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』のダーク・シュナイダーと並んで異色の魔術師でした。 『パンタクル2』のラストで続編を匂わせながら放置状態も『BASTARD!! 』と似ていますね(笑)。
(お返事:田林洋一)
毎回のお便り、どうもありがとうございます! メスロンがヘビメタという設定は意外でありながらも、うまく情景に溶け込んでいて、鈴木直人氏のキャラクターメイキングの上手さが光った人物だと思います(何しろスピンオフの続編が出るくらいですから!)。私は『BASTARD!!』は寡聞にして未見なのですが、ぜひ『パンタクル3』は出してほしいですね。
(緒方直人さん)
Ψ『The Outfoxies外伝 withカードチェイサー☆かぼすちゃん カードブッチャーましろさん』とても面白かったです。久々の本格ゲームブックを堪能いたしました。トランプ迷路にもいろんなクリアルートが仕込まれてて凝ってましたね。かなり悩みましたがアレコレ唸って何とかクリアまで漕ぎ着けました。かぼすちゃんにもましろさんと並ぶ勇敢なる活躍の場をいただきありがとうございます。最後のキメ台詞とかカッコよかったですよ。また使っていただけると嬉しいです。
(お返事:葉山海月)
ありがとうございます。
実はおっしゃる通り、トランプ迷路をはじめ、気合を入れなおした部分がちらほらあります。
よりいっそうのあそびごたえ、リアリティを入れたつもりです。
実は、これも編集長の水波さん。そして新入部員のみなさんの厳しい厳しい(笑)ご鞭撻があったからです。
この場を借りて、編集サイドの皆さんに、感謝いたします。
そして、かぼすちゃんを作り出した緒方さんにも、そして、この物語に触れていただいたすべての方にも、感謝を!
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未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。
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また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。
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その時に出たのが、作家・小野不由美さんの諸作品です。(私は『屍鬼』がマイベストに上がるほど好きなのです)
『鬼談百景』『残穢』がまさにそうした作品ですが、私は実話ものよりやはり物語の様相を呈して書かれた作品が好みです。
日常に潜む怪異を淡々と描いた物語『営繕かるかや怪異譚』シリーズ、これもお薦めです。
最近ようやく『その参』を読みました。6月に発売した『その肆』も楽しみです。
(こんな話ばかりしているクトゥルフ会、前にもお話していたようにオンラインで近々やろうかな……)
From:葉山海月
代引きがいくら待っても来ないよ!
と思っていたら
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それでもまだ来ないと思っていたら
お盆休みでしたー!
From:くろやなぎ
ときどき、創刊当初(2013年)やそれに近い時期のFT新聞の記事を読んでみることがあります。いまのFT新聞とはまた違った雰囲気で、いろいろと刺激を受け、昨日(22日)の記事内でも当時の記事からの引用をさせていただきました。
「ローグライクハーフ」や「モンスター!モンスター!TRPG」などを通じてFT書房やFT新聞を知ったという読者の方も、もしご興味がありましたら、Kindleでバックナンバー(1年単位でまとまっています)をちらりとのぞいてみていただければと思います。月ごとのもくじで各記事のタイトルがわかるので、特に気になる記事だけをピンポイントで追っていくこともできますよ!
From:中山将平
僕ら明日8月24日(日)「札幌コンベンションセンター 大ホール」で開催の『文学フリマ札幌10』にサークル参加します。
北海道にお住いの皆さま、大変お待たせいたしました!
FT書房の夏の最新刊等々をイベントにて手に取っていただける絶好の機会がやってまいります。
ブース配置は【C-8】。ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
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(葉)=葉山海月
(く)=くろやなぎ
(水)=水波流
(明)=明日槇悠
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■8/17(日)~8/22(金)の記事一覧
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2025年8月17日(日)葉山海月 FT新聞 No.4589
Ψ『The Outfoxies外伝 withカードチェイサー☆かぼすちゃん カードブッチャーましろさん』 日曜ゲームブック
・お久しぶりの日曜ゲームブックに、お待たせしました! 彼女が帰ってきました!
便利屋ましろが送る、奇天烈な探偵奇譚『The Outfoxies外伝』の登場です。
ましろが出会った事件、それは他殺か自殺か区別つけがたい事件。
それを追っているうちに、とんでもない黒幕を引くましろ。
最悪最強な敵を前に、彼女がとった行動とは!?
緒方直人氏が作り出した『カードチェイサー☆かぼすちゃん』のヒロイン。魔法少女の夏乃瀬かぼすとがっちりコラボな本作!
ダブルヒロインの活躍、お楽しみください。
(葉)
2025年8月18日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4590
・編集でしたら緋色まで!
FT新聞を支える柱、編集の緋色朱音氏。
この度は彼女のフリーランス化を祝して、これまでの経歴、スキルをまとめつつ、彼女を猛プッシュする記事を書かせていただきます!
「〆切を破ったことは一度もなく、「誰か」に編集の仕事をお願いするなら、彼女以上の相手はいない」と、FT書房リーダー杉本氏の太鼓判付き!
たとえば同人誌の「編集」の部分でつまずいているあなた。
たとえば「ゲームブック」や「ローグライクハーフ」「モンスター!モンスター!TRPG」の本を作りたいと思っているあなた!
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どうぞご一考よろしくお願いいたします!
(葉)
2025年8月19日(火)中山将平 FT新聞 No.4591
『クトゥウルウの聖なる邪神殿』残響 「ローグライクハーフ、僕はこれ強いと思います!」
・イラストレーター中山将平氏による、とっておきのローグライクハーフ情報をお届けしました。
今回のテーマは、「魔法の宝物・武器・鎧」「故郷」「第0ラウンド」の3点。どれも基本ルールまたは「ローグライクハーフwiki」に掲載されている要素ですが、特に初心者の方にとっては、有効な活用法やメリットがわかりにくいかもしれません。
そこで、中山氏のお勧めする装備品や戦術などを、皆さんそれぞれの攻略法や楽しみ方に取り入れて、よきローグライクハーフ・ライフの助けとしていただければと思います。
好評なら第2弾もあるとのことですので、ぜひご感想をお寄せください!
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2025年8月20日(水)ぜろ FT新聞 No.4592
第1回【狂える魔女のゴルジュ】ゲームブックリプレイ
・プレイヤー視点とキャラクター視点を交えた独特の語り口による、ぜろ氏のリプレイ第452回。
今週からは、先日電子書籍化されたばかりの、杉本=ヨハネ氏によるゲームブック『狂える魔女のゴルジュ』のリプレイをお届けします。
まずは作品紹介と背景の描写から、ということで、本編開始後のネタバレ的な展開はまだありません。
今後プレイする予定の方も、すでにプレイ済みの方もご一緒に、ぜろ氏と主人公・ミナの語りをご堪能ください!
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2025年8月21日(木)岡和田晃 FT新聞 No.4593
子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』4
・娘さんと一緒に過ごす時間が飛躍的に伸びた岡和田氏。
それを受けて(?) 今回紹介するものは、『甲竜伝説ヴィルガストRPG』。前回に引き続き、その顛末をつづります。
『ヴィルガストRPG』を遊ぶ際に、ルールブックの通りに解釈をしようとすると整合性や処理に戸惑う場面が出てきました。小さいお子様がプレイヤーで親御さんがゲームマスター。そんなときにどうする事が求められるのでしょうか。
私(水波)も8歳の娘とボードゲームを遊ぶようになり、同じような場面に直面した事があります。うちでは最初はルールを一部カットしてわかりやすくしてとにかく1回遊ぶ、そして2回目から少しずつルールを増やしていく、という形にすると、面白がって覚えていってくれることが多いです。
やはり岡和田さんの書かれているように、子供と遊ぶ上では「とにかくゲームを遊んでもらう事」「できれば次も遊びたいと思ってもらう事」が最優先になるなと思いました。
しかしこれ「子供」を「初心者」に置き換えても、実は大事なポイントは同じ気がしますね。
(水)
2025年8月22日(金)くろやなぎ FT新聞 No.4594
死はパラグラフに留まる——ゲームブックにおける「殺意」と死の意味について
・金曜日の投稿枠では、編集部員のくろやなぎ氏によるゲームブックにおける主人公の「死」の考察をお届けしました。
先週の記事『シはパラグラフを飛ぶ——ゲームブックと文学性』へのアンサーでもあります。
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皆さんには強く思い出に残っているゲームブックでの死の体験はございますか?
有限な命を噛み締めながら、新たなパラグラフに飛び込みましょう。金曜のこの枠では皆さんからの寄稿もお待ちしています。
(明)
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(緒方直人さん)
『シはパラグラフを飛ぶ——ゲームブックと文学性』面白かったです。展覧会と送り雛はブック性の最高峰でしたね。そのまま小説としても面白いけどゲームブック形式で没入して読み進める事により際立って心に残る名作になったと思います。読書全般も大きな意味で言語理解・解釈ゲームであるという論も多分に頷けました。読んで咀嚼し、他人と意見交換して一生を懸けて付き合い続けていく、それもまたゲームですね。
(お返事:明日槇悠)
ありがとうございます! おっしゃる通りですね。数こそ多くはないですが、ブック的にゲーム性の解釈を拡張させた意欲作は今なお新作が世に出ていることでしょう。そうしたゲームブックの情報を紹介しあえる場のひとつとしてFT新聞があればいいなと思います。私もまだゲームブックに詳しくないので、そうした作品をお便りや寄稿といった形で皆様から教えていただけたら幸いです!
(ジャラル アフサラールさん)
パンタクルシリーズのヘビメタ(この言葉も死語になりつつありますね(笑))魔術師メスロンはまだ日本では杖とローブのオーソドックス魔術師がスタンダートな時代で、漫画の『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』のダーク・シュナイダーと並んで異色の魔術師でした。 『パンタクル2』のラストで続編を匂わせながら放置状態も『BASTARD!! 』と似ていますね(笑)。
(お返事:田林洋一)
毎回のお便り、どうもありがとうございます! メスロンがヘビメタという設定は意外でありながらも、うまく情景に溶け込んでいて、鈴木直人氏のキャラクターメイキングの上手さが光った人物だと思います(何しろスピンオフの続編が出るくらいですから!)。私は『BASTARD!!』は寡聞にして未見なのですが、ぜひ『パンタクル3』は出してほしいですね。
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Ψ『The Outfoxies外伝 withカードチェイサー☆かぼすちゃん カードブッチャーましろさん』とても面白かったです。久々の本格ゲームブックを堪能いたしました。トランプ迷路にもいろんなクリアルートが仕込まれてて凝ってましたね。かなり悩みましたがアレコレ唸って何とかクリアまで漕ぎ着けました。かぼすちゃんにもましろさんと並ぶ勇敢なる活躍の場をいただきありがとうございます。最後のキメ台詞とかカッコよかったですよ。また使っていただけると嬉しいです。
(お返事:葉山海月)
ありがとうございます。
実はおっしゃる通り、トランプ迷路をはじめ、気合を入れなおした部分がちらほらあります。
よりいっそうのあそびごたえ、リアリティを入れたつもりです。
実は、これも編集長の水波さん。そして新入部員のみなさんの厳しい厳しい(笑)ご鞭撻があったからです。
この場を借りて、編集サイドの皆さんに、感謝いたします。
そして、かぼすちゃんを作り出した緒方さんにも、そして、この物語に触れていただいたすべての方にも、感謝を!
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2025年8月22日金曜日
死はパラグラフに留まる——ゲームブックにおける「殺意」と死の意味について FT新聞 No.4594
みなさん、こんにちは。FT新聞新入編集部員の、くろやなぎと申します。
先日のFT新聞(FT新聞 No.4587、2025/08/15)に、明日槇悠氏の『シはパラグラフを飛ぶ——ゲームブックと文学性』が掲載されたところですが、そこからの連想というか、私なりの応答というか、そんな感じの記事を書かせていただきました。物騒なタイトルですみません。
ゲームブックにおける「シ」といえば、やっぱ「死」だよね、という言葉遊びのような思いつきがきっかけでしたが、意外と深いところで「ゲームブックと文学性」という明日槇氏のテーマにつながっているような気もしています。
お時間がありましたら、しばしお付き合いいただき、ご感想などいただければ幸いです。
なお、この記事の中では、以下のゲームブックの全体的な構造や具体的な場面(主人公の「死」を含む)について言及しています。
・スティーブ・ジャクソン『シャムタンティ丘陵』(こあらだまり訳、SBクリエイティブ、2024年)※『ファイティング・ファンタジー・コレクション40周年記念〜スティーブ・ジャクソン編〜「サラモニスの秘密」』所収
・思緒雄二『送り雛は瑠璃色の』(幻想迷宮書店、2020年)※Kindle版
・清水龍之介『断頭台の迷宮』(FT書房、2014年)※Kindle版
いずれかを未読の方で、「余計な知識を入れずにまっさらな状態で作品を楽しみたい」という場合は、当該作品を読了したのち、気が向きましたら、改めてこの記事をお読みいただければと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
死はパラグラフに留まる——ゲームブックにおける「殺意」と死の意味について
(くろやなぎ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
■ゲームブックにおける「物語」と「殺意」
まずは、初期のFT新聞に掲載された、ひとつの記事の引用から始めさせてください。
FT書房のゲームブック作家である清水龍之介氏は、ゲームブックにおける「死」について、以下のように語っています。
僕が最初に感じたゲームブックの「物語」としての違和感は、「死ぬの!?」ということでした。
(中略)
殺そう、殺そうとしてくる。できるだけ殺したい。なるはやで殺っといて、みたいな。玄関開けたら二分であの世。
「本を閉じること」とか書いてある。えっ、みたいな。あっ、これ死んだんだ、みたいな。
しばらくぼーっとしますよね。死んだかー、的な。
本から「殺意」感じたの、初めてだなあ。みつを。みたいな。
[清水龍之介『ギロチン系男子@ファンタジーこぼれ話』、FT新聞2013年版pp.147-8より]
ここで、清水氏が「物語」にわざわざ鍵カッコを付けていることにご注目ください。
清水氏のいう「違和感」は、「ゲーム」の終わりとしてのゲームオーバーに対するものというより、「物語」の突然の断絶に向けられたものであるように思います。
本を読み、その物語を追っていたはずが、途中でいきなり、読んでいた物語そのものから「殺意」を向けられ、「きみ」は死んで、「本を閉じること」と言われる。
この衝撃は、特に、選択肢の先にダイレクトに存在する「死」において、ことさら大きなものになるかもしれません。
つまり、戦闘で体力点が0になったとかのプロセスを挟まずに、そのパラグラフに飛んだらいきなり訪れる「死」。
「戦闘に勝ったら先に進めていたけど、負けてゲームオーバーになった」とかではなく、物語が本当にそこで途切れていて、完全に袋小路になっている「死」。
物語に入り込んでいた読者ほど、「しばらくぼーっと」するしかないような「死」。
そのような、ゲームブックにおける、ある種の「死」に対する読者の経験、肌感覚のようなものを、清水氏の文章はうまく掬い取っているように思います。
ひとつの例を挙げてみましょう。
旅に出た翌日。丘を下る曲がりくねった道を進むなか、きみはそろそろ保存食を食べておこうと、足を止めます。
開けた場所を見つけて、保存食を取り出し、パンをひとくち齧りました。
そして、木々のあいだから飛んできた、毒の塗られた吹き矢で死にます。おしまい。
…いやいや、待って待って、ちょっと待って、と言いたくなりませんか?
いま述べた「死」の場面は、ゲームブックの金字塔、〈ソーサリー〉シリーズの第1巻(SBクリエイティブ版での書名は『シャムタンティ丘陵』)における、ある一連の選択の結果を要約したものです。全4巻にわたるはずの、長い長い冒険が始まったばかりのときに起こりうるできごとです。清水氏のいう「なるはやで殺っといて」、という言葉のニュアンスがわかる気がするスピード感です(もっとも、この記事の後半で取り上げる『断頭台の迷宮』での、「最初のパラグラフで寝返りを打ったら次のパラグラフで死ぬ」というレベルのスピード感に比べると、随分とゆっくりだと言えるかもしれませんが)。
そもそも保存食を食べるという行為は、先々の冒険で体力が減ったりなくなったりしないための行為なわけで、まだまだ旅が続くことが大前提なんですよね。
で、食べようとした結果、死ぬ。しかも、食事という行為とは本質的に何の関係もない、いきなり飛んできた吹き矢の毒で。
ひとによっては、指をはさんでおいた直前のパラグラフにあわてて戻るかもしれません。そして、何食わぬ顔で、別のパラグラフを選び直して旅を続けるかもしれません。
それでも、「あ、死んだ」という衝撃や、本来はそこで物語が終わっていたという認識は、ひとつの経験として、ゲームブックの「殺意」とともに読者の中に刻み込まれるでしょう。
(さらに言えば、そもそも「きみ」は、直前のパラグラフに戻ってやり直すというだけでは、もはやどうしようない状況に陥っているかもしれないのですが…)
ここで強調しておきたいのは、このような「殺意」に満ちたゲームブックが、その結果として豊饒な「物語」を内包する作品になりうる、ということです。
危険に満ちた冒険の旅を表現するために、ひとりの主人公に経験させることができるのは、通常の物語なら「死にそうなぎりぎりの危険」あたりまでかもしれません。
しかしゲームブックなら、主人公を、しかも読者の分身である「きみ」を、本気の殺意で、ほんとうに殺してしまうことが許されるのです。
決して「殺せばよい」というものではありませんが、その場面が効果的に描かれるならば、その物語世界がどのように危険なのか、良くも悪くもどのような可能性に満ちたものなのかということに対する、殺された「きみ」である読者の理解や思い入れは深まることでしょう。
ゲームブックにおける「殺意」は、その「物語」がゲームブックという形式で展開されることに対して、ひとつの有力な意味を与えうるものなのです。
■『送り雛は瑠璃色の』における「殺意」のあり方
さて、先日の明日槇氏の記事では、文学性を志向したと思われる作品のひとつとして、思緒雄二氏のゲームブック『送り雛は瑠璃色の』(以下、『送り雛』と略します)が取り上げられていました。
ここで、『送り雛』における「殺意」のあり方について考えてみたいと思います。
『送り雛』の物語世界は、亡霊が実在し、呪術が実際に効果を発揮する世界であり、主人公の「瞬/シュン」である「君」は、ある因縁の当事者としてさまざまな経験をすることになります。
その経験には、「死」と隣り合わせの危機的な状況も含まれることでしょう。
しかし『送り雛』の読者には、その物語の中で、先ほど『シャムタンティ丘陵』の例で述べたような突然の死、物語が袋小路で断ち切られるような死を経験する機会はありません。
いやいや、『送り雛』にもゲームオーバーはある、読者全員が物語の「おしまい」にたどり着けるわけではないだろう、と言われるとその通りなのですが、少しばかり詳しく話させてください。
君は、物語の開始時に一定の「霊力点」を持っていて、それは「霊視」や「霊査」の能力(いわゆる「お告げ」のようなもの)を行使して情報を得たり、霊的な攻撃を受けたりするたびに減っていきます。
『送り雛』の物語を読み進めていくと、読者は特定のパラグラフの中に、何度も「霊力が0点以下なら、ただちに〜」という指示を目にします。そして、その指示に従ってパラグラフを飛んでいけば、そこにあるのは「君」の「死」、もっと強い表現をすれば「滅び」です(1度だけ救済措置を受けられる場合もありますが)。特に物語の終盤になると、霊力を強制的に減らされる機会は増え、君の死の危険も増していきます。
それでも、一撃ですべての霊力を持っていかれるような出来事は、『送り雛』の中では起こりません。君の死は、あくまでいくつもの場面の積み重ねの中で、段階的に霊力が減らされていった結果として起こります。
また、『送り雛』には「戦闘のルール」がありませんが、このことも、君の「死ににくさ」に影響しています。もし、君と敵との霊力を削りあうような戦闘のルールがあれば、いくら霊力が多く残っていても、1回の遭遇で霊力をすべて失い、死に至ることがあるかもしれません。
霊力の枯渇以外にも、『送り雛』にはもうひとつ、ゲームオーバーのパターンが存在します。これは、ある種の選択肢を選ぶことでたどりつく結末で、形式上は、突然の死(正確には「死」ではないですが、ある意味では死に準ずるような、絶対的な喪失が起こります)のように見えるかもしれません。
ただ、それらの選択肢には、すべて「全力での現実逃避」とでも言うべき明確な共通点があります。それまでの物語の流れを踏まえると、読者の目には、その選択肢は明らかに「浮いた」ものとして映るでしょう。そのため、物語の中核に積極的に進んでいこうとする読者が、それらの選択肢を選ぶ可能性は低いと言えます。
むしろ、それらの「死」へ繋がる選択肢は、この物語世界に疲れた「君」や読者に用意された、袋小路ではなく「非常口」のように、私には思えるのです。
『送り雛』では、読者が主体的に物語の中へ入り込み、物語の中核に迫ろうとする限り、「君」が袋小路のパラグラフで突然の死を迎えることはありません。ありうるのは、袋小路ではなく、道半ばでの(霊力の枯渇による、道の先が見えていた状態での)死か、物語世界から「降りる」ことを選んだ結果としての死(に準ずる結末)、この二通りの死だけです。これらの死を避ければ、読者は必ず、物語を読み続ける限り、「君」の選んだ「おしまい」の先へたどり着くはずです(なお、物語の中で1箇所だけ、霊力点が「0点」とは別の数値で分岐するパラグラフが存在します。これについては、霊力の不足によって物語世界から「降ろされる」、という特殊なケースとして位置付けられるかもしれません)。
『送り雛』の物語世界には、呪いや死の気配が渦巻いています。しかし、『送り雛』のゲームとしてのルールは、君の「死」への道を用意する一方で、突発的な「死」という経験からは、君を、あるいは読者を、守ろうとするかのように組み上げられているようにも感じられます。
たしかに、『送り雛』の終盤の展開は、ある種の「殺意」に満ちているとは言えるかもしれません。君が致命的に誤った行動を取ろうとすると、「強制霊査」が発動して、君の行動をキャンセルする代わりに、霊力が5点減らされます(なお、霊力点の初期値は50点です)。また、場合によっては、ひとつのパラグラフで8点、10点というレベルで霊力が減らされることもありえます。
ただ、たとえ霊力が0点になり、君が死を迎えるとしても、それは定められた手続きを踏んで、ひとつの(正確には、ほぼ同じ記述があるふたつの)パラグラフにたどり着いてからの話です。
これはあくまで比喩ですが、君は個別の川底に沈められるのではなく、必ず同じ海へ流れ着くのです。
『シャムタンティ丘陵』の殺意が、「きみ」の死をその場に打ち捨て、パラグラフの中に留めるような殺意であるのに対し、『送り雛』の殺意は、「君」の死を丁寧に回収し、然るべき場所へと送り届けていきます。
では、このような面倒見のよい殺意のあり方は、『送り雛』の物語にとって、どのような意味を持っているのでしょうか?
そのことを考える前に、ある意味では『送り雛』と対照的な構造を持つゲームブックにおける、「殺意」と「物語」のあり方を見てみたいと思います。
■『断頭台の迷宮』における「殺意」と「物語」
清水龍之介氏の『断頭台の迷宮』(以下、『断頭台』と略します)は、迷宮内で記憶を失った状態で目覚めた「あなた」が、迷宮からの脱出を試みるゲームブックです。
その迷宮の中では「ギロチンハンズ」と呼ばれる怪物が徘徊しており、あなたはおそらく何度か、そのギロチンの刃にかかって、あるいは他の致命的な罠にかかって、命を落とすことになるでしょう。
全部で100パラグラフ、というコンパクトなゲームブックながら、FT新聞に掲載されたぜろ氏のリプレイ(初回:FT新聞2013年版pp.1324-30、最終回:FT新聞2014年版pp.86-9、全20回)では、主人公は10回ほど死亡し、そのうち戦闘の敗北という形での死亡は2回のみ。あとはすべて、何らかの罠やギロチンによる即死となっています。
最初に引用した記事の中で、清水氏はギロチンについて以下のように語っています。
それでも、僕はあえてギロチンを使う。
ギロチンの性急さ、無慈悲さは、ゲームブックの終止符によく似合う……と感じているからです。
(中略)
その妥協なき死への徹底は、ゲームブックのリアリズムに通じます。
(中略)
そう、僕にとってギロチンは、単なる処刑法ではなく「死のシンボル」。リアルの象徴だった、というわけですね。
[清水龍之介『ギロチン系男子@ファンタジーこぼれ話』、FT新聞2013年版p.146,pp.148-9より]
『断頭台』の殺意は、清水氏が言うとおり、性急かつ無慈悲に「あなた」を襲います。『送り雛』の殺意のように、「君」の能力値が一定以下になるまで待ってくれませんし、然るべきパラグラフへ送り届けてもくれません。
あなたには、技量ポイント・体力ポイント・運勢ポイントと、『送り雛』の「君」よりも多彩な能力値が与えられています。「君」が持たなかったアイテムや金貨を持つ権利も与えられています。しかし、どれほど技量ポイントが高くても、最大の体力ポイントが残されていても、素晴らしい魔法のアイテムを持っていても、ギロチンの刃は、そんなことはいっさいお構いなしに、あなたの首を落とします。
ギロチンハンズは、「右手がギロチン」という、「なぜそんな怪物をわざわざつくるのか」とツッコミを入れたくなるような、シュールで幻想的な存在です。
左手はギロチンではないので、ギロチン「ハンド」なのではと言いたくもなりますが、ひとところに留まらず、気付くとあなたのそばにいて、何度でもその首を落としてくるギロチンの手は、まさに複数形で呼ぶのが相応しいとも言えるでしょう。
そんなありえない存在、ファンタジーの物語の中でしか出会わないような怪物は、しかし不思議なことに、清水氏が意図したとおり、確かにある種の「リアリズム」を体現しているのです。
『送り雛』の物語の中で減っていく霊力や、その結果による死は、読者の中でリアルなものとして感じられるためには、想像力による何らかの変換作業を必要とするでしょう。「霊力が0点になる」とは一体どのようなことなのか、その先のパラグラフでの描写は、つまり何がどうなったということなのか、それを正確に説明するのは不可能ですし、読者によってイメージするものはまちまちでしょう。
それに比べて、ギロチンの刃があなたの身体にもたらす帰結は、あまりに明白で、あいまいな解釈の余地はありません。ギロチンハンズという幻想的な怪物は、その右手のギロチンだけが、妙なリアリティを持ってあなたの身体を、そしてあなたの物語を切断します。
『断頭台』における性急で無慈悲な死、頻繁に訪れるゲームオーバーは、ある側面から見れば、「ゲーム」としての『断頭台』の中核にある仕掛けであり、手強いパズルとして読者を楽しませるでしょう。
それと同時に、ギロチンハンズの右手の刃は、『断頭台』の物語にとっても、欠くことのできない象徴的な要素であると言えます。
『断頭台』の殺意は、ファンタジーの物語の中に、ある種のリアリティを与えるための装置なのです。
■ゲームブックにおける「死」の意味
では、『断頭台』の物語は、そのギロチンが象徴するとおり、ひたすら恐ろしく猟奇的なのでしょうか?
実は、まったくそんなことはありません。
ギロチンハンズという名前の中で、残虐性と諧謔性が奇妙に同居しているように、『断頭台』の物語の中では、恐怖と笑い、神秘性と世俗性、リアルとシュール、無感動な死と心温まるロマンスが交差しています。そして、ギロチンの刃をかいくぐったあなたは、思いもよらない結末へとたどり着くことでしょう。
その中に垣間見える、人間と、「人間のような、しかし人間ではない存在」との関係性というテーマは、『断頭台』とは遠く離れた作品のようにも思える、『送り雛』のテーマとも重なり合っているのです。
『送り雛』のあとがきの中で、思緒氏は以下のように述べています。
ゲームブックという世界、物語の表し方に私が興味をもち続けているのは、そこに小説にも、漫画にも、映画にも、そしてコンピューターゲームにもない独特なものがあると感じているからです。あえて喩えるのなら一つの大まかなテーマ、世界観のもとにまとめられた散文詩集、短編集といった感じでしょうか。宮沢賢治研究の第一人者で詩人でもある天沢退二郎氏の『闇の中のオレンジ』という作品は、私のイメージするゲームブックの物語世界に、最も近いものの一つです。それは「結びつくと言うよりは、ふと行き過ぎ交差する小さな物語、赤ん坊のような産まれたばかりの意味たちの、大きく広がってとどまらない宇宙」、ゲームブックの構造的不自由が(その不自由ゆえ必然として)生み出す物語の世界です。
[思緒雄二『送り雛は瑠璃色の』、幻想迷宮書店版pp.499-500より]
『送り雛』は、このような思想の中で生み出されたゲームブックであり、先日の記事で明日槇氏が述べたように、「詩的」「幻想的」「無限性」という特徴を備えているように見えます。
『送り雛』の殺意は、ギロチンの刃のような性急さや無慈悲さを持たず、読者がたどるループを少しでも長く、「おしまい」の先の無限の彼方まで引き延ばそうとします。そして、ついに「君」の霊力が尽きたときには、詩的で幻想的な、解釈の定まらない曖昧な光の中に「君」を連れていくでしょう。
『送り雛』の殺意のあり方は、その物語世界の文学的な性格を反映し、強化するような意味を持っているように思います。
一方、『断頭台』の物語世界は、散文的で、リアルで、断ち切られた有限な物語、あるいは物語とも言えないような、袋小路で終わるエピソードで溢れています。それを象徴しているのが、ギロチンハンズの右手に光る、殺意に満ちたギロチンの刃です。
しかしまた、断ち切られた物語を、何度も途中までたどり直し、物語の先へと少しずつ進んでいくにつれて、読者の中では、ギロチンハンズの右手が違った意味を帯びてくることでしょう。
いちど与えられた意味の再解釈、あるいは意味の「産まれ直し」と、断片化された物語たちの交差。『断頭台』の物語の中で読者が経験することは、ある意味では、思緒氏が述べたゲームブックの物語世界のあり方そのもののようにも思えます。
『断頭台』は、散文的であると同時に詩的であり、リアルであると同時に幻想的なゲームブックです。それらはひょっとすると、「文学的」かどうかにかかわらず、ゲームブックという形で生み出された物語が、多かれ少なかれ普遍的に備えている特性なのかもしれません。
では、無限性についてはどうでしょうか。『断頭台』の物語世界は、思緒氏が言うところの「大きく広がってとどまらない宇宙」、無限の意味の広がりを志向しているのでしょうか?
そうかもしれないし、そうではないかもしれません。それはある意味で、ゲームブックの物語を読み進め、読み直す、読者の営みに委ねられていると言えるでしょう。
ですが、『断頭台』の物語には、ひとつの大きな特徴があることも確かです。
FT新聞での『断頭台』のリプレイの中で、リプレイの執筆者ぜろ氏は、以下のように語っています。
しかし——
和気あいあいと3人で歩んでいくイリアンや作中の俺の分身ハルをよそに、プレイヤー俺の心にはわだかまりが残ります。
(中略)
失った2人の仲間のことを思い出す。
(中略)
生死をともにしてきたかけがえのない仲間たち。
その仲間の命を無慈悲に奪ったのが、あの男のギロチンの刃。
[ぜろ『リプレイ「断頭台の迷宮」@第17回』、FT新聞2013年版pp.2531-2より]
『断頭台』の物語が「和気あいあい」とした展開を見せる中、物語の中の「あなた」と読者(プレイヤー)のあいだには、どうやら何らかの分裂が生じているようです。
ぜろ氏の心に残る「わだかまり」。それは、「ギロチンの刃」から生まれたものに他なりません。
ギロチンの刃が生み出す散文的でリアルな死。それは、たとえ物語自身がそれを忘れたように振る舞うとしても、読者の心には刻み込まれて、簡単には離れてくれないかもしれません。それが「あなた」自身の死であっても、他のだれかの死であっても。
パラグラフのあいだを飛び、新たな意味を見つけ直す試行の奥底で、ギロチンが象徴する「死」は、それが起こったパラグラフの中に留まり続けます。
それは一方では、私たちの命や時間の有限性をあらわすものであり、ある種の枷としての意味を持つでしょう。
他方、それはまた、物語の印象を深め、断ち切られた物語を再演させ、新たな意味を生み出すための原動力にもなるでしょう。
あるいはそれは、物語世界の無限性に疲れた読者に対して、その世界から離れるための介錯のような役割を果たすこともあるかもしれません。
いずれにしても、ゲームブックにおける「死」は、それぞれの物語のあり方に応じた「殺意」とともに、
そのパラグラフに足を踏み入れる「きみ」や「君」や「あなた」たちから新たな意味を見出されるのを、物語の中で待っているのです。
■(参考)この記事で取り上げたゲームブックについて
Steve Jackson(スティーブ・ジャクソン)氏の"The Shamutanti Hills"は、原書が最初に刊行されたのが1983年で、日本では以下の3種類の翻訳が出版されています。
『魔法使いの丘』(安藤由紀子訳、東京創元社、1985年)
『シャムタンティの丘を越えて』(浅羽莢子訳、創土社、2003年)
『シャムタンティ丘陵』(こあらだまり訳、SBクリエイティブ、2024年)
上記のうち、東京創元社(創元推理文庫)の『魔法使いの丘』は絶版ですが、「国立国会図書館デジタルコレクション」の「個人向けデジタル化資料送信サービス」の対象になっています。
利用者登録にはいささか手間と時間がかかりますし、紙の本のスキャンデータなので便利なリンク機能もありませんが、日本国内に在住する18歳以上の方であればだれでも、ご自身のパソコンやタブレット等で閲覧することが可能です。
[国立国会図書館:個人向けデジタル化資料送信サービスについて]https://www.ndl.go.jp/jp/use/digital_transmission/individuals_index.html
創土社の『シャムタンティの丘を越えて』は、通常の書店の店頭で見かける機会はほとんどないと思いますが、Amazonや大型書店のネットストア等で新品を購入できる可能性があります。
同じタイトルのTRPGシナリオ(国際通信社の〈d20ファイティングファンタジー〉シリーズ)もありますので、お間違えのないようご注意ください。
SBクリエイティブの『シャムタンティ丘陵』は、『ファイティング・ファンタジー・コレクション40周年記念〜スティーブ・ジャクソン編〜「サラモニスの秘密」』という、〈ソーサリー〉シリーズ全巻とジャクソン氏の新作がひとまとまりになったセットのうちの1冊という扱いでした。このセットは事前予約を前提とする完全受注生産品で、現時点では再販のアナウンスはありません。
思緒雄二氏の『送り雛は瑠璃色の』にも主に3つのバージョンが存在し、それぞれ社会思想社(1990年)、創土社(2003年)、幻想迷宮書店(2020年)から刊行されています。
このうち幻想迷宮書店版は、電子書籍としていつでも購入することが可能です(Kindle Unlimitedの対象にもなっています)。
https://gensoumeikyuu.com/gb08/
清水龍之介氏の『断頭台の迷宮』は、FT書房の「100パラグラフゲームブック」シリーズの第1弾として、2010年に刊行された作品です。
2013年にはアプリ化(「iGameBook」シリーズ、現在は配信終了)、2014年には電子書籍化されたほか、
2020年に刊行された「100パラグラフゲームブック集」の第2巻にも収録されています。
電子書籍で楽しみたい方は、Kindle版をご購入いただき(Kindle Unlimitedの対象にもなっています)、
紙媒体で他の作品もあわせて楽しみたい方は、「100パラグラフゲームブック集」の第2巻をお買い求めいただければと思います(在庫のあるうちに!)。
なお、『断頭台の迷宮』には1箇所パラグラフ番号の誤記があり、FT書房ホームページに正誤修正情報が掲載されています。これはKindle版、100パラグラフゲームブック集のいずれにも適用されますので、事前にご確認ください。
[Kindle版]https://www.amazon.co.jp/dp/B00P54ANLM
[100パラグラフゲームブック集(第2巻)]https://ftbooks.booth.pm/items/2483162
[正誤修正情報]https://ftbooks.xyz/seigoshusei/100para2seigo
また、FT新聞のバックナンバー(2013年〜2021年)については、電子書籍として1年単位での購入が可能です(Kindle Unlimitedの対象にもなっています)。
記事内での引用箇所を読んで興味を持たれた方は、こちらもぜひご覧ください。
[2013年(初年)のバックナンバー]https://www.amazon.co.jp/dp/B0B354RFVS
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先日のFT新聞(FT新聞 No.4587、2025/08/15)に、明日槇悠氏の『シはパラグラフを飛ぶ——ゲームブックと文学性』が掲載されたところですが、そこからの連想というか、私なりの応答というか、そんな感じの記事を書かせていただきました。物騒なタイトルですみません。
ゲームブックにおける「シ」といえば、やっぱ「死」だよね、という言葉遊びのような思いつきがきっかけでしたが、意外と深いところで「ゲームブックと文学性」という明日槇氏のテーマにつながっているような気もしています。
お時間がありましたら、しばしお付き合いいただき、ご感想などいただければ幸いです。
なお、この記事の中では、以下のゲームブックの全体的な構造や具体的な場面(主人公の「死」を含む)について言及しています。
・スティーブ・ジャクソン『シャムタンティ丘陵』(こあらだまり訳、SBクリエイティブ、2024年)※『ファイティング・ファンタジー・コレクション40周年記念〜スティーブ・ジャクソン編〜「サラモニスの秘密」』所収
・思緒雄二『送り雛は瑠璃色の』(幻想迷宮書店、2020年)※Kindle版
・清水龍之介『断頭台の迷宮』(FT書房、2014年)※Kindle版
いずれかを未読の方で、「余計な知識を入れずにまっさらな状態で作品を楽しみたい」という場合は、当該作品を読了したのち、気が向きましたら、改めてこの記事をお読みいただければと思います。
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死はパラグラフに留まる——ゲームブックにおける「殺意」と死の意味について
(くろやなぎ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
■ゲームブックにおける「物語」と「殺意」
まずは、初期のFT新聞に掲載された、ひとつの記事の引用から始めさせてください。
FT書房のゲームブック作家である清水龍之介氏は、ゲームブックにおける「死」について、以下のように語っています。
僕が最初に感じたゲームブックの「物語」としての違和感は、「死ぬの!?」ということでした。
(中略)
殺そう、殺そうとしてくる。できるだけ殺したい。なるはやで殺っといて、みたいな。玄関開けたら二分であの世。
「本を閉じること」とか書いてある。えっ、みたいな。あっ、これ死んだんだ、みたいな。
しばらくぼーっとしますよね。死んだかー、的な。
本から「殺意」感じたの、初めてだなあ。みつを。みたいな。
[清水龍之介『ギロチン系男子@ファンタジーこぼれ話』、FT新聞2013年版pp.147-8より]
ここで、清水氏が「物語」にわざわざ鍵カッコを付けていることにご注目ください。
清水氏のいう「違和感」は、「ゲーム」の終わりとしてのゲームオーバーに対するものというより、「物語」の突然の断絶に向けられたものであるように思います。
本を読み、その物語を追っていたはずが、途中でいきなり、読んでいた物語そのものから「殺意」を向けられ、「きみ」は死んで、「本を閉じること」と言われる。
この衝撃は、特に、選択肢の先にダイレクトに存在する「死」において、ことさら大きなものになるかもしれません。
つまり、戦闘で体力点が0になったとかのプロセスを挟まずに、そのパラグラフに飛んだらいきなり訪れる「死」。
「戦闘に勝ったら先に進めていたけど、負けてゲームオーバーになった」とかではなく、物語が本当にそこで途切れていて、完全に袋小路になっている「死」。
物語に入り込んでいた読者ほど、「しばらくぼーっと」するしかないような「死」。
そのような、ゲームブックにおける、ある種の「死」に対する読者の経験、肌感覚のようなものを、清水氏の文章はうまく掬い取っているように思います。
ひとつの例を挙げてみましょう。
旅に出た翌日。丘を下る曲がりくねった道を進むなか、きみはそろそろ保存食を食べておこうと、足を止めます。
開けた場所を見つけて、保存食を取り出し、パンをひとくち齧りました。
そして、木々のあいだから飛んできた、毒の塗られた吹き矢で死にます。おしまい。
…いやいや、待って待って、ちょっと待って、と言いたくなりませんか?
いま述べた「死」の場面は、ゲームブックの金字塔、〈ソーサリー〉シリーズの第1巻(SBクリエイティブ版での書名は『シャムタンティ丘陵』)における、ある一連の選択の結果を要約したものです。全4巻にわたるはずの、長い長い冒険が始まったばかりのときに起こりうるできごとです。清水氏のいう「なるはやで殺っといて」、という言葉のニュアンスがわかる気がするスピード感です(もっとも、この記事の後半で取り上げる『断頭台の迷宮』での、「最初のパラグラフで寝返りを打ったら次のパラグラフで死ぬ」というレベルのスピード感に比べると、随分とゆっくりだと言えるかもしれませんが)。
そもそも保存食を食べるという行為は、先々の冒険で体力が減ったりなくなったりしないための行為なわけで、まだまだ旅が続くことが大前提なんですよね。
で、食べようとした結果、死ぬ。しかも、食事という行為とは本質的に何の関係もない、いきなり飛んできた吹き矢の毒で。
ひとによっては、指をはさんでおいた直前のパラグラフにあわてて戻るかもしれません。そして、何食わぬ顔で、別のパラグラフを選び直して旅を続けるかもしれません。
それでも、「あ、死んだ」という衝撃や、本来はそこで物語が終わっていたという認識は、ひとつの経験として、ゲームブックの「殺意」とともに読者の中に刻み込まれるでしょう。
(さらに言えば、そもそも「きみ」は、直前のパラグラフに戻ってやり直すというだけでは、もはやどうしようない状況に陥っているかもしれないのですが…)
ここで強調しておきたいのは、このような「殺意」に満ちたゲームブックが、その結果として豊饒な「物語」を内包する作品になりうる、ということです。
危険に満ちた冒険の旅を表現するために、ひとりの主人公に経験させることができるのは、通常の物語なら「死にそうなぎりぎりの危険」あたりまでかもしれません。
しかしゲームブックなら、主人公を、しかも読者の分身である「きみ」を、本気の殺意で、ほんとうに殺してしまうことが許されるのです。
決して「殺せばよい」というものではありませんが、その場面が効果的に描かれるならば、その物語世界がどのように危険なのか、良くも悪くもどのような可能性に満ちたものなのかということに対する、殺された「きみ」である読者の理解や思い入れは深まることでしょう。
ゲームブックにおける「殺意」は、その「物語」がゲームブックという形式で展開されることに対して、ひとつの有力な意味を与えうるものなのです。
■『送り雛は瑠璃色の』における「殺意」のあり方
さて、先日の明日槇氏の記事では、文学性を志向したと思われる作品のひとつとして、思緒雄二氏のゲームブック『送り雛は瑠璃色の』(以下、『送り雛』と略します)が取り上げられていました。
ここで、『送り雛』における「殺意」のあり方について考えてみたいと思います。
『送り雛』の物語世界は、亡霊が実在し、呪術が実際に効果を発揮する世界であり、主人公の「瞬/シュン」である「君」は、ある因縁の当事者としてさまざまな経験をすることになります。
その経験には、「死」と隣り合わせの危機的な状況も含まれることでしょう。
しかし『送り雛』の読者には、その物語の中で、先ほど『シャムタンティ丘陵』の例で述べたような突然の死、物語が袋小路で断ち切られるような死を経験する機会はありません。
いやいや、『送り雛』にもゲームオーバーはある、読者全員が物語の「おしまい」にたどり着けるわけではないだろう、と言われるとその通りなのですが、少しばかり詳しく話させてください。
君は、物語の開始時に一定の「霊力点」を持っていて、それは「霊視」や「霊査」の能力(いわゆる「お告げ」のようなもの)を行使して情報を得たり、霊的な攻撃を受けたりするたびに減っていきます。
『送り雛』の物語を読み進めていくと、読者は特定のパラグラフの中に、何度も「霊力が0点以下なら、ただちに〜」という指示を目にします。そして、その指示に従ってパラグラフを飛んでいけば、そこにあるのは「君」の「死」、もっと強い表現をすれば「滅び」です(1度だけ救済措置を受けられる場合もありますが)。特に物語の終盤になると、霊力を強制的に減らされる機会は増え、君の死の危険も増していきます。
それでも、一撃ですべての霊力を持っていかれるような出来事は、『送り雛』の中では起こりません。君の死は、あくまでいくつもの場面の積み重ねの中で、段階的に霊力が減らされていった結果として起こります。
また、『送り雛』には「戦闘のルール」がありませんが、このことも、君の「死ににくさ」に影響しています。もし、君と敵との霊力を削りあうような戦闘のルールがあれば、いくら霊力が多く残っていても、1回の遭遇で霊力をすべて失い、死に至ることがあるかもしれません。
霊力の枯渇以外にも、『送り雛』にはもうひとつ、ゲームオーバーのパターンが存在します。これは、ある種の選択肢を選ぶことでたどりつく結末で、形式上は、突然の死(正確には「死」ではないですが、ある意味では死に準ずるような、絶対的な喪失が起こります)のように見えるかもしれません。
ただ、それらの選択肢には、すべて「全力での現実逃避」とでも言うべき明確な共通点があります。それまでの物語の流れを踏まえると、読者の目には、その選択肢は明らかに「浮いた」ものとして映るでしょう。そのため、物語の中核に積極的に進んでいこうとする読者が、それらの選択肢を選ぶ可能性は低いと言えます。
むしろ、それらの「死」へ繋がる選択肢は、この物語世界に疲れた「君」や読者に用意された、袋小路ではなく「非常口」のように、私には思えるのです。
『送り雛』では、読者が主体的に物語の中へ入り込み、物語の中核に迫ろうとする限り、「君」が袋小路のパラグラフで突然の死を迎えることはありません。ありうるのは、袋小路ではなく、道半ばでの(霊力の枯渇による、道の先が見えていた状態での)死か、物語世界から「降りる」ことを選んだ結果としての死(に準ずる結末)、この二通りの死だけです。これらの死を避ければ、読者は必ず、物語を読み続ける限り、「君」の選んだ「おしまい」の先へたどり着くはずです(なお、物語の中で1箇所だけ、霊力点が「0点」とは別の数値で分岐するパラグラフが存在します。これについては、霊力の不足によって物語世界から「降ろされる」、という特殊なケースとして位置付けられるかもしれません)。
『送り雛』の物語世界には、呪いや死の気配が渦巻いています。しかし、『送り雛』のゲームとしてのルールは、君の「死」への道を用意する一方で、突発的な「死」という経験からは、君を、あるいは読者を、守ろうとするかのように組み上げられているようにも感じられます。
たしかに、『送り雛』の終盤の展開は、ある種の「殺意」に満ちているとは言えるかもしれません。君が致命的に誤った行動を取ろうとすると、「強制霊査」が発動して、君の行動をキャンセルする代わりに、霊力が5点減らされます(なお、霊力点の初期値は50点です)。また、場合によっては、ひとつのパラグラフで8点、10点というレベルで霊力が減らされることもありえます。
ただ、たとえ霊力が0点になり、君が死を迎えるとしても、それは定められた手続きを踏んで、ひとつの(正確には、ほぼ同じ記述があるふたつの)パラグラフにたどり着いてからの話です。
これはあくまで比喩ですが、君は個別の川底に沈められるのではなく、必ず同じ海へ流れ着くのです。
『シャムタンティ丘陵』の殺意が、「きみ」の死をその場に打ち捨て、パラグラフの中に留めるような殺意であるのに対し、『送り雛』の殺意は、「君」の死を丁寧に回収し、然るべき場所へと送り届けていきます。
では、このような面倒見のよい殺意のあり方は、『送り雛』の物語にとって、どのような意味を持っているのでしょうか?
そのことを考える前に、ある意味では『送り雛』と対照的な構造を持つゲームブックにおける、「殺意」と「物語」のあり方を見てみたいと思います。
■『断頭台の迷宮』における「殺意」と「物語」
清水龍之介氏の『断頭台の迷宮』(以下、『断頭台』と略します)は、迷宮内で記憶を失った状態で目覚めた「あなた」が、迷宮からの脱出を試みるゲームブックです。
その迷宮の中では「ギロチンハンズ」と呼ばれる怪物が徘徊しており、あなたはおそらく何度か、そのギロチンの刃にかかって、あるいは他の致命的な罠にかかって、命を落とすことになるでしょう。
全部で100パラグラフ、というコンパクトなゲームブックながら、FT新聞に掲載されたぜろ氏のリプレイ(初回:FT新聞2013年版pp.1324-30、最終回:FT新聞2014年版pp.86-9、全20回)では、主人公は10回ほど死亡し、そのうち戦闘の敗北という形での死亡は2回のみ。あとはすべて、何らかの罠やギロチンによる即死となっています。
最初に引用した記事の中で、清水氏はギロチンについて以下のように語っています。
それでも、僕はあえてギロチンを使う。
ギロチンの性急さ、無慈悲さは、ゲームブックの終止符によく似合う……と感じているからです。
(中略)
その妥協なき死への徹底は、ゲームブックのリアリズムに通じます。
(中略)
そう、僕にとってギロチンは、単なる処刑法ではなく「死のシンボル」。リアルの象徴だった、というわけですね。
[清水龍之介『ギロチン系男子@ファンタジーこぼれ話』、FT新聞2013年版p.146,pp.148-9より]
『断頭台』の殺意は、清水氏が言うとおり、性急かつ無慈悲に「あなた」を襲います。『送り雛』の殺意のように、「君」の能力値が一定以下になるまで待ってくれませんし、然るべきパラグラフへ送り届けてもくれません。
あなたには、技量ポイント・体力ポイント・運勢ポイントと、『送り雛』の「君」よりも多彩な能力値が与えられています。「君」が持たなかったアイテムや金貨を持つ権利も与えられています。しかし、どれほど技量ポイントが高くても、最大の体力ポイントが残されていても、素晴らしい魔法のアイテムを持っていても、ギロチンの刃は、そんなことはいっさいお構いなしに、あなたの首を落とします。
ギロチンハンズは、「右手がギロチン」という、「なぜそんな怪物をわざわざつくるのか」とツッコミを入れたくなるような、シュールで幻想的な存在です。
左手はギロチンではないので、ギロチン「ハンド」なのではと言いたくもなりますが、ひとところに留まらず、気付くとあなたのそばにいて、何度でもその首を落としてくるギロチンの手は、まさに複数形で呼ぶのが相応しいとも言えるでしょう。
そんなありえない存在、ファンタジーの物語の中でしか出会わないような怪物は、しかし不思議なことに、清水氏が意図したとおり、確かにある種の「リアリズム」を体現しているのです。
『送り雛』の物語の中で減っていく霊力や、その結果による死は、読者の中でリアルなものとして感じられるためには、想像力による何らかの変換作業を必要とするでしょう。「霊力が0点になる」とは一体どのようなことなのか、その先のパラグラフでの描写は、つまり何がどうなったということなのか、それを正確に説明するのは不可能ですし、読者によってイメージするものはまちまちでしょう。
それに比べて、ギロチンの刃があなたの身体にもたらす帰結は、あまりに明白で、あいまいな解釈の余地はありません。ギロチンハンズという幻想的な怪物は、その右手のギロチンだけが、妙なリアリティを持ってあなたの身体を、そしてあなたの物語を切断します。
『断頭台』における性急で無慈悲な死、頻繁に訪れるゲームオーバーは、ある側面から見れば、「ゲーム」としての『断頭台』の中核にある仕掛けであり、手強いパズルとして読者を楽しませるでしょう。
それと同時に、ギロチンハンズの右手の刃は、『断頭台』の物語にとっても、欠くことのできない象徴的な要素であると言えます。
『断頭台』の殺意は、ファンタジーの物語の中に、ある種のリアリティを与えるための装置なのです。
■ゲームブックにおける「死」の意味
では、『断頭台』の物語は、そのギロチンが象徴するとおり、ひたすら恐ろしく猟奇的なのでしょうか?
実は、まったくそんなことはありません。
ギロチンハンズという名前の中で、残虐性と諧謔性が奇妙に同居しているように、『断頭台』の物語の中では、恐怖と笑い、神秘性と世俗性、リアルとシュール、無感動な死と心温まるロマンスが交差しています。そして、ギロチンの刃をかいくぐったあなたは、思いもよらない結末へとたどり着くことでしょう。
その中に垣間見える、人間と、「人間のような、しかし人間ではない存在」との関係性というテーマは、『断頭台』とは遠く離れた作品のようにも思える、『送り雛』のテーマとも重なり合っているのです。
『送り雛』のあとがきの中で、思緒氏は以下のように述べています。
ゲームブックという世界、物語の表し方に私が興味をもち続けているのは、そこに小説にも、漫画にも、映画にも、そしてコンピューターゲームにもない独特なものがあると感じているからです。あえて喩えるのなら一つの大まかなテーマ、世界観のもとにまとめられた散文詩集、短編集といった感じでしょうか。宮沢賢治研究の第一人者で詩人でもある天沢退二郎氏の『闇の中のオレンジ』という作品は、私のイメージするゲームブックの物語世界に、最も近いものの一つです。それは「結びつくと言うよりは、ふと行き過ぎ交差する小さな物語、赤ん坊のような産まれたばかりの意味たちの、大きく広がってとどまらない宇宙」、ゲームブックの構造的不自由が(その不自由ゆえ必然として)生み出す物語の世界です。
[思緒雄二『送り雛は瑠璃色の』、幻想迷宮書店版pp.499-500より]
『送り雛』は、このような思想の中で生み出されたゲームブックであり、先日の記事で明日槇氏が述べたように、「詩的」「幻想的」「無限性」という特徴を備えているように見えます。
『送り雛』の殺意は、ギロチンの刃のような性急さや無慈悲さを持たず、読者がたどるループを少しでも長く、「おしまい」の先の無限の彼方まで引き延ばそうとします。そして、ついに「君」の霊力が尽きたときには、詩的で幻想的な、解釈の定まらない曖昧な光の中に「君」を連れていくでしょう。
『送り雛』の殺意のあり方は、その物語世界の文学的な性格を反映し、強化するような意味を持っているように思います。
一方、『断頭台』の物語世界は、散文的で、リアルで、断ち切られた有限な物語、あるいは物語とも言えないような、袋小路で終わるエピソードで溢れています。それを象徴しているのが、ギロチンハンズの右手に光る、殺意に満ちたギロチンの刃です。
しかしまた、断ち切られた物語を、何度も途中までたどり直し、物語の先へと少しずつ進んでいくにつれて、読者の中では、ギロチンハンズの右手が違った意味を帯びてくることでしょう。
いちど与えられた意味の再解釈、あるいは意味の「産まれ直し」と、断片化された物語たちの交差。『断頭台』の物語の中で読者が経験することは、ある意味では、思緒氏が述べたゲームブックの物語世界のあり方そのもののようにも思えます。
『断頭台』は、散文的であると同時に詩的であり、リアルであると同時に幻想的なゲームブックです。それらはひょっとすると、「文学的」かどうかにかかわらず、ゲームブックという形で生み出された物語が、多かれ少なかれ普遍的に備えている特性なのかもしれません。
では、無限性についてはどうでしょうか。『断頭台』の物語世界は、思緒氏が言うところの「大きく広がってとどまらない宇宙」、無限の意味の広がりを志向しているのでしょうか?
そうかもしれないし、そうではないかもしれません。それはある意味で、ゲームブックの物語を読み進め、読み直す、読者の営みに委ねられていると言えるでしょう。
ですが、『断頭台』の物語には、ひとつの大きな特徴があることも確かです。
FT新聞での『断頭台』のリプレイの中で、リプレイの執筆者ぜろ氏は、以下のように語っています。
しかし——
和気あいあいと3人で歩んでいくイリアンや作中の俺の分身ハルをよそに、プレイヤー俺の心にはわだかまりが残ります。
(中略)
失った2人の仲間のことを思い出す。
(中略)
生死をともにしてきたかけがえのない仲間たち。
その仲間の命を無慈悲に奪ったのが、あの男のギロチンの刃。
[ぜろ『リプレイ「断頭台の迷宮」@第17回』、FT新聞2013年版pp.2531-2より]
『断頭台』の物語が「和気あいあい」とした展開を見せる中、物語の中の「あなた」と読者(プレイヤー)のあいだには、どうやら何らかの分裂が生じているようです。
ぜろ氏の心に残る「わだかまり」。それは、「ギロチンの刃」から生まれたものに他なりません。
ギロチンの刃が生み出す散文的でリアルな死。それは、たとえ物語自身がそれを忘れたように振る舞うとしても、読者の心には刻み込まれて、簡単には離れてくれないかもしれません。それが「あなた」自身の死であっても、他のだれかの死であっても。
パラグラフのあいだを飛び、新たな意味を見つけ直す試行の奥底で、ギロチンが象徴する「死」は、それが起こったパラグラフの中に留まり続けます。
それは一方では、私たちの命や時間の有限性をあらわすものであり、ある種の枷としての意味を持つでしょう。
他方、それはまた、物語の印象を深め、断ち切られた物語を再演させ、新たな意味を生み出すための原動力にもなるでしょう。
あるいはそれは、物語世界の無限性に疲れた読者に対して、その世界から離れるための介錯のような役割を果たすこともあるかもしれません。
いずれにしても、ゲームブックにおける「死」は、それぞれの物語のあり方に応じた「殺意」とともに、
そのパラグラフに足を踏み入れる「きみ」や「君」や「あなた」たちから新たな意味を見出されるのを、物語の中で待っているのです。
■(参考)この記事で取り上げたゲームブックについて
Steve Jackson(スティーブ・ジャクソン)氏の"The Shamutanti Hills"は、原書が最初に刊行されたのが1983年で、日本では以下の3種類の翻訳が出版されています。
『魔法使いの丘』(安藤由紀子訳、東京創元社、1985年)
『シャムタンティの丘を越えて』(浅羽莢子訳、創土社、2003年)
『シャムタンティ丘陵』(こあらだまり訳、SBクリエイティブ、2024年)
上記のうち、東京創元社(創元推理文庫)の『魔法使いの丘』は絶版ですが、「国立国会図書館デジタルコレクション」の「個人向けデジタル化資料送信サービス」の対象になっています。
利用者登録にはいささか手間と時間がかかりますし、紙の本のスキャンデータなので便利なリンク機能もありませんが、日本国内に在住する18歳以上の方であればだれでも、ご自身のパソコンやタブレット等で閲覧することが可能です。
[国立国会図書館:個人向けデジタル化資料送信サービスについて]https://www.ndl.go.jp/jp/use/digital_transmission/individuals_index.html
創土社の『シャムタンティの丘を越えて』は、通常の書店の店頭で見かける機会はほとんどないと思いますが、Amazonや大型書店のネットストア等で新品を購入できる可能性があります。
同じタイトルのTRPGシナリオ(国際通信社の〈d20ファイティングファンタジー〉シリーズ)もありますので、お間違えのないようご注意ください。
SBクリエイティブの『シャムタンティ丘陵』は、『ファイティング・ファンタジー・コレクション40周年記念〜スティーブ・ジャクソン編〜「サラモニスの秘密」』という、〈ソーサリー〉シリーズ全巻とジャクソン氏の新作がひとまとまりになったセットのうちの1冊という扱いでした。このセットは事前予約を前提とする完全受注生産品で、現時点では再販のアナウンスはありません。
思緒雄二氏の『送り雛は瑠璃色の』にも主に3つのバージョンが存在し、それぞれ社会思想社(1990年)、創土社(2003年)、幻想迷宮書店(2020年)から刊行されています。
このうち幻想迷宮書店版は、電子書籍としていつでも購入することが可能です(Kindle Unlimitedの対象にもなっています)。
https://gensoumeikyuu.com/gb08/
清水龍之介氏の『断頭台の迷宮』は、FT書房の「100パラグラフゲームブック」シリーズの第1弾として、2010年に刊行された作品です。
2013年にはアプリ化(「iGameBook」シリーズ、現在は配信終了)、2014年には電子書籍化されたほか、
2020年に刊行された「100パラグラフゲームブック集」の第2巻にも収録されています。
電子書籍で楽しみたい方は、Kindle版をご購入いただき(Kindle Unlimitedの対象にもなっています)、
紙媒体で他の作品もあわせて楽しみたい方は、「100パラグラフゲームブック集」の第2巻をお買い求めいただければと思います(在庫のあるうちに!)。
なお、『断頭台の迷宮』には1箇所パラグラフ番号の誤記があり、FT書房ホームページに正誤修正情報が掲載されています。これはKindle版、100パラグラフゲームブック集のいずれにも適用されますので、事前にご確認ください。
[Kindle版]https://www.amazon.co.jp/dp/B00P54ANLM
[100パラグラフゲームブック集(第2巻)]https://ftbooks.booth.pm/items/2483162
[正誤修正情報]https://ftbooks.xyz/seigoshusei/100para2seigo
また、FT新聞のバックナンバー(2013年〜2021年)については、電子書籍として1年単位での購入が可能です(Kindle Unlimitedの対象にもなっています)。
記事内での引用箇所を読んで興味を持たれた方は、こちらもぜひご覧ください。
[2013年(初年)のバックナンバー]https://www.amazon.co.jp/dp/B0B354RFVS
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2025年8月21日木曜日
子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』4 FT新聞 No.4593
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』(4)
岡和田晃
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※連載の第1〜3回を、Analog Game Studiesに再録していますので、未読の方はこちらからどうぞ、
https://analoggamestudies.seesaa.net/category/28133868-1.html
『甲竜伝説ヴィルガストRPG』をファンブック的に読むのではなく、実際のプレイに用いるなら、まず躓くであろうポイントとして、キャラクター作成がうまく出来ない、ということを前回は取り上げました。
デザイナー・サイドの「こうしてほしい」というイメージは理解できるのです。けれども、数字が合わない。正確に解釈したら、思ったより弱くなってしまう。そんなときは、どう運用すればよいでしょう?
コアなゲーマーが集まるサークルなんかでは、不興を買ってしまう最たる要素の1つでしょう。けれども、大人しい子どもと1 on 1で遊ぶような場合は、「ルールの正確な解釈よりも、そのプレイヤーにとって満足のいく経験を提供する」ことが大事になります。
そもそもルールブックが複数の解釈が引き出せるものなら、「絶対に正しい」はありえない。あるとしたら、「プレイヤーを満足させること」が正しいわけで、その「正しさ」を他のゲーマーにとっての「正しさ」と比較する必要なんてないわけです。
そこで運用にあたっては、「最低ライン」を設けることにしました。つまり、数値計算がどうあれ、最低限のHPラインを想定し、そこより下回らない、という形で処理をしたのです。魔術師なら15、といった具合に。
選択の意味がなくなる? そうかもしれませんが、「選択の結果、どれを選んでも弱くなる」というジレンマから出られない方が問題ですので、このように処理をしました。
とりわけ、女性の魔術師の基本体力21、実際に計算すると7というのはブレも甚だしいので、中間を採ったという感じです。魔法はガンガン撃つことが想定されていると思うので、おそらくHP21の方に近いんでしょうね。
というのも、『ヴィルガストRPG』は判定にダイスを使わず、戦闘時にはHPの消費数をベット(賭け)し合って、勝利した方が武器に設定されたアクションポイント(AP)に応じたダメージを相手に与え、さらにHPを削ることができる、というルールになっています。この点、読者のポール・ブリッツさんから、さらに質問をいただきました。
(ポール・ブリッツさん)
お便り取り上げてくださってありがとうございます。
キャラ作成もそうですが、HPベット方式の戦闘も悩んでいるところで、友人と模擬戦をやったとき、相手の全力の攻撃(ベット上限乗せ)を、こちらが全力で受けた(ベット0)とき、その一撃だけで勝負が決まってしまった(そこから先はどのような戦術を行っても防御した側が負ける)、となってしまい、これはどうなのか、と。ルールの読み間違いかもしれませんが……。
自分はこのHPベット方式というもののアイデア自体は、日本の時代小説なんかによくある「詰め将棋のように偶然性が働かない実力のみの斬り合い」のルールとしては最高のひとつだと思うのですが、「読みと配分」のバランスがいまひとつというかふたつみっつくらいに未消化ではないかとしか思えません。
そこもどうやってGMしていらしたのかをぜひお聞きしたいのです。
——というお便りでした。ベットで最適解が決まってしまう、というのはよくわかる話で、そういうパターンに陥ってしまうことも、セッション内ではよくあります。『ヴィルガストRPG』は 1 on 1ではなく多人数のプレイヤーを想定しているRPGなので、敵の種別や特殊攻撃持ちの敵をバラけさせるなどすれば、最適解への固定化、というパターンを付き崩せると思います。
ベット自体はよいアイデアで、後に別のシステムでも採用されています。たとえば『ヒーローウォーズ』がそうですね。こちらは、グローランサ世界を扱うナラティヴ系のはしりとも言うべき作品で、キャラクターメイキングを100Word(日本語では200字)の作文で行うというユニークなルールになっていましたが、基幹となるルールを単純化することで、「語り」を疎外しないことが目論まれているのでしょう。
『ヴィルガストRPG』には汎用行為判定にあたるルールがありません。そこは自動成功で進めてしまって、プレイヤーたちに「成功体験」を与えてもよい、という話なのだと解釈しています。ナラティヴRPGのようにプレイしてしまう、ということです。子どもはとにかく、ふだんは大人たちがこしらえた不条理さに囲まれて窮屈な思いをしていますから、ゲーム世界で自由に羽根を広げられるだけで面白いようなのです。
子どもは最適解を発見したら、ひたすらそのパターンを繰り返そうとします。それはそれでOK、飽きるまでそれに付き合おうじゃないか——そんなスタンスで、私はセッションを遂行するにようにしています。うちの子どもの場合、負けるのが嫌で、本来は同時に宣言すべきベットについて、相手の数値を聞いてから自分の数値を宣言する(つまり絶対に勝つ)なんてことも、平気で行ってくれたりします(笑)。これは1 on 1の親子プレイだからの光景かもしれません。だからこそ、それを受け止めて話を進めるようにしています。
かつて、プレイヤーの努力にもかかわらず、自動的にストーリーを進めてしまう独りよがりなGMのことを「吟遊詩人GM」と揶揄する向きがありました。しかし、子どもとうまく遊ぶうえでは、プレイヤー側のどんな「チート」も演出のうえだと受け止めて、うまく乗せて話を進めてあげる——そんな言葉本来の意味での「吟遊詩人GM」であることが、しばしば求められるというのが現実なのです。
というのは、子どもはしばしば、セッションそのものに集中できないのです。途中でTVを見始めたり、ゴロンと転がって別の本を読もうとしたりするのは日常茶飯事。自分自身のことを思い出しても、小学校・中学校時代にGMしたときは、途中から同級生がアニソンや流行歌を歌い始めるのに夢中になったり、いきなり立って鬼ごっこを始めたり、「ゲームに集中しない」のは普通でした。
これはボードゲーム(特にユーロゲーム)やデジタルゲームのように、プレイヤーが自動的に乗っかることのできるシステムが確立されているゲームではあまり起きない事態です。「まず、ゲームをさせる」こと。RPGはプレイヤーの主体的・能動的なコミットを求められる要素が、他のジャンルよりも飛躍的に大きく求められるのですから、とにかく「遊ばせる」のを優先することが大事になってくるのです。
■書誌情報
ケイブンシャの大百科別冊
『甲竜伝説ヴィルガストRPG』
ゲームデザイン:佐藤俊之(怪兵隊)
出版社:勁文社
1992年5月15日・絶版
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岡和田晃
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『甲竜伝説ヴィルガストRPG』をファンブック的に読むのではなく、実際のプレイに用いるなら、まず躓くであろうポイントとして、キャラクター作成がうまく出来ない、ということを前回は取り上げました。
デザイナー・サイドの「こうしてほしい」というイメージは理解できるのです。けれども、数字が合わない。正確に解釈したら、思ったより弱くなってしまう。そんなときは、どう運用すればよいでしょう?
コアなゲーマーが集まるサークルなんかでは、不興を買ってしまう最たる要素の1つでしょう。けれども、大人しい子どもと1 on 1で遊ぶような場合は、「ルールの正確な解釈よりも、そのプレイヤーにとって満足のいく経験を提供する」ことが大事になります。
そもそもルールブックが複数の解釈が引き出せるものなら、「絶対に正しい」はありえない。あるとしたら、「プレイヤーを満足させること」が正しいわけで、その「正しさ」を他のゲーマーにとっての「正しさ」と比較する必要なんてないわけです。
そこで運用にあたっては、「最低ライン」を設けることにしました。つまり、数値計算がどうあれ、最低限のHPラインを想定し、そこより下回らない、という形で処理をしたのです。魔術師なら15、といった具合に。
選択の意味がなくなる? そうかもしれませんが、「選択の結果、どれを選んでも弱くなる」というジレンマから出られない方が問題ですので、このように処理をしました。
とりわけ、女性の魔術師の基本体力21、実際に計算すると7というのはブレも甚だしいので、中間を採ったという感じです。魔法はガンガン撃つことが想定されていると思うので、おそらくHP21の方に近いんでしょうね。
というのも、『ヴィルガストRPG』は判定にダイスを使わず、戦闘時にはHPの消費数をベット(賭け)し合って、勝利した方が武器に設定されたアクションポイント(AP)に応じたダメージを相手に与え、さらにHPを削ることができる、というルールになっています。この点、読者のポール・ブリッツさんから、さらに質問をいただきました。
(ポール・ブリッツさん)
お便り取り上げてくださってありがとうございます。
キャラ作成もそうですが、HPベット方式の戦闘も悩んでいるところで、友人と模擬戦をやったとき、相手の全力の攻撃(ベット上限乗せ)を、こちらが全力で受けた(ベット0)とき、その一撃だけで勝負が決まってしまった(そこから先はどのような戦術を行っても防御した側が負ける)、となってしまい、これはどうなのか、と。ルールの読み間違いかもしれませんが……。
自分はこのHPベット方式というもののアイデア自体は、日本の時代小説なんかによくある「詰め将棋のように偶然性が働かない実力のみの斬り合い」のルールとしては最高のひとつだと思うのですが、「読みと配分」のバランスがいまひとつというかふたつみっつくらいに未消化ではないかとしか思えません。
そこもどうやってGMしていらしたのかをぜひお聞きしたいのです。
——というお便りでした。ベットで最適解が決まってしまう、というのはよくわかる話で、そういうパターンに陥ってしまうことも、セッション内ではよくあります。『ヴィルガストRPG』は 1 on 1ではなく多人数のプレイヤーを想定しているRPGなので、敵の種別や特殊攻撃持ちの敵をバラけさせるなどすれば、最適解への固定化、というパターンを付き崩せると思います。
ベット自体はよいアイデアで、後に別のシステムでも採用されています。たとえば『ヒーローウォーズ』がそうですね。こちらは、グローランサ世界を扱うナラティヴ系のはしりとも言うべき作品で、キャラクターメイキングを100Word(日本語では200字)の作文で行うというユニークなルールになっていましたが、基幹となるルールを単純化することで、「語り」を疎外しないことが目論まれているのでしょう。
『ヴィルガストRPG』には汎用行為判定にあたるルールがありません。そこは自動成功で進めてしまって、プレイヤーたちに「成功体験」を与えてもよい、という話なのだと解釈しています。ナラティヴRPGのようにプレイしてしまう、ということです。子どもはとにかく、ふだんは大人たちがこしらえた不条理さに囲まれて窮屈な思いをしていますから、ゲーム世界で自由に羽根を広げられるだけで面白いようなのです。
子どもは最適解を発見したら、ひたすらそのパターンを繰り返そうとします。それはそれでOK、飽きるまでそれに付き合おうじゃないか——そんなスタンスで、私はセッションを遂行するにようにしています。うちの子どもの場合、負けるのが嫌で、本来は同時に宣言すべきベットについて、相手の数値を聞いてから自分の数値を宣言する(つまり絶対に勝つ)なんてことも、平気で行ってくれたりします(笑)。これは1 on 1の親子プレイだからの光景かもしれません。だからこそ、それを受け止めて話を進めるようにしています。
かつて、プレイヤーの努力にもかかわらず、自動的にストーリーを進めてしまう独りよがりなGMのことを「吟遊詩人GM」と揶揄する向きがありました。しかし、子どもとうまく遊ぶうえでは、プレイヤー側のどんな「チート」も演出のうえだと受け止めて、うまく乗せて話を進めてあげる——そんな言葉本来の意味での「吟遊詩人GM」であることが、しばしば求められるというのが現実なのです。
というのは、子どもはしばしば、セッションそのものに集中できないのです。途中でTVを見始めたり、ゴロンと転がって別の本を読もうとしたりするのは日常茶飯事。自分自身のことを思い出しても、小学校・中学校時代にGMしたときは、途中から同級生がアニソンや流行歌を歌い始めるのに夢中になったり、いきなり立って鬼ごっこを始めたり、「ゲームに集中しない」のは普通でした。
これはボードゲーム(特にユーロゲーム)やデジタルゲームのように、プレイヤーが自動的に乗っかることのできるシステムが確立されているゲームではあまり起きない事態です。「まず、ゲームをさせる」こと。RPGはプレイヤーの主体的・能動的なコミットを求められる要素が、他のジャンルよりも飛躍的に大きく求められるのですから、とにかく「遊ばせる」のを優先することが大事になってくるのです。
■書誌情報
ケイブンシャの大百科別冊
『甲竜伝説ヴィルガストRPG』
ゲームデザイン:佐藤俊之(怪兵隊)
出版社:勁文社
1992年5月15日・絶版
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2025年8月20日水曜日
第1回【狂える魔女のゴルジュ】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4592
第1回【狂える魔女のゴルジュ】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【狂える魔女のゴルジュ】の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。また、大幅なアレンジが加えられている箇所がありますが、原作の選択肢をもとに構成しています。
****
この物語の主人公は、エルフの少女ミナ。
時を操る力と引き換えに闇エルフとなる、
離れ離れになった兄弟を取り戻すために。
-どれだけ罪を重ねても、愛を裏切らない-
そう決めた彼女の前に姿をあらわすのは、
切り立った断崖のように鋭く過酷な運命。
行く手に立ちはだかる、暗い吸血鬼の森。
愛に全てを捧げた冒険者の旅が、始まる。
(「狂える魔女のゴルジュ」裏表紙より)
****
●作品紹介
ぜろです。
祝! 「狂える魔女のゴルジュ」電子版発売!!
以前から用意していたリプレイでしたが、素晴らしいタイミングでの掲載となりました。
そんなわけで、今回プレイするために手に取った作品、それがこちら「狂える魔女のゴルジュ」です。
この作品、とても興味深く、プレイしたいと強く思うと同時に、始めることにためらいもありました。
それは、この作品の登場人物に起因します。
主人公の名前は、ミナ。
ミナ・ガーデンハート。
実はFT書房の作品には、このガーデンハートの姓は頻繁に登場します。
ニナ・ガーデンハートという人物が、アランツァ世界のあちこちの作品に顔を出しているのです。
ニナ。彼女は、ミナの姉にあたる人物です。
「ガルアーダの塔」「盗賊剣士」といった大作タイトルに、メインキャラクターのひとりとして登場しています。
あるいは、FT新聞では「オレニアックス生物学」にも出演しています。
登場頻度は、ロング・ナリクのコーデリア王女と競うのではないでしょうか。
と、そうやって、ミナのお姉ちゃんがいっぱい活躍しているのが、私が本作を始めるのにためらいがある理由でして。
実は、ニナ・ガーデンハートの活躍する作品を、私、ほとんどまともにプレイしていないのですよ。
その筆頭が「盗賊剣士」です。
この作品は発売当時からしばらく、FT書房の代表作として君臨していた名作中の名作。
にもかかわらず、私がプレイしていないってどういうこと?!
それはリプレイ事情にありまして。
当時、私とは別の方が「盗賊剣士」リプレイをインターネット連載していました。
それで、作品かぶりを避けてタイミングを外そうと考えたんですね。
その方のリプレイを楽しく読ませていただいていたので、記憶が薄れた後にプレイしようとも思っていました。
なーんて考えているうちに年月の流れに押されて完全に時期を逸してしまったわけでして。
その後もニナが登場すると思しき作品は、「盗賊剣士」をプレイした後の方が楽しめそうな気がして、手が出せないまま今に至るというわけです。
「盗賊剣士エクストラ」も「ハンテッドガーデンハート」も非常に気になっております。
で、今回は同じガーデンハート姓でもニナとは違う主人公ということで、あえてニナ登場作品を知らない中で、手を出してみようと思い立ったのです。
そういう背景なので、まっさら新鮮な気持ちでプレイさせていただきますよ。
まず表紙と裏表紙。
ウサギのかわいらしいアクセサリーと、主人公ミナと思しき少女が描かれています。
少女は見たところ、だいぶ幼さを感じさせる印象です。
しかし、ウサギのアクセサリーのかわいらしさと比較して、その表情は悲壮さや覚悟といったものが伝わってきます。
海底キメラさんのイラストはあいかわらず、ほれぼれするほどに素晴らしい。
そして裏表紙にある作品紹介。
「どれだけ罪を重ねても、愛を裏切らない」
非常に重いこのフレーズが、この作品のテーマであり本質なのだということが、一目でわかります。
一行で一文が同じ文字数で完結する文章構成。かなり凝っています。
また、「断崖」に「ゴルジュ」とルビが振ってあることで、タイトルの意味にまで言及しています。
ページをめくると、いきなり内容に入ります。
目次もなく、小見出しもなく、ただ、始まります。
そこにあるのは、主人公ミナの決意表明といった内容でした。
禁じられた、時を操る魔法の時計を持ち、双子の姉を助けようと決意を新たにするミナ。
それは、ミナしか持っていない秘密の道具だといいます。
そしてミナは、自身のことを「罪深い」と語ります。
その罪深さとは何を指しているのでしょうか。時を操ることで、自分に都合の良い結果を引き寄せることに対してのものなのでしょうか。
それとも、唯一無二の魔法の時計を入手するに至った経緯に関係しているのかもしれません。
そして登場人物紹介が。
5人の人物が並んでいますが、そのうち4人がガーデンハート姓です。
1人は主人公のミナ。人間でいうところの15歳くらいとのこと。
そしてティナとエナ。この2人は双子で、ミナの姉です。
今回、ミナの目的はこの双子の姉を助け出すことにあります。
もう1人のガーデンハート姓は、先に名前を挙げていたニナです。こちらもミナにとっては姉にあたります。
ガーデンハート姓ではない残る1人は、モータス。
この人物は、ミナの魔法学校の教師で、時の魔法を開発した人物とのこと。
ミナはどうやら、魔法学校に在籍している、あるいは過去に在籍していたようですね。
しかも自身の教師が、時の魔法を開発した、と。
あれ、でもミナは、時を操る魔法の時計を、「私だけが持つ、秘密の道具」と言っています。
このあたり、気になりますね。何か隠された出来事がありそうです。
ページをめくると、背景の説明が始まります。
それではこのまま、物語へ入っていきましょう。
リプレイの文中では、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。
あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。
●アタック01-1 ガーデンハートの姉妹たち
ボクはミナ。ガーデンハートの七姉妹の末っ子。
最初の自分語りでは「私」で語ってたけど、プレイヤーの人が、「自分の感性に寄せて書きたい!」とかで、ボクっ子になった。
でね、さっき登場人物紹介があって、ボクとほかの3人がガーデンハートって紹介されてたけど、なんとボクは7人姉妹だったんだ。
どう? 驚いた? エルフで7人ってだけでも珍しいのに、そのうえ全部女なんて。
まずはこれから、ボクがどうしてエナティナ……ええと、双子のエナ姉とティナ姉を助けに行くことになったのか、そこから話してこうと思う。
ボクたちは、父さん母さんと姉さんたちと、かづら森で暮らしてたんだ。
その頃のことはぼんやりとしか覚えてない。ボクは末っ子で、まだ小さかったから。
でも、ニナ姉がいっぱいボクの面倒見てくれてたのは覚えてる。ボク、言葉が出るのが遅かったみたいでさ、すごく気づかってもらったみたい。
他の姉さんたちも、いっぱいボクをかまってくれた。
姉さんたちからいっぱいの愛情をもらって、ボクも姉さんたちが大好きだった。
けど、かづら森には住めなくなっちゃった。
トレントって知ってる?
木の形をした動く魔物。森の中で、普通の木に混じって生息するのがトレントのトレンド。
なんでか知らないけど、そのトレントたちが暴走したせいで、ボクたち家族は元々暮らしていた家を壊されてしまった。
トレントたちがその場に居座ったもんだから、元の暮らしに戻るのはもう無理だった。
ボクたち家族は、ほかにエルフが暮らしてる場所を求めて、サン・サレンっていう地方に旅をした。
そこで、エルフの隠れ里に身を寄せることにしたんだ。隠れ里の外れに小さな家を建てさせてもらってね。
でも、そこでの暮らしも長くは続かなかった。
父さんは、ボクたち家族を養うためにサン・サレン名物の遺跡探索に出かけ……戻ってこなかった。
「見捨てられた財宝」ってゲームブックをプレイすれば、サン・サレンの遺跡がどれだけ凶悪なのか、わかると思うよ。命の保証はしないけど。
母さんと姉たち……女ばっかになったボクたちの家を、奴隷商人が襲った。
おかしいって思わない?
エルフの隠れ里のはじっこにある、ボクたちの家だけが狙われたんだよ。
きっと、よそ者をよく思わないエルフたちがいて、奴隷商人を手引きしたんだ。
その夜、ボクは家の2階で、ニナ姉に起こされた。
「なに? にな」
聞き返そうとしたらニナ姉は「しっ」とボクの声をひそめさせた。
空気が変だ。重苦しい。
気配も変だ。階下から、騒がしい声がする。姉たちではない、男たちの声。
ニナ姉がささやいた。
「何者かに襲撃された」
襲撃?
ボクは意味がわからなかった。
襲撃ってなに?
「わからない。押し込み強盗か、奴隷狩りか」
その答えはすぐにわかった。
姉たちが、捕らえられて連れ出されるのがわかったから。
奴隷狩りなんだ。
「おとなしくしとけよ。てめえらの母ちゃんみたいになりたくなければな」
そんな声が聞こえる。母さんの身に、なにかあったんだ。
重大な、取り返しのつかない、なにかが。
ニナ姉を見る。緊張した、真剣なまなざし。
感情を必死に押し殺しながら、それでも神経を研ぎ澄ませているのが、わかる。
「かしら、上の様子も見てきやす」
階段を上がる気配。ニナ姉は素早く反応した。
ボクを抱き上げると、2階の窓から外へ飛び出した。
姉たちを連れ去る入口とは、反対の方角へ。ボクを抱いたまま飛び降りる。
「あ、にげ……!」
「ほっとけ。こんだけいりゃ十分だ」
ニナ姉は、飛び降りた衝撃で足を痛めたみたいだったけど、男たちが深追いしなかったおかげで助かった。
ニナ姉が森ではなく、エルフの隠れ里の中心に向かって走ったのもよかったかもしれない。
けど、隠れ里の誰にも助けを求めることはできず、ボクとニナ姉は家畜小屋の物陰に身を潜めていた。
「大丈夫。奴隷狩りなら、命は取られないから。大丈夫……」
泣きじゃくるボクを、そうなだめるニナ姉。
その時のボクは余裕がなくって全然わからなかったけど、ニナ姉は、きっと自分に言い聞かせていたんだと思う。
●アタック01-2 ネグラレーナでの生活
「ここではもう、暮らせない」
ニナ姉の決断は早かった。
襲撃から一夜明け、家に誰もいないのを確認すると、そっと戻る。
そこでボクたちは、母さんの無惨な亡骸に遭遇した。
けれど、長くその場に居続けるわけにはいかなかった。
遺体が入っていない、父さんの墓碑の隣に、簡単に埋葬した。感覚がマヒしていて、ボクとニナ姉は涙も流さず、淡々と作業をした。
そして最低限の旅の支度を整え、逃げるように旅立ったんだ。ほかのエルフたちにはまったく顔を合わせずに。
旅を続けるうちに、だんだんと感情が戻って来た。
そして、泣いた。そんなボクを、ニナ姉は冷静に諭し、急ぎ足で旅を続けさせた。
ニナ姉には感情がないの? ボクはそんなニナ姉に怒りを覚えた。
でも、そうじゃなかった。
ある夜、寝付けなかったボクは、見たんだ。ニナ姉が、静かに涙をこぼしているところを。
そこでようやくボクは知った。ニナ姉は、ボクのために気丈にふるまってくれているってことを。
ボクは思った。姉たちが連れ去られたのは、ボクのせいだ。
だって、ニナ姉の身のこなしなら、不意打ちすれば、姉たちが逃げる時間が稼げたかもしれない。
ボクがいたから、ニナ姉は自由に動けなかったんだ。ボクがいたから。ボクがいなければ。
一度思わず、ニナ姉に口に出して言ってしまったことがある。
ニナ姉は、「バカなこと言ってるんじゃない」と一蹴したけど、ボクの気持ちは晴れなかった。
ボクは、ニナ姉にも、他の姉たちにも、たくさんの愛情をもらってきた。
けどボクはそんな姉たちに、何も返せていない。
だから、今度はボクの番だ。
きっと、姉たちを助け出す。奴隷狩りなら生きてるって、ニナ姉が言ってたから。
ボクとニナ姉が流れついたのは、ネグラレーナだった。
盗賊都市とも言われる、治安の悪い都市。
ニナ姉は、その身のこなしを生かして、盗賊ギルドに入った。
ニナ姉に、「どうして盗賊ギルドなんかに入ったの?」と尋ねたら、ニナ姉はこう答えた。
「生活のためだけじゃない。妹たちの行方を探すためよ」
よかった。ニナ姉も、ほかの姉たちのことをあきらめてなかったんだ。
生活の場所として、わざわざ治安の悪い盗賊都市を選んだのも、あえて盗賊ギルドなんかに所属したのも、闇の情報を得るための一番の近道だからだ。
ニナ姉は、本気だ。どんな手段を使ってでも、みんなを探すつもりなんだ。
ボクもそうしたい。でも、どうしたらいいんだろう。
ボクにはニナ姉みたいな身軽さはないから、盗賊にはなれない。
姉たちに比べたら、どんくさくって、取り柄がない。
ニナ姉もほかの姉たちも、「一番年下だからそう見えるだけで、成長したら自分たちと同じになるよ」って言ってくれた。
けど、姉たちとの差はいつまで経っても埋まった感じはしなくて、ボクには、いつかそんな日が来るなんて思えなかった。
せめて、ニナ姉の負担にならないようにしないと。
身体能力に自信のないボクが選んだのは、魔法学校。
森での生活では縁のなかった場所だ。だからこそ、姉たちと比較することなく、自由に学べる。
それに、入学試験でそこそこの成績を取れば、奨学金がもらえるから、ニナ姉の負担にもならない。
ボクはニナ姉がギルドの仕事に行ってる間に、湿った本ばかり置いてある、売れない古本屋に通いつめて勉強した。
それで、魔法学校の試験に合格し、奨学金がもらえるようになってから、ニナ姉に報告した。
ニナ姉は半ばあきれていたけど、ボクの選択を認めてくれた。
それでボクは、魔法学校に入学できたんだ。
●アタック01-3 からくり都市と魔法の時計
そうして、10年の月日が流れた。
ニナ姉はがんばったけど、姉たちの行方はぜんぜんわからないままだった。
それに、10年という年月はしがらみを生み、今姉たちの行方がわかっても、ニナ姉は自由に動けそうになかった。
ボクはボクで、魔法学校へ通っていたけれど、初等部の魔法学校は理論ばっかりで、ちっとも楽しくなかった。
ほかの人とあんまりコミュニケーションを取る方じゃなかった。けど、少ないながらも友だちはできたよ。もちろん、楽しいこともあったかな。
どんなに辛い過去があったって、どんなに姉さんたちの身を案じてたって、それをずっと表情に出してじめじめしてるのは、ボクらしくない。そういうの、嫌なんだよね。
強い思いはただ、胸に秘めていればいい。
ボクはとにかく早く、理論じゃない実技をものにしたかった。だからいっぱい勉強して、いい成績を残した。
そうして見事、成績上位者として、他の都市への留学の話をもらうことができた。やったね。
からくり都市チャマイ。
古い建物が立ち並ぶ、歴史ある都市。
そこなら、ネグラレーナとは比べものにならないレベルで魔法を学べるに違いない。
この時もニナ姉は半ばあきれていたけれど、ボクの選択を認めてくれた。
それでボクは、ニナ姉と別れ、からくり都市チャマイの魔法学校に留学したんだ。
期待に満ちた新生活のスタートだったけど、挫折も早かった。
たしかに、ボクの期待どおり、チャマイの魔法学校のレベルは高かった。
高すぎた。
ネグラレーナのレベルが低すぎたのかもしれないけど。
ボクはたちまち、ついていけなくなった。なんてこと。
このままだったら転落コースにまっさかさまだ。
ボクはあきらめた。けど、あきらめなかった。
ボク自身の魔法の力が限界だっていうんなら、ほかのものの力を借りればいい。
そう、魔道具だ。魔道具を使いこなす者だって、立派な魔法使いなんだから。
それでボクは、とんでもないことを考えちゃったんだ。
魔法学校から強力な魔道具を盗み出してしまえ! って。
ぶっちゃけとんでもないよね。
うん。あの時のボクは、正直焦ってた。
成果を出せない自分。流れる年月。姉たちの行方はぜんぜんわからない。
その状況を打破するための、起死回生の一手を!
そんなわけで、留学終了間際の夜、ボクは魔法学校に忍び込んだ。
まさか、まったく同じタイミングで、似たような作戦を立ててる人たちがいるなんて知るよしもなく、ね。
ひっそりした校内で、揺れる灯りとひそひそ声を聞いた時にはびっくりしたよ。
見回りの守衛さんかと思ったけど、そうじゃなかった。だってその会話が、あまりに不穏だったから。
「……じゃあ、すべてバレたってのか」
「ああ。まあ、10年も経てばな。しかしギリギリ間に合った。『禁断の魔法』はほぼ完成している」
「このうえは、不正な会計で検挙される前に、ブツを持って消えるしかないか」
「もとよりそのつもりだ」
声のうち、ひとりは知っている声だった。
モータス教授だ。ボクが師事している教授。でも、昼間の教授とは声のトーンが全然違う。
ええと、教授はやましい研究をしていて、それに学校の経費を横流ししてた、ってことでいいのかな。いいよね。
「魔法の時計はどこに?」
「時計塔にある」
ボクの中に、暗いたくらみが芽生えた。
この『禁断の魔法』の成果、ボクがいただいちゃっても、捕まる可能性は少ないよね。
ボクが盗んでも、魔法学校には痛手はない。だって知らないんだから。学校はただ、モータス教授の経理の不正を追及するだけ。
10年間の研究の成果をボクに奪われる教授は気の毒だけど、不正をして得たお金でやった研究なら、表沙汰にはできないよね。
こんなタイミングは、二度と訪れない。これを幸運と言っていいのか、悪魔に魅入られたと言っていいのかは、わからないけど。
ボクは即断で、教授たちを出し抜くことにした。
次回、魔法の時計を手にしたボクは、世界で唯一の時を操る魔法使いになる。
■登場人物
ミナ・ガーデンハート 主人公。双子の姉を助けるため、時を操る魔法を手に、還らずの森へと踏み込む。
エナとティナ ミナの双子の姉。奴隷商人に売られ、行方不明になっていた。
ニナ・ガーデンハート ミナの長姉。ネグラレーナの盗賊ギルドに所属している。
モータス教授 魔法学校のミナの先生だった人物。禁断の時を操る魔法を開発する。
■作品情報
作品名:狂える魔女のゴルジュ
著者:杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
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この物語の主人公は、エルフの少女ミナ。
時を操る力と引き換えに闇エルフとなる、
離れ離れになった兄弟を取り戻すために。
-どれだけ罪を重ねても、愛を裏切らない-
そう決めた彼女の前に姿をあらわすのは、
切り立った断崖のように鋭く過酷な運命。
行く手に立ちはだかる、暗い吸血鬼の森。
愛に全てを捧げた冒険者の旅が、始まる。
(「狂える魔女のゴルジュ」裏表紙より)
****
●作品紹介
ぜろです。
祝! 「狂える魔女のゴルジュ」電子版発売!!
以前から用意していたリプレイでしたが、素晴らしいタイミングでの掲載となりました。
そんなわけで、今回プレイするために手に取った作品、それがこちら「狂える魔女のゴルジュ」です。
この作品、とても興味深く、プレイしたいと強く思うと同時に、始めることにためらいもありました。
それは、この作品の登場人物に起因します。
主人公の名前は、ミナ。
ミナ・ガーデンハート。
実はFT書房の作品には、このガーデンハートの姓は頻繁に登場します。
ニナ・ガーデンハートという人物が、アランツァ世界のあちこちの作品に顔を出しているのです。
ニナ。彼女は、ミナの姉にあたる人物です。
「ガルアーダの塔」「盗賊剣士」といった大作タイトルに、メインキャラクターのひとりとして登場しています。
あるいは、FT新聞では「オレニアックス生物学」にも出演しています。
登場頻度は、ロング・ナリクのコーデリア王女と競うのではないでしょうか。
と、そうやって、ミナのお姉ちゃんがいっぱい活躍しているのが、私が本作を始めるのにためらいがある理由でして。
実は、ニナ・ガーデンハートの活躍する作品を、私、ほとんどまともにプレイしていないのですよ。
その筆頭が「盗賊剣士」です。
この作品は発売当時からしばらく、FT書房の代表作として君臨していた名作中の名作。
にもかかわらず、私がプレイしていないってどういうこと?!
それはリプレイ事情にありまして。
当時、私とは別の方が「盗賊剣士」リプレイをインターネット連載していました。
それで、作品かぶりを避けてタイミングを外そうと考えたんですね。
その方のリプレイを楽しく読ませていただいていたので、記憶が薄れた後にプレイしようとも思っていました。
なーんて考えているうちに年月の流れに押されて完全に時期を逸してしまったわけでして。
その後もニナが登場すると思しき作品は、「盗賊剣士」をプレイした後の方が楽しめそうな気がして、手が出せないまま今に至るというわけです。
「盗賊剣士エクストラ」も「ハンテッドガーデンハート」も非常に気になっております。
で、今回は同じガーデンハート姓でもニナとは違う主人公ということで、あえてニナ登場作品を知らない中で、手を出してみようと思い立ったのです。
そういう背景なので、まっさら新鮮な気持ちでプレイさせていただきますよ。
まず表紙と裏表紙。
ウサギのかわいらしいアクセサリーと、主人公ミナと思しき少女が描かれています。
少女は見たところ、だいぶ幼さを感じさせる印象です。
しかし、ウサギのアクセサリーのかわいらしさと比較して、その表情は悲壮さや覚悟といったものが伝わってきます。
海底キメラさんのイラストはあいかわらず、ほれぼれするほどに素晴らしい。
そして裏表紙にある作品紹介。
「どれだけ罪を重ねても、愛を裏切らない」
非常に重いこのフレーズが、この作品のテーマであり本質なのだということが、一目でわかります。
一行で一文が同じ文字数で完結する文章構成。かなり凝っています。
また、「断崖」に「ゴルジュ」とルビが振ってあることで、タイトルの意味にまで言及しています。
ページをめくると、いきなり内容に入ります。
目次もなく、小見出しもなく、ただ、始まります。
そこにあるのは、主人公ミナの決意表明といった内容でした。
禁じられた、時を操る魔法の時計を持ち、双子の姉を助けようと決意を新たにするミナ。
それは、ミナしか持っていない秘密の道具だといいます。
そしてミナは、自身のことを「罪深い」と語ります。
その罪深さとは何を指しているのでしょうか。時を操ることで、自分に都合の良い結果を引き寄せることに対してのものなのでしょうか。
それとも、唯一無二の魔法の時計を入手するに至った経緯に関係しているのかもしれません。
そして登場人物紹介が。
5人の人物が並んでいますが、そのうち4人がガーデンハート姓です。
1人は主人公のミナ。人間でいうところの15歳くらいとのこと。
そしてティナとエナ。この2人は双子で、ミナの姉です。
今回、ミナの目的はこの双子の姉を助け出すことにあります。
もう1人のガーデンハート姓は、先に名前を挙げていたニナです。こちらもミナにとっては姉にあたります。
ガーデンハート姓ではない残る1人は、モータス。
この人物は、ミナの魔法学校の教師で、時の魔法を開発した人物とのこと。
ミナはどうやら、魔法学校に在籍している、あるいは過去に在籍していたようですね。
しかも自身の教師が、時の魔法を開発した、と。
あれ、でもミナは、時を操る魔法の時計を、「私だけが持つ、秘密の道具」と言っています。
このあたり、気になりますね。何か隠された出来事がありそうです。
ページをめくると、背景の説明が始まります。
それではこのまま、物語へ入っていきましょう。
リプレイの文中では、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。
あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。
●アタック01-1 ガーデンハートの姉妹たち
ボクはミナ。ガーデンハートの七姉妹の末っ子。
最初の自分語りでは「私」で語ってたけど、プレイヤーの人が、「自分の感性に寄せて書きたい!」とかで、ボクっ子になった。
でね、さっき登場人物紹介があって、ボクとほかの3人がガーデンハートって紹介されてたけど、なんとボクは7人姉妹だったんだ。
どう? 驚いた? エルフで7人ってだけでも珍しいのに、そのうえ全部女なんて。
まずはこれから、ボクがどうしてエナティナ……ええと、双子のエナ姉とティナ姉を助けに行くことになったのか、そこから話してこうと思う。
ボクたちは、父さん母さんと姉さんたちと、かづら森で暮らしてたんだ。
その頃のことはぼんやりとしか覚えてない。ボクは末っ子で、まだ小さかったから。
でも、ニナ姉がいっぱいボクの面倒見てくれてたのは覚えてる。ボク、言葉が出るのが遅かったみたいでさ、すごく気づかってもらったみたい。
他の姉さんたちも、いっぱいボクをかまってくれた。
姉さんたちからいっぱいの愛情をもらって、ボクも姉さんたちが大好きだった。
けど、かづら森には住めなくなっちゃった。
トレントって知ってる?
木の形をした動く魔物。森の中で、普通の木に混じって生息するのがトレントのトレンド。
なんでか知らないけど、そのトレントたちが暴走したせいで、ボクたち家族は元々暮らしていた家を壊されてしまった。
トレントたちがその場に居座ったもんだから、元の暮らしに戻るのはもう無理だった。
ボクたち家族は、ほかにエルフが暮らしてる場所を求めて、サン・サレンっていう地方に旅をした。
そこで、エルフの隠れ里に身を寄せることにしたんだ。隠れ里の外れに小さな家を建てさせてもらってね。
でも、そこでの暮らしも長くは続かなかった。
父さんは、ボクたち家族を養うためにサン・サレン名物の遺跡探索に出かけ……戻ってこなかった。
「見捨てられた財宝」ってゲームブックをプレイすれば、サン・サレンの遺跡がどれだけ凶悪なのか、わかると思うよ。命の保証はしないけど。
母さんと姉たち……女ばっかになったボクたちの家を、奴隷商人が襲った。
おかしいって思わない?
エルフの隠れ里のはじっこにある、ボクたちの家だけが狙われたんだよ。
きっと、よそ者をよく思わないエルフたちがいて、奴隷商人を手引きしたんだ。
その夜、ボクは家の2階で、ニナ姉に起こされた。
「なに? にな」
聞き返そうとしたらニナ姉は「しっ」とボクの声をひそめさせた。
空気が変だ。重苦しい。
気配も変だ。階下から、騒がしい声がする。姉たちではない、男たちの声。
ニナ姉がささやいた。
「何者かに襲撃された」
襲撃?
ボクは意味がわからなかった。
襲撃ってなに?
「わからない。押し込み強盗か、奴隷狩りか」
その答えはすぐにわかった。
姉たちが、捕らえられて連れ出されるのがわかったから。
奴隷狩りなんだ。
「おとなしくしとけよ。てめえらの母ちゃんみたいになりたくなければな」
そんな声が聞こえる。母さんの身に、なにかあったんだ。
重大な、取り返しのつかない、なにかが。
ニナ姉を見る。緊張した、真剣なまなざし。
感情を必死に押し殺しながら、それでも神経を研ぎ澄ませているのが、わかる。
「かしら、上の様子も見てきやす」
階段を上がる気配。ニナ姉は素早く反応した。
ボクを抱き上げると、2階の窓から外へ飛び出した。
姉たちを連れ去る入口とは、反対の方角へ。ボクを抱いたまま飛び降りる。
「あ、にげ……!」
「ほっとけ。こんだけいりゃ十分だ」
ニナ姉は、飛び降りた衝撃で足を痛めたみたいだったけど、男たちが深追いしなかったおかげで助かった。
ニナ姉が森ではなく、エルフの隠れ里の中心に向かって走ったのもよかったかもしれない。
けど、隠れ里の誰にも助けを求めることはできず、ボクとニナ姉は家畜小屋の物陰に身を潜めていた。
「大丈夫。奴隷狩りなら、命は取られないから。大丈夫……」
泣きじゃくるボクを、そうなだめるニナ姉。
その時のボクは余裕がなくって全然わからなかったけど、ニナ姉は、きっと自分に言い聞かせていたんだと思う。
●アタック01-2 ネグラレーナでの生活
「ここではもう、暮らせない」
ニナ姉の決断は早かった。
襲撃から一夜明け、家に誰もいないのを確認すると、そっと戻る。
そこでボクたちは、母さんの無惨な亡骸に遭遇した。
けれど、長くその場に居続けるわけにはいかなかった。
遺体が入っていない、父さんの墓碑の隣に、簡単に埋葬した。感覚がマヒしていて、ボクとニナ姉は涙も流さず、淡々と作業をした。
そして最低限の旅の支度を整え、逃げるように旅立ったんだ。ほかのエルフたちにはまったく顔を合わせずに。
旅を続けるうちに、だんだんと感情が戻って来た。
そして、泣いた。そんなボクを、ニナ姉は冷静に諭し、急ぎ足で旅を続けさせた。
ニナ姉には感情がないの? ボクはそんなニナ姉に怒りを覚えた。
でも、そうじゃなかった。
ある夜、寝付けなかったボクは、見たんだ。ニナ姉が、静かに涙をこぼしているところを。
そこでようやくボクは知った。ニナ姉は、ボクのために気丈にふるまってくれているってことを。
ボクは思った。姉たちが連れ去られたのは、ボクのせいだ。
だって、ニナ姉の身のこなしなら、不意打ちすれば、姉たちが逃げる時間が稼げたかもしれない。
ボクがいたから、ニナ姉は自由に動けなかったんだ。ボクがいたから。ボクがいなければ。
一度思わず、ニナ姉に口に出して言ってしまったことがある。
ニナ姉は、「バカなこと言ってるんじゃない」と一蹴したけど、ボクの気持ちは晴れなかった。
ボクは、ニナ姉にも、他の姉たちにも、たくさんの愛情をもらってきた。
けどボクはそんな姉たちに、何も返せていない。
だから、今度はボクの番だ。
きっと、姉たちを助け出す。奴隷狩りなら生きてるって、ニナ姉が言ってたから。
ボクとニナ姉が流れついたのは、ネグラレーナだった。
盗賊都市とも言われる、治安の悪い都市。
ニナ姉は、その身のこなしを生かして、盗賊ギルドに入った。
ニナ姉に、「どうして盗賊ギルドなんかに入ったの?」と尋ねたら、ニナ姉はこう答えた。
「生活のためだけじゃない。妹たちの行方を探すためよ」
よかった。ニナ姉も、ほかの姉たちのことをあきらめてなかったんだ。
生活の場所として、わざわざ治安の悪い盗賊都市を選んだのも、あえて盗賊ギルドなんかに所属したのも、闇の情報を得るための一番の近道だからだ。
ニナ姉は、本気だ。どんな手段を使ってでも、みんなを探すつもりなんだ。
ボクもそうしたい。でも、どうしたらいいんだろう。
ボクにはニナ姉みたいな身軽さはないから、盗賊にはなれない。
姉たちに比べたら、どんくさくって、取り柄がない。
ニナ姉もほかの姉たちも、「一番年下だからそう見えるだけで、成長したら自分たちと同じになるよ」って言ってくれた。
けど、姉たちとの差はいつまで経っても埋まった感じはしなくて、ボクには、いつかそんな日が来るなんて思えなかった。
せめて、ニナ姉の負担にならないようにしないと。
身体能力に自信のないボクが選んだのは、魔法学校。
森での生活では縁のなかった場所だ。だからこそ、姉たちと比較することなく、自由に学べる。
それに、入学試験でそこそこの成績を取れば、奨学金がもらえるから、ニナ姉の負担にもならない。
ボクはニナ姉がギルドの仕事に行ってる間に、湿った本ばかり置いてある、売れない古本屋に通いつめて勉強した。
それで、魔法学校の試験に合格し、奨学金がもらえるようになってから、ニナ姉に報告した。
ニナ姉は半ばあきれていたけど、ボクの選択を認めてくれた。
それでボクは、魔法学校に入学できたんだ。
●アタック01-3 からくり都市と魔法の時計
そうして、10年の月日が流れた。
ニナ姉はがんばったけど、姉たちの行方はぜんぜんわからないままだった。
それに、10年という年月はしがらみを生み、今姉たちの行方がわかっても、ニナ姉は自由に動けそうになかった。
ボクはボクで、魔法学校へ通っていたけれど、初等部の魔法学校は理論ばっかりで、ちっとも楽しくなかった。
ほかの人とあんまりコミュニケーションを取る方じゃなかった。けど、少ないながらも友だちはできたよ。もちろん、楽しいこともあったかな。
どんなに辛い過去があったって、どんなに姉さんたちの身を案じてたって、それをずっと表情に出してじめじめしてるのは、ボクらしくない。そういうの、嫌なんだよね。
強い思いはただ、胸に秘めていればいい。
ボクはとにかく早く、理論じゃない実技をものにしたかった。だからいっぱい勉強して、いい成績を残した。
そうして見事、成績上位者として、他の都市への留学の話をもらうことができた。やったね。
からくり都市チャマイ。
古い建物が立ち並ぶ、歴史ある都市。
そこなら、ネグラレーナとは比べものにならないレベルで魔法を学べるに違いない。
この時もニナ姉は半ばあきれていたけれど、ボクの選択を認めてくれた。
それでボクは、ニナ姉と別れ、からくり都市チャマイの魔法学校に留学したんだ。
期待に満ちた新生活のスタートだったけど、挫折も早かった。
たしかに、ボクの期待どおり、チャマイの魔法学校のレベルは高かった。
高すぎた。
ネグラレーナのレベルが低すぎたのかもしれないけど。
ボクはたちまち、ついていけなくなった。なんてこと。
このままだったら転落コースにまっさかさまだ。
ボクはあきらめた。けど、あきらめなかった。
ボク自身の魔法の力が限界だっていうんなら、ほかのものの力を借りればいい。
そう、魔道具だ。魔道具を使いこなす者だって、立派な魔法使いなんだから。
それでボクは、とんでもないことを考えちゃったんだ。
魔法学校から強力な魔道具を盗み出してしまえ! って。
ぶっちゃけとんでもないよね。
うん。あの時のボクは、正直焦ってた。
成果を出せない自分。流れる年月。姉たちの行方はぜんぜんわからない。
その状況を打破するための、起死回生の一手を!
そんなわけで、留学終了間際の夜、ボクは魔法学校に忍び込んだ。
まさか、まったく同じタイミングで、似たような作戦を立ててる人たちがいるなんて知るよしもなく、ね。
ひっそりした校内で、揺れる灯りとひそひそ声を聞いた時にはびっくりしたよ。
見回りの守衛さんかと思ったけど、そうじゃなかった。だってその会話が、あまりに不穏だったから。
「……じゃあ、すべてバレたってのか」
「ああ。まあ、10年も経てばな。しかしギリギリ間に合った。『禁断の魔法』はほぼ完成している」
「このうえは、不正な会計で検挙される前に、ブツを持って消えるしかないか」
「もとよりそのつもりだ」
声のうち、ひとりは知っている声だった。
モータス教授だ。ボクが師事している教授。でも、昼間の教授とは声のトーンが全然違う。
ええと、教授はやましい研究をしていて、それに学校の経費を横流ししてた、ってことでいいのかな。いいよね。
「魔法の時計はどこに?」
「時計塔にある」
ボクの中に、暗いたくらみが芽生えた。
この『禁断の魔法』の成果、ボクがいただいちゃっても、捕まる可能性は少ないよね。
ボクが盗んでも、魔法学校には痛手はない。だって知らないんだから。学校はただ、モータス教授の経理の不正を追及するだけ。
10年間の研究の成果をボクに奪われる教授は気の毒だけど、不正をして得たお金でやった研究なら、表沙汰にはできないよね。
こんなタイミングは、二度と訪れない。これを幸運と言っていいのか、悪魔に魅入られたと言っていいのかは、わからないけど。
ボクは即断で、教授たちを出し抜くことにした。
次回、魔法の時計を手にしたボクは、世界で唯一の時を操る魔法使いになる。
■登場人物
ミナ・ガーデンハート 主人公。双子の姉を助けるため、時を操る魔法を手に、還らずの森へと踏み込む。
エナとティナ ミナの双子の姉。奴隷商人に売られ、行方不明になっていた。
ニナ・ガーデンハート ミナの長姉。ネグラレーナの盗賊ギルドに所属している。
モータス教授 魔法学校のミナの先生だった人物。禁断の時を操る魔法を開発する。
■作品情報
作品名:狂える魔女のゴルジュ
著者:杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
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2025年8月19日火曜日
『クトゥウルウの聖なる邪神殿』残響 「ローグライクハーフ、僕はこれ強いと思います!」 FT新聞 No.4591
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
『クトゥウルウの聖なる邪神殿』残響
「ローグライクハーフ、僕はこれ強いと思います!」
(中山将平)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
……おはようございます!
クトゥルフ神話要素のあるファンタジーも大好きなイラストレーターの中山将平です。
8月3日にお届けした1人用TRPG『ローグライクハーフ』の新シナリオ「クトゥウルウの聖なる邪神殿」、プレイされたでしょうか。
すでに公開は終了しているものと思われますが、データを個人利用目的でお持ちで、これから遊ぼうという方はぜひお楽しみいただけましたら。
さて、今日はせっかく新しいシナリオを書いたので、たまには特別編としてローグライクハーフについて僕が感じている「これをすると強い」を書きたいと思います。
題して「ローグライクハーフ、僕はこれ強いと思います!」。
ええ、そのまんまですね。
実はこの記事を書こうと思った背景には「僕だけが知ってしまった」ある重要情報があります。
それは、FT書房のホームページへのアクセス数がここ数か月(特に2か月)爆増しているということです!
このことを僕は、「ローグライクハーフをこれから始めたい方も増えているに違いない」と受け取りました。
そういったわけで、ある意味初心者の方にとって最も有益であろうと思うことを書いてみることにしました。
とはいえ、熟練者の方にも楽しんでいただける記事となるよう努めます。
僕はFT書房のメンバーとしてローグライクハーフ(以下RLH)が出来ていく過程をリアルタイムで見てきたと自負しています。
あまりにも知りすぎているかも知れないという想いから、これまでこういう記事を書くことは控えてきました。
しかし今こそ、それゆえに持っている個人的な意見を記事にさせていただきましょう。
今回は全部で3つの情報を提供予定です。
実は、この手の情報はもっと(少なくともあと3つ以上)あるのですが、この記事が万一好評だった場合(ご感想を複数見かけた場合)だけまた書きたいと思っています。
それでは、具体的に見ていきましょう。
◆ 魔法の宝物を売り、魔法の武器や鎧を買う
RLHにおいて、魔法の宝物を売ることができるというルールを、どのくらいの方がご存知でしょうか。
使用していないものの場合、その金額は基本的に金貨60枚。
基本ルールにもしっかり掲載されているのですが、意外と見落としがちなルールだと感じています。
これはお金を貯めるためには絶好の方法ではないでしょうか。
一定以上金貨を貯めると、性能の良い装備が買えます。
はじめは両手武器や板金鎧に目が行くかもしれません。
しかし、本当に強いと感じるのはやはり魔法の武器、魔法の鎧です。
技量点2の戦士が魔法の両手武器を装備した状態を想像していただきたい。
第1ラウンドに行う攻撃ロールは+4の修正を得るはずです。
しかもこの武器は金貨たった75枚で購入可能なのです。
魔法の宝を売ったなら、その他の場面で手に入った金貨と合わせて1回の冒険でも十分入手可能な品ではないでしょうか。
魔法の板金鎧は装備者に「生命点+3、防御ロール+1」の恩恵をもたらします。
こちらは金貨250枚と高額ですが、通常の板金鎧より生命点+1というのは事実上経験点1と同等の価値だと感じられます。
僕はこれらの購入を、後述の「故郷」の購入の次くらいに優先してやりたいことだと感じていました。
◆ 故郷は優先度が高い
次に、魔法の武器や鎧より僕が魅力を感じるお金の使い道である「故郷」について語りたいと思います。
これは、「ローグライクハーフwiki」に掲載されている追加ルールです。
もしご存知ない方はぜひ以下のURLよりご覧いただけましたら。
https://ftbooks.xyz/ftwiki/index.php?%E3%80%8C%E6%95%85%E9%83%B7%E3%80%8D
「故郷」の購入は、キャラクターの物語的な意味でも、装備品や従者の取り置きができる点でも素晴らしいものですが、それ以上に重要と思える点があります。
それは、都市サプリメントを使用できるという点です。
こう言うとすでに気づかれている方もいらっしゃると思いますが、そう、都市サプリメントの使用で購入できる装備品の中には、大変魅力的なものが揃っているのです。
個人的なおススメを書かせていただけるなら、「冒険都市カラメール」(巨大樹の迷宮に収録)の「丸々獣の燻製肉」と「神聖都市ロング・ナリク」(廃城の秘宝に収録)の「清浄の斧槍」(希少な装備品であるため入手が難しく、【筋力点】か【幸運点】のキャラ限定)を挙げると思います。
前者はまさかの副能力値を回復できる食料。これを魔術点6以上のキャラクターが使ったらと思うと、シナリオ作成者としてゾッとします。
後者は【巨大生物】にダメージを与えられるようになる武器。アンデッドに対して攻撃ロールに+1の修正がある両手武器であり、前述の魔法の両手武器と比べても、使いどころがしっかりとある性能だと感じています。
◆ 第0ラウンドを有効利用する
今回の最後に、第0ラウンドの活用についてお話したく思います。
思うに、この第0ラウンドというのも、軽視されてしまいがちなルールなのではないでしょうか。
いわゆる近接戦闘が始まる前の、遠距離武器や魔法が使えるラウンドです。
特に声を大きくしてお伝えしたいのは、なんといっても魔法が使えるという点です。
第0ラウンドに【氷槍】を唱え、第1ラウンドにも【氷槍】を唱えるという恐るべき戦法は、最終イベント等で出会う強いクリーチャーに「攻撃などの行動をされる前に」有無を言わさず4点ものダメージを与えうるのです。(しかも【魔術ロール】による判定のため、魔術点さえ十分高く温存できているのであれば2回ファンブルしない……69.4%程度の確率でこれを成功させうるものと思われます。)
主人公が2人で、どちらも【氷槍】使いという場面を想像していただきたい。
シナリオを作成される方はきっと、【氷槍】が通じない強いクリーチャーを描きたくなることでしょう。
【魔術点】以外のキャラでは第0ラウンドが関係ないかというと、そうではありません。
持ち替えに1ラウンドが必要な「弓矢」という選択肢もありますが、それ以上に「スリング」が猛威を振るいうる点を見逃してはならないと感じています。
なぜなら、「スリング」は片手武器。
一本の腕に片手武器を、もう片方の手にスリングを持てば、第0ラウンドに攻撃したあと持ち替える必要なく第1ラウンドにも攻撃することができるのです。
もちろん第0ラウンドに相手が攻撃してこない場合は、というお話ですが、敵の行動前に主人公が2回攻撃できるのはすごいことではないでしょうか。
弱いクリーチャーに対しては相手の数を減らし、攻撃回数を削りうるものですし。
強いクリーチャーに対しては単純に一気に生命点を奪うことができるわけですし。
◆ 好評だった場合また書きます
つらつらと想いを書いてきましたが、今回はこれくらいにしておこうと思います。
「クトゥウルウの聖なる邪神殿」にレベル16の魔術主人公で挑み、3回目の冒険の最終イベントで「大いなるクトゥウルウ」レベル7生命点9攻撃回数5と対峙するとき、味方の氷槍が第0、第1ラウンドに連続で突き刺さることをお祈り申し上げます。
それでは、よきローグライクハーフ・ライフを。
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『クトゥウルウの聖なる邪神殿』残響
「ローグライクハーフ、僕はこれ強いと思います!」
(中山将平)
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……おはようございます!
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8月3日にお届けした1人用TRPG『ローグライクハーフ』の新シナリオ「クトゥウルウの聖なる邪神殿」、プレイされたでしょうか。
すでに公開は終了しているものと思われますが、データを個人利用目的でお持ちで、これから遊ぼうという方はぜひお楽しみいただけましたら。
さて、今日はせっかく新しいシナリオを書いたので、たまには特別編としてローグライクハーフについて僕が感じている「これをすると強い」を書きたいと思います。
題して「ローグライクハーフ、僕はこれ強いと思います!」。
ええ、そのまんまですね。
実はこの記事を書こうと思った背景には「僕だけが知ってしまった」ある重要情報があります。
それは、FT書房のホームページへのアクセス数がここ数か月(特に2か月)爆増しているということです!
このことを僕は、「ローグライクハーフをこれから始めたい方も増えているに違いない」と受け取りました。
そういったわけで、ある意味初心者の方にとって最も有益であろうと思うことを書いてみることにしました。
とはいえ、熟練者の方にも楽しんでいただける記事となるよう努めます。
僕はFT書房のメンバーとしてローグライクハーフ(以下RLH)が出来ていく過程をリアルタイムで見てきたと自負しています。
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実は、この手の情報はもっと(少なくともあと3つ以上)あるのですが、この記事が万一好評だった場合(ご感想を複数見かけた場合)だけまた書きたいと思っています。
それでは、具体的に見ていきましょう。
◆ 魔法の宝物を売り、魔法の武器や鎧を買う
RLHにおいて、魔法の宝物を売ることができるというルールを、どのくらいの方がご存知でしょうか。
使用していないものの場合、その金額は基本的に金貨60枚。
基本ルールにもしっかり掲載されているのですが、意外と見落としがちなルールだと感じています。
これはお金を貯めるためには絶好の方法ではないでしょうか。
一定以上金貨を貯めると、性能の良い装備が買えます。
はじめは両手武器や板金鎧に目が行くかもしれません。
しかし、本当に強いと感じるのはやはり魔法の武器、魔法の鎧です。
技量点2の戦士が魔法の両手武器を装備した状態を想像していただきたい。
第1ラウンドに行う攻撃ロールは+4の修正を得るはずです。
しかもこの武器は金貨たった75枚で購入可能なのです。
魔法の宝を売ったなら、その他の場面で手に入った金貨と合わせて1回の冒険でも十分入手可能な品ではないでしょうか。
魔法の板金鎧は装備者に「生命点+3、防御ロール+1」の恩恵をもたらします。
こちらは金貨250枚と高額ですが、通常の板金鎧より生命点+1というのは事実上経験点1と同等の価値だと感じられます。
僕はこれらの購入を、後述の「故郷」の購入の次くらいに優先してやりたいことだと感じていました。
◆ 故郷は優先度が高い
次に、魔法の武器や鎧より僕が魅力を感じるお金の使い道である「故郷」について語りたいと思います。
これは、「ローグライクハーフwiki」に掲載されている追加ルールです。
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「故郷」の購入は、キャラクターの物語的な意味でも、装備品や従者の取り置きができる点でも素晴らしいものですが、それ以上に重要と思える点があります。
それは、都市サプリメントを使用できるという点です。
こう言うとすでに気づかれている方もいらっしゃると思いますが、そう、都市サプリメントの使用で購入できる装備品の中には、大変魅力的なものが揃っているのです。
個人的なおススメを書かせていただけるなら、「冒険都市カラメール」(巨大樹の迷宮に収録)の「丸々獣の燻製肉」と「神聖都市ロング・ナリク」(廃城の秘宝に収録)の「清浄の斧槍」(希少な装備品であるため入手が難しく、【筋力点】か【幸運点】のキャラ限定)を挙げると思います。
前者はまさかの副能力値を回復できる食料。これを魔術点6以上のキャラクターが使ったらと思うと、シナリオ作成者としてゾッとします。
後者は【巨大生物】にダメージを与えられるようになる武器。アンデッドに対して攻撃ロールに+1の修正がある両手武器であり、前述の魔法の両手武器と比べても、使いどころがしっかりとある性能だと感じています。
◆ 第0ラウンドを有効利用する
今回の最後に、第0ラウンドの活用についてお話したく思います。
思うに、この第0ラウンドというのも、軽視されてしまいがちなルールなのではないでしょうか。
いわゆる近接戦闘が始まる前の、遠距離武器や魔法が使えるラウンドです。
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第0ラウンドに【氷槍】を唱え、第1ラウンドにも【氷槍】を唱えるという恐るべき戦法は、最終イベント等で出会う強いクリーチャーに「攻撃などの行動をされる前に」有無を言わさず4点ものダメージを与えうるのです。(しかも【魔術ロール】による判定のため、魔術点さえ十分高く温存できているのであれば2回ファンブルしない……69.4%程度の確率でこれを成功させうるものと思われます。)
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なぜなら、「スリング」は片手武器。
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もちろん第0ラウンドに相手が攻撃してこない場合は、というお話ですが、敵の行動前に主人公が2回攻撃できるのはすごいことではないでしょうか。
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2025年8月18日月曜日
編集でしたら緋色まで! FT新聞 No.4590
おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆
今日はFT書房のリーダーとして、メンバーのために記事を書いております!
◆お仕事、ありますか?
FT書房のメンバーは多く、20人以上が所属しています。
そこからアクティブなメンバーを考えるとき、最も活動しているメンバーは私杉本=ヨハネと、売り子でありイラストレーターの中山将平、編集の緋色朱音、FT新聞の編集長である水波流と続いていきます。
今回の記事は編集の緋色朱音のために、書いております☆
◆フリーランスの海へ!
12歳からフリーの編集ソフトを使ってきた経験豊富な緋色ですが、この3年間でInDesignやIllustratorといったAdobeのソフト、つまりは商業出版の会社が使うプロのソフトに習熟して、実力をつけてきました。
FT書房でかれこれ3年間以上の経験を積みつつ、編集の専門書を読み続けてセンスを磨いてきた彼女は、今や立派な実力派です☆
そんな彼女が、この8月以降、フリーランスとして本格的に活動をはじめます!
◆お仕事募集します!!
そうと聞いたら、ひと肌脱ごうと思うのが上司の性(さが)ってやつじゃないですか。
彼女は仕事が早く、マジメで、しっかりと仕事をやり遂げます。
〆切を破ったことは一度もなく、「誰か」に編集の仕事をお願いするなら、彼女以上の相手はいないと、私は断言することができます。
その証拠に、フリーランスになった後も、引き続きFT書房の仕事をお願いすることが決まっています。
今回の記事は、たとえば同人誌の「編集」の部分でつまずいているあなた。
たとえば「ゲームブック」や「ローグライクハーフ」「モンスター!モンスター!TRPG」の本を作りたいと思っているあなたに向けて、書いています。
これほどの適任者が、他にいるでしょうか?
もちろん、そうではないTRPG作品についても、素晴らしいものを作ってくれるでしょう。
編集の仕事は、慣れないと本当に大変です。
時間がひたすらにかかった挙句、そんなに美しくない体裁で終わってしまうこともあります。
緋色に依頼を出すことで、あなたは「作品づくり」そのものに集中することができるのです!
◆これまでの作品。
たとえば「ローグライクハーフ」全作品や日本版の「モンスター!モンスター!TRPG」すべて、ゲームブックでは『狂える魔女のゴルジュ』『単眼の巨獣』『ハンテッドガーデンハート』など、ここ3年間の作品はすべて緋色が手がけています☆
タイトル(題字)も1から作っていまして、私のお気に入りは新刊『エメラルド海の探索』の、走り書きのようなタイトルです。
彼女は本文だけでなく、表紙の題字やレイアウトも手がけてくれるため、FT書房から刊行する作品そのもののレベルを押し上げてきてくれました。
もし、あなたが緋色に編集を依頼するのであれば、ビジュアル面での底上げを確実に実現してくれると、私は確信しています。
◆本人からの挨拶。
今回、緋色朱音本人から文章を預かっております☆
はじめまして、緋色朱音と申します。
このたびフリーランスとして活動をはじめることにいたしました!
私の守備範囲は「冊子」や「ロゴ」「デジタル媒体のデザイン」から「印刷物の制作」まで幅広く対応できます。
特に、「可読性とデザイン性を両立させた紙面づくり」を得意としています。
CoC(クトゥルフ神話TRPG、ホビージャパン)やサイコロ・フィクションシリーズ(冒険企画局)、アリアンロッド(F.E.A.R.)など、2000年代のTRPGを好んでおり、その知見を活かした現代的でスタイリッシュなデザインを武器としてやっていきたいと考えています!
編集の専門家として生きていこうと決めているので、末長く関わっていただけましたらさいわいです。
◆まとめ。
私は緋色朱音という編集者を、自信と責任をもっておすすめします。
責任感があり、仕事が早く、センスがいい。
そして、FT書房での仕事を通じて、この記事を読んでいるあなたが作りたいモノについても、相当詳しい(ことが多い)と、私は確信しています。
興味がおありでしたら、まずは杉本までご連絡ください。
金額等のお話は、直接は聞きづらいというケースも考えられます。
仲介させていただきますが、お金は(私は)いただきませんので、ご安心ください☆
sugimotojohn☆hotmail.com
☆を@に変えて、ご連絡ください。
あるいは、@sugimotojohnのTwitterにDMを送っていただくのでも大丈夫です!
それではまた!
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今日はFT書房のリーダーとして、メンバーのために記事を書いております!
◆お仕事、ありますか?
FT書房のメンバーは多く、20人以上が所属しています。
そこからアクティブなメンバーを考えるとき、最も活動しているメンバーは私杉本=ヨハネと、売り子でありイラストレーターの中山将平、編集の緋色朱音、FT新聞の編集長である水波流と続いていきます。
今回の記事は編集の緋色朱音のために、書いております☆
◆フリーランスの海へ!
12歳からフリーの編集ソフトを使ってきた経験豊富な緋色ですが、この3年間でInDesignやIllustratorといったAdobeのソフト、つまりは商業出版の会社が使うプロのソフトに習熟して、実力をつけてきました。
FT書房でかれこれ3年間以上の経験を積みつつ、編集の専門書を読み続けてセンスを磨いてきた彼女は、今や立派な実力派です☆
そんな彼女が、この8月以降、フリーランスとして本格的に活動をはじめます!
◆お仕事募集します!!
そうと聞いたら、ひと肌脱ごうと思うのが上司の性(さが)ってやつじゃないですか。
彼女は仕事が早く、マジメで、しっかりと仕事をやり遂げます。
〆切を破ったことは一度もなく、「誰か」に編集の仕事をお願いするなら、彼女以上の相手はいないと、私は断言することができます。
その証拠に、フリーランスになった後も、引き続きFT書房の仕事をお願いすることが決まっています。
今回の記事は、たとえば同人誌の「編集」の部分でつまずいているあなた。
たとえば「ゲームブック」や「ローグライクハーフ」「モンスター!モンスター!TRPG」の本を作りたいと思っているあなたに向けて、書いています。
これほどの適任者が、他にいるでしょうか?
もちろん、そうではないTRPG作品についても、素晴らしいものを作ってくれるでしょう。
編集の仕事は、慣れないと本当に大変です。
時間がひたすらにかかった挙句、そんなに美しくない体裁で終わってしまうこともあります。
緋色に依頼を出すことで、あなたは「作品づくり」そのものに集中することができるのです!
◆これまでの作品。
たとえば「ローグライクハーフ」全作品や日本版の「モンスター!モンスター!TRPG」すべて、ゲームブックでは『狂える魔女のゴルジュ』『単眼の巨獣』『ハンテッドガーデンハート』など、ここ3年間の作品はすべて緋色が手がけています☆
タイトル(題字)も1から作っていまして、私のお気に入りは新刊『エメラルド海の探索』の、走り書きのようなタイトルです。
彼女は本文だけでなく、表紙の題字やレイアウトも手がけてくれるため、FT書房から刊行する作品そのもののレベルを押し上げてきてくれました。
もし、あなたが緋色に編集を依頼するのであれば、ビジュアル面での底上げを確実に実現してくれると、私は確信しています。
◆本人からの挨拶。
今回、緋色朱音本人から文章を預かっております☆
はじめまして、緋色朱音と申します。
このたびフリーランスとして活動をはじめることにいたしました!
私の守備範囲は「冊子」や「ロゴ」「デジタル媒体のデザイン」から「印刷物の制作」まで幅広く対応できます。
特に、「可読性とデザイン性を両立させた紙面づくり」を得意としています。
CoC(クトゥルフ神話TRPG、ホビージャパン)やサイコロ・フィクションシリーズ(冒険企画局)、アリアンロッド(F.E.A.R.)など、2000年代のTRPGを好んでおり、その知見を活かした現代的でスタイリッシュなデザインを武器としてやっていきたいと考えています!
編集の専門家として生きていこうと決めているので、末長く関わっていただけましたらさいわいです。
◆まとめ。
私は緋色朱音という編集者を、自信と責任をもっておすすめします。
責任感があり、仕事が早く、センスがいい。
そして、FT書房での仕事を通じて、この記事を読んでいるあなたが作りたいモノについても、相当詳しい(ことが多い)と、私は確信しています。
興味がおありでしたら、まずは杉本までご連絡ください。
金額等のお話は、直接は聞きづらいというケースも考えられます。
仲介させていただきますが、お金は(私は)いただきませんので、ご安心ください☆
sugimotojohn☆hotmail.com
☆を@に変えて、ご連絡ください。
あるいは、@sugimotojohnのTwitterにDMを送っていただくのでも大丈夫です!
それではまた!
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