人称のあれこれ 三人称編
今回も一人称と三人称について語っていこうと思います。今回は特に三人称!
前回、一人称とは主人公がカメラマンをしているようなものだと話しました。では、三人称はどうでしょうか? 前回少し話しましたね。三人称とは、主人公以外がカメラマンをしているものです。
カメラマンが主人公と別の場所に存在するなら、主人公が居ない場所を映すことも可能です。例えばヒロインのスカートの中だって三人称なら描写することができるのです! 一人称でそれを描写するには、主人公が直接スカートの中を覗く必要があります。
さて、三人称を書くうえで守らなければならないルールについて話しましょう。三人称では、地の文で嘘をつくことができません。三人称のカメラマンは正直者なのです。
三人称の地の文では全て真実を書かなければならない。これは制限であると同時にメリットにもなり得ます。真実しか書けないということは、書かれていることに嘘はないということです! いや……何を当たり前のことをと思われるかもしれません。けどこれって一人称だと保証できないことなんですよ。
三人称の地の文に嘘は書かれません。ですから、主人公がヒロインを好きだと書かれたなら、主人公は必ずヒロインのことが好きなのです! ヒロインが主人公を好きだと書かれたなら、ヒロインは必ず主人公のことが好きなのです! これって読み手は安心できるんじゃないですか? 少なくとも三人称の地の文で書かれたことは疑わなくて良い。それが本当のことだと保証されているから。
真実だと保証された情報があれば、読み手はその情報を疑う必要がなく、素直な気持ちで受け入れることができます。実はこのヒロインは主人公のことが好きじゃないのでは? とかハラハラする必要がなくなるというわけです。逆に、ハラハラするからこそ面白い話もありますね。一人称や三人称の特徴を考えて、あなたの物語に、合っていると思う人称を選んでいきましょう。
個人的におすすめは三人称です。あくまで個人的な考えですが、一人称より三人称の方が書けることの幅は広く、制限は緩いと思っています。何度も言いますが、あくまで個人的な考えです。そう念押ししたうえで僕は小説を書いてみようとしている人には三人称から書いてみることを勧めます。
三人称を書く時の、おすすめの書き方なども紹介しておきましょう。よく三人称一元視点と呼ばれるものです。これは、地の文で彼や彼女などと三人称を使いながらも、視点人物を主人公に限定する方法です。三人称にしながらも、主人公の内面や心情を中心にして物語を書いていくわけですね。主人公の内面がしっかりと書かれていきますから、感情移入もしやすいでしょう。視点もある程度固定できますから、視点が散らかるという問題にも強いです。
三人称はせっかくカメラを自由に動かせる人称なのに、それを固定するというのは、三人称の強みを潰しているのではないか? そう考える方も居られるでしょう。実際、カメラマンを自由に動かすことができるという利点は失われます。その代わりに、三人称一元視点って凄く書きやすい書き方なんです。
カメラマンは常に主人公の後ろで撮影をしているイメージ。時々カメラマンが主人公に近づいて、彼あるいは彼女の心の声を録音します。カメラマンは主人公ではありませんから、読み手にとっては正直です。
言い方を変えると視点が常に整理され、情報に嘘偽りはなく、時にはカメラマンから、主人公が知らない情報を補足できる。良いこと尽くめですね。
また、神視点と呼ばれる書き方もあります。一元視点と違いカメラは自由に動かすことができます。壁の向こうだって、あの子のスカートの中だって映すことができますし、人々の心の声も自由に拾えます。ただ、何でもできる分、一元視点よりも難しい書き方になります。少なくとも、僕は神視点では、上手く小説を書くことができません。
おすすめは三人称一元視点です。小説を書きたいと思っているけど、視点に迷っているという方には三人称一元視点での執筆を強く勧めます。
補足ですが、一人称と三人称の他に二人称という書き方も存在します。地の文の多くであなたと書かれるような小説ですね。これは非常に特殊な書き方となりますので、あまり覚える必要はないかもしれません。上級者向けのテクニックの一つという印象でしょうか。
人称の世界は奥が深いです。詳しい人は僕なんかよりずっと多くのことを語れると思います。それでも人称について話したのは、人称が小説を作るうえでの切っても切れない要素だからです。是非、僕以外の方の意見も聞く機会があれば、聞いてみることをお勧めします。きっと興味深く、面白いですよ!
さて、次回の予定は未定です。また近いうちに、小説の書き方に関する情報を発信していきたいと思っています。そして、それが受け手にとって有益な情報だと良いなと思ったりもします。あくまで僕個人の考えの紹介ですけど、誰かの役に立って欲しいのです。


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