事業を停止し、破産申請の準備に入った牛津蒲鉾の事務所=1日夕、小城市牛津町

 ちくわなどの練り物製品製造の牛津蒲鉾(小城市牛津町、岩本豊代表)が1日、事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。帝国データバンク佐賀支店によると、負債額は2024年8月末時点で約10億4200万円が見込まれ、県内の負債額10億円以上の大型事案は、20年(福祉施設運営会社、約12億6千万円)以来、5年ぶりとなる。

 代理人弁護士によると、従業員は67人。会社から同日、全員解雇が告げられたという。

 35年近く働いたという50代の男性従業員は「人件費や原材料費が上がっており、経営もうまくいっていない状況はみんな感じていて、驚きはなかった」と淡々と振り返り、「地場スーパーは減り、県外資本のスーパーが増えて地元企業を大事にする店も減った。薄利多売で利益も乗せられていなかった」と明かした。

 帝国データバンク佐賀支店、東京商工リサーチ佐賀支店によると、同社は1934年に創業し、72年に法人化。すり身天ぷらやかまぼこなどの練り物製品を製造し、自社ブランドの他、相手先ブランドによる生産(OEM)も展開した。2007年8月期は売上高約13億2600万円を計上したが、競合激化や原材料費高騰などで収益が悪化。設備投資による負担や不良債権発生もあって累積損失を抱え、県中小企業活性化協議会の支援を受けて事業再建を模索したが、めどが立たなかった。(福本真理)