世田谷 女性死亡 交際相手だった男の容疑者を殺人の疑いで逮捕

1日、東京 世田谷区の路上で40歳の女性が首から血を流して倒れているのが見つかり、その後死亡した事件で、警視庁は女性を刃物で切りつけるなどして殺害したとして、交際相手だった30歳の男の容疑者を殺人の疑いで逮捕しました。

逮捕されたのは、韓国籍で住所・職業不詳のパク・ヨンジュン容疑者(30)です。

警視庁によりますと、1日午後1時半すぎ、東京 世田谷区野沢の路上で、韓国籍で東京 港区に住むバン・ジ・ウォンさん(40)が血を流して倒れているのが見つかりました。

首に刃物で切りつけられたような傷があったということで、病院に搬送されましたがその後死亡しました。

現場から男が逃走したという目撃情報があり、警視庁が行方を捜査していたところ、1日夕方、逃走したとみられるパク容疑者が羽田空港にいるのが見つかったということです。

警視庁は、女性が倒れていた現場の近くにある事務所の敷地内で女性を刃物で切りつけるなどして殺害したとして、殺人の疑いで逮捕しました。

警視庁によりますと、容疑者はことし4月から被害者の女性と交際していたとみられ、女性は8月29日、「別れ話をしたら暴力を振るわれた」などとして都内の交番に相談に訪れていました。

警視庁は女性を安全な場所に避難させた上で、容疑者に対し口頭で指導を行うとともに、帰国するよう促していたということです。

事件の現場となった場所は女性が仕事で訪れていたとみられるということで、警視庁が詳しいいきさつを調べています。

容疑者は調べに対し黙秘しているということです。

現場近くにいた男性 “突然悲鳴が聞こえた”

当時、現場近くのフォトスタジオにいたカメラマンの30代の男性によりますと、被害者の女性は事件の直前までフォトスタジオで仕事関係の撮影に臨んでいたということです。

そして、休憩のためいったんスタジオを出た後、突然悲鳴が聞こえたということです。

男性は「急いで見に行ったところ大量の血が見えたので、救急車を呼びました。はじめは何が起きたのか分からず、女性が階段から落ちて頭を打ったのかと思いました。フレンドリーに接してくれる人で、一緒にいい写真を撮りたいと思っていたのに、こんなことになって悲しいです」と話していました。

女性からの相談と対応の経緯

警視庁によりますと、被害者の女性は8月29日の未明に東京 港区の交番を訪れ、交際相手だった容疑者について「別れ話をしたら暴力を振るわれた」などと相談していました。

警視庁は双方から話を聞きましたが、客観的な証拠が乏しい上、女性は被害届を提出しなかったということです。

このため、防犯指導を行った上で女性を容疑者が知らない安全な場所に避難させる対応を取りました。

一方、容疑者に対しては女性に連絡を取ったり近づいたりしないよう、口頭で指導を行ったとしています。

その際、容疑者は「大阪に行く」と話したため、警察官が東京駅まで付き添い、見送ったということです。

しかし、その翌日の8月30日、女性の自宅マンション付近で「不審者がいる」と110番通報があり、警察官が駆けつけたところ、容疑者がマンションの周辺をうろついているのが見つかりました。

警視庁は容疑者に対して再び口頭で指導を行うとともに韓国へ帰国するよう促し、30日の午後1時ごろ、成田空港の保安検査場を通過するまで見届けたとしています。

事件が起きたのはその2日後で、保安検査場を通過して以降の容疑者の足取りはつかめていなかったということです。

今回の対応について、警視庁の人身安全対策課は「現時点で、警察としては被害者の意向を踏まえつつ、安全確保に向けた措置を講じたと考えているが、事件に至る経緯などについては今後の捜査で解明されるものと考えている」とコメントしています。

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